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介護職の転職でありがちな失敗例と、後悔を防ぐポイント5つ

介護職の転職でありがちな失敗例と、後悔を防ぐポイント5つ

介護職の転職で失敗する原因は、職場に対する印象が面接時と入社後で大きく異なっていたことにあります。転職で失敗しないためにも、面接の段階で気になることは全て確認しておくことが大切です。(コラム:古畑佑奈)


介護職の転職でありがちな失敗例と対策方法とは

転職には時間も労力もかかるため、失敗は避けたいと誰もが思っていると思います。ところが、「転職に失敗してしまった」と感じる人も少なくないのが現状です。では、どうして失敗がおこってしまうのでしょうか。今回は、介護職の転職で失敗してしまう理由や背景を、事例をもとに考えていきましょう。

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介護職の転職失敗者を生み出す背景

介護職の離職理由1位は「職場の人間関係に問題があったため」

介護労働安定センターがまとめた調査結果によると、介護職を離職した人のうち約6割が勤続3年未満で仕事を辞めています。また、その4割は1年未満となっていることから、介護職の離職率をあげているのは勤続年数の短い人が多いということがわかります。ではなぜ、勤続年数が短い人の離職が目立っているのでしょうか。

介護職の離職理由で最も多いのは、「職場の人間関係に問題があったため」です。さらに、とくに入所系施設で人間関係の悩みを抱える人が多いという結果が出ています。具体的な悩みの理由として、「部下の指導が難しい」「ケアの方法等についての意見交換が不十分である」「自分と合わない上司や同僚がいる」がともに3割近い回答となっています。(資料:介護労働安定センター 2018年度「介護労働の現状について」を参照)

それらの理由について考えてみましょう。

◆部下の指導が難しい

この理由を見ると、新人指導に悩む上司が多いことがわかります。

◆ケアの方法等についての意見交換が不十分

この理由の背景には、職場で介護の技術や知識を学ぶ機会が不十分なために、職員間で統一したケアが行われていない可能性も考えられます。
そのため、新入社員や勤務年数の浅い人から、「指導方法が上司によってバラバラで対応に困った」という声が上がる施設や事業所もあることが理解できます。

◆自分と合わない上司や同僚

この理由の背景には、職員間のコミュニケーション不足があると考えられます。この状況を改善するには、定期的なミーティングや意見交換会などを実施したり、新人の指導担当やアドバイザーを置いたりすることが有効だと考えられます。

また、上位に挙げられる離職理由以外の対策も含め、職員の早期離職防止や定着促進に取り組む施設・事業所も少しずつ増えてきています。しかし、この取り組みが良い結果をもたらすのには、まだ時間がかかるでしょう。

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介護職の転職で起こりがちな失敗例、後悔してしまう例

では、介護職の転職でありがちな失敗にはどのようなものがあるでしょうか。ここでは、実際によくみられる転職の失敗例について詳しく見ていきましょう。

面接時に希望していた施設と違う施設への配置

複数の施設形態を持つ事業所でよくあるのが、面接時に希望していた施設と違う施設への配置です。法人単位での面接となる場合には、「希望の施設に配属されるかどうかはわかりません」といわれることがあります。もしあなたが面接でそのようにいわれたときには、「希望の施設に配属されないかもしれない」と考えることもできるでしょう。

しかし、気を付けたいのは施設単位での面接となった場合です。施設単位で求人が行われている場合、同じ法人で他に施設があることに気付かない人もいます。そのため、合格の連絡をもらったときに他の施設への配属を打診され、「聞いていない」と不満を感じるという例もあります。

また、研修のみ別の施設で行うという施設や事業所の場合も注意が必要です。研修した施設で人員不足がある場合には、「人手が足りないからもう少しこちらの施設でお願いします」と、希望していた施設への配置が引き延ばされたというケースもあります。複数の施設形態を持つ事業所の場合には、他にどのような施設があるかを事前に確認して、希望施設以外への配属があるのかどうかも確認しておいた方が安心です。

「マイナビ福祉・介護のシゴト」では、施設単位の求人を提供しているので、思いもしなかった施設で働くことになった、という失敗は防ぐことができるでしょう。

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聞いていた勤務体制や待遇面が実際と違っていた

事前に確認していたはずの勤務体制や待遇面が実際に働いてみると違った、ということも介護職の転職でよくみられる失敗のひとつです。ありがちな例には次のようなものがあります。

◆休みの希望は3つまで出せると聞いていたのに、実際には希望が出しにくい状況だった

配属された部署で人員が不足している場合、スタッフ全員の希望を全て聞くとシフトが組めず仕事が回らないことがあります。求人がいつまでも出ている施設や事業所に多く見られます。

◆夜勤ができないことを了承してもらったうえで入社したのに、数か月で夜勤を打診された

施設によっては、面接官と直属の上司で連携が取れていない場合があります。できない勤務体制がある場合には、配属された段階で上司に伝えておくと、このようなトラブルを回避できます。

◆ボーナスは4ヵ月分と聞いていたのに、思っていたよりずっと少ない額だった

総支給額を見てボーナスを計算していた場合に起こりがちな失敗です。求人票には、基本給と諸手当が記入されています。ボーナスは基本給を基準として計算されるため、総支給額だけでなく基本給もしっかり確認しておきましょう。

この失敗要因についても「マイナビ福祉・介護のシゴト」では職種や勤務形態ごとの求人を提供しているので、条件もきちんと確認できます。働き出してから条件が違ったことによるトラブルは避けられるでしょう。さらに、面接時に条件を改めて確認しておくと安心です。

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人間関係になじめなかった

転職したものの職場の人間関係になじめなかったという話は、介護職の転職でよく聞かれる失敗のひとつです。
人間関係になじめない理由にはさまざまな原因があるものの、もともと職場の人間関係が悪い場合や派閥ができて疎外感を感じたという例も少なくありません。

また、女性の多い職場であることから、男性が周りの女性職員に気を使いすぎて心身ともに疲れてしまい、早期に離職してしまう例もあります。
こうした事態を防ぐためには、見学をして職場全体の雰囲気やそこで働く職員の様子を感じておくようにしましょう。

スキルアップできる環境ではなかった

介護の現場はどの施設も人手不足の状況です。
言い換えれば、日々の業務にそれぞれが追われているので、新人教育や転職してきた職員への教育に時間が確保をすることが難しい場合もあります。
当然、しばらくは先輩職員の作業を手伝いながら施設での作業を覚えることになりますが、介護職から介護職に転職してきた職員にとっては、「以前の作業手順のほうが効率的だ」「介護の考え方、ケアの方法が以前とは異なるので、意見交換をしたい」と考えていても時間が取れないためにストレスがたまることにもなります。

こうした思いは継続すると施設への不満、他のスタッフへの不満となり、離職につながるケースもあります。
転職を考える際は、職場の見学を申込み、職員たちが働く様子や新人教育への取組みなどを実際にみておくと良いでしょう。

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介護職への転職に失敗・後悔しないためには?

面接時に給与額や勤務体制をきちんと確認する

介護職の転職が失敗する背景には、面接時に必要なことをしっかりと確認しておかなかったことが原因となるケースがあります。

給与額や勤務体制は聞きにくい項目ではあるものの、働く人にとっては大変重要な項目のひとつです。あとから「こんなはずではなかった」とならないためにも、面接の際にきちんと確認しておきましょう。

職場見学をして雰囲気をつかんでおく

職場見学をさせてもらいましょう。
職場見学のほんのわずかな時間では、職場の状況など何もわからないと思われがちですが、職員や利用者の表情・言葉遣いなどをよく観察してみると、その職場の雰囲気をある程度感じ取ることができます。

また、事前に職場を見ておくことで入職に対する不安が和らぐという人もいます。さらに、職場見学を希望する前向きな姿勢が良い評価につながることもあるため、職場見学をしておいて損はありません。

面接は1施設に絞らず複数の施設と比較する

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