第35回介護福祉士国家試験 対策問題(総合問題)
■問題
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Cさん(83歳、女性)は、一人暮らしで、近所に買い物に行く以外はテレビを見て過ごしている。近県に息子がいるが、仕事が忙しく、会いに来ることはあまりなかった。
ある日、息子が久しぶりに訪問すると、部屋の中がごみや衣類などで散らかっていた。病院を受診するとCさんはアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断され、要介護1と認定された。
Cさんは、時々、電気湯沸しポットの使い方がわからなくなって湯が出せなかったり、お茶を入れる順番がわからずに混乱する様子が見られた。
心配した息子は、介護保険サービスを利用することにした。後日、介護支援専門員(ケアマネジャー)が訪問し、介護保険サービスの利用についてCさんや息子と話し合った。週2回、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになり、介護支援専門員は、「自宅で、衛生的な生活ができる」をケアプランの長期目標とした。
Cさんの家に訪問介護員(ホームヘルパー)が通い始めて数か月が経過した頃、Cさんの息子から訪問介護員に以下の希望が挙げられた。
介護保険で対応可能な支援として、適切なものを1つ選びなさい。
1.Cさんと息子が出かけている間に洗濯物を取り込む。
2.Cさんの処方薬を薬局で受け取る。
3.地域のお祭りにCさんと一緒に行く。
4.Cさんの部屋の壁紙を張り替える。
5.訪ねて来た親戚にお茶を入れる。
解答と解説
■解答
2.Cさんの処方薬を薬局で受け取る。
■解説
1.(×)訪問介護は自立を促すための支援であり、Cさんと息子が出かけている間の洗濯物の取り込みを介護保険サービスで行うことはできません。
2.(○)介護保険において、訪問介護員が対応できる支援は、身体介護、生活援助、通院介助の3種類です。薬局での処方薬の受け取りは生活援助に該当するため、介護保険で対応可能です。
3.(×)外出支援は一人で外出困難な利用者のための支援であり、Cさんは一人で近所に買い物に行くことができるため、対象外となります。また、お祭りは日常的な生活行為に該当しないと判断される可能性が高いことからも、介護保険での対応は難しいと考えられます。
4.(×)部屋の壁紙を張り替えることは、日常的な生活行為の範囲を超えていると考えられます。
5.(×)訪ねて来た親戚にお茶を入れることは、Cさん本人に対する援助に該当しないため、介護保険では対応できません。
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