本日の一問一答
領域:認知症の理解
Bさん(80歳、女性、要介護2)は、1年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)の診断を受け、服薬を継続している。同居の息子は日中不在のため、週に3回、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用し、訪問介護員(ホームヘルパー)と共に活発に会話や家事をしていた。不眠を強く訴えることが増えたため、1週間前に病院を受診したときに息子が主治医に相談した。その後、午前中うとうとしていることが多くなり、飲水時にむせることがあった。歩くとき、ふらつくようになったが、麻痺(まひ)はみられない。バイタルサイン(vital signs)に変化はなく、食欲・水分摂取量も保たれている。
訪問介護員のBさんと息子への言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.「日中は横になって過ごしたほうがよいでしょう」
2.「歩行機能を保つためにリハビリを始めませんか」
3.「嚥下障害(えんげしょうがい)が起きてますね」
4.「処方薬が変更されていませんか」
5.「認知症(dementia)が進行したのでしょう」
解答と解説
■解答
4.「処方薬が変更されていませんか」
■解説
1.(×)日中横になって過ごしてしまうと、活動性が低下し、昼夜逆転が生じるなど、認知症が進行する原因となります。
2.(×)受診後に突然それまではみられなかったふらつきが生じているため、原因は歩行機能の低下ではないと考えられます。
3.(×)嚥下障害が生じている可能性があったとしても、介護福祉職が病名や障害名を断定することは不適切です。
4.(○)受診をきっかけとして、午前中の傾眠や飲水時のむせ、歩行時のふらつきが生じています。不眠症状を訴えたことで、改善を目的とした睡眠導入薬が処方されている可能性が高く、処方薬を確認することが適切です。
5.(×)受診後の変化は、認知症の進行を示すものではありません。また、介護福祉職が疾患の進行に関して断定することは不適切です。
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