本日のお悩み
最近、芸能人が不祥事をおこすと介護施設で働くのはなぜなんでしょう?
罪滅ぼしに使われている気がして不快です。
介護の仕事は奥深く、楽しい面もある仕事だと思っています(もちろんきつい面もあります)。
このように使われてしまうことが不本意でなりません。
専門家の方々はどのように受け止めていらっしゃいますか。
むしろ「介護の仕事は奥深く、楽しい面もある仕事だ」と発信してもらいましょう!
ご質問ありがとうございます。
罪滅ぼしで介護施設で働く(もしくはボランティア活動する)芸能人さん、確かに多いですね。
実名は上げられませんが、違法薬物で逮捕された方から社会的に許されない営業を行った方など上げればきりがないかもしれません。
質問者さんは、文脈から、プロ意識が高く、情熱をもって介護の仕事に従事されていると推測されます。そんな質問者さんからすれば「ふざけるな!」という気持ち、本当によくわかります。
でも、その真っ直ぐな思い、ちょっとフレームを変えて見てみませんか?
■高い広報力を発揮する「インフルエンサーマーケティング」
「インフルエンサーマーケテイング」をご存知でしょうか?
インフルエンサーマーケティングとは、代表的なものに人気の高いユーチューバーを起用した「ユーチューバータイアップ広告」が上げられます。企業が自社商品やブランドの宣伝の為、ユーチューバーに動画の制作を依頼するもので、人気ユーチューバーとしては「はじめしゃちょー」さんや「HIKAKIN」さんが有名ですよね。お二人には、約900万人ものフォロワーがいると言われてます(凄い!)。
つまり、「影響力のある人が宣伝することが、より高い広報力につながる」、それを企業が自社製品を売る活動に活用しているわけです。
■広報力不足の介護業界
さて、介護業界に目を戻しましょう。
介護業界は、他業界に比べて広報力が足りないと言われています。介護は、自分ごとにならない限り、興味がわかないという特徴もありますが、どちらかというとネガティブキャンペーンと言われ、悪い面ばかりが報道を通じて広報されてしまっているのは、質問者さんも感じているところでしょう。
■芸能人の皆さんに、インフルエンサーになってもらいましょう!
ここで提案です!
だったら、芸能人のみなさんに罪滅ぼしでもいいので、質問者さんの思う「介護の仕事は奥深く、楽しい面もある仕事だ」というのを発信してもらいませんか?
例えば、芸能人さんにとっては、罪滅ぼしのつもりで介護現場で活動をしてみたけれども、実際活動してみると、お年寄りの温かさや、介護職員の仕事への熱意に触れ、更生することができた。その芸能人さんの人生にとって大きな転機となった。そんなプラスのストーリーを一人ひとりが語ってくれれば、ネガティブキャンペーンを打ち破る一手になるかもしれません。つまり、介護人材確保や啓発活動につながる「インフルエンサーマーケティング」をドンドンやっていただきましょうということです(もちろん無料で)。
■最後に
質問者さんの介護に対するプライドは素晴らしいと思います。
そのプライドをもって取り組んでいる介護は、「人を更生する力も持っている。」そう捉えてみると「罪滅ぼしも悪くないか?」なんて考えられませんでしょうか。
「フレームを変えて見てみると、新たな価値の発見がある。」そんなお話でした。
茨城県介護福祉士会副会長
特別養護老人ホームもくせい施設長
いばらき中央福祉専門学校学校長代行
NPO法人 ちいきの学校 理事
介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント
介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員