第36回介護福祉士国家試験 対策問題(総合問題)3
■問題
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Aさん(80歳、女性)は、自宅で一人暮らしをしている。同じ県内に住む娘が、月に一度Aさんの自宅を訪れている。
最近、Aさんの物忘れが多くなってきたため、不安になった娘が、Aさんと一緒に病院を受診したところ、医師から、脳の記憶をつかさどる部分が顕著に萎縮したアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)であると診断された。Aさんはこのまま自宅で暮らすことを希望し、介護保険の訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら一人暮らしを継続することになった。
ある日、娘からサービス提供責任者に、今年はAさんが一人で雪かきができるか不安であると相談があった。そこで、サービス提供責任者が、Aさんと一緒に地区の民生委員に相談したところ、近所の人たちが雪かきをしてくれることになった。
ある日、訪問介護員(ホームヘルパー)がAさんの自宅を訪れ、一包化された薬の服薬状況を確認したところ、残薬があった。Aさんに服薬状況を確認すると、薬を飲んだかどうか、わからなくなることがあるという返答があった。訪問介護員は、Aさんとの会話から、日時に関する見当識に問題はないことを確認した。
Aさんの薬の飲み忘れを防止するための対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.一包化を中止する。
2.インフォーマルな社会資源の活用は避ける。
3.お薬カレンダーの使用を提案する。
4.一人では薬を服用しないように伝える。
5.薬の飲み忘れに気がついたとき、2回分を服用するように伝える。
解答と解説
■解答
3.お薬カレンダーの使用を提案する。
解説
1.(×)一包化することで薬剤の飲み忘れや飲み過ぎ、飲み間違いを予防する効果があるため、中止することは不適切です。
2.(×)インフォーマルな社会資源とは家族や近所の人たちによる支援であり、適切に活用すべきです。
3.(○)日時に関する見当識に問題がないことから、お薬カレンダーを使用することが最も適切であると考えられます。毎日必ず立ち寄る台所や洗面所など、目に入りやすい場所に掛けておくと飲み忘れ防止効果が高まります。
4.(×)薬を飲んだかどうか分からなくなることがあるだけで、一包化された薬を自分で飲むことは可能です。
5.(×)2回分を一度に服用した場合、体内の薬物濃度が上昇して有害事象(副作用)が生じる可能性があります。また、基本的に服薬に関する指示は医師が行うべきです。
ささえるラボ編集部です。
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