【見本あり】介護職の職務経歴書のわかりやすい書き方|ポイントや困ったときの対処法も紹介

転職活動には新卒の就職活動のときにはなかった職務経歴書という書類が必要になります。採用担当者に興味を持ってもらうには、これまでの職歴や業務内容を簡潔にわかりやすくまとめなければなりません。
初めて職務経歴書を作成する人は不安に思うかもしれませんが、書くべきことは決まっているので、コツさえ押さえれば簡単に書くことができます。経歴を振り返ることは、将来の働き方を考えるきっかけや転職活動の面接対策にもなります。
今回は、職務経歴書のポイントや書き方、困ったときの対処法を、サンプルを示しながら紹介します。これを機に、これまでの職務をしっかりまとめましょう。
職務経歴書とは?

職務経歴書とは、上のサンプルのように、求職者のこれまでの経歴や職務を一覧できるように記載した書類のことです。履歴書ではどこで何年間働いたということや保有資格はわかりますが、具体的にどのような職場でどのような仕事をしていたのかまではわかりません。採用担当者は職務経歴書の内容で、求職者の経験レベルや能力を判断するのです。
職務経歴書にはこの形式でなくてはならない、という決まりはありません。しかし、だからといって、伝えたい内容を思いつくままに並べればよいというものでもありません。一日何人もの応募書類を見る採用担当者にとっては、論理的な構成で簡潔に書かれた職務経歴書が好印象です。
職務経歴書の主な書式
職務経歴書の書式には、主に編年体式、キャリア式の2種があります。
■編年体式
職務経歴を時系列に記入します。直近の経歴を強調したいときは、時系列を逆に記入する方法もあります。これを逆編年体式といいます。
■キャリア式
業務や職種ごとにまとめるのがキャリア式です。勤務先の名称や規模、職員数、勤務期間などを正確に記入します。業務内容はわかりやすく箇条書きで書くのがポイントです。配属先、配属期間、実際の業務内容をまとめ、自分は何ができるのかをアピールします。複数の業種で職務経験を積んだ人にはアピールしやすい書式です。
それぞれの特徴を理解して、自分に合った書式で作成しましょう。より一般的なのは、サンプルのような編年体式(時系列)の職務経歴書です。
職務経歴書作成のポイント
では、採用担当者から見てわかりやすく好印象な職務経歴書を作成するためには、どんなことに気をつければよいのでしょうか。介護職に転職する場合の職務経歴書作成のポイントを紹介します。
■A4判の用紙2枚以内におさめるのが基本
職務経歴書は、A4の用紙1枚か、職歴が長くても2枚におさまるようにまとめましょう。3枚以上になると余計な情報が増えて読みにくくなり、採用担当者に負担がかかります。また、要点をまとめる能力に欠けると見られ、採用で不利になる可能性もあります。必要な情報のみに絞って書くことが大切です。
■PCで作成したほうが便利
応募先の事業所から特に指定がなければ、職務経歴書は手書きでもパソコン入力でも、どちらでもかまいません。ただ、パソコンで作成しておくと、加筆や修正がしやすく、後から何度でもプリントできて便利です。近年は、介護職でも介護記録や報告書の作成にパソコンを使うことがあるため、パソコンの操作スキルのアピールにもなります。
■応募先に合わせた内容にアレンジする
職務経歴書は、ただ職務を事実通りに並べる書類ではなく、自分のスキルをアピールして採用につなげるための書類です。一度パソコンで作っておけば使い回しできますが、その場合は応募する事業所に合わせて内容をアレンジすることが大切です。
たとえば同じサービス形態の介護事業所でも、チームの一員としての介護職を求めているのか、チームリーダーを求めているのかでは、アピールすべき内容が変わってきます。事業所案内や募集要項をしっかり読み込み、応募先の事業所がどのような状況でどのような人材を求めているかを想像して、よりマッチする内容にしましょう。
■資格や免許の情報は正確に書く
資格の名称は省略せず、正式名称で書きましょう。法律の改正で名称が変わっているものは、取得時の名称を書くようにします。取得見込みや勉強中のものがあれば、それらも記入します。資格があることで採用時に有利になるうえ、入職後に資格手当が支払われることもあります。
■業務内容を具体的に記述する
採用担当者は、応募者がこれまでどのような環境でどのような仕事に従事し、どのような成果をあげたのかを詳細に知るために職務経歴書を見ます。担当者の頭のなかにイメージが浮かぶように、できる限り具体的な情報を書くことが大切です。
以前も介護事業所に勤務していた場合は、その事業所の利用者数や従業員数、利用者の要介護度、イベントの企画を担当した回数などの数字を盛り込むと、担当者が応募者の経験や能力レベルを判断しやすくなります。
■人柄・コミュニケーション能力をアピールする
介護職は、現場で高齢者を直接ケアする仕事であり、医療や福祉のさまざまな専門職とチームになってケアにあたります。利用者とのコミュニケーションはもちろん、スタッフ間の円滑な意思疎通や情報共有も大切です。
そのため採用では、実務経験やスキル以上に、人柄やコミュニケーション能力が重視される傾向があります。これまでの経歴のなかで、顧客や利用者に喜ばれたエピソードやコミュニケーションの取り方で工夫した経験があれば、実績欄や自己PR欄などに記載しましょう。
たとえば入所当初は無口で他の人ともコミュニケーションを取りたがらなかった利用者が少しずつ会話を楽しむようになった、家族から利用者が活き活きしているので安心していると声をかけられたといったエピソードは、ひとつの成果といえます。介護業界が未経験の人は、前職での経験をコミュニケーションの向上という切り口で整理して書くこともできます。
■大変だった経験は前向きに表現する
退職理由などでこれまでに経験した業務で苦労したことや大変だった経験に触れる場合は、単なる前職の悪口と受け取られないように、表現に注意しましょう。たとえば、自分が困難をどう乗り越えたか、その経験がどのように次のステップへの動機につながったのかを述べて、自分のやる気や人柄をアピールする方向につなげるとよいでしょう。
職務経歴書の書き方(編年体式の場合)
ここからは、最も一般的な編年体式の職務経歴書の書き方を、項目別に詳しく見ていきましょう。
■タイトル・日付・氏名

タイトルは「職務経歴書」とし、記載した年月日と氏名を記入します。西暦、元号のどちらでもOKですが、職務経歴書内ではどちらかに統一しましょう。
氏名は必ず戸籍に登録されている名前を書きます。旧漢字で登録されている場合は登録されているまま旧漢字で氏名を書くのが基本です。また、仕事では旧姓を使いたい場合は、履歴書や職務経歴書には戸籍に登録されている名前を書いて、面接の際に担当者に希望を伝えるか、履歴書の備考欄に書いておきましょう。
■経歴概略

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