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【例文あり】介護職の個人目標の立て方とは?設定のポイントとキャリア別の具体例を紹介!

【例文あり】介護職の個人目標の立て方とは?設定のポイントとキャリア別の具体例を紹介!

[2024年1月更新]介護業界でも、個人目標を設定することが重視されています。目標設定することで従業員の成長につなげ、より適切な人事評価を行うことができるからです。目標設定の方法やポイント、キャリア段階別の文例を紹介します。【監修:脇 健仁(保有資格:介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士・看護師・介護支援専門員・相談支援専門員・FP2級)】/【介護職の人事考課のポイント執筆者:大庭 欣二】


目次

介護職の個人目標の立て方とは?設定のポイントとキャリア別の具体例を紹介!

昨今、介護業界にかぎらず、どの業種の企業でも、従業員の個人目標を設定することが重要視されています。 その理由としては、目標設定することで、従業員のモチベーションを維持しながら成長につなげ、より適切な人事評価を行うことができるからです。

介護職として働いていると、事業所に自己評価シート(個人目標設定シート)の提出を求められることもあります。
自分自身のキャリアアップのためにも、目標設定が必要な理由や設定のポイントを知っておきましょう。さらに、目標設定の参考にできるよう、キャリア段階別の個人目標の具体例も紹介します。参考にされてください。

監修者

この記事は、脇さんが監修しました♪
<保有資格>
介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、看護師、介護支援専門員、相談支援専門員、FP2級

脇 健仁

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/22

<経歴> ゆりかごホールディングス株式会社 代表取締役| 株式会社ゆりかご 代表取締役| 茨城県訪問介護協議会 副会長| 茨城県難病連絡協議会 委員| 水戸在宅ケアネットワーク 世話人| 茨城県介護支援専門員協会 水戸地区会幹事| 茨城県訪問看護事業協議会 監事| 水戸市地域包括支援センター運営協議会 委員| 水戸市地域自立支援協議会全体会 委員| 介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント| 日本社会事業大学大学院 福祉マネジメント研究科 在籍中

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目標設定が必要な理由

介護職は、何かを生産して売り上げアップを目指すような仕事ではないため、「目標設定は不要なのでは?」と思う人もいるかもしれません。

しかし、だからこそ目標はあった方がいいといえるのです。
もし介護職が何の目標も設定しなければ、毎日同じ業務を繰り返すだけで、なかなか成長のきっかけをつかむことができないでしょう。

介護職一人ひとりがそのときのキャリア段階に合った目標を設け、それに向かって努力することで、モチベーションを維持し、スキルを高めることができます。

自分の将来を意識するきっかけにもなるでしょう。
また、目標設定の過程で業務上の課題を把握し、課題の解決を目標に盛り込むことができるため、業務改善にもつながります。

自己評価シート(個人目標設定シート)を人事評価に活用している事業所も多く、そのような事業所では、目標の達成具合が昇給や昇格に影響します。
スキルアップや業務改善はもちろん、待遇改善の観点からも、的確な目標設定の方法を身につける必要があるのです。

目標設定のポイント

では、どうすればそのときの自分のキャリア段階に合った目標を立てることができるのでしょうか。
ここでは、目標設定の方法とポイントを見ていきましょう。

*目標設定のポイント*
1.業務上の課題を洗い出す
2.理想のイメージを思い描く
3.具体化する
4.期限を設ける
5.実現可能な目標にする
6.キャリアプランを考える

1.業務上の課題を洗い出す

目標設定のヒントは、自分自身が毎日介護業務にあたるなかで、失敗した経験や苦手だと感じること、うまくできずに悩んでいることに潜んでいます。
まずはそんな業務上の課題を洗い出しましょう。
それらの課題をもとにして目標を考えると、スキルアップや業務改善につながる目標設定をすることができます。

たとえば、現状で、利用者やその家族とうまくコミュニケーションがとれないと感じているなら、コミュニケーション力を高めることを目標に盛り込むことが考えられます。
あるいは、認知症の利用者の言動がよくわからず対応に困ることが多いのであれば、認知症についての基本知識を身につけることが目標の候補になるでしょう。

2.理想のイメージを思い描く

業務上の課題のほか、介護職として「こうありたい」「こんなふうになりたい」という自分の理想のイメージを目標設定に反映させるのも一案です。

自分より経験年数が長く、見本となるような先輩介護職をイメージするのもよいでしょう。
「常に利用者に笑顔で接する」「不測の事態でも動じず、冷静に対処する」というように、先輩の行動や対応のなかで真似したいことを見つけて自分の目標設定に取り入れていきます。

3.具体化する

目標設定の第一歩は、業務上の課題や理想の介護職像をもとに自分のキャリア段階に合う目標と達成するための具体的な行動を見つけることです。

ただし、そのままだと多くの場合、抽象的な目標設定になりがちです。
たとえば「コミュニケーション力を高めること」を目標にするなら、「毎日◯分以上、利用者と会話をする」というように、スキルを高めるために必要とされる具体的な行動を考えましょう。
コミュニケーション上手な先輩に、スキルアップのためにどんなことをしたのか、聞いてみてもよいでしょう。
目標を具体化してはじめて、現場で実際に行動できるようになります。

4.期限を設ける

人によってはキャリアアップのために介護福祉士実務者研修や介護福祉士といった資格取得を目標にしたい場合もあるでしょう。

その場合、ただ「資格を取る」ではなく、「来年中に」「◯◯まで」などの期限も具体的に設定することがポイントです。
「筆記試験の問題集を1日◯ページ解く」というように、資格取得のために必要な具体的な行動を盛り込むのもよいでしょう。

5.実現可能な目標にする

仕事に対する向上心が高い人は、目標設定の際に、つい高すぎる目標を掲げてしまうことがあります。
しかし、せっかく設定しても、それが自分のキャリア段階や生活スタイルに見合っていない目標だと、達成できないばかりか、かえってモチベーションが低下する場合もあります。

たとえば、入所して数カ月もたたない新人が、「他の従業員をフォローできるようになる」という目標を立てるのは時期尚早でしょう。「介護スキルに関する本を週に10冊読む」という目標も、介護職として忙しく働きながら達成するには無理があります。

冷静に現実を見て、実現可能な範囲の目標にすることが大切です。

6. キャリアプランを考える

個人目標を考えるときには、ご自身が目指す「ありたい姿」に近づくためのキャリアプランをイメージしておきたいものです。特に、実現したいキャリア(ご自身が目指すありたい姿)に近づくためには、自身には何が必要かを考える必要があります。

目指す姿といまの姿とのギャップとなる部分を洗いだすことで、その姿に近づいていくことができます。例えば、そのギャップを埋めるための手段として、資格取得を目指すという方もいるでしょう。

特にそういう意味では、キャリアプランを考えることがとても重要となります。
というのも、介護関連の資格はたくさんありますが、最終目標によって、そこに至るまでに取らなくてはならない資格や経験などの条件が異なるからです。

例えばですが、介護職の多くの方が目指している「介護福祉士の資格を取得することで、根拠のあるケアを行えるようになりたい」ということを目標としたとします。
介護系の養成学校に行かずに働きながら取得を目指す場合、「介護職として3年経験を積み、介護福祉士実務者研修を修了する」必要があります。
また、最終的に「介護支援専門員(ケアマネジャー)を取得し、ケアプランの作成に関わり深みのあるケアができるようになりたい」という姿を目指すのであれば、「介護福祉士の資格を取得してから、介護支援専門員の試験にチャレンジする」ことになります。

このように最終目標から逆算して、
・今の自分にどんな経験が必要になるのか
・◯年後にどの資格を取ればいいか を考えることで、
そのプランに沿った個人目標を立てるようにしましょう。

また、キャリア形成という視点では、組織の中での役職をあげることで「組織マネジメントでの役割の変化を目指す」という形と、組織のポジションや役割にはこだわらないが、現在の業務の中でできることを増やし、サービスの質をあげていくという意味での「職能をより発揮することを目指す」という形があると思います。

このようにご自身が目指す方向性を踏まえて、キャリアプランを考え、ご自身が必要となる経験を書きだしてみるのもよいでしょう。

キャリアの段階(勤続年数)毎の個人目標の具体例

個人目標の内容は、キャリアの段階(勤続年数)によって大きく変わってきます。
ここでは、実際に自己評価シートに記入する際の例文を、「勤続1~3年の新人介護職」「勤続3~9年の中堅介護職」「勤続10年以上のベテラン介護職」の3つに分けて紹介します。

勤続1~3年の新人

まずは仕事に慣れ、介護の基本的な知識とスキルをしっかり身につけるべき時期です。
初めて就職した人や、転職者でも社会人経験が少ない人は、並行して社会人としてのマナーやルールも覚えていく必要があります。

【目標設定の例】

・○○さんのように、利用者の状況に合わせて対応できる介護職になりたい
・◯月中に利用者の名前と顔をしっかり覚え、カルテを確認して持病を把握する
・1日に一度は自分から利用者に声をかけてコミュニケーションを図る
・介護記録は「5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)」を意識し、正確に書く
・上司への報連相を忘れないようにする

【取りたい資格】

・〇月までに介護職員初任者研修を修了する
介護職としての基本の知識・スキルを習得する研修です。

・〇年までに介護福祉士実務者研修を修了する
実践的な知識とスキルの習得を目的とした研修です。介護福祉士の試験では、同研修を修了していることが受験の条件となります。

・〇年までに介護福祉士資格を取得する
介護福祉士は、専門的な知識とスキルを持つ介護のプロ。国家資格で、受験するには、介護系の教育機関で定められたカリキュラムを終了するか、実務経験3年以上かつ介護福祉士実務者研修を修了していなければなりません。

勤続3~9年の中堅

勤続3年以上になれば、基本の知識とスキルは身につけているはずです。
経験ある介護職として存分に現場で力を発揮しながら、研修や勉強会に積極的に参加して、より専門的な知識を学ぶ時期といえます。
後輩に仕事を教える機会も増えるでしょう。主任やチームリーダーを任される人も増えてきます。

【目標設定の例】

・利用者の表情や様子をよく観察し、小さな変化にすぐに気づけるようになる
・利用者それぞれに応じた対応やケアをできるようになる
・利用者やその家族から質問を受けた際に正確に答えられるようになる
・部下の業務の仕方でよくない点があれば指摘し、丁寧に指導する。逆に良い対応をしているときは一言でもほめる
・介護福祉士試験の半年前から、1日1時間は参考書を読む、問題集を解くなどの勉強をする

【取りたい資格】

・介護福祉士
介護福祉士は、専門的な知識とスキルを持つ介護のプロ。国家資格で、受験するには、介護系の教育機関で定められたカリキュラムを終了するか、実務経験3年以上かつ介護福祉士実務者研修を修了していなければなりません。

・介護支援専門員(ケアマネジャー)
入居型の施設や地域の拠点で、ケアプラン(介護サービス計画)を作成するほか、利用者からの相談への対応、介護保険申請の代行、行政や事業所などとの連絡・調整を行います。試験を受験する条件は、介護福祉士や看護師など介護・医療・福祉分野の国家資格を有し、それに基づく業務、または介護施設などで相談員の業務をした経験が5年以上あることです。

・サービス提供責任者
訪問介護事業所における訪問介護サービスの責任者のことです。受験の条件は、介護福祉士の資格を持っていること、または介護福祉士実務者研修を修了していることです。

・社会福祉士
高齢者や身体・知的障害者などを支援する専門職。取得するには試験に合格する必要がありますが、実務経験の年数や学歴に応じて、12通りの受験条件が設定されています。

勤続10年以上のベテラン

ベテランになると、基本の介護業務はもちろん、業務全体の流れ、部下の指導・育成、他の職種との連携についても意識する必要があります。

主任やリーダーはもちろん、さらにその上に立って施設全体をまとめるホーム長や施設長、所長といった管理者になる人もいるでしょう。
管理者になると、従業員をマネジメントするスキルや運営や経営に関する知識も求められます。
ただし施設の種類によっては、管理者になるための要件(実務経験や資格など)が定められている場合もあります。

【目標設定の例】

・利用者やその家族から相談やクレームを受ける際には、話によく耳を傾け、真摯に対応する
・従業員がそれぞれの能力を存分に活かせるような人員配置を考える
・介護職のリーダーや管理者向けの研修には積極的に参加する
・外部の研修会などで介護の知識やスキルを伝える講師としてのスキルを磨く
・事業所の経営状況を正確に把握し、経費削減に努める

【取りたい資格】

・認定介護福祉士
介護福祉士のさらに上の資格。試験はありませんが、養成研修を修了する必要があります。養成研修を受けるには、介護福祉士の資格を取得していること、その後5年以上の実務経験があることなどの条件が決められています。

・主任介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護支援専門員の上位資格で、ほかのケアマネジャーへのアドバイスや指導、ほかの従業員や外部との連絡調整という役割を担っています。試験はありませんが、研修を受ける必要があります。研修を受講する条件として、介護支援専門員としての実務経験などが求められます。

キャリアパス制度について

今、政府が介護サービス事業所に対して、導入を勧めているキャリアパス制度について見ておきましょう。

キャリアパス制度導入の背景

少子高齢化が進むなかで、介護業界は人手不足に悩まされてきました。
原因はさまざまですが、主な原因は、介護職が重労働であるうえに、給料の額がそれに見合わないと考えられていることです。

さらに、評価制度が整っていない事業所も多く、従業員のモチベーションが上がりにくい、昇給しにくいため離職率が高い、といった課題もありました。

キャリアパス制度とは

そこで近年、国は、全国の介護サービス事業所に「キャリアパス制度」の導入を勧めています。

キャリアパス制度とは、従業員が昇進していくための道筋を示し、キャリア段階ごとの基準や条件を明確にする制度です。
一般企業の多くが導入している人事制度の1つで、従業員の昇給の目安にもなります。
キャリアパス制度の内容は事業所ごとに異なりますが、介護業界では多くの事業所が、資格の取得を基準に取り入れています。

キャリアパス制度は、「介護職員等処遇改善加算」という制度とも関係しています。

この制度は、キャリアパスに関する要件や職場の環境改善などの要件を満たすことで、事業所の介護報酬に加算金が追加され、それが「処遇改善手当」として職員に支給される仕組みになっています。
つまり、事業所がキャリアパス制度を導入することで、介護職の処遇が改善し、人手不足の解消や人材の定着につながる可能性があるのです。

勤務する事業所がキャリアパス制度を導入している場合は、個人目標を立てる際に、まず勤務先のキャリアパスにおいて、自分がどの段階にいるのかを確認しましょう。
明確なキャリアパスがあれば、次のステップに進むにはどんなことが必要なのかも可視化されるため、目標設定もしやすいはずです。

●処遇改善手当とは?この記事もチェック!

介護職の給料アップにつながる「処遇改善手当て」とは?加算の仕組みや目的を理解しよう | ささえるラボ

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介護業界の人手不足を解消するために国が創設した「介護職員処遇改善加算」。要件を満たした事業所には加算金が支給され、「処遇改善加算手当て」として従業員に配分されます。加算の仕組みや目的などの基礎知識を紹介します。

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資質向上のための目標が思いつかないときの対策は?

資質向上のための目標(個人目標)を書くのにいつも困るという方は、結構多いですよね。
目標がなくても、日々出勤して自分の与えられた職域で介護業務を遂行していれば、お給料はもらえるし、利用者さまとのトラブルなども無ければ、目標がなくても特に困らないと思います。

目標が立てられない原因は「いい塩梅」で仕事をしているから?

未経験のときのほうが、自分の課題に気づきやすい

しかしそれは、そう思っているあなた自身が「ある程度のいい塩梅で」業務ができているからだと推察します。

そもそも、全く未経験で仕事をしようと思うと「ゼロ」の状態からのスタートなので、そこで働くために色々な業務内容を覚えなくてはいけません。教えてもらうときも、「次までにはできるようにしなくては」や「今月中にはここまで覚えないと」と思いながら仕事をしていると思います。それがまさに目標なのです。

なぜ全く仕事ができない未経験のときは目標を立てることができるのかというと、「自分が何ができないのか」を分かっているからだと考えます。そしてできないことで周囲に迷惑をかけているなど、自分にとって困ることがあるからです。

目標を立てるのが難しいのは、仕事が一通りできるようになった証拠

良くも悪くも、「ある程度のいい塩梅で」一通りの仕事ができるようになった場合は、一見できないことが無くなったようになり、周りに迷惑をかけることもなく、自分にとって困ることもないように感じます。
よって、目標を立てる必要性を感じられなくなることが原因だと考えます。

目標設定に困った時チェックしたい5つのこと

よって、目標を書くのにいつも困るという方は、以下の点について自分を振り返ってみてください。

・自分が行っている介護業務の質は日本一か?
・自分で行っている介護業務について科学的根拠をもって、自分以外にわかりやすく説明できるか?
・今後、絶対に失敗しないか?
・災害やトラブル等、どんなことがあっても想定内として対応できるか?
・目の前のご利用者は、自分の介護を受けることで100%満足しているか?

自分にとっての「できないこと」を、正確に把握しましょう

このように考えたときに、すべての問いかけに「YES」と答えられるでしょうか?
もし、答えられる方は、逆に危険だと思ってください。

振り返ると、自分にとって自信のない業務や知らない知識、苦手な分野や技術があると思います。
私たちは、色々な課題を持った人に対応できる力を身につけなくてはなりません。現状関わっている方に対しては、たまたまうまくいっているだけかもしれないと考え、どのような方が目の前に現れても、しっかりと対応できるようになっておくことが大切なのです。

自分にとっての「できない」を明確にしておきましょう。「できない」=あなたの課題です。

その課題をどのように解決するかも考えよう

あなたの課題が明確になった後は、その課題をどのように解決するかを考えることが大切です。
「できない」が「できる」になるために大切なことは、「何を、いつまでに、どのくらい、誰に対して、どこで、どのようにできるようになるか」を考えることです。

例:排泄介助にかかる時間に課題がある場合

例えば、フロアの排泄介助を5人行うのに2時間30分かかっている現状があったとします。そうすると2時間30分を2時間で行うことができれば、フロア全体のスタッフ間の相互フォローに余裕が生まれ、ご利用者との関わる時間を増やせたり、残業時間が減らせたりと良い効果があると考えられます。

一方、急いで実施することでおむつの当て方が雑になり排泄物が漏れてシーツまで汚染してしまった、ご利用者が不快に感じることが多くなったなどでは意味がありません。

課題に対して、やるべきことを分解していく

前述した内容にこの状況を落とし込むと、やるべき目標は

・急いでも仕上がりのきれいなおむつ交換を(何を)
・1年かけて(いつまでにその技術を身につけられるかを考えて)
・ひとりあたり6分間短縮(どのくらい)
・利用者様に対して急いでいると感じられないように(誰に対して)
・外部研修や職場で(どこで)
排泄介助技術の学び直しのためにおむつフィッター3級資格を取得し、職場スタッフと練習しながら、2か月で一人当たり1分短縮できるように意識して業務を行う。

最終的な目標はどう書く?

と考えると、「おむつフィッター3級資格を取得し、ご利用者が不快に思わないようなおむつ交換を1年後に一人当たり24分以内に終わらせることができる。」という目標が立てられると思います。

介護系の資格だけじゃない!目的から逆算して資格にチャレンジしよう

さて、資格の話になりますが、資格をとればそれでよいというわけではありません。
資格を取得する動機や、その資格取得したらどうしたいのかという自分の将来のビジョンを持っておくと良いと思います。

個人的には、介護だから介護系の資格だけを狙うという必要はないと考えています。

ファイナンシャルプランナーを取得した実体験
私の実体験をお話します。

ケアマネジャーとしての業務の中で、「私は60歳で、前倒しで年金を受けられる年齢にはなったけど、65歳まで待った方がいいか?」と相談を受けました。
私は、そのとき恥ずかしながら即答することができなかったのです。

そこで介護系の資格ではないファイナンシャルプランナーの資格にチャレンジしました。
そうすると65歳より前倒しで老齢基礎年金を繰り上げ受給する場合、1ヶ月あたり、0.4%の減額支給となることが理解できました。
そうすると5年間(60ヶ月)前倒しとなるわけですから、
0.4%×60月=24% 減額支給となるということがわかります。

それでも、60歳から受給したいか?満額もらえるようになるまで65歳からもらうのか?
どちらが良いかを判断していただけるようになりました。

(もちろん65歳以上に遅らせて、満額以上にもらうという選択肢もありますが割愛いたします。)

資格が取得できればもちろん良いのですが、資格取得そのものが目的ではなく、そのチャレンジ過程でも十分に学びはあります。ぜひ、生活を支えるという介護の視点から見た広い視野で活かせそうな資格にチャレンジされると良いと思います。

ユニットの目標も、同じ手順でやるべきことを分解していこう

ユニットの目標については、ユニットケアを経験したことがないので、的確な回答ができる自信はありません。
しかしながら、上記の考え方により、ユニットとしての課題をしっかりと明確にできれば、その課題解決の行動を具体的に落とし込み、その行動をするために、いつまでに、具体的に、どんなことができるようになるという目標は立てられると思います。
ぜひみんなで共感できるよう目標を立てて、お互いに日々、研鑽を重ねていきましょう。

まとめ:目標を明確にして、能力・スキルを最大限に伸ばそう

かつての介護業界では、評価基準があいまいな事業所も多く、介護職の日々の業務は目的意識を持たずにただ同じ作業を繰り返すルーチンワークになりがちでした。
しかし近年では、キャリアパス制度や自己評価シートを導入する事業所も増えつつあり、評価や昇給の仕組みがより明確になってきています。

具体的な個人目標を立てて、キャリアに応じて必要な資格を取得していくことで、将来の可能性は広がり、転職活動もしやすくなります。
キャリアアップにつながる目標設定ができるよう、まずは基本のポイントを把握しておきましょう。

マンガで解説!

介護職の目標の立て方①

介護職の目標の立て方②

マンガ監修:望月太敦(公益社団法人東京都介護福祉士会 副会長)

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介護職の人事考課のポイントは?自己評価を書く際のポイントも解説

執筆者

このテーマは、大庭さんが執筆しました♪

大庭 欣二

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/11

福岡福祉向上委員会 代表 ▶プロフィール抜粋:福祉職の離職防止・人財確保を目的に「福岡福祉向上委員会」を立ち上げ、仲間と共に福祉職を支え続けている。また、福岡市の人材確保事業や福祉の魅力発信事業などにも携わり、福祉業界全体の底上げに寄与している。 得意なことは、縁を紡ぐことと戦略を立て実践すること。

皆さんの事業所では目標管理や人事考課って、行われていますか?
おそらく、多くの事業所では、半年に一度、ないしは一年に一度、目標管理や人事考課が行われていると思います。

人事考課の時期になると、人事考課をする側もされる側も、憂鬱になるという声も頻繁に聞こえてきます。おそらく、人事考課の目的に対する考え方の違いから、そのような感情がわいてくるのではと感じます。
人事考課は、賞与の査定や昇進昇級に活用されることが多いので、賞与や昇進昇級の為に行われていると思っている方も多いようです。

目標管理や人事考課を正しく行うためのポイント

では、目標管理や人事考課は何のために行われているのでしょうか。
もちろん、給与や賞与、昇給などのために行われている一面もあります。
しかしながら、それだけのためではありません。

1.本人と考課者が合意できる目標を設定する

まずは、本人と考課者がしっかりと合意できた目標を設定します。
ここで大切なのは、考課者である上司が目標を押し付けないことです。もちろん、期待している役割や業務内容を伝える必要はありますが、目標は本人主体で考えるものにしてください。人から与えられた目標では、なかなかモチベーションは上がりにくいものです。

そして、考課期間中は、考課者である上司は評価対象者をじっくりと観察してください。

2.考課期間が終わったら、まずは自己評価をする

次に、人事考課時には、設定した目標がその期間でどのくらい達成したのか、未達の場合は何が不足していたのかなどを、まずは自分で評価します。

ポイント:あくまで自分自身が思った通りに自己評価を行う

自己評価をする際、考課者である上司のことを考える必要はありません。自分自身が思った通りに自己評価をするのがポイントです。
こんな評価を見せたら、自己評価が高すぎると思われるのでは?とか、過大評価と感じられるのでは?と心配する必要はありません。

むしろ、上司とのギャップがどのような部分で発生しているのかを理解することで、自分が何を求められているのか、何が足らないのかが明確になり、成長のヒントを得ることとなるわけです。自己評価は自分の目線からの評価であり、上司の立場や上司の目線での評価ではないということを意識しましょう。

まとめ:評価指標を定めにくい介護の仕事だからこそ、人事考課のプロセスが大事

介護や福祉の仕事は、営業職や販売職と異なり、売上高や販売達成率などの数字の評価指標を定めにくい業界です。
この数字として定めにくい目標を上司と一緒に定め、それを半年や一年のスパンで上司と一緒に検証し、確認する作業が、介護現場における人事考課において必要なことです。
それを行うことによる促される成長こそが、人事考課の大きな目的の一つだと言えます。

そんな意識をしながら目標設定や自己評価に取り組むと、憂鬱に感じずに、前向きに捉えることとなり、達成時のイメージも湧いてくると思います。

ぜひともチャレンジしてみてください。

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