■
次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Dさん(70歳、男性)は、19歳のときに統合失調症(schizophrenia)を発症し、入退院を繰り返しながら両親と一緒に生活してきた。両親が亡くなったことをきっかけとして不安に襲われ、妄想や幻聴の症状が強く現れるようになった。そのため、兄に付き添われて精神科病院を受診し、医療保護入院となった。 現在は、入院から3年が経過し、陽性症状はほとんどなく、病棟で日中はレクリエーションに参加するなど落ち着いて生活している。 1年前からDさんの退院について検討が行われてきた。Dさんは退院後の生活に対する不安があり、「帰る家がない」、「顔見知りの患者や職員がいるのでここを離れたくない」と退院には消極的であった。しかし、Dさんと仲のよい患者が、退院し施設入所したことをきっかけに退院を考えるようになった。 Dさんは、整容、入浴、排泄(はいせつ)、食事、移動は見守りがあればできる。また、介護福祉職の助言を受ければ、日用品などを買うことはできる。経済状況は、障害基礎年金2級と生活保護を受給している。要介護認定を受けたところ、要介護1と認定された。 Dさんの退院先の候補になる施設として、最も適切なものを1つ選びなさい。 1.養護老人ホーム 2.老人福祉センター 3.更生施設 4.地域生活定着支援センター 5.介護老人福祉施設
■
■
1.(○)養護老人ホームは、身体的には自立しているものの、環境的・経済的に在宅生活が困難な65歳以上の高齢者を養護し、社会復帰を促す施設です。Dさんは70歳であり、日常生活動作(ADL)の状況や、障害基礎年金2級と生活保護を受給していることなどから、退院先の候補として最も適切です。 2.(×)老人福祉センターは、地域の高齢者に対して、無料または低額で各種の相談に応じたり、健康増進、教養の向上、レクリエーションのための便宜を総合的に提供したりする施設です。 3.(×)更生施設は、心身上の理由から養護や生活指導を必要とする要保護者が生活扶助を受けるための、生活保護法に基づいた施設です。 4.(×)地域生活定着支援センターは、刑務所などの矯正施設を退所した自立困難な高齢者や障害者を対象とする支援施設であり、都道府県により設置されています。 5.(×)介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)は、要介護度3以上の人が対象となります。
■
次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Dさん(70歳、男性)は、19歳のときに統合失調症(schizophrenia)を発症し、入退院を繰り返しながら両親と一緒に生活してきた。両親が亡くなったことをきっかけとして不安に襲われ、妄想や幻聴の症状が強く現れるようになった。そのため、兄に付き添われて精神科病院を受診し、医療保護入院となった。 現在は、入院から3年が経過し、陽性症状はほとんどなく、病棟で日中はレクリエーションに参加するなど落ち着いて生活している。 Dさんは施設への入所が決まり、うれしそうに退院の準備をするようになった。ある夜、1人で荷物の整理をしていたときに転んでしまい、顔を強打して大きなあざができた。後遺症はないことがわかったが、Dさんは自信をなくし、介護福祉職に、「これでは施設も自分を受け入れてくれないだろう」と言い、「施設入所がうれしくて早く準備がしたかった」と話した。 そばに寄り添い、Dさんの話を聴き終えた介護福祉職が、「施設入所がうれしくて、早く準備をしたかったのですね」と言うと、Dさんは、「退院を諦めていたけど、自分にも暮らせる場所があると思った」とやりたいことや夢を語り出した。 介護福祉職が行ったコミュニケーション技術として、最も適切なものを1つ選びなさい。 1.あいづち 2.言い換え 3.要約 4.繰り返し 5.閉じられた質問
■
■
1.(×)あいづちは、相手の話に対して、うなずいたり、肯定的な声をかけたりして、調子を合わせることです。 2.(×)言い換えは、相手が話した内容を、別の言葉で言い直すことです。 3.(×)要約は、相手の話の内容や気持ちを整理して簡潔にまとめることです。 4.(○)繰り返しとは、相手の話した言葉の一部または全部をおうむ返しする技法です。重要だと思われる部分を繰り返すことで、共感や受容の態度を示すことができます。設問の事例では、Dさんの話した内容を復唱していることから、繰り返しのコミュニケーション技術を行ったと考えられます。 5.(×)質問法には、開かれた質問(open-question)と閉じられた質問(closed-question)があります。閉じられた質問は、「はい/いいえ」または「明確な1つの答え」で簡潔に答えることができる質問方法を指します。
■
次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Eさん(35歳、男性)は、1年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と診断された。当初の症状としては、ろれつが回らず、食べ物の飲み込みが悪くなり、体重の減少がみられた。 その後、Eさんの症状は進行し、同居している両親から介護を受けて生活をしていたが、両親の介護負担が大きくなったため、障害福祉サービスを利用することになった。障害支援区分の認定を受けたところ、障害支援区分3になった。Eさんは訪問介護員(ホームヘルパー)から食事や入浴の介護を受けて自宅で生活をしている。 Eさんが病院を受診するきっかけになった症状に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 1.対麻痺(ついまひ) 2.単麻痺(たんまひ) 3.球麻痺(きゅうまひ) 4.安静時振戦 5.間欠性跛行(かんけつせいはこう)
■
■
1.(×)対麻痺は、両側の下肢が麻痺している状態です。胸より下の脊髄損傷が主な原因となります。 2.(×)単麻痺は、左右どちらかの上肢または下肢(一肢のみ)が麻痺している状態です。末梢神経障害が主な原因となります。 3.(○)球麻痺では、構音障害や嚥下障害、呼吸障害などが生じます。延髄における脳神経核の障害が主な原因であり、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の症状の一つです。 4.(×)安静時振戦は、安静時に本人の意思と無関係に生じる四肢の小刻みな震えであり、パーキンソン病の四大症状の一つです。 5.(×)間欠性跛行は、一定の距離を歩くと足の痛みやしびれが生じ、歩行の継続が困難になる状態であり、短時間の休憩で症状が軽快することが特徴的です。閉塞性動脈硬化症や腰部脊柱管狭窄症などが主な原因となります。
■
次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Eさん(35歳、男性)は、1年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と診断された。当初の症状としては、ろれつが回らず、食べ物の飲み込みが悪くなり、体重の減少がみられた。 その後、Eさんの症状は進行し、同居している両親から介護を受けて生活をしていたが、両親の介護負担が大きくなったため、障害福祉サービスを利用することになった。障害支援区分の認定を受けたところ、障害支援区分3になった。Eさんは訪問介護員(ホームヘルパー)から食事や入浴の介護を受けて自宅で生活をしている。 ある日、Eさんの自宅を訪問した訪問介護員は、Eさんの両親から、「これまでEは話をするのが難しく、筆談で意思を聞いてきたが、ペンを持つのが難しくなってきた」と聞いた。確かにEさんは、発話や字を書くことは困難な様子だが、目はよく動いている。 次のうち、今後、Eさんが家族とコミュニケーションをとるときに使うことのできる道具として、最も適切なものを1つ選びなさい。 1.ホワイトボード 2.絵や写真 3.透明文字盤 4.拡声器 5.補聴器
■
■
1.(×)「ペンを持つのが難しくなってきた」という情報から、ホワイトボードを利用した筆談は困難であると考えられます。 2.(×)絵や写真を用いたコミュニケーションも可能ではありますが、意思伝達の内容が狭い範囲に限定されてしまいます。Eさんは発語が困難なだけで、自分の意思を言語化することはできるため、最適な方法とはいえません。 3.(○)透明文字盤は、五十音表や「はい/いいえ」が書かれた透明な板で、目の動きやまばたきにより文字を示すことで意思表示が可能となる支援機器です。筋萎縮性側索硬化症(ALS)で目の機能は障害されないため、Eさんのコミュニケーションを支援する道具として適しています。 4.(×)拡声器は声を大きくするための道具であり、発語が困難なEさんには向きません。 5.(×)補聴器は聴覚障害を有する人とのコミュニケーションに用いられますが、ALSで聴覚の異常は生じません。
■
次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Eさん(35歳、男性)は、1年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と診断された。当初の症状としては、ろれつが回らず、食べ物の飲み込みが悪くなり、体重の減少がみられた。 その後、Eさんの症状は進行し、同居している両親から介護を受けて生活をしていたが、両親の介護負担が大きくなったため、障害福祉サービスを利用することになった。障害支援区分の認定を受けたところ、障害支援区分3になった。Eさんは訪問介護員(ホームヘルパー)から食事や入浴の介護を受けて自宅で生活をしている。 3年後、Eさんの症状はさらに進行し、障害支援区分6になった。Eさんはこれまでどおり、自宅での生活を希望し、Eさんの両親は障害福祉サービスを利用しながら最期まで自宅でEさんの介護を行うことを希望している。 Eさんと両親の希望の実現に向けて、現在の状態からEさんが利用するサービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。 1.育成医療 2.就労定着支援 3.共同生活援助(グループホーム) 4.行動援護 5.重度訪問介護
■
■
1.(×)育成医療は自立支援医療であり、対象は18歳未満の身体障害児となります。 2.(×)就労定着支援は訓練等給付で、一般就労した障害者が対象となります。就労先の環境や業務内容などに順応し、定着を図るための支援です。 3.(×)共同生活援助(グループホーム)は訓練等給付であり、共同生活を営む住居に入居している障害者が対象となります。Eさん本人も両親も自宅での生活を希望しているため、マッチしません。 4.(×)行動援護は介護給付であり、一人での行動が困難な障害者を対象として、主に外出時の支援を行うものです。 5.(○)重度訪問介護は介護給付であり、重度の障害者に対して、訪問介護員が居宅介護から外出時の援助まで総合的な支援を提供します。障害支援区分6と最も重い区分であるEさんが自宅での生活を希望していることから、重度訪問介護が最も適切なサービスとなります。
■
次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Fさん(50歳、女性、障害支援区分5)は、アテトーゼ型(athetosis)の脳性麻痺(のうせいまひ)(cerebral palsy)による四肢・体幹機能障害がある。居宅介護を利用し、入浴の支援を受けながら母親(79歳)と暮らしていた。Fさんは障害基礎年金1級を受給していて、Fさん名義の貯蓄がある。金銭管理は母親が行っていた。 Fさんは、3年前に誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)(aspiration pneumonia)で入院したことがある。言語障害があり、慣れた人でないと言葉が聞き取りにくい。自宅では車いすに乗り、足で床を蹴って移動し、屋外は母親が車いすを押していた。Fさんは自宅内の移動以外の日常生活については、母親から全面的に介護を受けて生活していた。 最近、日中活動の場と短期入所(ショートステイ)の利用について、市の障害福祉課に相談するようになった。 ところが、母親が持病の心疾患(heart disease)で亡くなり、市の障害福祉課がFさんと当面の生活について検討することになった。 Fさんは1人で生活することは難しいと思い、施設入所を希望している。 Fさんの脳性麻痺の特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。 1.強い筋緊張から、四肢の突っ張りが強い。 2.不随意運動が生じて、運動コントロールが困難になる。 3.文字の読みの不正確さがあり、読んだ内容を理解しにくい。 4.動作は緩慢で、表情が乏しくなる。 5.着衣失行が生じる。
■
2.不随意運動が生じて、運動コントロールが困難になる。
■
1.(×)強い筋緊張から四肢の突っ張りが強いのは、痙直型脳性麻痺の特徴です。 2.(○)アテトーゼ型脳性麻痺では、本人の意思とは無関係に手足がゆっくりと動く不随意運動が生じ、運動コントロールが困難になります。筋肉の緊張が安定しないため姿勢の保持が難しく、顔面に不随意運動が生じると言語障害を招くこともあります。 3.(×)アテトーゼ型脳性麻痺では、一般的に知的発達の遅延がみられず、文字の読み書きや文章の理解に問題は生じません。 4.(×)動作は緩慢で、表情が乏しくなるのは、失調型脳性麻痺やパーキンソン病の特徴です。 5.(×)着衣失行は、脳血管障害や認知症の中核症状などで生じます。
■
次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Fさん(50歳、女性、障害支援区分5)は、アテトーゼ型(athetosis)の脳性麻痺(のうせいまひ)(cerebral palsy)による四肢・体幹機能障害がある。居宅介護を利用し、入浴の支援を受けながら母親(79歳)と暮らしていた。Fさんは障害基礎年金1級を受給していて、Fさん名義の貯蓄がある。金銭管理は母親が行っていた。 Fさんは、3年前に誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)(aspiration pneumonia)で入院したことがある。言語障害があり、慣れた人でないと言葉が聞き取りにくい。自宅では車いすに乗り、足で床を蹴って移動し、屋外は母親が車いすを押していた。Fさんは自宅内の移動以外の日常生活については、母親から全面的に介護を受けて生活していた。 最近、日中活動の場と短期入所(ショートステイ)の利用について、市の障害福祉課に相談するようになった。 ところが、母親が持病の心疾患(heart disease)で亡くなり、市の障害福祉課がFさんと当面の生活について検討することになった。 Fさんは1人で生活することは難しいと思い、施設入所を希望している。 Fさんは、障害者支援施設に入所できることになり、アセスメント(assessment)が行われた。 相談支援専門員は、Fさんの希望をもとに、これまでの生活状況と身体の様子等から、もう少し本人にできることがあるのではないかと考え、「障害者支援施設で施設入所支援と生活介護を利用しながら、将来の生活を考える」という方針を立てた。また、長期目標を、「自分に適した介護を受けながら、様々な生活経験を積む」とした。 Fさんの短期目標として、最も適切なものを1つ選びなさい。 1.入浴時に自分でからだを洗えるようになる。 2.毎日字を書く練習を行い、筆談で会話ができるようになる。 3.施設内は、車いす介助を受けながら安全に移動する。 4.経管栄養で食事がとれるようになる。 5.日中活動として外出や興味のあるグループ活動に参加する。
■
5.日中活動として外出や興味のあるグループ活動に参加する。
■
1.(×)アテトーゼ型脳性麻痺により四肢・体幹機能障害があることから、今後も入浴の支援は必要であると考えられます。 2.(×)運動機能に障害があり、言葉によるコミュニケーションが可能であることからも、筆談での会話をめざすことは適切な短期目標とはいえません。 3.(×)自宅では自分で床を蹴って移動していたことから、施設内でも自力での移動が可能であると考えられます。 4.(×)3年前に誤嚥性肺炎を起こしており、嚥下状態に留意する必要はありますが、ただちに経管栄養が必要であるとは考えにくい状態です。 5.(○)長期目標を「自分に適した介護を受けながら、様々な生活経験を積む」としていることから、日中に外出したり、興味あるグループ活動に参加したりすることが最も適切な短期目標となります。
■
次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Fさん(50歳、女性、障害支援区分5)は、アテトーゼ型(athetosis)の脳性麻痺(のうせいまひ)(cerebral palsy)による四肢・体幹機能障害がある。居宅介護を利用し、入浴の支援を受けながら母親(79歳)と暮らしていた。Fさんは障害基礎年金1級を受給していて、Fさん名義の貯蓄がある。金銭管理は母親が行っていた。 Fさんは、3年前に誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)(aspiration pneumonia)で入院したことがある。言語障害があり、慣れた人でないと言葉が聞き取りにくい。自宅では車いすに乗り、足で床を蹴って移動し、屋外は母親が車いすを押していた。Fさんは自宅内の移動以外の日常生活については、母親から全面的に介護を受けて生活していた。 最近、日中活動の場と短期入所(ショートステイ)の利用について、市の障害福祉課に相談するようになった。 ところが、母親が持病の心疾患(heart disease)で亡くなり、市の障害福祉課がFさんと当面の生活について検討することになった。 Fさんは1人で生活することは難しいと思い、施設入所を希望している。 入所してから3か月が経ち、支援の見直しが行われた。 Fさんは施設生活にも慣れ、相談できる人も増えている。また、「自分でお小遣いを使えるようになりたい」と言い、外出時に必要なお金を介護福祉職と一緒に考えるようになった。将来の地域生活を考えて、社会福祉協議会の金銭管理に切り替えることが検討された。 Fさんが活用できる社会福祉協議会が行う金銭管理として、最も適切なものを1つ選びなさい。 1.日常生活自立支援事業 2.生活福祉資金 3.自立訓練 4.生活困窮者家計改善支援事業 5.自発的活動支援事業
■
■
1.(○)日常生活自立支援事業では、障害や認知症により判断能力が不十分な人を対象として、日常的金銭管理、福祉サービス利用、行政に関する手続きなどを支援します。 2.(×)生活福祉資金は、低所得者や高齢者、障害者の生活の安定や経済的自立を図り、在宅福祉や社会参加の促進を図るための貸付制度であり、日常的な金銭管理は行っていません。 3.(×)自立訓練は、生活能力の維持・向上のための訓練を行う障害福祉サービスです。 4.(×)生活困窮者家計改善支援事業では、家計に問題を抱える生活困窮者の相談に応じ、自ら家計管理を行えるようサポートします。 5.(×)自発的活動支援事業は、共生社会の実現を目的として、障害者やその家族、地域住民などが地域において自発的に行う取り組みに対する支援を行います。
\あなたにぴったりの求人が見つかる/
「介護職員」の求人を見る
いいね!と思ったらシェアしよう!
ささえるラボ編集部です。
福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします!
「マイナビ福祉・介護のシゴト」が運営しています。