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【事例あり】介護職の魅力発信!~私が介護職を選んだ理由と施設・事業所ができる魅力発信方法~

【事例あり】介護職の魅力発信!~私が介護職を選んだ理由と施設・事業所ができる魅力発信方法~

介護職の魅力を知ってもらうために、介護に携わる多くの方がSNSやプロジェクトで魅力の発信を行っています。それでもなお、2040年には57万人の介護職不足が起こると言われているのが現状です。この記事では、1人でも多くの方に介護職の魅力が伝わるよう、介護業界に携わる大関先生が介護職に就いたきっかけや、施設・事業所ができる介護の魅力発信方法を解説します!【執筆者/専門家:大関 美里】


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「介護の魅力を伝えたい」そう思った時に意識したいこと

執筆者/専門家

大関 美里

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/13

社会福祉士、介護福祉士、認定排泄ケア専門員、排泄機能指導士 介護現場の職員の後、祖父の在宅介護での後悔と、自身の介護うつ経験から、そのきっかけになった排泄の支援を追求すべくおむつメーカーへ転職。 1000人以上の方のおむつ交換に触れ、介護する側もされる側も双方が「シッカリ出して、スッキリ生きる」ことが、より良い人生に繋がる。気持ち良く「出す」ことをサポートすることで良い循環が生まれることを実感する。

介護の仕事に従事されている方、業界を盛り上げていくためにたくさんの取り組みをされている方、業界を牽引する方の存在を、SNSや多方面からの発信で感じることが増えてきています。
それでも、2040年には「介護職は57万人不足する」といった推測から、介護の魅力発信は、まだまだ十分ではなく、今後も業界全体で向き合う必要があるとも言えるテーマです。

そんな中、「介護の魅力発信」という表現を耳にしたことがあると思います。国としても推進しているこのテーマ、どんな目的で発信するかでも変わりますが「介護の仕事」を伝えるときに意識したいことについて、自身のキャリアの始まりから例を挙げ、整理していきたいと思います。

【事例あり】大関さんと介護の仕事との出会い

介護職 孫 祖母 魅力発信

私のキッカケからみる職業との出会い

私が、幼稚園生のころ、曽祖母が高齢者施設に入居していました。面会に行くと、曽祖母はいつも穏やかに過ごしており、その中でも特にステキな女性の介護職の方がいて、ご自身もとっても楽しそうに働いていらっしゃいました。その施設は、利用者側である曽祖母だけでなく、スタッフの方の雰囲気もとても温かく、そこが輝いて陽だまりが見えるくらいの印象でした。

子どもながらに「世の中にこんなに居心地の良い場所があるんだ」と感動し、その温か さは強烈に記憶に残りました。それが「介護施設」との初めての出会いでした。 それ以来「介護職」を目指して学校へ進んだ、というのが私のキャリアの始まりです。

自分の大切にしたいものを見逃さない

…と、ここで止まってしまうと、ただの思い出話ですが、自己理解を進めていくと私は「どんな状況の人であっても、卑下することなく存在できる、陽だまりのような場をつくれるような人」になりたかったのです。

そんな「なりたい人物像」が「介護職」だったから、介護業界に興味を持ったと言えます。

大切にしたいものや譲れないものに気づかせるのが発信者の役目

皆さんは、今の仕事に就いたキッカケや、出会いには何がありましたか?
何千とある職業の中から今の仕事を選んだ理由は、どのようなものですか?

人生の中で「どんな仕事をするのか」はとても大きな選択です。でもそのキッカケは、些細なことだったり、偶発的なものであるかと思います。何に惹かれるのか、も個人によって全く異なるはずです。 ですが、その根っこにある自分だけの「大切にしたいもの」「譲れないもの」が隠れているコアな部分を早い段階に知ることができると、仕事を選択する際の迷いがなくなり、納得のうえでキャリアを描くことにもつながります。

また、その譲れないものに気づくことができるようなメッセージの発信を、意図的に発信側も行う ことで、業界への興味関心を引くことや、ミスマッチを防ぐことに繋がると思います。

大関さんが介護の魅力を発信するうえで意識していること

1.介護職の価値と向き合ってみましょう

私自身40代となった今は、家族介護者や病気・治療といったケアする側・される側を経験し、病気や老いで見つけづらくなるその人らしさに気づき、それを信じて関わっ てもらう意味と素晴らしさを感じるようになりました。

誰しもが老いに向かう道の上、 必ず必要な仕事だけれど、悲しみや辛さが多いゆえに見ないようにしている場所に光を当てる、そんな価値や役割をもつのが「介護職」ではないでしょうか。

2.介護職の専門性を理解しましょう

介護の仕事は「辛い」とか「大変」などのイメージを語られることが、まだあるかもしれません。もちろん、悲しみや喪失、憤りなどの感情に揺れることも多くありますよね。

しかし実際の介護職は、利用者さんそれぞれのこれまでの人生や経験に目と耳を向けながら、体や心の変化に触れ、その中でその方らしい暮らしを守ろう、生きようと思うことを支えようとすることが仕事です。

その方の生きる力を見つめて邪魔せず、生活を整えていくためには「身体のしくみ」と「心のしくみ」を理解したうえで、その人にとって最適な暮らしのために、毎日・毎瞬の優先順位と関わり方を考えていくことが必要です。そのような関わり自体が、介護の専門性となっています。
そして、実はこの唯一無二の専門性自体がすでに魅力であるということを、発信者側がどれだけ意図してメッセージを届けていくことができるかが重要なのです。

施設や事業所ができる介護の魅力を広める方法

ここからは視点を変え、介護施設側から介護の魅力を発信される際に押さえておきたいことを紹介していきます。

1. 自己理解促進への取り組み

労働者を取り巻く環境が大きく変化する今、自分自身の能力や特性に合わせたキャリア形成について、主体性を持って考えていく必要があります。

では、働く人が主体性をもって行うキャリア形成には、どんなステップがあるかというと、一連の行動として示されているのが、下記の6ステップです。その中で、どのような働き手にとっても、自らが主体的にキャリア形成を行ううえで基本となるものの1つ目に「自己理解」が挙げられています。

ーキャリア形成の6ステップ

キャリア形成6ステップ

参考:厚生労働省 キャリア・コンサルティング技法等に関する調査研究報告書の概要をもとに作成
自分が「何を大切にしたいのか=譲れないこと」とも言える「自分の価値観」。どうして、介護職を選んだのか、またどんな風に仕事をして生きていきたいのか、「自己理解」のコアを深めるような時間を持つことで言語化が進み、定着促進や、離職防止にも繋がると感じています。

2. ケアの質を高める取り組み

排泄ケアの改善を進めている特養の排泄委員会を立ち上げた委員長から、「丁寧に利用者さんの情報を読み解いていくこと、正しい薬の知識や介助方法を知ることで、1番回数が多い排泄を【快】にできること。ケアする側もされる側も穏やかに生活できることを学ばせていただきました。この時間は一生の財産です。」とメッセージをもらうことがありました。

産休明けでモチベーションが下がっていたが、ケアの改善によって自分の大切にしたいものが見つかったそうです。
介護 よい循環

より良いケアを提供することは、利用者さんの変化につながり、それがさらにモチベーションとなり、人材定着に繋がるといった好循環が起きます。

毎日が「当たり前」と慣れきってしまうと、思考停止状態で「こなすための仕事」に陥りがちで、そこからはポジティブな変化は起こらず、大変さだけが残ります。そうならないために、習慣やその世界の常識にとらわれず「違和感」を大切にできる現場であることは、大切なポイントかと思います。

もっとストレートに、人が生きるということや、人生に向き合わせてくれる仕事であるといった「生の声」の発信を行うことで、受け取る側の琴線に響くチャンスが増えるでしょう。

まとめ:介護業界の「魅力発信」を行い続けましょう!

2030年以降の人口減少と社会保障削減の政策の中、介護事業の経営を続けていかなければならない現状では、他業種の人材に興味関心を持ってもらうことが必須となってきます。

個人のキャリアは、「計画的偶発性理論」によると、8割は偶然から作られると言われています。
この理論を参考に考えてみると、「はじめから介護業界を目指す人には自分の価値観の言語化」を、「異業種から介護業界を目指す方へ向けては、介護ならではの真の専門性が真っ直ぐに届くよう」意識して発信することで、興味関心を持ってもらえるきっかけになるのではと思います。
※参考:計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)ジョン・D・クランボルツ 1999年発表 

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この記事のライター

社会福祉士、介護福祉士、認定排泄ケア専門員、排泄機能指導士

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