第36回介護福祉士国家試験 対策問題(総合問題)7
■問題
次の事例を読んで答えなさい。
〔事 例〕
Dさん(38歳、男性、障害支援区分3)は、1年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し左片麻痺(ひだりかたまひ)となった。後遺症として左同名半盲、失行もみられる。現在は週3回、居宅介護を利用しながら妻と二人で生活している。
ある日、上着の袖に頭を入れようとしているDさんに介護福祉職が声をかけると、「どうすればよいかわからない」と答えた。普段は妻がDさんの着替えを手伝っている。食事はスプーンを使用して自分で食べるが、左側にある食べ物を残すことがある。Dさんは、「左側が見づらい。動いているものにもすぐに反応ができない」と話した。
最近は、日常生活の中で、少しずつできることが増えてきた。Dさんは、「人と交流する機会を増やしたい。また、簡単な生産活動ができるようなところに行きたい」と介護福祉職に相談した。
Dさんにみられた失行として、適切なものを1つ選びなさい。
1.構成失行
2.観念失行
3.着衣失行
4.顔面失行
5.観念運動失行
解答と解説
■解答
3.着衣失行
■解説
1.(×)構成失行は、空間的構成が困難になり、模写や積み木などができなくなる状態です。
2.(×)観念失行は、運動麻痺などがないにもかかわらず、一連の日常動作を正しく行えなくなる状態です。
3.(○)着衣失行は、衣服の上下や裏表などが分からなくなり、着衣に支障が出る状態です。Dさんは上着の袖に頭を入れようとし、「どうすればよいかわからない」と発言していることから、着衣失行がみられていると考えられます。
4.(×)顔面失行は、喉頭、咽頭、舌、口唇、頬などを自らの意思で動かすことができなくなる状態です。
5.(×)観念運動失行は、自発的な運動が可能であっても、同じ運動を口頭指示で再現することができない状態です。
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