【まとめ】第36回介護福祉士国家試験【対策問題・解答解説あり】
2024年1月28日に迫る、第36回介護福祉士国家試験の対策問題をまとめました。
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コツコツ問題を解いて、合格を目指しましょう!
人間関係とコミュニケーション
■問題1
ストレス対処行動の一つである問題焦点型コーピングに当てはまる行動として、適切なものを1つ選びなさい。
1.趣味の活動をして気分転換する。
2.トラブルの原因に働きかけて解決しようとする。
3.運動して身体を動かしストレスを発散する。
4.好きな音楽を聴いてリラックスする。
5.「トラブルも良い経験だ」と自己の意味づけを変える。
■問題2
介護老人福祉施設は、利用者とその家族、地域住民等との交流を目的とした夏祭りを開催した。夏祭りには、予想を超えた来客があり、「違法駐車が邪魔で困る」という苦情が近隣の住民から寄せられた。そこで、次の夏祭りの運営上の改善に向けて職員間で話し合い、対応案を作成した。
次の対応案のうち、PDCAサイクルのアクション(Action)に当たるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.近隣への騒音の影響について調べる。
2.苦情を寄せた住民に話を聞きに行く。
3.夏祭りの感想を利用者から聞く。
4.来客者用の駐車スペースを確保する。
5.周辺の交通量を調べる。
■問題3
Bさん(80歳、女性)は、介護老人保健施設に入所が決まった。今日はBさんが施設に入所する日であり、C介護福祉職が担当者になった。C介護福祉職は、初対面のBさんとの信頼関係の形成に向けて取り組んだ。
C介護福祉職のBさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.自発的な関わりをもつことを控えた。
2.真正面に座って面談をした。
3.自分から進んで自己紹介をした。
4.終始、手を握りながら話をした。
5.孫のような口調で語りかけた。
社会の理解
■問題1
社会福祉法に基づく、都道府県や市町村において地域福祉の推進を図ることを目的とする団体として、正しいものを1つ選びなさい。
1.特定非営利活動法人(NPO法人)
2.隣保館
3.地域包括支援センター
4.基幹相談支援センター
5.社会福祉協議会
■問題2
生活困窮者自立支援法に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1.最低限度の生活が維持できなくなるおそれのある者が対象になる。
2.自立を図るために、就労自立給付金が支給される。
3.疾病がある者には、医療費が支給される。
4.子どもへの学習支援は、必須事業とされている。
5.最終的な、「第3のセーフティーネット」と位置づけられている。
■問題3
「障害者総合支援法」の居宅介護を利用したときの利用者負担の考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
1.利用したサービスの種類や量に応じて負担する。
2.利用者の負担能力に応じて負担する。
3.利用したサービス費用の一定の割合を負担する。
4.利用したサービス費用の全額を負担する。
5.利用者は負担しない。
■問題4
我が国の社会保障制度の基本となる、1950年(昭和25年)の社会保障制度審議会による「社会保障制度に関する勧告」の内容として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.生活困窮者自立支援法の制定の提言
2.社会保障制度を、社会保険、国家扶助、公衆衛生及び医療、社会福祉で構成
3.介護保険制度の創設の提言
4.保育所の待機児童ゼロ作戦の提言
5.介護分野におけるICT等の活用とビッグデータの整備
■問題5
我が国の「障害者権利条約」の批准(2014年(平成26年))に向けて行われた、障害者基本法の改正(2011年(平成23年))で新たに法律上に規定されたものとして、適切なものを1つ選びなさい。
(注)「障害者権利条約」とは、国際連合の「障害者の権利に関する条約」のことである。
1.自立支援医療(精神通院医療)の開始
2.共同生活援助(グループホーム)の制度化
3.成年後見制度の創設
4.社会的障壁の除去
5.東京2020パラリンピック競技大会の開催
■問題6
Eさん(75歳、女性、要介護2)は、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。最近、Eさんの認知症(dementia)が進行して、家での介護が困難になり、介護老人福祉施設の申込みをすることにした。家族が訪問介護員(ホームヘルパー)に相談したところ、まだ要介護認定の有効期間が残っていたが、要介護状態区分の変更の申請ができることがわかった。
家族が区分変更するときの申請先として、正しいものを1つ選びなさい。
1.介護保険の保険者
2.後期高齢者医療広域連合
3.介護保険審査会
4.国民健康保険団体連合会
5.運営適正化委員会
■問題7
次のうち、「障害者総合支援法」の介護給付を利用するときに、利用者が最初に市町村に行う手続きとして、適切なものを1つ選びなさい。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
1.支給申請
2.認定調査
3.審査会の開催
4.障害支援区分の認定
5.サービス等利用計画の作成
■問題8
「高齢者虐待防止法」に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
(注)「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。
1.虐待が起こる場として、家庭、施設、病院の3つが規定されている。
2.対象は、介護保険制度の施設サービス利用者とされている。
3.徘徊(はいかい)しないように車いすに固定することは、身体拘束には当たらない。
4.虐待を発見した養介護施設従事者には、通報する義務がある。
5.虐待の認定は、警察署長が行う。
こころとからだのしくみ
■問題1
Hさん(75歳、男性)は,一人暮らしであるが、隣人と共に社会活動にも積極的に参加し、ゲートボールや詩吟、芸術活動など多くの趣味をもっている。また、多くの友人から、「Hさんは、毎日を有意義に生活している」と評価されている。Hさん自身も友人関係に満足している。
ライチャード(Reichard,S.)による老齢期の性格類型のうち、Hさんに相当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。
1.自責型
2.防衛型(装甲型)
3.憤慨型
4.円熟型
5.依存型(安楽いす型)
■問題2
死が近づいているときの身体の変化として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.瞳孔の縮小
2.筋肉の硬直
3.発汗
4.結膜の充血
5.喘鳴(ぜんめい)
■問題3
大脳の後頭葉にある機能局在として、適切なものを1つ選びなさい。
1.視覚野
2.聴覚野
3.運動野
4.体性感覚野
5.感覚性言語野(ウェルニッケ野)
■問題4
廃用症候群(disuse syndrome)で起こる可能性があるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.うつ状態
2.高血圧
3.関節炎
4.徘徊(はいかい)
5.下痢
■問題5
Jさん(82歳、女性)は、施設に入所している。Jさんは車いすで食堂に来て、箸やスプーンを使って、自分で食事をしている。主食は普通食、おかずは刻み食で全量摂取している。最近、車いすからずり落ちる傾向があり、首が後屈した姿勢で食事をし、むせることが多くなった。
Jさんが誤嚥(ごえん)をしないようにするための最初の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.食事回数の調整
2.座位姿勢の調整
3.使用食器の変更
4.食事の量の調整
5.食事場所の変更
■問題6
褥瘡(じょくそう)の好発部位として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.側頭部
2.頸部(けいぶ)
3.腹部
4.仙骨部
5.足趾部(そくしぶ)
■問題7
健康な成人の便の生成で、上行結腸の次に内容物が通過する部位として、正しいものを1つ選びなさい。
1.S状結腸
2.回腸
3.直腸
4.下行結腸
5.横行結腸
■問題8
高齢者の睡眠薬の使用に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.依存性は生じにくい。
2.翌朝まで作用が残ることがある。
3.食事後すぐの服用が望ましい。
4.アルコールと一緒に飲んでも効果は変わらない。
5.転倒の原因にはならない。
■問題9
大切な人を亡くした後にみられる、寂しさやむなしさ、無力感などの精神的反応や、睡眠障害、食欲不振、疲労感などの身体的反応を表すものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.認知症(dementia)
2.グリーフ(grief)
3.リビングウィル(living will)
4.スピリチュアル(spiritual)
5.パニック障害(panic disorder)
認知症の理解
■問題1
次のうち、2019年(令和元年)の認知症施策推進大綱の5つの柱に示されているものとして、適切なものを1つ選びなさい。
1.市民後見人の活動推進への体制整備
2.普及啓発・本人発信支援
3.若年性認知症支援ハンドブックの配布
4.認知症初期集中支援チームの設置
5.認知症カフェ等を全市町村に普及
■問題2
Mさん(88歳、女性 )は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断された。夫と二人暮らしで、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問したときに夫から、「最近、日中することがなく寝てしまい、夜眠れていないようだ」と相談を受けた。訪問介護員は、Mさんが長年していた裁縫を日中にしてみることを勧めた。早速、裁縫をしてみるとMさんは、短時間で雑巾を縫うことができた。
Mさんの裁縫についての記憶として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.作業記憶
2.展望的記憶
3.短期記憶
4.陳述記憶
5.手続き記憶
■問題3
現行の認知症サポーターに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.ステップアップ講座を受講した認知症サポーターには、チームオレンジへの参加が期待されている。
2.100万人を目標に養成されている。
3.認知症介護実践者等養成事業の一環である。
4.認知症ケア専門の介護福祉職である。
5.国が実施主体となって養成講座を行っている。
■問題4
慢性硬膜下血腫(chronic subdural hematoma)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.運動機能障害が起こることは非常に少ない。
2.頭蓋骨骨折を伴い発症する。
3.抗凝固薬の使用はリスクとなる。
4.転倒の後、2~3日で発症することが多い。
5.保存的治療が第一選択である。
■問題5
Lさん(83歳、女性、要介護1)は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)である。一人暮らしで、週2回、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。
ある日、訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると、息子が来ていて、「最近、母が年金の引き出しや、水道代の支払いを忘れるようだ。日常生活自立支援事業というものがあると聞いたことがあるが、どのような制度なのか」と質問があった。
訪問介護員の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.「申込みをしたい場合は、家庭裁判所が受付窓口です」
2.「年金の振込口座を、息子さん名義の口座に変更することができます」
3.「Lさんが契約内容を理解できない場合は、息子さんが契約できます」
4.「生活支援員が、水道代の支払いをLさんの代わりに行うことができます」
5.「利用後に苦情がある場合は、国民健康保険団体連合会が受付窓口です」
■問題6
アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)の、もの盗られ妄想に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.説明をすれば自身の考えの誤りに気づくことが多い。
2.本人の不安から生じることが多い。
3.現実に存在しない人が犯人とされる。
4.主に幻視が原因である。
5.症状の予防には抗精神病薬が有効である。
■問題7
認知症ケアの技法であるユマニチュードに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.「見る」とは、離れた位置からさりげなく見守ることである。
2.「話す」とは、意識的に高いトーンの大きな声で話しかけることである。
3.「触れる」とは、指先で軽く触れることである。
4.「立つ」とは、立位をとる機会を作ることである。
5.「オートフィードバック」とは、ケアを評価することである。
■問題8
認知症ケアパスに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.都道府県ごとに作られるものである。
2.介護保険制度の地域密着型サービスの1つである。
3.認知症(dementia)の人の状態に応じた適切なサービス提供の流れをまとめたものである。
4.レスパイトケアとも呼ばれるものである。
5.介護支援専門員(ケアマネジャー)が中心になって作成する。
障害の理解
■問題1
ストレングス(strength)の視点に基づく利用者支援の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.個人の特性や強さを見つけて、それを生かす支援を行うこと。
2.日常生活の条件をできるだけ、障害のない人と同じにすること。
3.全人間的復権を目標とすること。
4.権利を代弁・擁護して、権利の実現を支援すること。
5.抑圧された権利や能力を取り戻して、力をつけること。
■問題2
Eさん(38歳、男性)は、脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、病院に入院していた。退院時に、右片麻痺(みぎかたまひ)と言語障害があったため、身体障害者手帳2級の交付を受けた。現在、Eさんと家族の希望によって、自宅で生活しているが、少しずつ生活に支障が出てきている。Eさんの今後の生活を支えるために、障害福祉サービスの利用を前提に多職種連携による支援が行われることになった。
Eさんに関わる関係者が果たす役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.介護支援専門員(ケアマネジャー)が、介護サービス計画を作成する。
2.医師が、要介護認定を受けるための意見書を作成する。
3.基幹相談支援センターの職員が、障害福祉計画を立てる。
4.地域包括支援センターの職員が、認定調査を行う。
5.相談支援専門員が、サービス担当者会議を開催する。
■問題3
Cさん(3歳)は、24時間の人工呼吸器管理、栄養管理と体温管理が必要であり、母親(32歳)が生活全般を支えている。Cさんの母親は、「発達支援やショートステイを活用したいのに、市内に事業所がない。ほかにも困っている家族がいる」とD相談支援専門員に伝えた。
D相談支援専門員が、課題の解決に向けて市(自立支援)協議会に働きかけたところ、市内に該当する事業所がないことが明らかになった。
この事例で、地域におけるサービスの不足を解決するために、市(自立支援)協議会に期待される機能・役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.困難な事例や資源不足についての情報の発信
2.権利擁護に関する取り組みの展開
3.地域の社会資源の開発
4.構成員の資質向上
5.基幹相談支援センターの運営評価
■問題4
1960年代のアメリカにおける自立生活運動(IL運動)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.障害があっても障害のない人々と同じ生活を送る。
2.一度失った地位、名誉、特権などを回復する。
3.自分で意思決定をして生活する。
4.医療職が機能回復訓練を行う。
5.障害者の社会への完全参加と平等を促進する。
■問題5
Aさん(60歳、男性)は、脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)のため、物をつかもうとすると手が震え、起立時や歩行時に身体がふらつき、ろれつが回らないため発語が不明瞭である。
次のうち、Aさんの現在の症状に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.運動麻痺(うんどうまひ)
2.運動失調
3.関節拘縮
4.筋萎縮
5.筋固縮
■問題6
学習障害の特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.読む・書く・計算するなどの習得に困難がある。
2.注意力が欠如している。
3.じっとしているのが難しい。
4.脳の機能に障害はない。
5.親のしつけ方や愛情不足によるものである。
■問題7
「障害者虐待防止法」における、障害者に対する著しい暴言が当てはまる障害者虐待の類型として、最も適切なものを1つ選びなさい。
(注)「障害者虐待防止法」とは、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。
1.身体的虐待
2.放棄・放置
3.性的虐待
4.心理的虐待
5.経済的虐待
■問題8
Bさん(21歳、男性)は、統合失調症(schizophrenia)を発症し、継続した内服によって幻覚や妄想などの症状は改善しているが、意欲や自発性が低下して引きこもりがちである。現在、Bさんは、外来に通院しながら自宅で生活していて、就労を考えるようになってきた。
介護福祉職が就労に向けて支援するにあたり留意すべきこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.あいまいな言葉で説明する。
2.代理で手続きを進める。
3.介護福祉職が正しいと考える支援を行う。
4.Bさんに意欲をもつように強く指示する。
5.Bさん自身が物事を決め、実行できるように関わる。
■問題9
上田敏の障害受容のモデルにおける受容期の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.受傷直後である。
2.障害の状態を否認する。
3.リハビリテーションによって機能回復に取り組む。
4.障害のため何もできないと捉える。
5.障害に対する価値観を転換し、積極的な生活態度になる。
介護の基本
■問題1
利用者主体の考えに基づいた訪問介護員(ホームヘルパー)の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.トイレの窓は換気が必要であると判断し、開けたままにしておいた。
2.認知症(dementia)の人が包丁を持つのは危険だと判断し、訪問介護員が調理した。
3.煮物を調理するとき、利用者に好みの切り方を確認してもらった。
4.糖尿病(diabetes mellitus)のある利用者には、買い物代行で菓子の購入はしないことにした。
5.次回の掃除のために、訪問介護員が使いやすい場所に掃除機を置いた。
■問題2
「求められる介護福祉士像」で示された内容に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
(注)「求められる介護福祉士像」とは、社会保障審議会福祉部会福祉人材確保専門委員会「介護人材に求められる機能の明確化とキャリアパスの実現に向けて」(2017年(平成29年)10月4日)の中で示されたものを指す。
1.地域や社会のニーズにかかわらず、利用者を導く。
2.利用者の身体的な支援よりも、心理的・社会的支援を重視する。
3.施設か在宅かに関係なく、家族が望む生活を支える。
4.専門職として他律的に介護過程を展開する。
5.介護職の中で中核的な役割を担う。
■問題3
利用者の危険を回避するための介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.スプーンを拾おうとして前傾姿勢になった車いすの利用者を、目視で確認した。
2.廊下をふらつきながら歩いていた利用者の横を、黙って通り過ぎた。
3.食事介助をしていた利用者の姿勢が傾いてきたので、姿勢を直した。
4.下肢筋力が低下している利用者が、靴下で歩いていたので、スリッパを履いてもらった。
5.車いすの利用者が、フットサポートを下げたまま立ち上がろうとしたので、またいでもらった。
■問題4
介護保険施設における専門職の役割に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.利用者の栄養ケア・マネジメントは、薬剤師が行う。
2.認知症(dementia)の診断と治療は、作業療法士が行う。
3.利用者の療養上の世話又は診療の補助は、社会福祉士が行う。
4.日常生活を営むのに必要な身体機能改善や機能訓練は、歯科衛生士が行う。
5.施設サービス計画の作成は、介護支援専門員が行う。
■問題5
Bさん(82歳、女性、要介護2)は、若いときに夫を亡くし、家で仕事をしながら子どもを一人で育てた。夫や子どもと過ごした家の手入れは毎日欠かさず行っていた。数年前に、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断され、認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居した。夕方になると、「私、家に帰らないといけない」と介護福祉職に何度も訴えている。
Bさんに対する介護福祉職の声かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.「仕事はないですよ」
2.「ここが家ですよ」
3.「外に散歩に行きますか」
4.「家のことが気になるんですね」
5.「子どもさんが『ここにいてください』と言っていますよ」
■問題6
すべての人が暮らしやすい社会の実現に向けて、どこでも、だれでも、自由に、使いやすくという考え方を表す用語として、適切なものを1つ選びなさい。
1.ユニバーサルデザイン(universal design)
2.インフォームドコンセント(informed consent)
3.アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning)
4.リビングウィル(living will)
5.エンパワメント(empowerment)
■問題7
社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている介護福祉士の責務として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.地域生活支援事業その他の支援を総合的に行う。
2.介護等に関する知識及び技能の向上に努める。
3.肢体の不自由な利用者に対して必要な訓練を行う。
4.介護保険事業に要する費用を公平に負担する。
5.常に心身の健康を保持して、社会的活動に参加するように努める。
生活支援技術
■問題1
Gさん(79歳、女性、要介護3)は、介護老人福祉施設に入所して、3週間が経過した。施設での生活には慣れてきているが、居室でテレビを見て過ごす時間が長くなった。ある時、Gさんが、「気分転換に台所を借りて、自分でおやつを作ってみたい」と介護福祉職に話した。
Gさんのレクリエーション活動の計画作成にあたり、介護福祉職が留意すべきこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.Gさんの居室で行うようにする。
2.おやつのメニューは、介護福祉職が選ぶ。
3.施設のレクリエーション財を優先する。
4.集団で行うことを優先する。
5.おやつ作りをきっかけに、施設生活に楽しみがもてるようにする。
■問題2
高齢者の安全な移動に配慮した階段の要件として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.手すりを設置している。
2.階段の一段の高さは、25cm以上である。
3.階段の足をのせる板の奥行は、15cm未満である。
4.階段の照明は、足元の間接照明にする。
5.毛の長いじゅうたんを敷く。
■問題3
福祉用具等を安全に使用するための方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.車いすをたたむときは、ブレーキをかけてから行う。
2.入浴用介助ベルトは、利用者の腰部を真上に持ち上げて使用する。
3.差し込み便器は、端座位で使用する。
4.移動用リフトで吊(つ)り上げるときは、利用者の身体から手を離して行う。
5.簡易スロープは、埋め込み工事をして使用する。
■問題4
睡眠の環境を整える介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.マットレスは、腰が深く沈む柔らかさのものにする。
2.枕は、頸部(けいぶ)が前屈する高さにする。
3.寝床内の温度を20℃に調整する。
4.臭気がこもらないように、寝室の換気をする。
5.睡眠状態を観察できるように、寝室のドアは開けておく。
■問題5
T字杖(じつえ)を用いて歩行する左片麻痺(ひだりかたまひ)の利用者が、20cm幅の溝をまたぐときの介護方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.杖は、左手に持ちかえてもらう。
2.杖は、溝の手前に突いてもらう。
3.溝は、右足からまたいでもらう。
4.遠い方向を見てもらう。
5.またいだ後は、両足をそろえてもらう。
■問題6
左片麻痺(ひだりかたまひ)の利用者が、前開きの上着をベッド上で臥床(がしょう)したまま交換するときの介護の基本に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.介護福祉職は利用者の左側に立つ。
2.新しい上着は利用者の右側に置く。
3.脱ぐときは、着ている上着の左上肢の肩口を広げておく。
4.左側の袖を脱ぎ、脱いだ上着は丸めて、からだの下に入れる。
5.利用者を左側臥位(ひだりそくがい)にし、脱いだ上着を引き出す。
■問題7
胃・結腸反射を利用して、生理的排便を促すための介護福祉職の支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.歩行を促す。
2.起床後に冷水を飲んでもらう。
3.腹部のマッサージをする。
4.便座に誘導する。
5.離床する時間を増やす。
■問題8
利用者の便失禁を改善するための介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.トイレの場所がわからない認知症(dementia)の人には、ポータブルトイレを設置する。
2.移動に時間がかかる人には、おむつを使用する。
3.便意がはっきりしない人には、朝食後に時間を決めてトイレへ誘導する。
4.下剤を内服している人には、下剤の内服を中止する。
5.便失禁の回数が多い人には、食事の提供量を減らす。
■問題9
女性利用者のおむつ交換をするときに行う陰部洗浄の基本に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.湯温は、介護福祉職の手のひらで確認する。
2.おむつを交換するたびに、石鹸(せっけん)を使って洗う。
3.タオルで汚れをこすり取るように洗う。
4.尿道口から洗い、最後に肛門部(こうもんぶ)を洗う。
5.洗浄後は、蒸しタオルで水分を拭き取る。
■問題10
ベッド上で臥床(がしょう)している利用者の洗髪の基本に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.利用者のからだ全体をベッドの端に移動する。
2.利用者の両下肢は、まっすぐに伸ばした状態にする。
3.洗うときは、頭頂部から生え際に向かって洗う。
4.シャンプー後は、タオルで泡を拭き取ってからすすぐ。
5.ドライヤーの温風は、頭皮に直接当たるようにする。
■問題11
総義歯の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.上顎から先に外す。
2.毎食後に洗う。
3.スポンジブラシで洗う。
4.熱湯につけてから洗う。
5.乾燥させて保管する。
■問題12
終末期で終日臥床(しゅうじつがしょう)している利用者に対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.入浴時は、肩までお湯につかるように勧める。
2.息苦しさを訴えたときは、半座位にする。
3.終日、窓を閉めたままにする。
4.会話をしないように勧める。
5.排便時は、息を止めて腹に力を入れるように勧める。
■問題13
介護老人福祉施設に入所している利用者の看取りにおける、介護福祉職による家族への支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.利用者の介護は、介護福祉職が最期まで行い、家族には控えてもらう。
2.利用者の反応がないときには、声をかけることを控えるように伝える。
3.利用者の死後は、毎日電話をして、家族の状況を確認する。
4.利用者の死後は、気分を切り替えるように家族を励ます。
5.家族が悔いが残ると言ったときは、話を聴く。
■問題14
利用者の障害特性に適した福祉用具の選択に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.言語機能障害の利用者には、ストッキングエイドの使用を勧める。
2.全盲の利用者には、音声ガイド付き電磁調理器の使用を勧める。
3.聴覚障害の利用者には、床置き式手すりの使用を勧める。
4.右片麻痺(みぎかたまひ)の利用者には、交互型歩行器の使用を勧める。
5.肘関節拘縮の利用者には、座位時に体圧分散クッションの使用を勧める。
■問題15
介護予防教室で介護福祉職が行う安定した歩行に関する助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.「歩幅を狭くしましょう」
2.「腕の振りを小さくしましょう」
3.「足元を見ながら歩きましょう」
4.「後ろの足のつま先で地面を蹴って踏み出しましょう」
5.「つま先から足をつきましょう」
■問題16
利用者が食事中にむせ込んだときの介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.上を向いてもらう。
2.お茶を飲んでもらう。
3.深呼吸をしてもらう。
4.口の中のものを飲み込んでもらう。
5.しっかりと咳(せき)を続けてもらう。
■問題17
テーブルで食事の介護を行うときの留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.車いすで食事をするときは、足をフットサポートから下ろして床につける。
2.片麻痺(かたまひ)があるときは、患側の上肢を膝の上にのせる。
3.スプーンを使うときは、下顎を上げた姿勢にして食べ物を口に入れる。
4.利用者に声をかけるときは、食べ物を口に入れてから行う。
5.食事をしているときは、大きな音でテレビをつけておく。
介護過程
■問題1
介護過程を展開する目的として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.業務効率を優先する。
2.医師と連携する。
3.ケアプランを作成する。
4.画一的な介護を実現する。
5.根拠のある介護を実践する。
■問題2
介護福祉職が事例研究を行う目的として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.事業所の介護の理念の確認
2.介護福祉職の能力を調べること
3.介護過程から介護実践を振り返ること
4.介護報酬の獲得
5.介護福祉職自身の満足度の充足
■問題3
次の記述のうち、居宅サービス計画と訪問介護計画の関係として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.訪問介護計画を根拠に、居宅サービス計画を作成する。
2.居宅サービス計画の目標が変更されても、訪問介護計画は見直しをせず継続する。
3.居宅サービス計画と同じ内容を、訪問介護計画に転記する。
4.居宅サービス計画の方針に沿って、訪問介護計画を作成する。
5.訪問介護計画の終了後に、居宅サービス計画を作成する。
■問題4
次のうち、介護過程を展開した結果を評価する項目として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
1.実施に要した日数
2.情報収集に要した時間
3.評価に要した時間
4.介護福祉職チームの満足度
5.短期目標の達成度
医療的ケア
■問題1
Fさん(87歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。嚥下機能(えんげきのう)が低下したため、胃ろうによる経管栄養が行われている。担当の介護福祉士は、Fさんの経管栄養を開始して、しばらく観察した。その後、15分後に訪室すると、Fさんが嘔吐(おうと)して、意識はあるが苦しそうな表情をしていた。介護福祉士は、すぐに経管栄養を中止して看護職員を呼んだ。
看護職員が来るまでの介護福祉士の対応として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
1.室内の換気を行った。
2.ベッド上の嘔吐物(おうとぶつ)を片付けた。
3.酸素吸入を行った。
4.心臓マッサージを行った。
5.誤嚥(ごえん)を防ぐために顔を横に向けた。
■問題2
消毒と滅菌に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1.消毒は、すべての微生物を死滅させることである。
2.複数の消毒液を混ぜると効果的である。
3.滅菌物には、有効期限がある。
4.家庭では、熱水で滅菌する。
5.手指消毒は、次亜塩素酸ナトリウムを用いる。
■問題3
次の記述のうち、成人の正常な呼吸状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.胸腹部が一定のリズムで膨らんだり縮んだりしている。
2.ゴロゴロとした音がする。
3.爪の色が紫色になっている。
4.呼吸数が1分間に40回である。
5.下顎を上下させて呼吸している。
■問題4
胃ろうによる経管栄養での生活上の留意点の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.「日中は、ベッド上で過ごします」
2.「夜寝るときは、上半身を起こした姿勢で寝ます」
3.「便秘の心配はなくなります」
4.「口から食べなくても口腔(こうくう)ケアは必要です」
5.「入浴は清拭に変更します」
■問題5
喀痰吸引(かくたんきゅういん)を行う前の準備に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.医師の指示書の確認は、初回に一度行う。
2.利用者への吸引の説明は、吸引のたびに行う。
3.腹臥位(ふくがい)の姿勢にする。
4.同室の利用者から見える状態にする。
5.利用者に手指消毒をしてもらう。
コミュニケーション技術
■問題1
Eさん(87歳、女性、要介護3)は、介護老人福祉施設に入所していて、認知症(dementia)がある。ある日、担当のF介護福祉職がEさんの居室を訪問すると、Eさんは、イライラした様子で、「私の財布が盗まれた」と言ってベッドの周りをうろうろしていた。一緒に探すと、タンスの引き出しの奥から財布が見つかった。
F介護福祉職は、Eさんのケアカンファレンス(care conference)に出席して、この出来事について情報共有することにした。
Eさんの状況に関する報告として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.「Eさんの認知機能が低下しました」
2.「Eさんは、誰かに怒っていました」
3.「Eさんには、もの盗られ妄想があります」
4.「Eさんは、財布が見つかって、安心していると思います」
5.「Eさんは、財布が盗まれたと言って、ベッドの周りをうろうろしていました」
■問題2
Cさん(75歳、男性)は、老人性難聴(presbycusis)があり、右耳は中等度難聴、左耳は高度難聴である。耳かけ型補聴器を両耳で使用して静かな場所で話せば、なんとか相手の話を聞き取ることができる。
Cさんとの1対1のコミュニケーションの方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.正面で向き合って話しかける。
2.高音域の声を使って話しかける。
3.耳元で、できるだけ大きな声で話しかける。
4.手話で会話をする。
5.からだに触れてから話しかける。
■問題3
次のうち、閉じられた質問として、適切なものを1つ選びなさい。
1.「この本は好きですか」
2.「午後はどのように過ごしますか」
3.「困っていることは何ですか」
4.「どのような歌が好きですか」
5.「なぜそう思いますか」
■問題4
Dさん(90歳、女性、要介護5)は、重度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)である。介護福祉職は、Dさんに声かけをして会話をしているが、最近、自発的な発語が少なくなり、会話中に視線が合わないことも増えてきたことが気になっている。
Dさんとのコミュニケーションをとるための介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.引き続き、言語を中心にコミュニケーションをとる。
2.Dさんが緊張しているので、からだに触れないようにする。
3.表情やしぐさを確認しながら、感情の理解に努める。
4.視線が合わないときは、会話を控える。
5.自発的な発語がないため、会話の機会を減らしていく。
■問題5
介護実践の場で行われる、勤務交代時の申し送りの目的に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.翌月の介護福祉職の勤務表を検討する。
2.利用者のレクリエーション活動を計画する。
3.利用者の問題解決に向けた事例検討を行う。
4.利用者へのケアの継続性を保つ。
5.利用者とケアの方針を共有する。
■問題6
利用者の家族と信頼関係を形成するための留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.家族の希望を優先する。
2.話し合いの機会を丁寧にもつ。
3.一度形成した信頼関係は、変わらずに継続すると考える。
4.家族に対して、「こうすれば良い」と指示を出す。
5.介護は全面的に介護福祉職に任せてもらう。
総合問題
■問題1
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Aさん(80歳、女性)は、自宅で一人暮らしをしている。同じ県内に住む娘が、月に一度Aさんの自宅を訪れている。
最近、Aさんの物忘れが多くなってきたため、不安になった娘が、Aさんと一緒に病院を受診したところ、医師から、脳の記憶をつかさどる部分が顕著に萎縮したアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)であると診断された。Aさんはこのまま自宅で暮らすことを希望し、介護保険の訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら一人暮らしを継続することになった。
ある日、娘からサービス提供責任者に、今年はAさんが一人で雪かきができるか不安であると相談があった。そこで、サービス提供責任者が、Aさんと一緒に地区の民生委員に相談したところ、近所の人たちが雪かきをしてくれることになった。
図は脳を模式的に示したものである。
Aさんの脳に萎縮が顕著にみられる部位として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.A
2.B
3.C
4.D
5.E
■問題2
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Aさん(80歳、女性)は、自宅で一人暮らしをしている。同じ県内に住む娘が、月に一度Aさんの自宅を訪れている。
最近、Aさんの物忘れが多くなってきたため、不安になった娘が、Aさんと一緒に病院を受診したところ、医師から、脳の記憶をつかさどる部分が顕著に萎縮したアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)であると診断された。Aさんはこのまま自宅で暮らすことを希望し、介護保険の訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら一人暮らしを継続することになった。
ある日、娘からサービス提供責任者に、今年はAさんが一人で雪かきができるか不安であると相談があった。そこで、サービス提供責任者が、Aさんと一緒に地区の民生委員に相談したところ、近所の人たちが雪かきをしてくれることになった。
地域包括ケアシステムにおいて、Aさんの雪かきの課題への対応を示すものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.自助
2.互助
3.介助
4.扶助
5.公助
■問題3
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Aさん(80歳、女性)は、自宅で一人暮らしをしている。同じ県内に住む娘が、月に一度Aさんの自宅を訪れている。
最近、Aさんの物忘れが多くなってきたため、不安になった娘が、Aさんと一緒に病院を受診したところ、医師から、脳の記憶をつかさどる部分が顕著に萎縮したアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)であると診断された。Aさんはこのまま自宅で暮らすことを希望し、介護保険の訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら一人暮らしを継続することになった。
ある日、娘からサービス提供責任者に、今年はAさんが一人で雪かきができるか不安であると相談があった。そこで、サービス提供責任者が、Aさんと一緒に地区の民生委員に相談したところ、近所の人たちが雪かきをしてくれることになった。
ある日、訪問介護員(ホームヘルパー)がAさんの自宅を訪れ、一包化された薬の服薬状況を確認したところ、残薬があった。Aさんに服薬状況を確認すると、薬を飲んだかどうか、わからなくなることがあるという返答があった。訪問介護員は、Aさんとの会話から、日時に関する見当識に問題はないことを確認した。
Aさんの薬の飲み忘れを防止するための対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.一包化を中止する。
2.インフォーマルな社会資源の活用は避ける。
3.お薬カレンダーの使用を提案する。
4.一人では薬を服用しないように伝える。
5.薬の飲み忘れに気がついたとき、2回分を服用するように伝える。
■問題4
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Bさん(75歳、男性、要介護3)は、1年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、右片麻痺(みぎかたまひ)がある。自宅では、家具や手すりにつかまって、なんとか自力歩行し、外出時は車いすを使用していた。うまく話すことができないこともあるが、他者の話を聞き取って理解することは、問題なくできていて、介護保険サービスを利用しながら、一人で暮らしていた。数か月前から着替えや入浴に介助が必要になり、在宅生活が難しくなったため、1週間前にU介護老人福祉施設に入所した。
入所時の面談でBさんは、自分の力で歩きたいという意思を示した。U介護老人福祉施設では、C介護福祉士をBさんの担当者に選定した。C介護福祉士は、カンファレンス(conference)での意見に基づいて、Bさんが、四点杖(よんてんづえ)を使用して、安全に施設内を歩行できることを短期目標とした介護計画を立案した。
入所から2か月が経過した。C介護福祉士は、Bさんの四点杖歩行の様子を観察したところ、左立脚相と比べて、右立脚相が短いことが気になった。Bさんの短期目標を達成するために、理学療法士と相談して、転倒予防の観点から、見守り歩行をするときの介護福祉職の位置について、改めて周知することにした。
Bさんの四点杖歩行を見守るときに介護福祉職が立つ位置として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.Bさんの右側前方
2.Bさんの右側後方
3.Bさんの真後ろ
4.Bさんの左側前方
5.Bさんの左側後方
■問題5
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Bさん(75歳、男性、要介護3)は、1年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、右片麻痺(みぎかたまひ)がある。自宅では、家具や手すりにつかまって、なんとか自力歩行し、外出時は車いすを使用していた。うまく話すことができないこともあるが、他者の話を聞き取って理解することは、問題なくできていて、介護保険サービスを利用しながら、一人で暮らしていた。数か月前から着替えや入浴に介助が必要になり、在宅生活が難しくなったため、1週間前にU介護老人福祉施設に入所した。
入所時の面談でBさんは、自分の力で歩きたいという意思を示した。U介護老人福祉施設では、C介護福祉士をBさんの担当者に選定した。C介護福祉士は、カンファレンス(conference)での意見に基づいて、Bさんが、四点杖(よんてんづえ)を使用して、安全に施設内を歩行できることを短期目標とした介護計画を立案した。
C介護福祉士がBさんとコミュニケーションをとるための方法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.補聴器を使用する。
2.五十音表を使用する。
3.手話を使う。
4.大きな声で話しかける。
5.「はい」「いいえ」で回答できる質問を中心に用いる。
■問題6
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Bさん(75歳、男性、要介護3)は、1年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、右片麻痺(みぎかたまひ)がある。自宅では、家具や手すりにつかまって、なんとか自力歩行し、外出時は車いすを使用していた。うまく話すことができないこともあるが、他者の話を聞き取って理解することは、問題なくできていて、介護保険サービスを利用しながら、一人で暮らしていた。数か月前から着替えや入浴に介助が必要になり、在宅生活が難しくなったため、1週間前にU介護老人福祉施設に入所した。
入所時の面談でBさんは、自分の力で歩きたいという意思を示した。U介護老人福祉施設では、C介護福祉士をBさんの担当者に選定した。C介護福祉士は、カンファレンス(conference)での意見に基づいて、Bさんが、四点杖(よんてんづえ)を使用して、安全に施設内を歩行できることを短期目標とした介護計画を立案した。
入所から3か月後、C介護福祉士は、Bさんの四点杖歩行が安定してきたことを確認して介護計画を見直すことにした。C介護福祉士がBさんに、今後の生活について確認したところ、居室から食堂まで、四点杖で一人で歩けるようになりたいと思っていることがわかった。
Bさんの現在の希望に沿って介護計画を見直すときに、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
1.生活場面の中で歩行する機会を増やす。
2.評価日は設定しない。
3.ほかの利用者と一緒に実施できる内容にする。
4.他者との交流を目標にする。
5.歩行練習を行う時間は、出勤している職員が決めるようにする。
■問題7
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Dさん(38歳、男性、障害支援区分3)は、1年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し左片麻痺(ひだりかたまひ)となった。後遺症として左同名半盲、失行もみられる。現在は週3回、居宅介護を利用しながら妻と二人で生活している。
ある日、上着の袖に頭を入れようとしているDさんに介護福祉職が声をかけると、「どうすればよいかわからない」と答えた。普段は妻がDさんの着替えを手伝っている。食事はスプーンを使用して自分で食べるが、左側にある食べ物を残すことがある。Dさんは、「左側が見づらい。動いているものにもすぐに反応ができない」と話した。
最近は、日常生活の中で、少しずつできることが増えてきた。Dさんは、「人と交流する機会を増やしたい。また、簡単な生産活動ができるようなところに行きたい」と介護福祉職に相談した。
Dさんにみられた失行として、適切なものを1つ選びなさい。
1.構成失行
2.観念失行
3.着衣失行
4.顔面失行
5.観念運動失行
■問題8
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Dさん(38歳、男性、障害支援区分3)は、1年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し左片麻痺(ひだりかたまひ)となった。後遺症として左同名半盲、失行もみられる。現在は週3回、居宅介護を利用しながら妻と二人で生活している。
ある日、上着の袖に頭を入れようとしているDさんに介護福祉職が声をかけると、「どうすればよいかわからない」と答えた。普段は妻がDさんの着替えを手伝っている。食事はスプーンを使用して自分で食べるが、左側にある食べ物を残すことがある。Dさんは、「左側が見づらい。動いているものにもすぐに反応ができない」と話した。
最近は、日常生活の中で、少しずつできることが増えてきた。Dさんは、「人と交流する機会を増やしたい。また、簡単な生産活動ができるようなところに行きたい」と介護福祉職に相談した。
Dさんへの食事の支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.食事の量を少なくする。
2.テーブルを高くする。
3.スプーンを持つ手を介助する。
4.バネつき箸に替える。
5.食事を本人から見て右寄りに配膳する。
■問題9
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Dさん(38歳、男性、障害支援区分3)は、1年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し左片麻痺(ひだりかたまひ)となった。後遺症として左同名半盲、失行もみられる。現在は週3回、居宅介護を利用しながら妻と二人で生活している。
ある日、上着の袖に頭を入れようとしているDさんに介護福祉職が声をかけると、「どうすればよいかわからない」と答えた。普段は妻がDさんの着替えを手伝っている。食事はスプーンを使用して自分で食べるが、左側にある食べ物を残すことがある。Dさんは、「左側が見づらい。動いているものにもすぐに反応ができない」と話した。
最近は、日常生活の中で、少しずつできることが増えてきた。Dさんは、「人と交流する機会を増やしたい。また、簡単な生産活動ができるようなところに行きたい」と介護福祉職に相談した。
介護福祉職は、Dさんに生産活動ができるサービスの利用を提案したいと考えている。
次のうち、Dさんの発言内容に合う障害福祉サービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.就労継続支援A型での活動
2.地域活動支援センターの利用
3.療養介護
4.就労定着支援
5.相談支援事業の利用
■問題10
次の事例を読んで答えなさい。
〔事例〕
Eさん(35歳、男性)は、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)があり、V障害者支援施設の生活介護と施設入所支援を利用している。Eさんは、毎日のスケジュールを決め、規則や時間を守ってプログラムに参加しているが、周りの人や物事に関心が向かず、予定外の行動や集団行動はとりづらい。コミュニケーションは、話すよりも絵や文字を示したほうが伝わりやすい。
Eさんが利用するV障害者支援施設では、就労継続支援事業も行っている。災害が起こったときに様々な配慮が必要な利用者がいるため、施設として防災対策に力を入れている。また、通所している利用者も多いので、V障害者支援施設は市の福祉避難所として指定を受けている。
Eさんのストレングス(strength)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.行動力があり、すぐに動く。
2.自分で決めたことを継続する。
3.新しいことを思いつく。
4.コミュニケーション力が高い。
5.いろいろなことに興味がもてる。
■問題11
次の事例を読んで答えなさい。
〔事例〕
Eさん(35歳、男性)は、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)があり、V障害者支援施設の生活介護と施設入所支援を利用している。Eさんは、毎日のスケジュールを決め、規則や時間を守ってプログラムに参加しているが、周りの人や物事に関心が向かず、予定外の行動や集団行動はとりづらい。コミュニケーションは、話すよりも絵や文字を示したほうが伝わりやすい。
Eさんが利用するV障害者支援施設では、就労継続支援事業も行っている。災害が起こったときに様々な配慮が必要な利用者がいるため、施設として防災対策に力を入れている。また、通所している利用者も多いので、V障害者支援施設は市の福祉避難所として指定を受けている。
V障害者支援施設では定期的に災害に備えた避難訓練を行っている。
Eさんの特性を考慮して実施する避難訓練に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.災害時に使用する意思伝達のイラストを用意する。
2.避難生活を想定して、食事等の日課を集団で行えるようにする。
3.予告せずに避難訓練を行う。
4.Eさんの避難訓練は単独で行う。
5.避難を援助する人によってEさんへの対応を変える。
■問題12
次の事例を読んで答えなさい。
〔事例〕
Eさん(35歳、男性)は、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)があり、V障害者支援施設の生活介護と施設入所支援を利用している。Eさんは、毎日のスケジュールを決め、規則や時間を守ってプログラムに参加しているが、周りの人や物事に関心が向かず、予定外の行動や集団行動はとりづらい。コミュニケーションは、話すよりも絵や文字を示したほうが伝わりやすい。
Eさんが利用するV障害者支援施設では、就労継続支援事業も行っている。災害が起こったときに様々な配慮が必要な利用者がいるため、施設として防災対策に力を入れている。また、通所している利用者も多いので、V障害者支援施設は市の福祉避難所として指定を受けている。
V障害者支援施設が、災害発生に備えて取り組む活動として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.事前に受け入れ対象者を確認しておく。
2.災害派遣医療チーム(DMAT)と支援人員確保契約を結ぶ。
3.職員の役割分担は、状況に応じてその場で決める。
4.要配慮者のサービス等利用計画を作成する。
5.要配慮者に自分で避難するように促す。
発達と老化の理解
■問題1
高齢者の脱水に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.若年者よりも口渇感を感じやすい。
2.体内水分量は若年者よりも多い。
3.起立時に血圧が上がりやすくなる。
4.下痢が原因となることはまれである。
5.体重が減ることがある。
■問題2
今、発達の実験のために、図のようなテーブル(テーブル表面の左半分が格子柄、右半分が透明な板で床の格子柄が透けて見える)の左端に、Kさん(1歳1か月)を座らせた。
テーブルの反対側には母親が立っている。Kさんは、格子柄と透明な板との境目でいったん動くのをやめて、怖がった表情で母親の顔を見た。母親が穏やかにほほ笑むと、Kさんは母親の方に近づいていった。
Kさんの行動を説明する用語として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.自己中心性
2.愛着理論
3.向社会的行動
4.社会的参照
5.原始反射
■問題3
標準的な発育をしている子どもの体重が、出生時の約2倍になる時期として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.生後3か月
2.生後6か月
3.生後9か月
4.1歳
5.2歳
■問題4
加齢の影響を受けにくい認知機能として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.エピソード記憶
2.作業記憶
3.選択的注意
4.流動性知能
5.意味記憶
■問題5
高齢期の腎・泌尿器系の状態や変化に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.尿路感染症(urinary tract infections)を起こすことは非常に少ない。
2.腎盂腎炎(じんうじんえん)(pyelonephritis)の主な症状は、頭痛である。
3.尿の濃縮力が低下する。
4.前立腺肥大症(prostatic hypertrophy)では、尿道の痛みがある。
5.薬物が排出される時間は、短くなる。
■問題6
老年期の変形性膝関節症(knee osteoarthritis)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.外反型の脚の変形を伴うことが多い。
2.女性のほうが男性より罹患率(りかんりつ)が高い。
3.積極的に患部を冷やすことを勧める。
4.正座の生活習慣を勧める。
5.肥満のある人には積極的に階段を利用するように勧める。
人間の尊厳と自立
■問題1
利用者の生活の質(QOL)を高めるための介護実践に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.日常生活動作の向上を必須とする。
2.利用者の主観的評価では、介護福祉職の意向を重視する。
3.介護実践は、家族のニーズに応じて行う。
4.福祉用具の活用は、利用者と相談しながら進める。
5.価値の基準は、全ての利用者に同じものを用いる。
ささえるラボ編集部です。
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