介護職に向いている人の5つの特徴と、異業種からの転職事例

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茨城県介護福祉士会副会長 特別養護老人ホームもみじ館施設長 いばらき中央福祉専門学校学校長代行 NPO法人 ちいきの学校 理事 介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント 介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員
ズバリ介護職はこんな人に向いています!
介護職と聞いて、まずは「専門職」とイメージする人も多いはず…。なんだかハードルが高そうですよね。
でも安心してください!これからお伝えする5つのタイプのどれかに当てはまる方、介護職に向いていますよ!
■タイプ1 「観察することが好きな人」
カフェで通りを眺めながらコーヒー飲んでいても飽きない人っていますよね。そんな方は、人を観察しながら「この人どんな人なのかな?」などと考えることが好きな方だと思います。実は、介護の大事な力は観察力なんです。「このお年寄りは何を望んでいるのだろう?」「昨日より食欲がないけど何が原因なのかな?」など観察する中でちょっとした気づきや疑問を持つことが、ご本人の望む暮らしを支える上で大きな力になるんです。
■タイプ2 「人の話を聞くことが好きな人」
お年寄りは、加齢、病気等による体の不調や家族と一緒に暮らせないなど、たくさんの不安を抱えて生活している方が多いです。私たちも不安な時、誰かに話を聞いてもらうだけで安心することってありますよね。的確なアドバイスができなくても、まずお話を伺うこと。この聞く力がとっても大切なんです。お年寄りの安心感につながります。
■タイプ3 「待つことが苦にならない人」
介護の主役は介護職ではなくご本人です。「やってあげなくちゃ」と思いすぎなくていいんですよ。ご本人の行動を促す為、待つことができる介護職こそプロフェッショナルなんですから。
■タイプ4 「固定概念にとらわれない人」
介護の対象は人です。人は十人十色、全員違って当たり前です。お年寄りや認知症の方を「できない」と決めつけず、「できること」を見ること。また、個性を認めることができることが大切なんです。
■タイプ5 「楽しいことが大好きな人」
介護は生活を支えます。ただご飯を食べて寝るだけでは誰だってつまらないですよね。みんなとワイワイ楽しむことが好きな人は、きっとお年寄りの生活を盛り上げてくれるでしょう。仕事だから・・と思う方もいらっしゃるでしょう。でも一緒に楽しんでいいんです。むしろ一緒に楽しむからお年寄りも楽しめるんですよ。
みなさん、どれが当てはまりましたか?一つでも当てはまれば介護職の素質が十分にあります!
様々な経験が生きる介護の仕事
介護の仕事は、「人生の大先輩」を支援する仕事です。大先輩は、建築業界で働いていた方、飲食業界で働いていた方、先生をやっていた方、主婦だった方などなど、その人生は様々で苦労されてますよね。その様々な人生に寄り添うことができる人材こそ、介護以外の業界で経験を積んだ皆さんなのです。また、衣食住を支える介護の仕事は、いろいろな職種の要素が生きる総合デパートのような仕事ともいえますね。
実際に私が一緒に働いたことがある介護業界へ転職して成功した方の事例をご紹介しましょう。
■① 「営業職から転職」
営業職から転職した人は、相手の気持ちを捉えることがとても上手で細かい気配りも得意です。コミュニケーション力もあるのですぐにお年寄りの人気者になっていましたね。
■② 「スポーツトレーナーから転職」
スポーツトレーナーは体の知識はもちろんですが、何より相手のモチベーションを上げることが上手。リハビリなどに対するお年寄りのやる気向上は抜群です。余談ですが、最近は、マッチョなボデイビルダーだけのデイサービスもあって大人気だそうです笑。
■③ 「エンジニアからの転職」
エンジニアの方は、情報分析能力に優れています。お年寄りがどのような身体状況なのか?など冷静に分析することができ、みんなの頼りにされています。また、最近は電子記録(iPad,PCの活用)が当たり前です。更には、オンラインでの面会も定着しつつあります。このように介護現場もICT化が日進月歩ですので、機械に強いエンジニア出身の介護職がいると、現場は鬼に金棒です。
■④「飲食店からの転職」
飲食店で働いていた方は、接客業なので、コミュニケーション能力が高いことはもちろん、料理の知識・経験が豊富なことが最大の強みでしょう。食は何歳になっても楽しみです。お年寄りも巻き込んでのレクリエーションで、バーベキューをしたり、季節のお菓子を作ったり、炊き込みご飯を作ると本当にみなさん喜んでくれますよ(料理作りはリハビリにも効果的)。料理の発案や調理補助などで大活躍です。
というわけで、他にも挙げたらきりがありませんが、様々な人生を送られてきた十人十色の「人生の大先輩」の介護。むしろ様々な経験が生きる仕事と自信を持って言えます。何せ私も経済学部出身ですから。

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働きながら資格にも挑戦できます
介護の資格には、入り口である「初任者研修」、国家資格である介護福祉士受験に必須の「実務者研修」、そして「国家試験対策講座」などなど、経験やスキルアップのプロセスにおいて必要な研修が整っています。そしてこれらの研修は、都道府県の奨学金制度等を活用すれば、ほぼお金がかからず研修修了後などに返って来るんです。また、独自の資格取得支援をしている事業所も多い為、「お金も支援し、尚且つ、業務として受講できます!」なんてところも多いですね。
つまり、介護の仕事は、働きながら、レベルアップを図るには十分な体制が官民ともに充実していると言えるでしょう!また、資格取得により手当や基本給なども拡充されていきます。向上心があれば、可能性は無限大です。
伊藤さんから皆様へメッセージ
介護はもちろん専門性が求められますが、社会性や人間性も求められます。
すなわち、様々な社会経験を積んできたみなさんこそが活躍できる仕事なんです。とはいえ、やはり社会情勢が変化する中、転職も含めて先行きが不安な方もいらっしゃるでしょう。
これからお年寄りは増加の一途を辿ります。サービス対象者がいなくなるということはありません。むしろ、給与は景気に左右されず安定していると言えるでしょう。さらにスキルアップの支援策も充実しています。「介護職はたいへん!」なんて言われていますが、大変ではない仕事なんかありませんよね。
もし、このコラムで興味を持たれたら一度現場の見学に行ってみてください!百聞は一見にしかず。介護ロボットの導入も進んでいますよ。介護は「感謝」と「やりがい」を感じることができる「これからの」仕事です。
お待ちしています!
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