第35回介護福祉士国家試験 対策問題(介護過程)
■問題
Cさん(84歳、女性、要介護3)は、2か月前に自宅で倒れた。脳出血(cerebral hemorrhage)と診断され、後遺症で左片麻痺(ひだりかたまひ)になった。Cさんは自宅での生活を希望している。長男からは、「トイレが自分でできるようになってから自宅に戻ってほしい」との要望があった。そのため、病院から、リハビリテーションを目的に介護老人保健施設に入所した。
入所時、Cさんは、「孫と一緒に過ごしたいから、リハビリテーションを頑張りたい」と笑顔で話した。Cさんは、自力での歩行は困難だが、施設内では健側を使って車いすで移動することができる。また、手すりにつかまれば自分で立ち上がれるが、上半身が後ろに傾くため、移乗には介護が必要な状態である。
入所時に介護福祉職が行うアセスメント(assessment)に関する次の記述のうち、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
1.自力で歩行ができるのかを確認する。
2.排泄(はいせつ)に関連した動作について確認する。
3.孫と面会する頻度について希望を聞く。
4.リクライニング車いすの活用について尋ねる。
5.住宅改修に必要な資金があるのかを確認する。
解答と解説
■解答
2.排泄(はいせつ)に関連した動作について確認する。
■解説
1.(×)左片麻痺がある状態で自力歩行は困難であり、あらためてアセスメントする意義はありません。
2.(○)自宅復帰をかなえるためには排泄行為の自立が課題となるため、排泄に関連した動作について確認することが適切です。
3.(×)孫と過ごす時間はモチベーションアップにつながると考えられますが、面会頻度の調整は最優先すべき内容とはいえません。
4.(×)リクライニング車椅子は、座位保持が困難である場合などに用いられます。Cさんは現在通常の車椅子で移動可能であることから、変更の必要はないと考えられます。
5.(×)在宅復帰をするにあたっては、住宅改修の必要性の有無を検討することも想定されますが、入所時に資金について確認する必要はありません。
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