本日のお悩み
介護士とヘルパーって何が違いますか?仕事内容も、かなり違いますか?
介護士とホームヘルパーの資格や仕事内容などについて専門家が解説!
細かな違いはありますが、等しく尊い仕事です。ただし、言葉の整理は必要ですね。
「介護士」や「ヘルパー」という言葉には、それぞれいくつかの意味があり、さまざまな使われ方をしています。
ここでは、「職種」と「資格」という2つの観点から、言葉の整理をしたいと思います。
■介護士とヘルパー、職種や仕事内容の違いを解説
実は「介護士」という言葉は、さほど一般的ではなく、介護業界内でもあまり使われない言葉です。
「介護」という仕事に就く方の職種は、「介護職」「介護従事者」と呼ぶことが多く、入居施設で
働く方も、デイサービスで働く方も、訪問介護に従事される方も「介護職」「介護従事者」で
あるといえます。
一方で「ヘルパー」はというと、高齢者や障害者の自宅に伺い、家事や身体介護などのサービス提供を行う方の職種の呼称として使われることが多く、「訪問介護員」「ホームヘルパー」と呼ばれる
こともあります。
つまり、訪問介護をおこなう方が「ヘルパー」であり、ヘルパーを含め介護業界で働く介護従事者を「介護職」まれに「介護士」と呼ぶようです。
■似た名前の資格①介護福祉士
ややこしいのは、資格として、似たような言葉が存在することです。
「介護福祉士」という言葉を聞かれたことはありますか。
これは介護の仕事で唯一の国家資格です。
介護福祉士を取得するための専門学校もありますし、実務経験を積みながら、介護福祉士を
目指す方もいらっしゃいます。
介護事業所にとっても、介護福祉士という資格を持つ方は職員として雇いたいと考える職場も多く、資格を持っている安心感や信頼感だけでなく、職員の中における介護福祉士の割合で、介護報酬額が変わる場合もあるという国の制度上の利点もあります。
よって、介護福祉士を持つ方へは「資格手当」というものを支給されるところも多いです。
自分自身のキャリアアップや学びや増収の為、介護福祉士の資格取得を目指される介護職も多いようです。
■似た名前の資格②ホームヘルパー1~3級
現在は名前が変わっていますが、以前は「ホームヘルパー1~3級」という資格を取ることもでき、
「ヘルパー」という言葉は、資格の世界でも多く聞かれました。
現在では、大まかにいうと「ホームヘルパー1級」は「実務者研修」、「ホームヘルパー2級」は
「介護職員初任者研修」へとシフトし、その言葉を聞く機会も減りましたが、いまでもその資格は
有効です。
ヘルパーとして活躍するためには?資格取得方法やキャリアパスを解説
■よく聞く言葉「ヘルパー」どうやってなるの?どこで働くの?
福祉や介護に関する職種や資格の名前はさまざまなものがあり、パッと見ただけでは、
その違いも分かりにくいかと思います。
職種例
職種で言えば、介護職、看護職、相談員、機能訓練指導員、そしてヘルパーなど。
資格例
資格で言うと、介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、介護福祉士実務者研修、
介護職員初任者研修などがあります。
■ヘルパーは約130時間の介護職員初任者研修を修了する必要がある
では、よく聞く言葉で「ヘルパー」とは何を指し、「ヘルパー」になるために
必要な資格や経験を整理してみましょう。
ヘルパーとは、介護保険法で言う訪問介護員のことを指します。
それに対し、介護施設やデイサービスで働く介護従事者は「介護職員」と呼ばれることが
多く、ヘルパー(訪問介護員)は主として、介護が必要な方の自宅に訪問し、介護を行います。
このヘルパー(訪問介護員)という仕事を行うためには、最低限でも、都道府県が指定する養成機関が実施する約130時間の介護職員初任者研修を修了する必要があります。
この研修は、通いながら受講する方法と通信教育を主として通う方法があり、
養成機関ごとに実施する期間も異なります。
■研修期間や費用は養成機関ごとに異なる
かつて、訪問介護員2級養成研修課程修了(ヘルパー2級と略されることが多い)というものが
ありましたが、介護職員初任者研修は2013年にそれに置き換わるものとして、
スタートいたしました。短期間の場合は1か月程度で、長い場合は半年間かけて学ぶ講座もあり、
かかる費用も養成機関ごとに異なります。
インターネット等で簡単に情報を収集できますので、ご自身の目的や通いやすさなどに
応じ、選択されると良いと思います。
この研修を修了さえすれば、経験がなくとも、ヘルパー(訪問介護員)として働けます。
■その他一部の資格を持っていてもヘルパーとして活躍が可能
そして、その上位資格である「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」を持っていても、
ヘルパー(訪問介護員)として、働くことは可能です。
■キャリアパスの例として「サービス提供責任者」に就くことも
さらに、「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」の資格を持っていると、ヘルパー事業所で
必ず配置をしなければならない「サービス提供責任者」に就くこともできますので、
更なるキャリアアップや収入増を求められる場合は、これらの資格を取得されると良いですね。
「介護職」や「ヘルパー」という言葉の使い分けは、前述のように、
働く場所の違いによるところが大きく、施設やデイサービスで働く介護従事者は
「介護職」と呼ばれ、訪問介護をする介護従事者を「ヘルパー」と呼ぶことが多いです。
そして、「介護職」という大きな括りの中に、上記の2つを含める場合もあります。
最後に
「介護士」と「ヘルパー」の違いというご質問に対し、的確な回答ではないかもしれませんが、
「職種」と「資格」という2つの観点から、ご説明をさせていただきました。
ヘルパーにしても、介護職にしても、人を支える尊い仕事です。
多くの経験を積みながら、たくさんの方の幸せの実現に貢献いただければと思います。
福岡福祉向上委員会 代表