本日の一問一答
領域:総合問題
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Aさん(10歳、男性)は、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)であり、多動で発語は少ない。毎日のように道路に飛び出してしまったり、高い所に登ったりするなど、危険の判断ができない。また、感情の起伏が激しく、パニックになると止めても壁に頭を打ちつけ、気持ちが高ぶると騒ぎ出す。お金の使い方がわからないため好きなものをたくさん買おうとする。
現在は、特別支援学校に通っており、普段の介護は母親が一人で担っている。
Aさんのサービス利用開始から6か月が経ち、支援の見直しをすることになった。Aさんの現状は、散歩では周囲を気にせず走り出すなど、まだ危険認知ができていない。介護福祉職はルールを守ることや周りに注意するように声かけをするが、注意されるとイライラし、パニックになることがある。
一方で、スーパーではお菓子のパッケージを見て、硬貨を出し、長時間その場から動こうとしない。介護福祉職は、Aさんがお菓子とお金に注目している様子から、その力を引き出す支援を特別支援学校に提案した。
介護福祉職が特別支援学校に提案した支援の背景となる考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.エンパワメント(empowerment)
2.アドボカシー(advocacy)
3.ピアサポート(peer support)
4.ノーマライゼーション(normalization)
5.インクルージョン(inclusion)
解答と解説
■解答
1.エンパワメント(empowerment)
■解説
1.(○)エンパワメントは、その人が本来持っている能力を最大限に引き出し、自身で問題解決することで生活や環境をよりコントロールできるようにしていくことです。
2.(×)アドボカシー(権利擁護)は、意思表示が困難な人の利益やQOL向上のために、援助者が主張や要望を代弁することです。
3.(×)ピアサポートは、同じような立場や境遇にある人たちが、感情を共有することで安心感や自己肯定感を得ることです。
4.(×)ノーマライゼーションは、障害の有無や年齢、性別などに関係なく、すべての人が尊重され、地域社会の中で普通に生活することができる社会の実現をめざす理念です。
5.(×)インクルージョン(社会的包摂)は、社会から排除されている貧困者や失業者、ホームレスなど、すべての人々を社会的摩擦などから援護し、社会の構成員として包み支え合うことです。
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