40代女性を取り巻く介護職の転職事情やおすすめの現場を解説!
■執筆者
ささえるラボ編集部です。 福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします! 「マイナビ福祉・介護のシゴト」が運営しています。
介護の現場では女性が多く活躍しています。
そのため、女性が転職を考えるときには介護職への転職も選択肢に入れている方が多いのではないでしょうか。
しかし、40代で介護職への転職を考えた時には、「年齢が転職では不利になるのでは?」と不安を感じる方や「どんな施設が自分に向いているのだろうか」と考える方もいるでしょう。
そこで、この記事では40代女性の転職事情を解説し、40代女性におすすめの介護施設・事業所を紹介します。
40代女性を巡る介護職の転職事情とは
40代をめぐる介護職の転職状況は今、どのようになっているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
■求職者の動向
2019年度に福祉人材センター・バンクに新規登録した求職者の動向を確認してみましょう。
◆求職者の男女比
女性:約69% 前年度比1.1ポイント増加
男性:約30% 前年度比1.2ポイント減少
◆求職者の登録年齢の割合
20-29歳:15.4%
30-39歳:17.8%
40-49歳:27.1%
50-59歳:24.0%
30代以上が全体の8割を占め、求職者の平均年齢は44歳となっています。
また希望する職種では介護職が多いことが分かりました。
(出典:福祉人材センター「令和元年年度福祉人材の求人求職動向」)
■実際に働いている介護職の現状データ
◆介護職員の男女比・雇用形態
女性:約78% 男性:約19%
正規職員:約57% 非正規職員:約39%
◆介護の職種別 男女比
訪問介護員(ホームヘルパー) 女性:約86% 男性:約11%
介護職員 女性:74% 男性:25%
施設で働く介護職は、40代が最多
施設で働く介護職員で最も多い年代が40代でした。
ホームヘルパーの場合は60代が約25%と最も多く、40代は全体の約20%となっています。
こうしたデータを分析すると、40代の女性が介護の現場で活躍していることが伺えます。また、介護の現場としては施設と在宅ともに活躍の場があることも分かりました。
(出典:公益財団法人介護労働安定センター「介護労働の現状について(令和元年度介護労働実態調査の結果と特徴)」「(令和元年度介護労働実態調査)事業所における介護労働実態調査結果報告書」)
■介護業界の働き方
介護業界の働く時間、働き方はさまざま
では、介護業界にはどのような働き方があるのでしょうか。
介護業界には、さまざまな形態の施設や事業所があります。
また、介護は曜日や時間を問わず必要とされるため、介護業界では、多くの場合シフト制を導入しています。
働く時間帯も事業所の種類によってまちまちです。
例えば、通所サービスを実施している事業所であれば、日勤帯が主流ですが、入所施設では早出や遅出、夜勤もあります。
正規職員の場合は夜勤を含む場合がほとんど
正規職員として働く場合、その職場が採用している勤務帯を全て担当するケースが多いでしょう。
ただし、職場によっては、正規職員であっても夜勤免除が可能であったり、そのほか柔軟な対応ができたりすることもあります。
パートやアルバイト、契約社員そして派遣社員の場合は、一般的には契約時に決めた時間帯で働くことになるため、自分の希望する働き方が可能です。
特に、入所施設の場合は、夜勤のみを担当する夜勤専従という働き方を設定していることもあります。
40代の介護職の給料はどれくらい?平均年収や生涯年収は?
介護職に転職しようと考えるとき、収入面に不安を感じている方も少なくありません。
実際に介護職として働いている方たちがどれくらいの年収を得ているのか、統計から読み解いていきましょう。
■平均給与額
介護職の年収は、年々上がっている
「令和2年度介護従事者処遇等調査」によると、介護職の平均基本給は常勤の場合で182,260円となっています。
この基本給に諸手当や賞与などの一時金を足したものを平均給与額といい、介護職の平均給与額は315,850円です。
この給与額は年々少しずつ上昇しており、前年度と比べると15,730円上がっています。
この背景には、国が介護職員の処遇改善を進めている現状があります。今後も、この給与額は徐々に上がっていくと考えられるでしょう。
処遇改善について、くわしくはこちら
処遇改善手当てとは?ベア加算とは?分かりやすく解説! | ささえるラボ
https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/5112022年10月からスタートしたベア加算(介護職員等ベースアップ等支援加算)とは?分かりやすく解説!介護職の給料アップにつながる介護業界の人手不足を解消するために国が創設した「介護職員処遇改善加算」。要件を満たした事業所には加算金が支給され、「処遇改善加算手当て」として従業員に配分されます。加算の仕組みや目的などの基礎知識を紹介します。
40代介護職の平均給与額は31万円以上
この平均給与額をもう少し詳しく見てみましょう。
まず、40代にスポットを当ててみると、男性では357,260円、女性では315,000円となっており、全体の平均給与額とあまり変わりません。
介護職の平均年齢は48.8歳となっていることから考えても、40代であれば全体の平均給与額が目安になると考えてよいでしょう。
未経験の場合は28万円程度の場合も
しかし、この40代の平均給与額における勤務年数の平均は8.1年となっています。
そのため、40代から未経験で介護職に転職した場合には当てはまりません。個々で参考になるのが、経験年数別の平均給与額です。
1年~2年未満の介護職員の場合、平均給与額は283,480円となっています。
この経験年数の平均年齢は39歳であることから、未経験の40代が転職する際の参考にできるのではないでしょうか。
■平均給与額にみる40代介護職の生涯推定年収
40代で介護職に転職した場合、生涯推定年収はどれくらいになるでしょうか。
平均給与額をもとに大まかな生涯推定年収を計算してみました。
40歳から常勤で働き60歳で定年退職を迎えた場合
平均給与額315,850円×12か月×20年=75,804,000円
介護職の場合、60代以上の方も多く活躍しています。
そのため、実際には40代から介護職に転職しても20年以上働くことや、途中で昇級、資格修得などさまざまな可能性を考えると、計算した大まかな生涯推定年収より収入額は上がってくると考えられます。
■介護職が年収をあげるコツ
夜勤のある施設で働く
長い期間働くこと以外で生涯推定年収をあげる方法は他にあるでしょうか。
最初に考えられる方法としては、夜勤のある施設で働くことです。
夜勤をする場合には、夜勤手当が支給されます。
体調面や家庭の事情などを考えたうえで夜勤が可能であるなら、夜勤のある施設を選ぶとよいでしょう。
介護の資格を取得する
長い目で見て年収をあげていくなら、資格を取得しましょう。
介護職では保有している資格で給与額が変わってきます。
例えば、介護福祉士の資格を保有している場合の平均給与額は329,250円なのに対し、無資格の場合は275,920円と5万円以上の差があります。
生涯推定年収をあげるためには、早い段階で資格を取得することが近道といえるでしょう。
同じ法人・施設で長く働く
また、昇給がある場合は同じところで働いた方が年収は上がります。
介護職の場合、同じ法人で複数の形態の施設や事業所を持っているところも少なくないため、今の職場が合わないと感じた時には異動を考えることで、昇給や昇進の可能性を高めることにつながります。
40代未経験の介護職に求められることとは
コミュニケーション力と柔軟性が求められる
介護職では、高齢者だけでなく、その家族や関係するさまざまな職種の人々と密にコミュニケーションを取ることが重要です。
40代で介護職に転職する場合、介護職は未経験でも社会経験は豊富にあると考えられます。
これまでの社会経験で得たコミュニケーション能力や社会人としてのマナーは、40代での転職でアピールできる能力といえるでしょう。
ただし、これまでの経験とは違った新しい仕事内容や職場になるため、新たなことに柔軟に対応する能力が求められます。
40代で未経験の職種に転職するのですから、過去の経験にとらわれないことも大切です。
年下の上司に対しても謙虚に接して
また、40代での転職となると、上司や先輩が年下になる可能性は非常に高くなります。
年齢に関係なく、上司や先輩の指導や指摘は素直に受け止め、謙虚な姿勢で仕事に取り組むようにしましょう。
40代から介護職へ転職のメリット・デメリットは
40代で転職を考えている女性にとって、同じ40代女性が多く活躍する介護職は境遇が似ている人も多いため、安心して働く環境であることが大きなメリットとなっています。しかし、メリットはそれだけではありません。
■40代女性が介護職に転職するメリット
①自分の生活リズムに合わせた働き方ができる
介護施設や事業所には、入所施設や通所施設、訪問事業所などのさまざまな種類があります。
また、正規職員だけでなくパート、アルバイトなどの非正規職員や派遣社員も多く活躍しており、自分の生活リズムに合わせて働くことができる職場であることがわかります。
例えば、子どもに手がかからなくなり夜勤も対応できるのであれば、入所施設の正規職員という選択もできます。
一方、まだ子どもが小さく学校や保育園に通っている数時間の間だけ働きたいという場合には、施設のパート勤務や訪問介護の登録ヘルパーという働き方をする方もいます。
このように、転職希望者の生活に合わせて働き方が選べることが、介護職へ転職するメリットのひとつといえるでしょう。
②これまでの経験が活かしやすい
40代は、さまざまな経験を積み、しかも体力的にも充実している年代であるといえます。
介護職は、利用者の生活を支える仕事であるため、多くの場面で積み重ねてきた経験を活かすことができます。
自宅等を訪問して介護サービスを行う訪問介護では、料理や掃除などの家事援助を希望する方も多く、家事遂行能力が大いに役立ちます。
また、接客業や営業職などの経験は、利用者との円滑なコミュニケーションの実現に役立つと考えられます。
事務職や技術職の経験は、レクリエーションで使用する道具を作ったり、行事のお知らせ文書を作ったりするときに役立ちます。通所施設であれば、送迎業務でタクシー運転手などの経験を活かすことも可能です。
もちろん、同じ介護職からの転職であれば、身につけたスキルと経験から適切な対応をすることが可能でしょう。
入所施設から通所施設への転職では、介護度の高い利用者への介護経験が活かせる機会も少なくありません。
例えば、介護度に応じた適切な対応方法を指導する立場につける可能性も高くなるでしょう。
このように、介護職ではさまざまな経験を活かせる場面が多いため、人生経験豊富な40代女性が活躍できると考えられます。
③経験を積むことで国家資格の取得を目指すことができる
介護に関わる資格には、介護職員初任者研修や実務者研修など、誰でも受講することができる資格があります。
働きながら資格取得ができるよう通信課程が主流となっているだけでなく、費用面の支援策も整っています。
例えば、介護施設を運営する法人が介護職員初任者研修を実施する場合、法人で働く方や就職予定の方は受講費用が免除されるケースが少なくありません。
また、初任者研修と実務者研修、介護福祉士は教育訓練給付金の対象になっています。
実務者研修を修了し3年以上の実務経験を積めば、介護職唯一の国家資格である介護福祉士試験を受験することが可能です。
介護福祉士資格についても、施設によっては受験直前に休みを取りやすくするなどの支援を行っている事業所等もあります。
子育て世代とはいえ、ある程度子どもが成長し、自分の将来設計も考えられるようになる40代での転職は、働きながら資格を修得しキャリアアップを考えられるのもメリットといえます。
■40代女性が介護職に転職したときのデメリットは少ない
介護ロボットなどにより、身体の負担も減りつつある
40代の女性が介護職に転職するときのメリットがあるように、デメリットもいくつかあります。
「介護職は労働対価としては低賃金」という話を耳にすることもあると思いますが、この問題に対して国は2009年から改善に向けて取り組んでおり、介護職員の平均給与額は2018年度に初めて30万円を越えました。
2019年度には、消費税増税に伴う更なる処遇改善策を実施したため、今後も介護職の賃金がさらに上昇する可能性が高いでしょう。
また、身体的負担を考えると要介護度の高い利用者が多く入所する施設では、身体介護が多くなりがちです。
しかし、職員の作業負担軽減に対する工夫は進化している状況です。
例えば、リフトなどの機械や介護ロボットなどを導入する施設も増えてきています。
国も介護ロボット等を導入した施設に対し補助金を支給するといった支援策を実施していることから、今後は身体的負担軽減の対策も充実していくと考えられます。
40代未経験からスタートしたキャリアプラン
40代で未経験から介護職に転職した場合でも、さまざまなキャリアプランが考えられます。
ここでは、3つのプランを紹介します。
■管理者をめざす
まず1つ目は、介護職員として経験を積み、施設や事業所の管理者になるプランです。
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、デイサービスなどの場合は、管理者になるための資格要件はありません。
そのため、その事業所で現場経験を積み適任と思われる場合や、介護福祉士を取得することで管理者に抜擢されることも少なくありません。
■サービス提供責任者になって訪問介護のスペシャリストに
2つ目は、サービス提供責任者になって訪問介護のスペシャリストをめざすプランです。
訪問介護事業所の責任者であるサービス提供責任者は、実務者研修修了もしくは介護福祉士資格を取得していればなることができます。
ヘルパーとして活躍しながら資格を取得するのであれば、訪問介護の仕事を熟知したサービス提供責任者となれるでしょう。
施設等で介護経験を積んだ後で訪問介護事業所に転職する場合は、介護度の高い利用者に対する介護技術や知識を十分に得たサービス提供責任者として活躍できるでしょう。
■ケアマネジャーになって介護保険サービスの調整役となる
3つ目は、ケアマネジャーになって介護保険サービスの調整役となるプランです。
ケアマネジャーは介護に関する相談を受け、介護サービスを必要とする方に必要なサービスを一緒に考えて調整する役割を担っています。
介護保険制度では欠かせない存在といってよいでしょう。
ケアマネジャーになるためには、介護福祉士資格を取得したうえで5年の実務経験が必要です。
介護未経験者がケアマネジャーを目指す場合、まず介護福祉士資格取得を目指しましょう。
介護福祉士になるためには、まず3年間実務経験を積んだのち、実務者研修を修了し、試験を受ける流れが一般的です。
つまり、未経験者がケアマネジャーになるまでには最短で8年かかります。
しかし、ケアマネジャーは50代以上で活躍している方も少なくありません。
40代で未経験から介護職を始めても、ケアマネジャーとなれば長く活躍できる可能性は高いでしょう。
■コラム:家庭と両立しながら働く時のキャリアプランとは?
執筆者
介護職を取り巻く環境はどんどん良くなっている
40代で家庭と介護職の両立を考える方は何を意識すればよいでしょうか?
私自身はこの5~6年で介護職を取り巻く労働環境は大きく変化をしていると感じます。以前の介護事業所の中には、言葉を選ばずに言うと、介護職の良心に漬け込み、ボランティア残業なるものも横行していました。
しかしながら、経営者や労働者の意識の変化により、家庭と介護職の両立はやり易い状況になったと言えます。
早出・遅出・夜勤などへのシフトへの配慮も、以前とは比べ物にならないくらい進んでいます。
自分の気持ちの割り切りも大切
ただし、ここで留意しておきたいのは、自分自身の気持ちの割り切りです。
「他の職員にシフトのしわ寄せが行ってないか」「夜勤の回数が私のせいで増えているのではないか」このようなことを考えてしまいがちな方や、それを感じさせてしまう職場の雰囲気は、ご自身の心に大きく影響を及ぼします。
その場合には、デイサービスや訪問介護など、比較的時間の融通がききやすい事業種別への異動や転職も考慮に入れたほうがいいですね。
最終的にどんなキャリアを歩みたいか?は考えておいて
家庭環境の変化等により、時間の制限なく働けるようになって、キャリアを重ねても遅くはないケースが多いです。
そして、両立が大変な状況の時はゆっくりと考える余裕はないのかもしれませんが、私は最終的に何を目指すのか?そこに到達するには何が必要なのか?など、常にご自身の5年後、10年後のイメージはぼんやりとでも描くことをお勧めします。
例えば、ケアマネージャーを目指す場合は時間を作り、こつこつと勉強を開始するとか、管理職を目指す場合はオンラインでマネジメントセミナーを受講するなど、隙間時間を活用することで、ご自身が描くキャリアプランへの到達が早くなります。
40代も大歓迎、そしてチャンスも多くあり、労働環境も整いつつある介護業界へ、是非とも飛び込んでみてください。
きっと、今までと違う景色も見えるはずです。
そのチャレンジを応援しています。
40代からの転職に、介護関係の資格は必要なのか?
介護職で働く場合、介護関係の資格はないよりあった方が有利になります。その理由とオススメの介護資格を紹介します。
■資格の有無の違い
介護職の場合、未経験者や無資格者の募集も多く見られます。
しかし、資格を保有していることで、介護に関する知識や技術を有しているという証明になるため、採用は有利になります。
また、資格の有無は給与面にも影響します。
保有資格によって基本給が変わる場合や、同じ基本給でも資格手当が付くなど、無資格者より有資格者の方が給与額は高くなるのが一般的です。
■取っておきたい介護資格
40代で介護職に転職するのであれば、ぜひ取っておきたい介護資格を3つ紹介します。
介護職員初任者研修
無資格、未経験でも取得できる資格です。
1から介護職に必要な知識や技術を学ぶことができるので、スキルアップをめざす一歩としても有用な資格です。
訪問介護のヘルパーとして働くためには必須の資格といえるでしょう。
実務者研修
初任者研修と同様に、無資格、未経験でも取得できる資格です。
初任者研修よりも専門的な知識や技術を学び、資格取得ができます。
介護福祉士資格を取得するためには、実務者研修の資格が必須です。
ただし、初任者研修よりも取得に時間がかかるため、未経験者の場合は初任者研修がおすすめです。
介護福祉士
介護職の国家資格です。
3年の実務経験と実務者研修の修了で受験資格が得られます。
介護福祉士を取得することで、仕事の幅はぐんと広がり、その後のキャリアアップにもつながります。
介護職を続けていくのであれば取得しておきたい資格といえるでしょう。
40代女性が介護職に転職するときに注目しておきたい施設・事業所
40代女性が介護職に転職するときに知っておきたい、施設や事業所の特徴、ポイントを詳しくみていきましょう。
■訪問介護
◆特徴
利用者の自宅を訪問して掃除や料理、洗濯などの生活支援や、入浴や排泄の介助などのサポートを行います。ヘルパーとして働くためには、初任者研修以上の資格が必要です。
◆おすすめできるポイント
・生活で培ってきた家事遂行能力を活かしやすい
・利用者と1対1で対応することも多く、コミュニケーション能力が活かせる
・雇用形態を選べる
多くの事業所で正規雇用のペルパーと登録ヘルパーという2種類の働き方を選択することができる。正規雇用のヘルパーも登録ヘルパーもシフト制だが、登録ヘルパーの場合は自分の希望する時間や曜日に働くことが可能
・キャリアアップが狙える。
実務者研修修了者や介護福祉士資格を取得していれば、サービス提供責任者になることもできる。長く働いて資格を取得し、キャリアアップが見込める。
■通所施設(デイサービス、デイケアなど)
◆特徴
介助・介護を必要としている方が、自宅での生活をベースにしながら、施設に日中通って食事や排泄などの生活上のサポートや、リハビリを受けることができる施設を通所施設といいます。
通所施設では利用者へ食事の提供や、入浴や排泄などの介護、施設と自宅間の送迎などを介護職が担当します。
入所施設に比べると、全面的な介護を行うことは少なく、できないところを一部分手伝うことが多いでしょう。
また、入浴設備を持つ施設では、入浴サービスを利用するために通っている方もいます。
介護度が低い方でも入浴することに不安を抱えているケースや入浴動作に支援や見守りが必要なケースは少なくありません。
そのため通所施設の入浴サービスでは、背中を流したり、浴槽の出入りのサポートをしたりといった介助作業を主に行います。
入浴介護であっても身体的な負担は比較的小さいといえます。
◆おすすめできるポイント
・勤務時間、休日が規則的になりやすい
通所施設は夜勤がなくシフトも規則的で、施設によっては日曜日が休みになるところもある。
・経験が活かせる機会が多い
レクリエーションは企画から実施までを介護職員が行うため、自分のアイデア採用されることもある。
■入所施設
◆特徴
入所施設というのは、介助や介護を必要とする方が施設に入居し、施設内でサービス提供を受けることのできる施設です。
入所施設にはさまざまな種類がありますが、特別養護老人ホームといった介護保険施設では、入所者の多くが常に職員の介護を必要としています。
そのため、介護の技術や知識を学ぶ場面が多く、介護職としての経験を積んでキャリアアップするための貴重な経験が積める環境といえるでしょう。
◆おすすめできるポイント
・働き方を選べる施設が多い
シフト制・土日祝日の出勤がある。正社員だけでなくパートや派遣社員も多く働いているため働き方に融通が利く。夜勤専門の夜勤専従という働き方を採用している施設もある。
・託児所を併設しているところが多い
自施設や自法人で託児所を併設し、夜勤や病児に対応しているところもある。託児所を持たない施設でも、24時間保育や日祝日の保育を行う託児施設と連携している場合もある。
転職で職場を選ぶ際に気をつけておきたいポイント
夜勤の有無
介護職の場合、シフト制で働くところがほとんどです。自分の働きたい時間での勤務が可能かは必ず確認しておきましょう。
夜勤が難しい場合には、入所施設より通所施設や訪問介護対応施設が無難です。
ただし、入所施設でも融通が利く場合もあります。
資格取得制度、研修制度の有無
また、資格取得制度や研修制度が充実しているかどうかも、転職時には確認しておきたいポイントのひとつです。
特に、無資格で転職する場合は、仕事をしながら資格を取得することになります。
休みがとりやすいか、資格取得のための支援制度があるかどうかを確認しておくようにしましょう。
面接で資格取得の意欲をみせておくことも重要です。
状況によっては子育て支援の有無も確認
さらに自分の現状に応じて、子育て中なら、子育て支援が充実しているかの確認は必ずしておきましょう。
夜勤がある施設では、子どもを預けられる施設がある場合や、一定の年齢になるまで夜勤が免除されるケースもあります。
託児所を併設しているのであれば、託児所の費用も聞いてみるとよいでしょう。
まずは職場を見学してみましょう
可能であれば職場を見学させてもらうと、職員や利用者さんの様子や職場の雰囲気が確認できます。
職員が生き生きとしている、利用者の方々の表情が明るく笑顔が多い施設であれば、未経験でも働きやすい可能性が高いと考えられます。
事業者側から見た、40代未経験の求職者はどんな印象?
■介護は数少ない成長産業
40代未経験でも、間違いなく重宝される
介護業界は日本における数少ない成長産業と言えるでしょう。
65歳以上の高齢者は、厚生労働省の推計では令和24年まで増え続けるようです。つまり、まだまだ20年間は市場が拡大していく産業であるのです。
それと比して、約20年後に必要な介護職は280万人に対し、今のままでは70万人不足すると言われています。つまり、必要数の70%しか充足しないという推計であるのです。
では、そのギャップをいかにして埋めるのか?外国人や高齢者の活用も必要とされているところですが、40代未経験の方も間違いなく重宝されると思います。
今までの経験を存分に生かせる仕事
未経験であることを心配する方もいるでしょうが、これから急速に増えていくであろう外国人をはじめとする未経験者に対し、介護業界を挙げ、育成の仕組みを整えています。併せて、今まで他業種で働いてきた経験や家事・育児の経験も活かせます。
そうなのです。40代の未経験者は採用を考える事業所側から見ても、とても魅力的な人材層なのです。
40代の介護職未経験者に求めるものは
ただし、誰でもいいというわけではありません。
高齢者への尊厳や接遇、スタッフ間のコミュニケーション力、新たな分野を学ぶ意欲などは求められる部分なので、「自分がなぜ介護職になりたいのか?」ということも含め、介護職に真剣に取り組む覚悟と特性に関して、自分自身に問いを立ててはいかがでしょうか?
まとめ:40代未経験でも、介護職で活躍できる
40代は、たとえ子育て中であっても人生設計がある程度見えてきている時期です。
将来の自分の生き方を考え始める年代であるともいるでしょう。
今後の人生設計をするにあたり、意識しておきたいのが、「何を大切にして仕事選ぶのか」ということと「どういった働き方をめざすか」という点です。
もし、仕事でキャリアを積んで専門的な知識とスキルを身に付けたいというのであれば、資格取得を視野に入れる必要があります。
このように、40代の転職活動では自分の目標を定めたうえで自分に合う職場を選ぶことが大切です。
ささえるラボ編集部です。
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