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介護の現場のケアカンファとは?介護職として参加する際のポイントを解説

介護の現場のケアカンファとは?介護職として参加する際のポイントを解説

よりよいサービス提供にむけて開催されるケアカンファレンス。介護職として参加する際に必要なポイントを紹介します。 【コラム: 脇 健二】


ケアカンファレンスとは?介護職として参加するポイントを解説

そもそもケアカンファレンスとは?

ケアカンファレンスとは、さまざまな専門性のある職種が集まりご利用者により良いサービスを提供するために行われる会議です。
介護サービスでは個々のご利用者に合わせた支援をチームで行うことが重要であるため、このようなケアカンファレンスがよく行われます。
参加者・進行方法・頻度などは施設や病院によって異なります。

ケアカンファレンスでは、主にご利用者の情報や課題を話し合います。
その情報を基に課題に対する対応策などを検討していくこととなります。

カンファレンスでは職員だけではなく、ご家族の意見も取り入れられ、様々な職種のスタッフとの意見交換が行われます。
多様な視点や観点からの議論により、質の高いケアを提供することが可能となります。

ケアカンファレンスは、介護サービスの実行や改善のための重要な場として位置づけられています。

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介護職として参加する場合、意識するべきこととは?

執筆者

脇 健仁

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/22

ゆりかごホールディングス株式会社 代表取締役 株式会社ゆりかご 代表取締役 茨城県訪問介護協議会 副会長 茨城県難病連絡協議会 委員 水戸在宅ケアネットワーク 世話人 介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士・看護師・介護支援専門員・相談支援専門員

介護の現場で行われる会議にはケアカンファレンスとサービス担当者会議があります。
サービス担当者会議には下記の場合に開催義務があります。
一方で、開催義務はないものの、サービスの質の向上のために行う会議をケアカンファレンスと呼びます。

サービス担当者会議の開催義務がある場合

  • 新規にケアプランを作成する場合
  • 要介護者が要介護更新認定を受けた場合
  • 要介護者が要介護状態の区分の変更の認定を受けた場合
  • 福祉用具貸与をケアプランに位置付ける場合

  • これらは居宅介護支援の運営基準に明記されています。

    このサービス担当者会議の主な目的としては、

    ・本人と家族の生活をチーム全員が共通理解する、
    ・本人や家族の意向や望む暮らしと生活課題、ケアチームの総合的な援助の方針を共通理解する
    ・ケアプランの内容を検討し、互いの専門性を出し合い深める
    ・ケアプランにおける自身の役割と他者の役割の理解等を促進させ、モニタリングに反映させる


    などがあげられます。

    ご利用者の目標達成のためのチームの一員という意識を!

    介護の現場の会議やカンファレンスを行う目的は「共通理解」と「役割の明確化」です。

    ・共通理解  :利用者の達成すべき目標が何か、お互いのメンバーは何ができるのか
    ・役割の明確化:それぞれの職種や立場の人が、何を目標達成のために請け負うのか


    これらを明らかにしようとしているのです。
    つまり、介護のケアカンファレンスは、
    「利用者の目標を達成するためのケアチームそのものを、チームとして最大限に活用するために行うもの」と解釈できます。

    ちなみに「チーム」の定義は様々なものがありますが、広く知られている定義は以下の4つです。
    ・達成すべき目標がある
    ・メンバーに果たすべき役割が割り振られている
    ・メンバーは互いに協力し、依存し合う
    ・メンバーとそれ以外の境界が明瞭である

    引用文献:現場で役立つ 介護・福祉リーダーのためのチームマネジメント(井上由起子、鶴岡浩樹、宮島渡、村田麻起子著)P.4~5

    その上で、介護職の皆さんが気を付けるポイントは、
    介護職がそのケアチームでどのような役割を果たすべきかを意識することと考えます。

    利用者のケアプランには利用者の意向に基づき、目標が設定されます。
    その目標達成するために、介護職は何をすべきかを考えるとよいでしょう。

    カンファレンス参加前にきちんと下記をまとめておくことをおすすめします。

    カンファレンス参加前にまとめるとよいことリスト

    □介護職がどのように支援すべきか
    □どのような情報が介護職としてほしいのか(だれがその情報を知っているのか)
    □介護職として自分たちが持っている情報はどんなことか
    □介護職として自分たちができることはどこまでか

    利用者のために臆することなく必要な議論には積極的に参加しよう!

    カンファレンスには医師や看護師など医療従事者の方々も参加されることがあります。

    カンファレンスに参加している介護職の皆さんはチームの一員です。
    そのチームにおいては上下関係はありません。

    初めは緊張するかもしれませんが臆することなく、利用者のために必要な議論には積極的に参加してほしいと思います。
    カンファレンスに介護職として出たにもかかわらず発言をしない場合、周りの参加者にとって介護職は何ができるのか?どこまでできるのか?などがわからなくなってしまいます。

    ぜひ、カンファレンスに出た際は積極的に発言をしましょう!

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    この記事のライター

    ゆりかごホールディングス株式会社 代表取締役
    株式会社ゆりかご 代表取締役
    茨城県訪問介護協議会 副会長
    茨城県難病連絡協議会 委員
    水戸在宅ケアネットワーク 世話人
    茨城県介護支援専門員協会 水戸地区会幹事
    茨城県訪問看護事業協議会 監事
    水戸市地域包括支援センター運営協議会 委員
    水戸市地域自立支援協議会全体会 委員
    介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント
    日本社会事業大学大学院 福祉マネジメント研究科 在籍中

    介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士・看護師・介護支援専門員・相談支援専門員・FP2級

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