マイナビ福祉・介護のシゴト
利用者さんと掃除や畑仕事。でも地域の方から誤解され、クレームに…

利用者さんと掃除や畑仕事。でも地域の方から誤解され、クレームに…

【回答者:後藤 晴紀】まだまだ理解されていないからこそ、発信し続けないといけませんね!


本日のお悩み

私の施設では利用者さんと一緒に掃除をしたり、畑仕事をしたりしています。

最近近所にマンションができて、そこの人から「利用者さんをこきつかっている」と苦情?が来ていると施設長に聞きました。

介護職になら分かってもらえると思うのですが、やっぱり外からはそう見えてしまうものなんでしょうか?

まだまだ理解されていないからこそ、発信し続けないといけませんね!

ご質問ありがとうございます!
素敵な事業所さんですね!

認知症を患っても、役割があったり、熱中できることがある事は素晴らしい事ですよね!
皆さんの目の輝きや、汗と笑顔が目に浮かびます。

施設での支援を地域に発信していきましょう!

ご質問の内容ですが、外から見ると。。。
やはりそのように感じられる方もまだまだ多くいらっしゃるのは事実だと思います。
ですが、10年前と比べると、私たちの仕事の内容をご理解して下さる一般の方や、ご家族も増えてきたように感じます。

一般の方の理解が得られない理由の一つとして、私たち介護職員が自分たちの仕事を言語化できていない事、施設という閉鎖的な場所は一般の方からすると未知の世界であることが上げられると思います。

では、どうすればよいのか?
ご質問者さんの施設でおこなっている支援を継続し、地域に発信していく他ないと思います。

私も、一介護福祉士として、この業界を盛り上げたり、イメージチェンジを図りたいと活動をしていますが、働いている側の私たちの発信だけでは限界を感じています。
広く一般の方々にご理解頂く為には、その活動と同時に、認知症当事者やご高齢の利用者さんたちが笑顔で生活されている姿が必要不可欠だと感じています。

その為の自立支援、介護予防、共生社会だと考えています。
自分たちのお仕事を、胸を張って社会に魅せていってほしいと切に願っていますし、私も実践者の一人でありたいと思っています。

地域の方々にメッセージを届けるには

肝要なのは、その取り組みを地域の皆さんに知って頂く活動も一緒に行っていく事だと感じていて、そのためには、発信する場をつくることも必要だと思います。

施設に来ていただく為の介護カフェや家族会、介護教室等を開催したり、地域に出向いて介護講座を開催するなど、地道な努力も必要です。
しかし、その中心に、ご利用者である当事者が発言できる機会があれば、私たちが説明するよりも地域の方々には響くと思うんです。

伝えられるメッセージはそれぞれでも、
『何もわからなくなったわけではない』
『私たちから役割を奪わないでください。』
そんな、人としての根幹をなすメッセージだと思っています。

語弊があるかと思いますが、
『認知症?だからどうした!』
って言っていただきたいです (笑)

施設での「普通の暮らし」を知っていただく

「楽しみを持つ事、夢を持つことはうれしい事です」と、高らかに宣言していただきたいですね。
年齢や病気は関係ないです。何もできないと決めつけているのは社会ですからね。

そんな素敵な活動をされている事業所であれば、知って頂けない方がもったいないです。
決してスタッフから押し付けているわけでもない、普通の暮らしがそこにはあることを、皆さんに知って頂きたいと思います。

そんな事業所が増えてくると、介護のイメージも大きく変わっていくと信じています。
その中心にいるのはご利用者さんですが、その隣にいるのはご利用者さんの当たり前の生活を支えている、介護職員ですからね!

最後に

胸を張っていきましょう!
地域の方も、知らないからこそ不安に思われている方も沢山いらっしゃると思います。
その不安を解消して差し上げてくださいね!

施設長がその苦情に何と答えられたのか気になるところですが、これが特別じゃない社会を創っていきましょうね!

介護の求人を探す

この記事のライター

・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事

介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士

関連する投稿


住居型有料老人ホームでの老老介護|介護職員ができるサポート方法とは?

住居型有料老人ホームでの老老介護|介護職員ができるサポート方法とは?

住居型有料老人ホームなどの介護施設では、夫婦での入居が認められています。長年連れ添った家族と同じ施設に入れることは安心感がある反面、施設に入居をしているにもかかわらず、老老介護になってしまうというリスクもあります。この記事では、夫婦で入居している方に介護職員ができるサポート方法を専門家が解説します!【執筆者/専門家:伊藤 浩一】


第128話 利用者さんへの声かけ/ほっこり介護マンガ

第128話 利用者さんへの声かけ/ほっこり介護マンガ

「介護職員・並木マイの ほっこり成長日記 ~転職して、介護の仕事はじめました~」 保険会社から介護の仕事に転職した、並木マイさん(31歳)の成長と 介護現場のあるあるを描く、ほっこり癒し系マンガ! 休憩時間、このマンガを読んだあなたが クスっと笑えてちょっと癒され、ほっこりした気持ちになれますように。


【2024年最新版】介護職の離職率が過去最低に!|離職率が下がった背景や今後の展望について解説

【2024年最新版】介護職の離職率が過去最低に!|離職率が下がった背景や今後の展望について解説

令和5年度介護労働実態調査によると、介護職の離職率が過去最低の13.1%となりました。この背景には、何があるのでしょうか。考えられる要因と、今後の展望について社労士の山本先生に解説していただきます!【執筆者/専門家:山本 武尊】


第127話 心がけ・・・/ほっこり介護マンガ

第127話 心がけ・・・/ほっこり介護マンガ

「介護職員・並木マイの ほっこり成長日記 ~転職して、介護の仕事はじめました~」 保険会社から介護の仕事に転職した、並木マイさん(31歳)の成長と 介護現場のあるあるを描く、ほっこり癒し系マンガ! 休憩時間、このマンガを読んだあなたが クスっと笑えてちょっと癒され、ほっこりした気持ちになれますように。


訪問介護ができること、できないこと~医療行為との境目を知る~

訪問介護ができること、できないこと~医療行為との境目を知る~

介護職は医療行為(医行為)にあたるサポートはできないものとされています。しかし、日常生活を支える介護の現場において、この境目の判断は難しいものです。そこで、この記事では改めて、介護現場における医療行為(医行為)について解説し、介護職ができることと、できないことを解説します。【執筆者/専門家:脇 健仁】


マイナビ福祉・介護のシゴト 閲覧ランキング
【北海道・東北】
【関東・甲信越】
【北陸・東海】
【関西・中四国】
【九州・沖縄】

最新の投稿


第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(こころとからだのしくみ)

第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(こころとからだのしくみ)

第36回 介護福祉士国家試験の試験科目【こころとからだのしくみ】の過去問と解説を用意しました。 力試しや国試対策にご利用ください。


第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(医療的ケア)

第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(医療的ケア)

第36回 介護福祉士国家試験の試験科目【医療的ケア】の過去問と解説を用意しました。 力試しや国試対策にご利用ください。


第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(総合問題)

第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(総合問題)

第36回 介護福祉士国家試験の試験科目【総合問題】の過去問と解説を用意しました。 力試しや国試対策にご利用ください。


介護職が行う自立支援|4つの基本ケアや実際の取り組みについて解説!

介護職が行う自立支援|4つの基本ケアや実際の取り組みについて解説!

自立支援介護とは、介護が必要になった高齢者が、可能な限り自分の力で生活できるように支援する介護のことです。高齢化が進む日本において、デイサービスなどを提供する介護施設でも近年、自立支援介護は注目されています。この記事では、自立支援介護の4つの基本ケアや実際の取り組みについて専門家が解説します!【執筆者/専門家:古畑 佑奈】


介護施設で年末年始にできるイベント|クリスマス会や忘年会の準備のポイントを解説!

介護施設で年末年始にできるイベント|クリスマス会や忘年会の準備のポイントを解説!

年末年始は、クリスマス会や忘年会などさまざまなイベントが行われる時期です。介護施設でもこれらのようなイベントを実施すると、利用者さんたちの活力を高めたり、親睦を深めたりする良い機会になります。この記事では、年末年始のイベントを企画するにあたって準備したいこと、当日取り入れられるレクリエーションなどを紹介します。【執筆者/専門家:後藤 晴紀】


マイナビ福祉・介護のシゴト
「マイナビ福祉・介護のシゴト」は、福祉・介護職に特化した中途、パート向け求人サイトです。
介護職をはじめ、福祉・介護業界に関連する職種の求人を掲載しています。
本当に自分にあった施設や事業所を、ご自身で手軽に探すことができるよう職場の雰囲気がリアルに伝わる情報を用意することで、適切なマッチングを実現していきます。
【職種から求人・転職情報を探す】