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介護業界への転職を考えているのであれば、「介助」と「介護」について正しく理解しておくことが大切です。この記事では、介助と介護の違いのほか、介助の6つの種類とそれぞれの仕事内容、介助の段階など、知っておきたい基礎知識を解説します。
介護と介助の違い
なお、一般的に自立とは、援助を受けずに自分の力で身をたてるという意味ですが、福祉分野においては、「自分の意志で主体的に生活する」「自分の能力を活かして社会活動に参加する」という意味で用いられています。
一方の「介助」とは、要介護者が日常生活を送るうえで欠かせない動作や行動を手助けする行為そのものを指します。具体的には、食事介助や入浴介助、移動介助、排泄介助など、さまざまな種類があります。
■介護の2つの種類と仕事内容
●身体介護
●生活援助
なお、訪問介護サービスとして生活援助を提供する場合、あくまで対象は利用者自身で、家族のサポートはサービスには含まれません。
■介助の6つの種類と仕事内容

それぞれの介助について、仕事内容やポイント、注意点を解説します。
●移乗介助
●更衣介助
更衣介助では、前開きのシャツや伸縮性にすぐれたものなど、着脱のしやすい衣服を選ぶことが大切です。カーテンで仕切る、ブランケットを体にかけるなど、利用者さんのプライバシーにも配慮しましょう。
●排泄介助
尿意や便意はあるもののベッドから起き上がれない場合には、便器・尿器を使用して介助します。利用者さんが寝たきりで排泄のタイミングをコントロールできない場合や、尿意や便意を感じられない場合には、オムツを使うのが一般的です。
排泄は、利用者さんの尊厳に大きく関わる行為です。プライバシーに十分に配慮し、利用者さんの意志を尊重して、自力でできることはできる限り自分でしてもらうようにしましょう。
●歩行介助
歩行介助には、主に、次の3つの種類があります。
ー1.見守り歩行
介助者は、利用者さんがバランスを崩しそうになったらすぐに支えられるように、基本的に斜め後ろから見守りながら、一緒に歩きます。利用者さんが杖をついている場合は杖の反対側に、体の左右どちらかの側に麻痺がある場合は麻痺のある側に立つのが基本です。階段を上るときは利用者の斜め後ろに、下りるときは斜め前に立ちましょう。
ー2.寄り添い歩行
ー3.手引き歩行
また、長距離の移動には適していないため、実施するのは、ベッドからトイレ、車椅子から食堂のテーブルなど、短い距離を移動するときのみにしましょう。
●食事介助
介助者が利用者さんの隣に座って、一口ずつスプーンなどで料理を口に運ぶ方法が一般的です。また、食事介助では、利用者さんが食事を安全に楽しめるように環境を整えることも大切です。食べる前、食べ終わった後の口腔ケアも、食事介助の一部です。
続いて、一般的な食事介助の準備と手順を紹介します。
ー食事前の準備
2. 排泄を済ませてもらう
3. 手を洗う(利用者さん・介助者のいずれも)
4. うがい、歯磨きなどの口腔ケア・嚥下体操をする
5. テーブルを拭く、高さを調整するなどして環境を整える
6. 誤嚥を防ぐため姿勢を整える
7. 献立を説明する
ー食事介助の手順
2. 口内を湿らせるために水分を摂ってもらう
3. 食事を提供する。利用者のペースに合わせて、主食、副菜、水分をバランスよく口に運ぶ
4. 食後は、摂取した食事量を確認する
5. 口周りや手を拭き、歯磨き、入れ歯洗浄などの口腔ケアを行う
6. 食事内容、摂取量、かかった時間などの詳細を記録する
●入浴介助
介護施設では、リフト付きの椅子に座ったままで入浴できる「リフト浴」や、ストレッチャー(簡易ベッド)に寝たままで入浴できる「ストレッチャー浴」などの機械浴を行う場合もあります。
続いて、一般的な入浴介助の準備と手順を紹介します。
ー入浴前の準備
2. 排泄をすませてもらう
3. 脱衣所と浴室を温める
4. 浴槽のお湯の温度を確認し、適温に調整する
5. タオルや着替えなどを用意する
ー入浴介助の手順
2. シャワーチェアに座ってもらう
3. 足から順に、徐々に全身へとお湯をかける
4. 髪、顔、上半身、下半身の順に全身を洗う
5. 体を支えながら浴槽に入ってもらう。
6. 約5分を目安にお湯に浸かってもらう
7. 体を支えながら浴槽から出てもらい、上がり湯をかけて浴室を出る
8. 髪と体をタオルで拭いてもらい、着衣を手助けする
介助には4つの段階がある
介助には、利用者さんの状態に応じて自立、一部介助、半介助、全介助の4段階のレベルがあります。次に、それぞれのレベルについて詳しく解説します。
■1.自立
■2.一部介助
たとえば、「利用者自身で歩けるが、ふらついて転倒するリスクがあり、介助者による見守り歩行が必要」というケースは一部介助といえます。
■3.半介助
利用者さんの自立を妨げないように、できることとできないことをよく見極めて、必要以上に介助しないことが重要です。
■4.全介助
たとえば「自分で一人では服を着るのも脱ぐのも難しく、着替えの最初から最後まで介助者がサポートする」ケースや、「トイレに行くことができず、オムツを使った排泄介助が必要」というケースは、全介助にあたります。
まとめ:基礎知識を理解して、スキルの習得をスムーズに
介護施設で働く介護職は、日々、この記事で紹介した6種の介助を行っています。未経験から介護業界にチャレンジする人は、介助の仕事内容や4つの段階といった基礎知識をあらかじめ身につけておくと、入職後にスキルを習得しやすいでしょう。
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