第36回介護福祉士国家試験 対策問題(認知症の理解)2
■問題
Mさん(88歳、女性 )は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断された。夫と二人暮らしで、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問したときに夫から、「最近、日中することがなく寝てしまい、夜眠れていないようだ」と相談を受けた。訪問介護員は、Mさんが長年していた裁縫を日中にしてみることを勧めた。早速、裁縫をしてみるとMさんは、短時間で雑巾を縫うことができた。
Mさんの裁縫についての記憶として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.作業記憶
2.展望的記憶
3.短期記憶
4.陳述記憶
5.手続き記憶
解答と解説
■解答
5.手続き記憶
■解説
1.(×)作業記憶(ワーキングメモリー)は情報の一時的な記憶で、意識的に操作できるという特徴があります。例えば、しりとりをする際に機能するのが作業記憶です。
2.(×)展望的記憶は、予定や約束事など、これから行うことについての未来の記憶です。
3.(×)短期記憶は、数分間程度持続する、ごく短期的な記憶です。例えば、電話をかけるためにちょっと電話番号を覚えておくときは短期記憶が使われます。
4.(×)陳述記憶は、過去に体験したエピソードなど、言葉で表すことができる長期記憶です。
5.(○)裁縫の手技などの動作や行為による技能は、繰り返すことで身体に染み付いた長期記憶であり、手続き記憶に該当します。手続き記憶は、認知症が進行しても比較的残りやすいとされています。
ささえるラボ編集部です。
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