第36回介護福祉士国家試験 対策問題(総合問題)4
■問題
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Bさん(75歳、男性、要介護3)は、1年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、右片麻痺(みぎかたまひ)がある。自宅では、家具や手すりにつかまって、なんとか自力歩行し、外出時は車いすを使用していた。うまく話すことができないこともあるが、他者の話を聞き取って理解することは、問題なくできていて、介護保険サービスを利用しながら、一人で暮らしていた。数か月前から着替えや入浴に介助が必要になり、在宅生活が難しくなったため、1週間前にU介護老人福祉施設に入所した。
入所時の面談でBさんは、自分の力で歩きたいという意思を示した。U介護老人福祉施設では、C介護福祉士をBさんの担当者に選定した。C介護福祉士は、カンファレンス(conference)での意見に基づいて、Bさんが、四点杖(よんてんづえ)を使用して、安全に施設内を歩行できることを短期目標とした介護計画を立案した。
入所から2か月が経過した。C介護福祉士は、Bさんの四点杖歩行の様子を観察したところ、左立脚相と比べて、右立脚相が短いことが気になった。Bさんの短期目標を達成するために、理学療法士と相談して、転倒予防の観点から、見守り歩行をするときの介護福祉職の位置について、改めて周知することにした。
Bさんの四点杖歩行を見守るときに介護福祉職が立つ位置として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.Bさんの右側前方
2.Bさんの右側後方
3.Bさんの真後ろ
4.Bさんの左側前方
5.Bさんの左側後方
解答と解説
■解答
2.Bさんの右側後方
■解説
立脚相とは、歩行中に足が床や地面などの支持面に着いている時間のことです。左立脚相と比べて右立脚相が短い場合は、体重が右足にかかる時間が短く、右側が不安定な状態となります。なお、歩行中に足が支持面から離れている時間のことは、遊脚相と呼びます。
1.(×)右側が不安定になりますが、前方に立ってしまうとBさんを見守ったり支えたりすることが難しくなります。
2.(○)右側が不安定で重心が後ろに傾く可能性が高いため、Bさんの右側後方に立つことが適切です。片麻痺の場合は、歩行中、患側の斜め後方から見守ることが基本となります。
3.(×)真後ろに立たれると、急かされているようでBさんは落ち着かない気持ちになると思われます。
4.(×)左側は健側である上、前方ではBさんを支えることが難しくなります。
5.(×)斜め後方に立つことは適切ですが、不安定になる患側に立つ必要があります。
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