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介護職の仕事内容とは? 施設の種類による違いや仕事の魅力についても解説!

介護職の仕事内容とは? 施設の種類による違いや仕事の魅力についても解説!

近年、高齢者や障がい者への支援のニーズが高まるなか、社会的なニーズも高まり、将来性のある仕事として注目されている介護職。そんな介護職の主な仕事内容、施設の種類による仕事内容の違い、給与事情、仕事の魅力など、介護職の仕事に関する基礎知識を徹底解説します。【執筆者:ささえるラボ編集部】


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執筆者

ささえるラボ編集部

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ささえるラボ編集部です。 福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします! 「マイナビ福祉・介護のシゴト」が運営しています。

高齢化が進む日本では、高齢者や障がいのある人への支援のニーズが高まっています。そのため、安定性・将来性のある仕事として、介護職に興味を持っている人もいるのではないでしょうか。長年、介護職は重労働のわりに給料が安い仕事というイメージが根強かったものの、近年は国をあげて介護職の処遇改善を推進する動きもあります。

そこで今回は、介護職の主な仕事内容、施設の種類による仕事内容の違い、給料事情、仕事の魅力など、介護職の仕事に関する基礎知識を徹底解説。「未経験からでもチャレンジできるの?」という疑問にも答えます。

介護職の主な仕事内容

まずは、介護職の主な仕事内容を見ていきましょう。

高齢者介護施設で介護業務にあたる職員は、介護職や介護士と呼ばれますが、訪問介護事業所の介護職は、ホームヘルパーと呼ばれています。また、障がい者施設で利用者の支援や介護にあたる介護職は、生活支援員と呼ばれるのが一般的です。

身体介護:利用者の体に直接触れる介助サービス

身体介護とは、利用者の体に直接触れる介助サービスのことです。
介護職が身体介護を行うには、原則として介護職員初任者研修(以下、初任者研修)以上の資格が必要とされています。ただし、介護現場で資格を持つ介護職の指導のもとで介護助手として働く場合は、無資格者でも身体介護を行うことができます。

身体介護は、介護職の体への負担が大きいので、多くの介護現場では、最小限の力で介助を行うための介護技術である「ボディメカニクス」が活用されています。次に、具体的な身体介護の仕事内容をあげます。

■移動・移乗介助

「起きる」「立つ」「座る」「歩く」といった動作が難しい利用者を、介護職が体を支えながらサポートする移動・移乗介助は、介護現場では欠かせない身体介護の一つです。

居室からトイレ、居室から別室などへの移動を介助するのが移動介助、ベッドから車椅子、車椅子からベッド、車椅子からトイレの便座などへの乗り移りをサポートするのが移乗介護です。移動・移乗介助を行う際には、介護職は利用者が転倒しないように細心の注意を払わなければなりません。

■食事介助

身体機能や認知機能の低下によって、自分で食事をするのが難しい利用者の手助けをします。介助の方法は、利用者の体の状態や食事の内容にもよりますが、介護職が隣に座ってスプーンで利用者の口に食事を運ぶという方法が一般的です。食事介助を始める前に、安全な体勢を確保し、食べやすい環境を整えることも大切です。

高齢になると、嚥下機能(食べ物を飲み込む機能)の低下により、食べ物が食堂ではなく気管に入る「誤嚥(ごえん)」を起こしやすくなります。食事介助を行う際には、誤嚥を起こさないように、様子をよく見ながら、利用者が食べるペースに合わせる必要があります。

■排泄介助

一人で排泄するのが難しい利用者を介助する業務が排泄介助です。
排泄は自分でできるものの一人でトイレに行くのが難しい場合は、トイレまでの移動をサポートします。おむつが必要な利用者であれば、介護職が衣服の着脱からおむつ交換、清拭までを行います。

利用者のなかには、介護職に排泄を介助してもらうことに羞恥心やストレスを感じる人や、介護職に対して申し訳なさを感じる人もいます。利用者の気持ちを想像しながら、精神的な負担が最小限になるように配慮することが大切です。

■入浴介助

タオルや着替え、ボディソープ、体を洗うスポンジなどを準備したうえで、利用者を浴室に誘導して入浴を介助します。介助の方法は利用者の希望や要介護度にもよりますが、シャワーチェアに座ってもらって利用者の体を洗った後、介護職が利用者の体を支えながら浴槽までの移動をサポートし、お湯に浸かってもらうという方法が一般的です。

浴槽での入浴時には、電動リフトやストレッチャーといった機械を使う場合もあります。電動リフトは座ったままで入浴できるイス型の機械で、ストレッチャーは寝た状態で入浴できるベッドのような形の機械です。

入浴前には、利用者の体温や血圧などを測って健康状態をチェックする必要があります。利用者の体調がすぐれない場合は、シャワーだけにする、体を拭くだけにするなど、別の方法で体を清潔にします。また、冬場に脱衣所や浴室の気温が冷えていると、血圧が急激に上がってヒートショックを起こすことがあるので、入浴前にエアコンを使う、浴室の壁や床にお湯をかけるといった方法で気温を上げておく必要があります。

■更衣介助

起床時や就寝前、外出前などに利用者の着替えを介助します。利用者の身体機能をできる限り維持するためには、介護職が見守りながら、できる部分は自分でやってもらい、できないことだけを手助けすることが大切です。

着替えをしている姿がほかの利用者や職員に見えないように、カーテンを閉める、タオルをかけるといったプライバシーへの配慮を忘れないようにしましょう。

■整容介助

洗顔や整髪、ひげ剃り、化粧、爪切りなどを行って利用者の身だしなみを整えることを整容介助といいます。整容は、衛生状態を保つためにはもちろん、利用者の気分をリフレッシュさせて、自信を向上させるためにも役立ちます。更衣介助と同じく、すべての工程を介護職が行うのではなく、利用者ができない部分だけを手伝うようにしましょう。

■服薬介助

高齢の利用者のなかには、複数の薬を服用している人が少なくありません。飲み忘れや飲み間違いが起こりがちなので、介護職が服用のタイミングで声をかけたり、飲み忘れがないかを確認したりする必要があります。利用者が薬を服用する際には、誤嚥しないように見守ることも大切です。

ただし、包装されたシートから薬を取り出すこと、薬の一包化(用法が同じ薬を一つの袋にまとめること)などの医療行為に該当する行為は、介護職にはできません。医療行為が必要になる場合は、看護師や医師に相談しましょう。

■口腔ケア

利用者の口の中の状態を確認し、歯磨きや入れ歯のケアなどをサポートします。利用者自身で歯磨きができる場合は自分でやってもらい、介護職は磨き残しがある箇所を中心にケアしましょう。

生活援助:日常生活をサポートするサービス

生活援助は、掃除や洗濯、衣類の整理、調理、食事の後片づけなど、日常生活をサポートする業務です。買い物や薬の受け取りを代行することもあります。基本的には利用者の体に触れることはなく、初任者研修をはじめとする介護の資格がない人でも業務にあたることができます。

介護記録・支援記録の作成

介護サービスや障害福祉サービスを提供する施設・事業所では、実施したサービスの内容や利用者の健康状態、様子などを記録に残す業務が不可欠です。こうした記録は、介護施設・事業所では介護記録、障がい者施設・事業所では支援記録と呼ばれるのが一般的です。

介護記録や支援記録は、主に、職員間の情報共有やケアプランの作成、利用者の家族への報告のために作成されます。ほかに、トラブルがあったときに職員を守るために法的証拠を残すという目的もあります。

レクリエーションの企画・実施

介護施設・事業所や障がい者施設・事業所では、利用者の機能維持・向上や楽しみのためにレクリエーションを企画・実施しています。実施されるレクリエーションの種類は、リズム体操や球技などの運動のほか、塗り絵、カラオケ、料理、伝言ゲームなどさまざまです。レクリエーション担当の介護職が、利用者の趣味や希望、要介護度などに合わせた企画を立てる必要があります。

レクリエーション当日には、担当の介護職がやり方やルールを説明したうえで、安全に十分に配慮し、参加者全員が楽しめるように声かけをしながら進めていきます。

リハビリテーション(リハビリ)の補助

退院後、在宅復帰を目指す高齢者が入所する介護老人保健施設(老健)や、主に病気やケガの改善を目指す人が利用する通所リハビリテーション事業所では、利用者を対象としたリハビリが行われています。

リハビリのメニューを考えて実施するのは理学療法士や作業療法士などの資格を持つリハビリ専門職ですが、介護職も、リハビリに使う機械の準備や片付けのほか、準備体操や訓練でリハビリ専門職の補助をすることがあります。

健康チェック・メンタルケア

利用者の健康状態を把握することも、介護職の重要な業務の一つです。入居型施設の介護職は、通常、利用者の健康状態を把握するために、毎日決まった時間に、体温や脈拍、血圧などを計測する「バイタルチェック」を行っています。

バイタルチェックのほか、日常的に利用者に接するなかで、その表情や行動をよく見て、異変のサインがないかをチェックすることも大切です。異常や心配な様子に気づいたときには、看護師に知らせる、医療機関に連絡するといった対応をする必要があります。

また、介護職は、利用者の体調はもちろん、精神面にも気を配る必要があります。もし普段と比べて元気がない、ふさいでいるといった様子が見られたら、声をかけて話を聞いて、ほかの職員とも連携しながら悩みや不安を軽減できる方法がないかを探ります。

施設の種類別の仕事内容

介護職の仕事内容は、勤務する施設・事業所によっても異なります。続いて、施設・事業所のサービス形態別に、主な介護職の仕事内容を詳しく解説します。

特別養護老人ホーム(特養)

特別養護老人ホーム(特養)は、原則として65歳以上で要介護度3以上の人が暮らす入居型施設です。運営しているのは、主に社会福祉法人や地方自治体です。利用者の看取りケアまで対応していて、終の住処として、最期を迎えるまでここで生活する人も少なくありません。

自分では歩行が難しく、常時介護が必要な利用者が多いため、介護職の仕事は、入浴介助や排泄介助、移乗介助といった体を使った身体介護が中心です。また、シフト(交代)制の勤務形態が一般的で、夜勤があるのも特徴です。特別養護老人ホーム(特養)での仕事には、身体的負担が大きい反面、基本的な介護スキルやチームワークがしっかり身につくというメリットがあります。

有料老人ホーム

有料老人ホームは、民間企業が運営する入居型の介護施設で、自立した生活ができる人から要介護度の高い人まで、幅広い高齢者が利用しています。施設によってサービス内容には違いがあり、要介護度の高い入居者が多くを占める施設では、介護職の仕事は身体介護が中心です。一方、要介護度の低い入居者が中心の施設では、生活援助の比重が大きいでしょう。

介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設(老健)は、病気やケガで長期間入院した高齢者が、退院後、在宅復帰を目指してリハビリをしながら生活する入居型施設です。対象は、原則として65歳以上で要介護度1以上の人です。

介護老人保健施設(老健)における介護職の主な仕事は、身体介護や日常生活の支援のほか、病院に通院する際の同行、リハビリの補助などです。利用者の身体機能の回復をサポートする施設なので、医療職やリハビリ職などと連携しながら働くことが求められます。介護職にとっては、基本的な介護業務はもちろん、リハビリに関する知識、他職種も含めたチームワークの経験も積める職場といえます。

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

グループホームとは、要支援2以上の認知症の人を対象とした小規模な入居型施設です。身の回りのことが自分でできることも利用条件の一つです。グループホームの入居者は、担当の介護職の支援を受けながら、5~9人の小規模なユニット単位で共同生活を送ります。

グループホームでの介護職の仕事は、食事介助や入浴介助などの身体介護、掃除や洗濯、買い物代行などの生活援助が中心です。小規模な施設なので、アットホームな雰囲気で利用者との距離が近いのが特徴です。一人ひとりに寄り添ってじっくりとケアに取り組みたい人や、認知症に関する知識や認知症の人に対応するスキルを身につけたい人に適した職場です。

通所介護施設(デイサービス)

通所介護施設は、要介護度1以上の高齢者が自宅から通って利用する介護施設で、デイサービスとも呼ばれています。通所介護施設で働く介護職は、主に、自宅からの送迎や食事介助や入浴介助といった身体介護を行うほか、体操やゲームなどのレクリエーションを実施しています。

利用者の要介護度が低く夜勤がないのが特徴で、特別養護老人ホーム(特養)のような入居型施設と比べると、介護職の身体的負担は大きくありません。レクリエーションに関わる機会が多いので、レクリエーションの企画・進行が好きな人、得意な人に適した職場といえます。

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所とは、身体障がいや知的障がい、精神障がいなどの障がいを持つ人の就職や復職を支援する通所型の施設です。利用者は、就労移行支援事業所に通うことで、就労に必要な知識やスキルを身につける訓練を受け、飲食物や工芸品の製造・販売、農業などの生産活動を体験することができます。そのほかに、就職活動のサポート、就職後の職場への定着を目的とした相談にも対応しています。

就労移行支援事業所で働く生活支援員は、生活習慣を整えるためのアドバイスや健康管理の指導をしたり、就労に向けた生活面の悩み相談に対応したりと、主に生活に関するサポートを行います。なお、就労移行支援事業所では、生活支援員のほかに、利用者に合った就職先探しや就職後の定着のための支援をする就労支援員、主に職業訓練や生産活動の指導を担当する職業指導員といった職種も働いています。

訪問介護事業所

訪問介護とは、介護を必要とする人の自宅を訪ねて身体介護や生活援助を行う介護サービスです。訪問介護サービスを提供する事業所を、訪問介護事業所と呼びます。訪問介護事業所で働く介護職は、ホームヘルパーと呼ばれるのが一般的です。

ホームヘルパーは、利用者の自宅を訪問して、食事介助や排泄介助、入浴介助などの身体介護を行うほか、掃除や洗濯、調理、買い物の代行など、利用者が必要としている生活援助を行います。利用者が医療機関を受診する際には、通院に付き添うこともあります。

ホームヘルパーは、利用者の自宅に一人で訪問して身体介護にあたることがほとんどです。そのため、訪問介護事業所での勤務を希望する場合、基本的には初任者研修以上の資格が求められます。

居宅介護事業所(ホームヘルプ)

居宅介護とは、65歳未満で障がいや難病によって介護が必要な人向けのサービスで、訪問介護と同様にホームヘルパーが利用者の自宅を訪問し、身体介護や生活援助にあたります。65歳以上で障がいがある場合は、通常、介護保険が優先され、介護保険サービスを受けることになります。

なお、居宅介護とよく似た言葉に居宅介護支援がありますが、この2つは全く異なるサービス形態です。居宅介護が障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つであるのに対し、居宅介護支援は、介護保険法に基づく介護保険サービスです。

居宅介護支援事業所はケアマネジャーが常駐する事業所で、介護が必要な高齢者やその家族からの介護保険サービスに関する相談を受けつけ、その人の要介護度や心身の状態に合ったケアプランを作成し、適した介護サービス事業者につなぐ役割を担っています。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者が安心して暮らせる環境を整えたマンションのことで、略して「サ高住」と呼ばれることもあります。段差をなくす、スロープや手すりを設置するといったバリアフリー設計になっているケースが一般的です。

サ高住は介護施設ではなく住宅なので、介護サービスは提供されていません。介護を必要とする入居者は、個別に外部の介護サービスを利用します。サ高住に勤務する介護職の仕事は、見回りや安否の確認、買い物の代行といった日常生活のサポートが中心です。

医療機関

入院設備のある医療機関も、介護職の職場の一つです。入院患者のなかには高齢で介護を要する人や、病気やケガで着替えや入浴をするのが難しい人もいます。医療機関で働く介護職の主な仕事は、そうした患者の身体介護です。そのほかに、食事の配膳や必要な備品の準備、掃除や洗濯などの生活援助、患者が診察を受ける際の付き添いといった業務を行うこともあります。

医療機関には要介護度の高い患者の割合が少なく、レクリエーションやイベントがないため、特別養護老人ホーム(特養)のような入居型施設と比べると身体的な負担は少ないでしょう。一方、他職種と関わる機会は入居型施設より多く、なかでも看護師との連携は欠かせません。

介護職の給料事情

介護職をキャリアの選択肢の一つとして検討する場合、仕事内容とあわせて気になるのが、給料事情です。ここでは、介護職の平均給与や給与アップにつながる国の取り組みについて解説します。

介護職の平均給与額

厚生労働省の調査によると、常勤の介護職の平均給与額(基本給・手当・一時金込み)は32万2,550円、非常勤の場合、20万4,440円です。月の平均給与額×12で算出した平均年収額は、常勤の場合で387万600円、非常勤の場合で245万3,280円です。
出典:厚生労働省 令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果

介護職の給与は今後どうなる?

超高齢社会を迎えた日本では、介護を必要とする高齢者が増え続けるなかで、介護人材の不足が問題視されてきました。そこで政府は介護職の給与をアップすることで介護人材の確保や定着をはかろうと、2012年に「介護職員処遇改善加算」の運用を開始しました。この制度は、要件を満たした事業所に、介護職員の待遇を改善するための加算金を支給するものです。

その後も、新たな補助金や加算制度といった介護職の賃上げにつながる施策は続々と打ち出されています。こうした国による取り組みの影響で、介護職の平均給与額は年々上昇傾向にあります。国は介護ニーズの高まりに合わせて取り組みを強化していく姿勢を見せているため、介護職の平均給与額は、今後さらに上がっていく可能性が高いでしょう。

介護職の1日のスケジュール

では、介護職はどのような1日を過ごしているのでしょうか。ここでは、介護職の1日の勤務スケジュール例を、施設別に紹介します。

入居型施設(日勤)の場合

入居型施設日勤の1日

入居型施設(夜勤)の場合

入居型施設夜勤の1日

通所型施設の場合

通所型施設の1日

訪問介護事業所の場合

訪問介護事業所の1日

介護の仕事の魅力

介護の仕事は、重労働ですが、さまざまな魅力やメリットがある仕事でもあります。次に、介護職の主な魅力ポイントを紹介します。
1.やりがいがある
2.性別・年齢に関係なく働ける
3.ライフスタイルに合わせて働ける
4.やる気次第でキャリアアップできる
5.社会に貢献できる
6.失業のリスクが低い
7.今後、待遇が改善される見込みがある

1.やりがいがある

介護職は、日々のコミュニケーションを通して利用者の気持ちを想像しながらさまざまなケアを提供するやりがいのある仕事です。利用者やその家族から直接「ありがとう」と感謝される機会も多く、そのたびに「この仕事をしていてよかった」と喜びを感じる人が多いようです。

利用者が機能訓練を重ねた結果、今までできなかったことができるようになった瞬間に立ち会えることもあります。そのほか、現場経験を重ねるほどスキルが高まることにやりがいを感じる介護職も少なくありません。

2.性別・年齢に関係なく働ける

福祉・介護業界では、深刻な人手不足が続いているという事情もあり、求人募集の際に年齢制限を設けていない施設・事業所がほとんどです。そのため20代から70代まで、幅広い年代の人が介護職として活躍しています。

ほかの業界では、年齢を重ねると転職活動で不利になる場合もありますが、介護職の場合、何歳でも転職先に困ることは少ないでしょう。たとえ40代以上で未経験でも、やる気さえあればチャレンジは可能です。

また、もともと男性よりも女性の割合が多い福祉・介護業界では、女性だから昇進しにくい、管理職になりにくいということはほとんどなく、女性が活躍しやすい職場といえます。かといって、男性が働きにくい職場かというと、そんなことはありません。男性の利用者のなかには、同性の介助を希望する人も少なくないため、どの職場でも男性の介護職は歓迎される傾向があります。

3.ライフスタイルに合わせて働ける

福祉・介護業界には、さまざまなサービス形態の施設・事業所があり、介護職は、自分の体力やライフスタイルに合った職場を選ぶことができます。たとえば夜勤が苦手な人は、夜勤のない通所介護施設(デイサービス)や訪問介護事業所を選ぶとよいでしょう。夜勤が苦にならず、体力にも自信があって、介護技術をしっかり身につけたい人には、24時間体制の入居型施設がおすすめです。

また、介護職は、正規職員のほか、パート、アルバイト、派遣、夜勤専従など、幅広い働き方を選ぶことができます。職場によっては、短時間の勤務や週に数回だけの勤務も可能です。将来、結婚や出産などでライフスタイルが変化しても、勤務形態を変更したり、違うサービス形態の施設・事業所に転職したりすることで、介護の仕事を続けることができるでしょう。

4.やる気次第でキャリアアップできる

介護職は、経験を重ねながら、初任者研修、介護福祉士実務者研修、介護福祉士とより上位の資格を取得していくことで、着実に専門知識とスキルを身につけることができます。職場でスキルとやる気を認められれば、チームリーダーや主任への昇進も可能です。さらに施設長、所長といった管理者を目指す道もあります。

昇進すると責任は増しますが、多くの場合、給与もアップします。また、資格手当てを支給する施設・事業所も多いため、特に役職につかなくても、上位資格をとれば給与が上がることがあります。

5.社会に貢献できる

超高齢社会の日本では、介護の専門知識とスキルを持った人材へのニーズが高まっています。介護職は、高齢者の自立支援やQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上に直接役立てる仕事といえます。

さらに、介護の仕事が高齢者の孤独・孤立、介護を担う家族の負担増といった社会課題の解消にもつながっていることを意識すると、自分が社会に貢献しているという実感をより強く感じられるでしょう。

6.失業のリスクが低い

今後も高齢者の人口が増え続けることを考えると、介護へのニーズは、ますます高まると考えられています。介護施設はもちろん障がい者施設でも人手不足のところが多く、どの職場も経験の有無に関わらず、介護職として働いてくれる人材を求めています。

介護職として前向きに仕事に取り組んでスキルを磨きながらキャリアを積んでいけば、将来、職を失うリスクは低いでしょう。たとえ一度退職しても、復帰したいと思えば、比較的早く新しい職場も見つかるはずです。

7.今後、待遇が改善される見込みがある

安定した就労ができることは介護職の大きな魅力ですが、一方で、重労働のわりに給与が低いというイメージが強く、介護職志望の人がなかなか増えない一因となっていました。しかし、近年、「介護職員処遇改善加算」をはじめとする政府の取り組みが影響し、介護職の給与は上昇しています。国の取り組みや給与の上昇傾向は、今後も続くと考えられています。

また、加算制度には、キャリアパスの整備や職場環境の改善を目的とした要件が定められています。そのため施設・事業所が加算を取得することで、賃金アップとともに、介護職にとってより働きやすい職場環境に近づく仕組みになっています。

介護の仕事の大変なところ

一方で、介護の仕事には大変な面もあります。介護の仕事の主なデメリットを見てみましょう。
1.身体的な負担が大きい
2.人手不足の施設が多い
3.施設によっては夜勤がある
4.人間関係の悩みが生じがち

1.身体的な負担が大きい

介護職は、利用者の体を支えながら、入浴や車椅子への移動などを介助する機会が多く、身体的な負担の大きい仕事です。立ったままで過ごす時間も長いうえ、1日の予定に沿って利用者に必要なケアやサービスを提供するために、常に動き回っていなければなりません。

基本的には、体力に自信がある人でないと続けられない仕事といえるでしょう。若いうちはとくに無理をしているとは感じなかった人でも、年齢を重ねるにつれて身体介護がつらくなる場合や、長年体に負担をかけ続けた結果、腰痛が悪化する場合があるようです。

とはいえ、福祉・介護業界にはさまざまなサービス形態の施設・事業所があります。どんなサービス形態でも、ある程度の体力は求められますが、自分の体力やライフスタイルに合わせて、要介護度の低い利用者中心の施設や夜勤のない施設を選ぶこともできます。
また、若いうちは介護現場で経験を重ねて、年齢を重ねてからは、介護経験を活かしてケアマネジャーや相談員といったデスクワーク中心の職種にキャリアチェンジするという道もあります。

2.人手不足の施設が多い

介護が必要な人が増え続ける一方で、介護人材の確保が追いついていないため、福祉・介護業界には人手不足の施設・事業所が少なくありません。

人手不足の職場では、職員一人あたりの業務量が多い、希望通りに休みがとりにくいといった問題が生じがちです。

3.施設によっては夜勤がある

特別養護老人ホーム(特養)のような24時間体制の入居型施設は、一般的にはシフト制で、常勤の職員には月に数回の夜勤が回ってきます。

なかには、夜勤の日だけ昼夜が逆転するために生活リズムが崩れてしまい、寝つきが悪い、不眠といった睡眠トラブルに悩む介護職もいます。夜勤が苦手な人は、通所介護施設(デイサービス)や夜間対応をしていない訪問介護事業所など、夜勤のない施設・事業所で働くのも選択肢の一つです。

4.人間関係の悩みが生じがち

介護職は利用者と直接接するサービス業なので、担当の利用者とうまくコミュニケーションがとれない、利用者の家族からケア方法についてクレームが入るといったトラブルが生じることもあります。また、介護現場はチームワークが基本で職員同士の距離が近いため、上司が厳しすぎる、同僚との相性がよくないといった職場の人間関係に悩む介護職も少なくありません。ほかに、医療職やリハビリ職など、他職種との関係性に悩むケースもあるようです。

職場の人間関係で悩むことが多い人は、訪問介護事業所に転職すると、悩みを軽減できることがあります。ホームヘルパーは利用者の一人で業務にあたることが多く、ほかの介護職と密接に関わる機会が少ないためです。

介護職に向いている人の特徴

では、介護職に向いているのはどんな人なのでしょうか。次に、介護職に向いている人の主な特徴を紹介します。
介護職に向いている人の特徴は以下の通りです。
1.人と関わることが好き
2.些細な変化に気づくことができる
3.相手の立場や気持ちを想像できる
4.気持ちの切り替えが得意
5.協調性がある人

1.人と関わることが好き

介護職の主な仕事は介護業務ですが、利用者とコミュニケーションをとることも大切な仕事です。介護職は、利用者との会話を通してその気持ちや要望を汲み取りながら、性格や心身の状態に合わせたケアをしなければなりません。前向きな言葉をかけて、利用者を安心させたり元気づけたりするのも仕事のうちです。

また、利用者の家族に利用者の様子を報告する機会や、相談を受ける機会も少なくありません。基本的に、人と関わることが好きで、コミュニケーション力のある人に向いている仕事といえます。
介護スキルを備えていても、人と関わるのが苦手な人にはあまり向いていないかもしれません。

2.些細な変化に気づくことができる

高齢の利用者のなかには持病を持つ人も多く、ときには体調が急変することもあります。介護職はケアをするなかで、その表情や様子を注意深く観察する必要があります。もし異変があれば、ベッドで休んでもらう、看護師に相談する、施設と提携している医療機関の担当医に連絡するなど、適切な対応をとらなければなりません。

また、利用者の周辺や施設内に、転倒やケガにつながりそうな箇所があれば、事前に家具の位置を変える、業者への修繕を管理者に依頼するといった対応も必要です。普段から周囲の人や状況の些細な変化に敏感で、状況に合わせて臨機応変な判断ができる人は介護職向きといえるでしょう。

3.相手の立場や気持ちを想像できる

利用者のなかには、体を思うように動かせず、つらい気持ちを抱えている人が少なくありません。また、介護現場では、認知症の方と接する機会も多々あるはずです。

利用者の自尊心を尊重することは、介護の基本です。特に認知症の方に接するときは、症状や行動の特性を理解したうえで、否定したり急かしたりせず、共感を示すことが重要とされています。相手の気持ちを想像しながら、寄り添ったケアや前向きで温かい言葉がけができる人こそ、介護職に向いています。

4.気持ちの切り替えが得意

介護の仕事では、特に自分自身に非がなくても、利用者から心ない言葉を投げかけられることや、利用者の家族からクレームが入ることもあります。また、特別養護老人ホーム(特養)のように看取りに対応している施設では、長年にわたって心を込めてケアを担当してきた利用者との別れを経験しなければならないこともあります。

そのような状況で気分が落ち込むのは仕方ないことですが、ストレスやネガティブな気持ちを長く引きずりすぎてしまう人には、介護職はあまり向いていないかもしれません。仕事が終わった後や休みの日には気持ちを切り替えて、趣味や遊びを楽しんでうまくストレスを発散できる人ほど、介護の仕事を続けやすいでしょう。

5.協調性がある人

介護の仕事は、チームワークが基本です。たとえば要介護度の高い利用者の入浴介助では、準備から移動、入浴、片付けまでを2人以上の介護職が協力し合って行う場合もあります。看護師や医師、リハビリ職との情報共有や連携も欠かせません。

自分の意見を積極的に発することも大切ですが、相手の意見にも耳を傾けなければなりません。チームワークのなかでは、ときには、ほかのメンバーのやり方やペースに合わせなければならないこともあります。周囲の人と積極的にコミュニケーションをとりながら協力し合って業務を進められる人は、介護職としてもうまくやっていけるでしょう。

介護職が取得したい資格

介護職は、資格をとることで知識やスキルを身につけられるだけでなく、施設・事業所によっては資格手当てで給料も上がることもあります。ここからは、介護職向けの主な資格を紹介します。

1.介護職員初任者研修

初任者研修は、介護の資格のうち、もっとも入門的な資格です。2013年度の介護保険法の改正によってホームヘルパー2級が廃止され、その代わりにスタートしたのが初任者研修です。計130時間の研修を受講し、筆記試験に合格して研修を修了することで、資格を得ることができます。

初任者研修の目的は、基本的な介護の知識・技術と、それを実践する際の考え方のプロセスを身につけることです。研修を実施しているのは、都道府県が指定した全国のスクール(専門学校)や社会福祉法人などです。初任者研修には、とくに受験要件が設けられていないため、誰でも受けることができます。介護職のほか、家族の介護に役立てるために取得する人も少なくありません。

2.介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修(以下、実務者研修)とは、初任者研修の上位資格で、より実践的な介護の知識と技術を身につけるための研修です。2013年に、ホームヘルパー1級と介護職員基礎研修に代わる資格として始まりました。初任者研修と同様、都道府県の指定を受けたスクールや社会福祉法人などが研修を実施しています。特に受験要件はなく、研修を受講して修了すれば資格を取得することができます。

研修のカリキュラムには、コミュニケーション技術や生活支援技術、認知症や障がいの理解といった介護業務に必要な項目のほか、「たん吸引」や「経管栄養」などの知識と技術を学ぶ医療的ケアも含まれます。研修の時間数は計450時間ですが、初任者研修を修了していると、130時間分の科目の受講が免除されます。 なお、後述する介護福祉士の国家試験を実務経験ルートで受ける場合、受験要件として、3年以上の実務経験のほかに、実務者研修修了の資格が求められます。

3.介護福祉士

介護の資格のなかでは唯一の国家資格で、取得すると介護福祉士を名乗って働くことができます。介護福祉士の資格を持つ人は、専門的な知識と技術を持った介護のプロとみなされます。介護現場では、経験の浅い介護職を指導する役割も担っています。

介護福祉士の国家試験には、受験要件が設けられています。介護福祉士になるまでのルートは、主に以下の3つです。

▼介護福祉士受験要件

介護福祉士受験要件

このほかに、経済連携協定によって海外から来日した人が、3年以上の実務経験を積んで国家試験に合格する「経済連携協定(EPA)ルート」もあります。

介護福祉士の国家試験は、毎年1~2月に、社会福祉振興・試験センター(以下、試験センター)が実施しています。試験の概要や詳しいルートは、試験センターの介護福祉士国家試験のページでご確認ください。

介護職のキャリアパス

キャリアパス

初任者研修、実務者研修、介護福祉士の順に資格を取得していくのが、もっとも一般的な介護職のキャリアパスとされています。実務者研修や介護福祉士といった上位資格を取得し、現場で経験を積んで資質や能力が認められると、介護リーダーや主任になれる場合もあります。人によっては、管理者(所長、施設長など)への昇進を打診されることもあるでしょう。

なかには介護福祉士の資格をとった後、ケアマネジャー(介護支援専門員)試験を受けて資格を取得し、居宅介護支援事業所や介護施設のケアマネジャーになる人もいます。ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の受験資格を得るには、介護福祉士や看護師、社会福祉士などの国家資格が必要な職種または生活相談員や支援相談員などとして5年以上の実務を経験する必要があります。

未経験・無資格から介護職になるには?

未経験で資格がなくても、介護職になることは可能です。 次に、その方法を紹介します。

未経験・無資格可の施設で働く

特別養護老人ホーム(特養)や有料老人ホームなどの入居型施設では、資格のある先輩介護職とチームで働くため、未経験・無資格の人でも介護助手として働くことができます。実際に多数の施設が、未経験・無資格OKの求人募集を出しています。

入職後、介護助手として働きながら初任者研修の資格を目指すこともできます。職場に受験費用の全額または一部を補助する資格支援制度がある場合もあります、入職前に確認をし、ぜひ利用しましょう。

初任者研修を修了してから職場を探す

まず初任者研修を受講して資格をとってから、転職活動を始めるという方法もあります。

初任者研修の資格があると、最初から介護助手ではなく介護職として働けるため、給与が高くなるのが一般的です。また、初任者研修以上の資格がないと働けない訪問介護事業所や、資格のある介護職を募集している施設・事業所にも応募できるようになるため、転職先の選択肢が広がります。

まとめ:仕事内容を理解し、自分にあった介護の仕事を見つけましょう!

身体介護の機会が多い介護業務は、体力勝負でハードな面もあります。しかし、利用者に感謝されたり心が通じ合ったりする機会も多く、やりがいのある魅力的な仕事でもあります。将来にわたって介護のニーズがなくなることはないため安定性もあり、国の政策によって、さらに待遇面が改善していくと見込まれています。

この記事を読んで、介護の仕事に興味を持った人、自分に向いているかもしれないと感じた人は、介護施設・事業所を転職先の選択肢の一つとして検討し、自身のキャリアパスやライフスタイルにあった働き方を見つけていきましょう。

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