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介護職としてやりがいを感じたエピソードとは?実際の現場の声をご紹介!

介護職としてやりがいを感じたエピソードとは?実際の現場の声をご紹介!

[2024年7月更新]介護業界で働くなかで、やりがいを感じた瞬間や、やりがいを見失ってしまった際ににとった実際の行動を専門家の方に聞いてみました。(回答者/専門家:古畑佑奈)


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本日のお悩み

介護現場で実際に働くなかで感じたやりがいを教えてください。
また、長く働いているとモチベーションが下がることなどもあると思います。そのような壁にぶつかった際、専門家の方はどのように乗り越えましたか。

回答者/専門家

古畑 佑奈

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/19

社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員 特別養護ホーム生活相談員、訪問介護事業を経験し、介護業界に9年携わる。 地域でのネットワーク活動では事務局として「死について語る会」や「3大宗教シンポジウム」など幅広いテーマの勉強会やイベントを企画・運営。 現在は介護職やマネジメント経験を活かし、介護系ライターとして研鑽中。

利用者さんや、そのご家族と1つのチームになれた瞬間にやりがいを感じた!

ターミナル期だけど、最期は自宅に帰りたい利用者さん

やりがいは様々な場面において感じていますが、1つ挙げるとすると、自宅でのお看取りに関わらせていただいた方のことです。

特別養護老人ホーム(特養)の職員をしていたころ、食事の量や活動量が減り、全身状態が低下してきている方がいました。
医師からもターミナル期であると言われ、ご家族と面談の場を持ち、今後のケア方針について話し合いました。

看取りまでしている施設でしたが、ご家族からの相談は「最期は家に帰らせてあげたい」。それはもちろん、ご本人の願いでもありました。 ただ、元々特養に入居する時点で日常生活動作のほとんどに介助が必要で、ご家族の介護負担が大きすぎて特養入居の運びとなった経緯がある方でした。

■職員全員で悩んで、出した結論は

最初に相談を受けたときは、職員全員が悩みました。
自宅とはいえ施設と違い、困ったらすぐに職員が来られる訳ではない状況に、ご本人はどう感じるか、ご家族の負担が大きすぎないか、医療との連携はどうしていくかなど。

最終的にはご本人、ご家族の意向を尊重し「特養を退居し、自宅へ帰る」ということになりました。

■「一度施設に入ったら、もう自宅に戻れない」わけではない

そこからは、ケアマネージャーが軸となり訪問介護、訪問看護、福祉用具関連、訪問診療関連など在宅のサービスが協力し合い、私たち特養の職員も情報共有をしながら連携を図っていきました。ご自宅に戻った利用者さんを伺うと、とても柔らかな表情をしてにこっと笑ってくださいました。

私はそれまで、1度施設に入ったら自宅に戻ることは難しい、と思っていましたが、そうではないことを知りました。そして数ヶ月後、結果として、ご自宅で家族に見守られながら穏やかに息を引き取ったと連絡をいただきました。

利用者さん本人やご家族の希望を「どう叶えるか?」を考えるようになれた

後日、お線香をあげにご自宅へ伺った際、ご家族から「家に帰ることができて本当によかった。実は、私も無理だと思っていたんだけど、思い切って話してよかった」と言われました。

私はこのとき、本当にご本人やご家族が望んでいることを日頃どれだけ聞き出せているかを反省したと同時に、チームでの協力がなければここまでできなかったことを思いました。

まさに、利用者さん本人、ご家族を含めて1つのチームとして同じ目標に向かい、人生の最期を迎えるまで一緒に走り切れたという感覚です。このことを体験してから、ご本人、ご家族の希望に対して、まずは「どうしたら叶えられるか?」を考えるようになったと思います。貴重な経験をさせていただいたな、と今でも思い出します。

やる気・やりがいを感じられなくなってしまったときは、一度介護と関係ないことに挑戦した!

やる気がなくなった時期、私にもありました。
振り返ると、バーンアウト(燃え尽き症候群)だったのだと思います。

介護とは全然関係のないことをしたくて、海外に行った古畑さん

仕事にやりがいを感じていたものの、忙しくて自分に余裕がなくなり、仕事の日も身体を休めるだけで余暇を何も楽しめなくなったとき、私は1年休職して、介護とは全然関係のないことをしました。

具体的には、ワーキングホリデーで海外へ行き、飲食店で働いたり、牧場で働いたり、宿の清掃をしたり、畑仕事をしたりしました。

■少し離れてみると、介護の仕事が好きなことに気づけた

やる気が感じられなくなったときは「介護の仕事よりも向いている仕事があるかもしれない」と本気で思っていたのですが、思い切って離れ、さまざまなことをしてみると「やっぱり介護の仕事が好きなんだな」という思いが強くなりました。
(最終的にはお年寄りが恋しくなり、現地の老人ホームにボランティアとして行きました。)

この時、少し離れて仕事を客観的に見ることで、自分の視野が狭くなっていたことに気づいたのでした。

■介護職という仕事を俯瞰で見られるようになった

介護の仕事は、どうしても目の前にいる利用者さんとの1対1の仕事として見がちですが、実際には多方面との繋がりを軸として、人間の営みの本質に関わっている仕事であると考えるようになりました。
ワーキングホリデーを終えたあとは、また介護の仕事に戻りました。もちろん、その後もやる気が低下するときもありますが、バーンアウトしないよう息抜きをすることでバランスを保てています。

最後に:専門家が考えるモチベーション回復方法3選

もし、今やる気を感じられないと考えている方がいらっしゃるのであれば、以下のような工夫をしてみてください。
1.適度に休息をはさみながら働く
2.休日の過ごし方を変えて新しいことに挑戦してみる
3.仕事とは関係ないコミュニティに参加してみる

これらのように、仕事と関係のないことに挑戦をしてみると、自分の介護に対する本来の気持ちを思い出すことができると思います。

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