介護職は体力が必要?腰痛になる??あなたの不安を解消します!
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介護職は体力勝負?
一般的なイメージで言われる「三大介護」には、食事・入浴・排泄がありますが、人の体重を支えることなどを想像すると、強靭な体力が必要だ!と、女性などは尻込みされてしまうかもしれませんね。
しかし貧血持ちの私でも、介護の仕事が体力勝負だな!と感じることはあまりありませんでした。
どちらかというと、パワーや握力が必要なのではなく、「どうやったら介護される方が自分の力で自然に動いてもらえるか、動き出したくなるか」を想像して考えていく部分の方が大切だったからです。
■介護職はチーム戦
体力はあるに越したことはありませんが、「その方が動き出したくなるようなきっかけ」をどう作るか、といった創造力が重宝されるのは、介護職の一つの魅力だと感じています。
また、介護はチームでの仕事になります。そのため、出来ないところや不安なところは、チームの中で補い合って助け合うことも出来ます。逆に体力に自信があるような方にそう言ったシーンはお任せをするような役割分担も考えることが出来ると思います。
■夜勤が心配なかたへ
さらに、夜勤に対しての体力面での心配もあるかもしれませんね。
最近は、夜勤後、朝に帰宅してから次の勤務までには十分な時間をとるシフトを組んでいる施設が多いです。プライベートな時間を平日休日問わずに活動したい方にとっては、同じ時間帯に勤務が固定しない交代勤務もメリットに感じると思います。
このように、いろいろな面から介護の仕事を見ていただけると可能性が広がってくるのではないでしょうか?
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力仕事で腰を痛めると聞きますが…
■介護職=力仕事?
はるか15年以上前、「私、介護職です」と自己紹介すると、「えぇー!そんな細いのに、あんな力仕事できるの?」と言われました笑。
今ではそんなリアクションをもらうことは少なくなったのは(私が太ったからではないと思いたいのですが)体力勝負とは言い切れないのかも・・・?と思うような「介護方法」や「介護ロボット」がメジャーになってきたからかもしれません。
以前より、明らかに「体力勝負」のイメージが減ってきたのを肌で感じます。
最近では50〜70代の方が介護の現場で活躍されているのも多く目にします。
人生経験が豊富なほど、利用者の方の気持ちに沿うことができたり、コミュニケーションが上手くいったり、信頼関係が築きやすくスムーズな介護に繋がる場面も多いのです。
人生経験豊かな方が介護業界に来て頂くことで、お互いに信頼しあえる関係で安心して過ごせる利用者さんが増えたら良いなと思います。
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https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/29さまざまな人生経験やキャリアを積んできた50代は、他の年代に比べ多様な利用者さんに対応しやすいことから、介護の仕事に向いています。とはいえ、転職活動は長期化しやすいので、施設の種類や働き方については焦点を定めておくことが大切です。
■介護は「力」でするものではありません
と言っても、女性の介護職で体格も小さいかたが身長の高い男性を介護するシーンを想像すると、一体どうやって体を持ち上げるのだ!?と普通なら思いますよね。
実は介護の仕事の面白さがここに1つ隠れています。
介護は「力」でするものではありません。
力まかせで介護をする人を、三好春樹先生※ は、介護福祉士ではなく「介護力士士(かいごりきしし)」と揶揄していますが、どっこいしょと持ち上げてする介護では、腰も痛めますし何より利用者さん自身が宙に浮いてしまい、怖かったり痛かったりと、良いことがありません。
しかも、まだ立つことが出来る利用者さんだったとしたら「立つ機会」すら奪ってしまうことにもなるのですよね。
まだ出来ることを減らしてしまうばかりか、間違ったケアで介護職も腰を痛めてしまうので、お互いにとって良くないですよね。
※生活とリハビリ研究所代表。介護、リハビリテーション専門家。
■介護ロボットの導入
介護技術の発展により、腰に負担がかかるようなやり方ではなく、お互いが負担なく介護できるような方法が広まってきました。人の体の動きを知れば、本当に無理なく介護ができるのです。
海外では、40キロよりも重いものは持たないようにするようなケアの流れも出てきています。
これからは日本でも、介護者に負担が少ないケアや福祉用具、介護ロボットと言われる介助をアシストするものを活用する施設も多くなってきました。介護ロボットと言うと身構えてしまうかも知れませんが、触ってみればなんてことありません。利用者さんの体重を機械が支えてくれる、簡単な仕組みのものばかりです。
一度使えば慣れてきますので、気になる施設がどういった介助方法や福祉用具等を取り入れているかなど、事前に聞いておくのも一つの方法ですね。
もちろん予防として、コルセットの使用や日常の運動で体を柔軟にしておくセルフケアも大切ですが、介護の仕事に就くことでより自分の体を思いやるようになった方もいらっしゃいます。
ずっと座りっぱなしの仕事より、多少体を動かす介護職の方が、腰部への負担が少ない可能性もあります。ご自身の工夫と、環境の選び方で腰痛対策は可能になると感じています。
皆さんの魅力や能力が、介護現場では必要とされています。皆様の魅力が、思う存分開花されるような機会が増えることを祈っています。
介護ロボット、AI…この仕事は今後どうなるのでしょうか? | ささえるラボ
https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/94【回答者:平栗 潤一】人でしかできないことを見出すことが大切です
認知症の人に噛みつかれるって本当ですか?
「噛みつかれる」「殴られる」と言ったことが、介護のニュースで取り上げられることがありますね。
それは、介護職から利用者さんへ向かうものだったり、利用者さんから介護職へ向けられるものだったり、どちらのパターンもありますが、その部分だけを見聞きをするととても悲しい気持ちになり、恐怖を覚える方がほとんどだと思います。
介護施設で起こるこの悲しいニュースは、介護職側が行う虐待のニュースの方が取り上げられることが多いですが、今回は介護職員が受ける場合についてお話します。
まず事実として、人は脳の老化によって感情のコントロールが効きにくくなるようです。
前頭葉の委縮が原因とされていますが、心のバランスを調整する物質であるセトロニンが少なくなることも原因です。
私自身も介護施設で働いているときに、利用者さんから引っ掻かれてしまった経験があります。
こういった経験がある介護職は多いようですが、実はこれの多くは利用者さんの方からの「嫌だよ」「やめてほしい」のサインや表現です。
コミュニケーションの取り方やケアの内容が原因で起こっているとも考えられるため、利用者さんへの声の掛け方や介助について同意を取る方法を見直すことで改善できる場合もあります。(ただし重傷を負ってしまう場合は別の検討が必要です。)
利用者さんからこのような行為を受けてしまうと、精神的なダメージで声を上げづらいかもしれません。でも、1人で抱え込まないでくださいね。信頼できる人がいれば、その人に話すだけでもかまいません。チームでケアの方法を一緒に考えて検討し、解決の糸口を見つけていきましょう。
大関さんから皆様へメッセージ
24時間365日休まずに現場は動き続け、人の身体だけではなく人生を支えるような介護職は、「体力勝負」というイメージが強いかもしれません。
一見、介護は「お世話をする仕事」のように見えるのですが、「その人のできない部分を自然にサポートする影武者のような役割」だと、笑顔を引き出す介護をされる方に出会うことで教わってきました。
人が生きていく中で他人の手が必要になった時、気負いすぎず罪悪感を感じすぎず、互いに自然に助け合えるような空気は、介護の現場からの発信で広がると感じています。
温かい気持ちを持った方が、介護の業界にはたくさんいらっしゃいます。できないことに目を向けるより、出来ることに目を向けて、少しでも生きていて良かったと思えるような時間を、私たちと利用者さんの両方が過ごせたら良いなと思っています。
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社会福祉士、介護福祉士、認定排泄ケア専門員、排泄機能指導士