第35回介護福祉士国家試験 対策問題(総合問題)
■問題
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Cさん(83歳、女性)は、一人暮らしで、近所に買い物に行く以外はテレビを見て過ごしている。近県に息子がいるが、仕事が忙しく、会いに来ることはあまりなかった。
ある日、息子が久しぶりに訪問すると、部屋の中がごみや衣類などで散らかっていた。病院を受診するとCさんはアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断され、要介護1と認定された。
Cさんは、時々、電気湯沸しポットの使い方がわからなくなって湯が出せなかったり、お茶を入れる順番がわからずに混乱する様子が見られた。
心配した息子は、介護保険サービスを利用することにした。後日、介護支援専門員(ケアマネジャー)が訪問し、介護保険サービスの利用についてCさんや息子と話し合った。週2回、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになり、介護支援専門員は、「自宅で、衛生的な生活ができる」をケアプランの長期目標とした。
Cさんは、たびたび息子に電気湯沸しポットが壊れていると訴えるようになった。
Cさんのこのような状態に該当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。
1.空間認知障害
2.視覚認知障害
3.遂行機能障害
4.失認
5.観念運動失行
解答と解説
■解答
3.遂行機能障害
■解説
1.(×)空間認知障害は、物体間の距離や位置関係の把握が難しくなる障害です。
2.(×)視覚認知障害は、視力低下や器質的障害がないにもかかわらず、物体の形を認識することが困難になる障害です。実在するものが別のものに見えたり、存在しないものが見えたりします。
3.(○)遂行機能障害は、物事を順序立てて実行することが難しくなる障害です。Cさんは電気湯沸しポットの使い方が分からなくなって湯が出せなかったり、お茶を入れる順番が分からずに混乱したりといった様子が見られることから、遂行機能障害であると考えられます。
4.(×)失認は、感覚機能の障害がないにもかかわらず、目で見ているものや、聞こえている音、触っているものなどが分からなくなる障害です。該当する感覚機能に応じて、視覚失認、聴覚失認、触覚失認と呼ばれます。
5.(×)観念運動失行は、運動機能に障害がなく、言われたことを理解しているにもかかわらず、歯磨きなど社会習慣性の高い動作が再現できなくなる障害です。
ささえるラボ編集部です。
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