第36回介護福祉士国家試験 対策問題(総合問題)5
■問題
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Bさん(75歳、男性、要介護3)は、1年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、右片麻痺(みぎかたまひ)がある。自宅では、家具や手すりにつかまって、なんとか自力歩行し、外出時は車いすを使用していた。うまく話すことができないこともあるが、他者の話を聞き取って理解することは、問題なくできていて、介護保険サービスを利用しながら、一人で暮らしていた。数か月前から着替えや入浴に介助が必要になり、在宅生活が難しくなったため、1週間前にU介護老人福祉施設に入所した。
入所時の面談でBさんは、自分の力で歩きたいという意思を示した。U介護老人福祉施設では、C介護福祉士をBさんの担当者に選定した。C介護福祉士は、カンファレンス(conference)での意見に基づいて、Bさんが、四点杖(よんてんづえ)を使用して、安全に施設内を歩行できることを短期目標とした介護計画を立案した。
C介護福祉士がBさんとコミュニケーションをとるための方法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.補聴器を使用する。
2.五十音表を使用する。
3.手話を使う。
4.大きな声で話しかける。
5.「はい」「いいえ」で回答できる質問を中心に用いる。
解答と解説
■解答
5.「はい」「いいえ」で回答できる質問を中心に用いる。
■解説
1.(×)補聴器は聴覚障害がある場合に用いられますが、Bさんの聴覚は低下していないため不要です。
2.(×)五十音表は、失語症や構音障害がある場合に用いられます。
3.(×)手話は、手指動作と非手指動作を同時に用いる視覚言語であり、聴覚障害がある場合は非常に有用です。
4.(×)難聴はなく、他者の話を聞き取れるBさんに大きな声で話しかける必要はありません。
5.(○)Bさんは、他者の話を聞き取って理解することには問題ないものの、思うようにうまく話すことができない状態です。「はい/いいえ」で回答でき、表情や顔を縦や横に振ることなどでも対応しやすい「閉じられた質問」を中心に用いることが適切です。
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