マイナビ福祉・介護のシゴト
食事介助の時間は、どのくらいが理想でしょうか…?

食事介助の時間は、どのくらいが理想でしょうか…?

【回答者:大庭 欣二】自分自身の食事を思い出してはいかがでしょうか。


本日のお悩み

理想的な食事介助の時間はあるのでしょうか、介助する人が増えて、特に夜の介助がギリギリになってしまいます、余り急ぎがちでも事故になるし、ギリギリでも夜勤への申し送りも遅くなって、迷惑になります、自分は、夜が一番大変だと感じてます。

自分自身の食事を思い出してはいかがでしょうか。

文脈から読むと、ご入居されているご高齢者の食事介助についてのようですね。

施設入居者さんは私たちのように自由な行動ができない場合が多く、コロナ禍において社会との接点が制限されている昨今は、ご入居者さんにとっては3度の食事は何よりも楽しみにされていることと思います。
そのような大切なお食事に関して、2つの観点から考えてみてはいかがでしょうか。

入居者さんの観点

まずは、召し上がるご本人からの観点。
私たちは、朝食・昼食・夕食を毎日規則正しく1時間ずつで食べているでしょうか。20分で食べる時もあれば、家族との会話を楽しみながら1時間半かけて食べる時もある。外食するときは2時間かけることもありますね。
忙しいときはさっと食べたいときもあるし、お鍋や焼き肉の時はゆっくりと食べたい。
そんな食べる方の想いをなおざりにしない介助をすることにより、ご本人は安心してお食事の時間を楽しめ、施設の生活の中にも潤いを感じることができますね。
私だって、「急いで!急いで!」って人が横にピタリとついて、次々に口の中に食事が運ばれるのは嫌です。質問者さんもそうではないでしょうか。

介護職の観点

次に仕事として食事介助をする側の観点。
とは言えども、業務の都合があり、この時間までには食べ終えていてほしいというこちらの都合。
私は施設みんなでシフトの見直しをするのも一つの改善策だと思います。
常に夕食の介助がギリギリなのであれば、人の配置や夕食の開始時間、シフトの見直しなどを含め、業務の棚卸をしてみてはいかがでしょうか?
すると、忙しくない時間帯に人が余っていたり、必要な時間帯に人がいないという人員配置上の無理や無駄が見えてきます。それをシフト時間の見直しやパート職員の活用で補うということをしてはいかがでしょうか。

「入居者さんの生活の質」そこを軸に考えれる施設であり、介護専門職でありたいですね。
「理想的な食事介助時間」は「ご入居者さんにとって快適な食事時間」です。

この記事のライター

福岡福祉向上委員会 代表

関連する投稿


梅雨の介護施設で気をつけたいこと!|利用者さんに快適に過ごしてもらうためにできる工夫策とは?

梅雨の介護施設で気をつけたいこと!|利用者さんに快適に過ごしてもらうためにできる工夫策とは?

梅雨の季節は雨の日が多く、思うように行動できなかったり、湿度が高くじめじめしたりと利用者さんにとっても職員さんにとっても過ごしづらい日々が続きます。少しでも快適に過ごせるよう、介護施設におけるカビ対策・湿度管理・雨の日の過ごし方の工夫を紹介します。【執筆者/専門家:伊藤 浩一】


介護施設ができるSDGsへの取り組み|6月5日は環境の日!環境問題への取り組み方を考えてみましょう

介護施設ができるSDGsへの取り組み|6月5日は環境の日!環境問題への取り組み方を考えてみましょう

6月5日は環境の日です。介護施設でも近年話題となっているSDGsや環境問題への取り組みを行うことが可能です。この記事では、介護施設で利用者さんと一緒にできる環境問題への取り組みやエコ活動を紹介します!【執筆者/専門家:後藤 晴紀】


看護職・介護職のストライキとは?現場視点で考えるストライキの実態やこれからできることを紹介します!

看護職・介護職のストライキとは?現場視点で考えるストライキの実態やこれからできることを紹介します!

2024年3月13日に看護職と介護職の一斉ストライキがありました。賃上げの実現を目的に行われたストライキですが、一部では「賃上げだけでは意味がない」という声も。この記事では、そもそもストライキとはどのようなものかという基礎から介護職の現場の実態、これからできることなどを紹介していきます。【執筆者/専門家:山本 武尊】


「死ぬのが怖い」|死への恐怖を訴える利用者さんに介護職員ができることとは?

「死ぬのが怖い」|死への恐怖を訴える利用者さんに介護職員ができることとは?

介護施設で働いていると、利用者さんが「死への恐怖」を訴える場面に遭遇することも珍しくありません。「死」というのは非常にセンシティブなもので、介護職員の方も対応方法や声かけに悩むのではないでしょうか。この記事では、実際の事例を用いながら、対応方法やポイントを専門家が解説します!【執筆者/専門家:伊藤 浩一】


介護職の五月病!原因や周囲のサポート方法、セルフケア方法を紹介します

介護職の五月病!原因や周囲のサポート方法、セルフケア方法を紹介します

5月前後になると、職員さんから疲れやモチベーション低下、メンタル状態などに関する相談を受けます。これは五月病と呼ばれており、悪化するとうつ状態などに繋がります。この記事では、五月病かも?という職員さんに向けて施設や周囲ができることや、本人ができるセルフケアなどについて紹介します!【執筆者/専門家:後藤 晴紀】


マイナビ福祉・介護のシゴト 閲覧ランキング
【北海道・東北】
【関東・甲信越】
【北陸・東海】
【関西・中四国】
【九州・沖縄】

最新の投稿


第163話 「大島さん効果?」/ほっこり介護マンガ

第163話 「大島さん効果?」/ほっこり介護マンガ

「介護職員・並木マイの ほっこり成長日記 ~転職して、介護の仕事はじめました~」 保険会社から介護の仕事に転職した、並木マイさん(31歳)の成長と 介護現場のあるあるを描く、ほっこり癒し系マンガ! 休憩時間、このマンガを読んだあなたが クスっと笑えてちょっと癒され、ほっこりした気持ちになれますように。


介護職の採用試験でよく出る作文のテーマとは?例文や作成のポイントも紹介

介護職の採用試験でよく出る作文のテーマとは?例文や作成のポイントも紹介

介護職の採用試験では、「介護職を選んだ理由」や「理想の介護観」などのテーマで作文が課されることがあります。よく出題されるテーマを把握して、準備しておくことが大切です。例文のほか、作成のポイントや注意点を解説します。


介護現場におけるヒヤリハット報告書の書き方や事例をご紹介!

介護現場におけるヒヤリハット報告書の書き方や事例をご紹介!

介護現場においてヒヤリハットの事案と事故の境界線に迷う方も多いのではないでしょうか。この記事では、ヒヤリハットの定義について確認したあと、報告書の書き方についても解説します!【執筆者/専門家:後藤晴紀】


第162話 「辞める辞める詐欺」/ほっこり介護マンガ

第162話 「辞める辞める詐欺」/ほっこり介護マンガ

「介護職員・並木マイの ほっこり成長日記 ~転職して、介護の仕事はじめました~」 保険会社から介護の仕事に転職した、並木マイさん(31歳)の成長と 介護現場のあるあるを描く、ほっこり癒し系マンガ! 休憩時間、このマンガを読んだあなたが クスっと笑えてちょっと癒され、ほっこりした気持ちになれますように。


会議の参加率を上げるためには?介護現場でできる時間調整と目的の明確化

会議の参加率を上げるためには?介護現場でできる時間調整と目的の明確化

介護施設での定例ミーティングの参加率に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。この記事では、定例ミーティングの参加率が低い原因と改善策を解説します。チームの協力を促し、会議の質と参加率を同時に高めていきましょう!【執筆者/専門家:脇健仁】


マイナビ福祉・介護のシゴト
「マイナビ福祉・介護のシゴト」は、福祉・介護職に特化した中途、パート向け求人サイトです。
介護職をはじめ、福祉・介護業界に関連する職種の求人を掲載しています。
本当に自分にあった施設や事業所を、ご自身で手軽に探すことができるよう職場の雰囲気がリアルに伝わる情報を用意することで、適切なマッチングを実現していきます。
【職種から求人・転職情報を探す】