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介助とは?介護との違いや種類・仕事内容を解説!

介助とは?介護との違いや種類・仕事内容を解説!

介護施設・事業所の求人募集でよく見る「介助」とは?介護業界への転職を考えているなら、介助と介護の意味を正しく知っておくことが大切です。介助と介護の違いのほか、介助の種類と仕事内容、介助の段階について解説します。


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執筆者

ささえるラボ編集部

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ささえるラボ編集部です。 福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします! 「マイナビ福祉・介護のシゴト」が運営しています。

介護施設や事業所の求人募集でよく見かける「介助」という言葉。明確な言葉の意味や「介護」との違いまではわからないという人もいるのではないでしょうか。

介護業界への転職を考えているのであれば、「介助」と「介護」について正しく理解しておくことが大切です。この記事では、介助と介護の違いのほか、介助の6つの種類とそれぞれの仕事内容、介助の段階など、知っておきたい基礎知識を解説します。

介護と介助の違い

「介護」とは、自分だけの力で生活することが難しい人に対して、自立支援のために行う行動全般を指します。体に直接触れて行う身体介護はもちろん、家事や買い物代行など生活面の援助、心理的なケアも含まれます。
なお、一般的に自立とは、援助を受けずに自分の力で身をたてるという意味ですが、福祉分野においては、「自分の意志で主体的に生活する」「自分の能力を活かして社会活動に参加する」という意味で用いられています。

一方の「介助」とは、要介護者が日常生活を送るうえで欠かせない動作や行動を手助けする行為そのものを指します。具体的には、食事介助や入浴介助、移動介助、排泄介助など、さまざまな種類があります。

介護の2つの種類と仕事内容

一般的に、介護は主に身体介護と生活援助の2つに大きく分けられます。ここでは、それぞれの内容を詳しく解説します。

●身体介護

体を支えたり、動作をサポートしたりと、要介護者の体に直接触れて行う介助のことを身体介護と呼びます。介護の目的はあくまで自立支援なので、何もかも手助けするのではなく、本人が自力ではできない部分のサポートのみにとどめるのが基本です。

●生活援助

掃除や洗濯、調理などの家事のほか、買い物の代行、通院の付き添いなど、日常生活を送るうえで欠かせない支援を行います。身体介護との大きな違いは、要介護者の体に触れずに行う点です。

なお、訪問介護サービスとして生活援助を提供する場合、あくまで対象は利用者自身で、家族のサポートはサービスには含まれません。

介助の6つの種類と仕事内容

介護と介助

介助には多くの種類がありますが、高齢者介護施設でよく行われているのが、主に、「移乗介助」「歩行介助」「食事介助」「排泄介助」「入浴介助」「更衣介助」の6つです。

それぞれの介助について、仕事内容やポイント、注意点を解説します。

●移乗介助

高齢者介護施設の利用者さんには、自力では歩くことができず、日常的に車椅子を使っている人も少なくありません。介助者が利用者さんの体を支えながら、車椅子からベッド、ベッドから車椅子などへの移動を手助けすることを「移乗介助」といいます。ほかにも、椅子から車椅子、椅子からベッドなど、さまざまなパターンがあります。

●更衣介助

身体機能の低下が原因で自分1人では着替えができない人のために、起床時や入浴時、就寝時の着替えをサポートするのが「更衣介助」です。利用者さんの体の状態によって、利用者さんが寝た状態で行う場合と座った状態で行う場合があります。利用者さんができる部分は自分でしてもらい、サポートが必要な部分だけを手伝うのが基本です。

更衣介助では、前開きのシャツや伸縮性にすぐれたものなど、着脱のしやすい衣服を選ぶことが大切です。カーテンで仕切る、ブランケットを体にかけるなど、利用者さんのプライバシーにも配慮しましょう。

●排泄介助

排泄介助の方法は、利用者さんの体の状態によって異なります。利用者さんが自力で歩ける場合は、トイレまで誘導するトイレ介助が、トイレまでの歩行が難しい場合には、持ち運びが可能なポータブルトイレを使っての排泄介助が行われます。

尿意や便意はあるもののベッドから起き上がれない場合には、便器・尿器を使用して介助します。利用者さんが寝たきりで排泄のタイミングをコントロールできない場合や、尿意や便意を感じられない場合には、オムツを使うのが一般的です。

排泄は、利用者さんの尊厳に大きく関わる行為です。プライバシーに十分に配慮し、利用者さんの意志を尊重して、自力でできることはできる限り自分でしてもらうようにしましょう。

●歩行介助

1人で歩くのが難しい利用者といっしょに歩きながら歩行を手助けするのが歩行介助です。
歩行介助には、主に、次の3つの種類があります。

ー1.見守り歩行

杖があれば1人で歩ける人、自力で歩けるものの1人での歩行に自信がない人を対象とした介助方法です。

介助者は、利用者さんがバランスを崩しそうになったらすぐに支えられるように、基本的に斜め後ろから見守りながら、一緒に歩きます。利用者さんが杖をついている場合は杖の反対側に、体の左右どちらかの側に麻痺がある場合は麻痺のある側に立つのが基本です。階段を上るときは利用者の斜め後ろに、下りるときは斜め前に立ちましょう。

ー2.寄り添い歩行

歩行が不安定な人を対象とした介助方法で、介助者が本人のそばに寄り添って体を支えながら歩行を手助けします。介助者は本人の利き手の反対側に立つのが基本ですが、体の左右どちらかに麻痺がある場合は、麻痺のある側に立つのが適切です。

ー3.手引き歩行

介助者が利用者さんと向かい合って、両手をとって歩行を助ける介助方法です。両手をしっかり支えられるため、利用者さんが安心しやすい点がメリットといえます。ただし、介助者は後ろ向きに歩くため、手引き歩行をしている間は周囲や足もとを確認できません。足もとに気をつけながらゆっくりと進むことが大切です。

また、長距離の移動には適していないため、実施するのは、ベッドからトイレ、車椅子から食堂のテーブルなど、短い距離を移動するときのみにしましょう。

●食事介助

認知症や加齢による筋力の低下などによって自分では食事を取れなくなった方をサポートします。
介助者が利用者さんの隣に座って、一口ずつスプーンなどで料理を口に運ぶ方法が一般的です。また、食事介助では、利用者さんが食事を安全に楽しめるように環境を整えることも大切です。食べる前、食べ終わった後の口腔ケアも、食事介助の一部です。

続いて、一般的な食事介助の準備と手順を紹介します。

ー食事前の準備

1. 体調をチェックする
2. 排泄を済ませてもらう
3. 手を洗う(利用者さん・介助者のいずれも)
4. うがい、歯磨きなどの口腔ケア・嚥下体操をする
5. テーブルを拭く、高さを調整するなどして環境を整える
6. 誤嚥を防ぐため姿勢を整える
7. 献立を説明する

ー食事介助の手順

1. 介助者は利用者の隣に、同じ目線になるように座る
2. 口内を湿らせるために水分を摂ってもらう
3. 食事を提供する。利用者のペースに合わせて、主食、副菜、水分をバランスよく口に運ぶ
4. 食後は、摂取した食事量を確認する
5. 口周りや手を拭き、歯磨き、入れ歯洗浄などの口腔ケアを行う
6. 食事内容、摂取量、かかった時間などの詳細を記録する

●入浴介助

自力では入浴できない方の入浴をサポートすることを「入浴介助」といいます。その方の体の状態によって介助の範囲は異なりますが、介助者がシャワーチェアに座った利用者さんの体を洗浄し、浴槽への出入りを手助けする方法が一般的です。


介護施設では、リフト付きの椅子に座ったままで入浴できる「リフト浴」や、ストレッチャー(簡易ベッド)に寝たままで入浴できる「ストレッチャー浴」などの機械浴を行う場合もあります。

続いて、一般的な入浴介助の準備と手順を紹介します。

ー入浴前の準備

1. 体調をチェックする
2. 排泄をすませてもらう
3. 脱衣所と浴室を温める
4. 浴槽のお湯の温度を確認し、適温に調整する
5. タオルや着替えなどを用意する

ー入浴介助の手順

1. 衣服を脱いでもらう
2. シャワーチェアに座ってもらう
3. 足から順に、徐々に全身へとお湯をかける
4. 髪、顔、上半身、下半身の順に全身を洗う
5. 体を支えながら浴槽に入ってもらう。
6. 約5分を目安にお湯に浸かってもらう
7. 体を支えながら浴槽から出てもらい、上がり湯をかけて浴室を出る
8. 髪と体をタオルで拭いてもらい、着衣を手助けする

介助には4つの段階がある

介助にあたる際には、利用者さんの心身状態を把握する必要があります。そうすることで、介助のしすぎや不足を防ぐことができます。介助のしすぎは利用者さんの自立を妨げ、介助不足は転倒などの事故につながるリスクがあるため、利用者さんの状態に合わせて、適切な介助を行うことが大切なのです。

介助には、利用者さんの状態に応じて自立、一部介助、半介助、全介助の4段階のレベルがあります。次に、それぞれのレベルについて詳しく解説します。

1.自立

食事や排泄などの日常生活に必要な基本動作が自分でできる段階です。基本的には介助は必要ありません。

2.一部介助

ほとんどの基本動作は自分でできるものの、一部の動作に不安があり、見守りや誘導などのサポートが必要な状態です。

たとえば、「利用者自身で歩けるが、ふらついて転倒するリスクがあり、介助者による見守り歩行が必要」というケースは一部介助といえます。

3.半介助

ある動作のなかに、介助が必要な部分と、自分でできる部分がある状態です。たとえば、「トイレでの排泄は自分でできるが、移動や便座から立ち上がる際に支えが必要」「杖を使えば歩けるが、段差の昇り降りの際には介助が必要」というケースがこれにあたります。

利用者さんの自立を妨げないように、できることとできないことをよく見極めて、必要以上に介助しないことが重要です。

4.全介助

自力で特定の動作をすることが難しく、介護者が一連の動作の全てを介助しなければならない状態です。

たとえば「自分で一人では服を着るのも脱ぐのも難しく、着替えの最初から最後まで介助者がサポートする」ケースや、「トイレに行くことができず、オムツを使った排泄介助が必要」というケースは、全介助にあたります。

まとめ:基礎知識を理解して、スキルの習得をスムーズに

介助と介護はよく似た言葉ですが、実は意味合いが異なります。介助は、要介護者の動作や行動を手助けする行為そのものを指し、介護は利用者の自立を目指した支援全般を指すため、介助は介護の一環といえます。

介護施設で働く介護職は、日々、この記事で紹介した6種の介助を行っています。未経験から介護業界にチャレンジする人は、介助の仕事内容や4つの段階といった基礎知識をあらかじめ身につけておくと、入職後にスキルを習得しやすいでしょう。

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