本日のお悩み
特養職員の健康診断についてお伺いします。
派遣以外の直接雇用職員数が50名弱の規模ですが、年2回の健康診断においてそれぞれ1日ずつの設定となっており、毎回半数以上の職員が休みや夜勤入り・明けで健診のために職場に来ることになっています。
この規模の施設であれば設定日は1日が普通なのでしょうか?
相談者:たけひろ さん
健診の日数設定は、事業者の考え方次第。良いやり方を対話から検討してみては。
事業者が実施する法定健診、つまり労働安全衛生法で義務付けられた定期健康診断についてのご質問ですね。
ご質問者さんの職場では、職場内での巡回健診を実施されているようですね。
後述しますが、健診施設へ出向く方法で健診を実施されているところもあります。
■従業員の休日に、健康診断を受診させてもいいのか?
健康診断受診のための時間が勤務であるかも気になる方もいらっしゃると思いますので、まずこちらを説明いたしますね。
受診に要する時間を勤務扱いにするか、つまり賃金が発生するかは労使間の協議によって定めるべきものとなっており、事業者次第といえます。
つまり、お休みや夜勤の入りや明けで受診をしていただくのは、一概に間違いであるとは言えないのです。
あとは事業者の経営者側の考え方次第です。
経営者が健康診断を実施するに際し検討するのは、事業者のコスト負担と職員さんの心身の負担だと思います。
■職員さんの負担と事業者側のコストのバランスを取るという考え方
健康診断は、保険適用外のため自由診療となり、費用はさまざまです。
つまり1日で終える場合と2日で終える場合とでコストは変わってくることが多いのです。
職員さんの負担については、休みの日にわざわざ出てくるのは、という方もいらっしゃると思います。
また検査の種類によっては、検査10時間前からの絶食が必要な場合もあります。その状態での夜勤は人によってはきつく感じることでしょう。
私の知る限り、職員数が50名前後の入所施設系の介護事業者では、上記のような職員さんの負担を考え、2回に分けて実施をされるところが多いですね。
巡回健診は20名くらい集まれば実施をしてくれるところが多いので2回に分けても大丈夫です。
ただし、事業者が負担するコストは多少上がると思います。
■近隣の健診施設に行ってもらうという方法も
また、近隣に健診施設がある場合は、数日間の期間を設け、シフトに応じて、健診日を定め、職員さんにご自身で健診施設に行ってもらうというやり方をされているところもあります。
実は健康診断に関しては、旧来からの流れで実施されている事業者も多く、ご質問者さんの施設も、長きにわたりやり方やコストを考え直すということをされていない可能性もあります。
■最後に
この機会ですので、職場にとって最良のやり方を労使双方で検討するのも良いかもしれませんね。
職場環境の改善と職員さんの健康は、労使ともに望むことですからね。
福岡福祉向上委員会 代表