本日のお悩み
介護の施設に変わった名前が多いのはどうしてですか?
なんでこの名前にしたんだろう…という名前のところが多くて気になります。
創業者の思いを込めて!
ご質問ありがとうございます!!
どうしてなんだろう!?
確かにです!!
福祉・介護従事者であれば、転職の際や外部研修での講師の方の法人名がユニークで、『なんでだろ?』と感じたことが一度はある方も多いのではないのでしょうか??
一つ一つの法人名や施設名には実はしっかりとした意味や思いが込められているんです!
今回の疑問をすっきり解消できるようにご回答できればと思います!
■老人ホームの歴史と時代的背景
まず初めに、日本で最初の老人ホームは、1895年にイギリス人の聖公会婦人伝道師であるエリザベス・ソーントンが東京都港区で開いた『聖ヒルダ養老院』だと言われています。
ざっと今から126年前!
意外と歴史が深いんですよね!
介護保険制度がスタートして21年目ですから、それよりもずっと昔から存在していたんです。
もちろん時代背景や制度背景から名前は現在とは異なっていました。
なので、歴史のある施設では、そんな時代的背景を受けながらの施設名称なのかもしれませんね。
■電話帳で見つけやすくするために「ア行」が人気だった?!
126年前から名称を考察していると、論文の様になってしまいそうですので近年の名称についてお伝え致しますね。
最近では当たり前となったインターネットの普及も、施設名称には大きく関係していたりするんです。
インターネットが普及したのが2010年頃、2011年頃にはスマートフォンの普及がスタートし、加速度的にインターネットが身近となりましたね。
ではそれ以前ではどのように情報を得ていたのか?
ネットが無ければ紙媒体となりますよね!
特に重宝されていたのが、電話帳です。
あいうえお順で施設名を検索できるようになっていましたね!
年代によっては電話帳事態になじみがない方も増えていますが、その検索方法の中で、この50音がとても重要になっていたんです。
いわゆる検索上位に位置する為には、ア行が圧倒的に有利!
そんな理由から、『あい』『あこ』等の様に、施設名が『あ~』から始まる施設が多かったりするんです。
■縁起の良い漢字が多く使われていました
もう一つは、漢字の意味ですね!
『宝・愛・長寿・楽・心・喜・寿・和・永』などなど、日本古来から縁起が良いとされている漢字は、その施設の性格を決めるうえでも重要なポイントになっていたかと思います。措置時代も経てきた施設であれば、入居される方々に安心感を得ていただく事も大切なポイントだったはずですからね。
超高齢化社会になると施設数も増え施設名称が重複するようにもなってきました。
また、インターネットの普及により、ア行にこだわる理由もなくなり、その時代に合ったより柔軟な名称が用いられる様になってきたのだと思います。
■ポップな名前で、利用する敷居を下げているのかも
歴史のある施設はその地域での知名度も関係性もありますから、新しい施設にはより個性のある人目を惹く名称が必要になるという事もあると思います。
カタカナ表記の方が少しポップな印象でご利用者から見れば、利用する敷居が下がるという事もあるかもしれませんね。
オシャレで奇抜な名称はそれだけで人目を惹くでしょうし、時代にもマッチしているのかもしれません。
■施設名に詰まった思いを感じてみて
いずれにせよ、創業時にはそこにかかわる人々の熱意や想いが時代背景と共に反映されているのは間違いありません。
そこで働く私たちは、その思いが詰まった名称や理念の共有や具現化がとても大切だと感じています。
ご質問者さんが施設を設立するとしたら、どのような名前にしますか?
きっと思いが詰まった施設名になると思います。
ご質問ありがとうございました。
・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士