本日の一問一答
領域:総合問題
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Kさん(80歳、女性)は夫が亡くなった後、自宅で一人暮らしをしていた。ある日、一人娘のLさんが訪ねると、ごみが散乱しており、冷蔵庫の中には古くなった食材がたくさん入っていた。
変化に驚いたLさんはKさんと病院を受診したところ、認知症(dementia)と診断された。Lさんは、Kさんに家庭的な雰囲気の中で生活をしてほしいと考えた。その結果、Kさんは認知症対応型共同生活介護(グループホーム)を利用することになった。
入居して1週間が経過し、Kさんと関わったM介護福祉職は、Kさんは短期記憶の低下により、最近の出来事については話すことは難しいが、自分が学校に通っていた頃の話や、子どもの頃に歌っていた歌については生き生きと話すことを確認した。
ある日、M介護福祉職がKさんの入浴介護を行っていたところ、手のひらや指の間に赤い丘疹(きゅうしん)を確認した。M介護福祉職がKさんに、「かゆくないですか」と聞くと、「かゆい」と答えた。そのため、病院を受診したところ、角化型疥癬(かくかがたかいせん)(hyperkeratotic scabies)と診断された。
Kさんへの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.入浴後の洗濯物は、ビニール袋に入れて運ぶ。
2.マスクを着けてもらう。
3.個室に隔離する必要はない。
4.介護は素手で行う。
5.ほかの利用者よりも先に入浴してもらう。
解答と解説
■解答
1.入浴後の洗濯物は、ビニール袋に入れて運ぶ。
■解説
1.(○)角化型疥癬の感染経路は、感染者との直接接触や、汚染された物品などを介した接触感染です。衣服や寝具を介して間接的に感染する可能性があるため、感染者の洗濯物はビニール袋に入れて運ぶことが適切です。
2.(×)マスクが有効であるのは、感染経路が飛沫感染の場合です。
3.(×)角化型疥癬は非常に感染力が強いため、感染者は個室隔離とし、施設内感染を予防する必要があります。
4.(×)介護を行う際は、標準予防策に接触予防策を追加し、使い捨て手袋やガウンを着用することが適切です。
5.(×)他の利用者への感染リスクを考慮して、入浴は最後にすることが適切です。足拭きマットやタオルの共用は絶対に避けます。
ささえるラボ編集部です。
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