本日のお悩み
また、長く働いているとモチベーションが下がることなどもあると思います。そのような壁にぶつかった際、専門家の方はどのように乗り越えましたか。
■回答者/専門家
社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員 特別養護ホーム生活相談員、訪問介護事業を経験し、介護業界に9年携わる。 地域でのネットワーク活動では事務局として「死について語る会」や「3大宗教シンポジウム」など幅広いテーマの勉強会やイベントを企画・運営。 現在は介護職やマネジメント経験を活かし、介護系ライターとして研鑽中。
利用者さんや、そのご家族と1つのチームになれた瞬間にやりがいを感じた!
■ターミナル期だけど、最期は自宅に帰りたい利用者さん
特別養護老人ホーム(特養)の職員をしていたころ、食事の量や活動量が減り、全身状態が低下してきている方がいました。
医師からもターミナル期であると言われ、ご家族と面談の場を持ち、今後のケア方針について話し合いました。
看取りまでしている施設でしたが、ご家族からの相談は「最期は家に帰らせてあげたい」。それはもちろん、ご本人の願いでもありました。 ただ、元々特養に入居する時点で日常生活動作のほとんどに介助が必要で、ご家族の介護負担が大きすぎて特養入居の運びとなった経緯がある方でした。
■職員全員で悩んで、出した結論は
自宅とはいえ施設と違い、困ったらすぐに職員が来られる訳ではない状況に、ご本人はどう感じるか、ご家族の負担が大きすぎないか、医療との連携はどうしていくかなど。
最終的にはご本人、ご家族の意向を尊重し「特養を退居し、自宅へ帰る」ということになりました。
■「一度施設に入ったら、もう自宅に戻れない」わけではない
私はそれまで、1度施設に入ったら自宅に戻ることは難しい、と思っていましたが、そうではないことを知りました。そして数ヶ月後、結果として、ご自宅で家族に見守られながら穏やかに息を引き取ったと連絡をいただきました。
■利用者さん本人やご家族の希望を「どう叶えるか?」を考えるようになれた
私はこのとき、本当にご本人やご家族が望んでいることを日頃どれだけ聞き出せているかを反省したと同時に、チームでの協力がなければここまでできなかったことを思いました。
まさに、利用者さん本人、ご家族を含めて1つのチームとして同じ目標に向かい、人生の最期を迎えるまで一緒に走り切れたという感覚です。このことを体験してから、ご本人、ご家族の希望に対して、まずは「どうしたら叶えられるか?」を考えるようになったと思います。貴重な経験をさせていただいたな、と今でも思い出します。
やる気・やりがいを感じられなくなってしまったときは、一度介護と関係ないことに挑戦した!
やる気がなくなった時期、私にもありました。
振り返ると、バーンアウト(燃え尽き症候群)だったのだと思います。
■介護とは全然関係のないことをしたくて、海外に行った古畑さん
具体的には、ワーキングホリデーで海外へ行き、飲食店で働いたり、牧場で働いたり、宿の清掃をしたり、畑仕事をしたりしました。
■少し離れてみると、介護の仕事が好きなことに気づけた
(最終的にはお年寄りが恋しくなり、現地の老人ホームにボランティアとして行きました。)
この時、少し離れて仕事を客観的に見ることで、自分の視野が狭くなっていたことに気づいたのでした。
■介護職という仕事を俯瞰で見られるようになった
ワーキングホリデーを終えたあとは、また介護の仕事に戻りました。もちろん、その後もやる気が低下するときもありますが、バーンアウトしないよう息抜きをすることでバランスを保てています。
■最後に:専門家が考えるモチベーション回復方法3選
2.休日の過ごし方を変えて新しいことに挑戦してみる
3.仕事とは関係ないコミュニティに参加してみる
これらのように、仕事と関係のないことに挑戦をしてみると、自分の介護に対する本来の気持ちを思い出すことができると思います。
■あわせて読みたい記事
介護業界に踏み出そう!意外と知らない業界の魅力を徹底解説! | ささえるラボ
https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/1173日本の高齢化に伴って、高齢者への支援のニーズは年々高まっています。介護業界で仕事をしたいけど、実際どんな業界なんだろう?とお考えの方へ。この記事では「簡単」かつ「わかりやすく」介護業界を紹介します!介護職・ヘルパーに転職をしたい方、これから働くか迷っている方、まだ興味はうすいけれど業界について知りたい方は、ぜひお役立てください!
介護職の転職でよくある失敗例! 後悔しない転職をするためには? | ささえるラボ
https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/809[2024年6月更新]介護職への転職で「失敗した」と感じる理由は、人によって様々です。「思ったよりも忙しい」「人間関係のトラブル」など。実際によくある失敗例と、転職活動で後悔しないためのポイントを解説します!
ささえるラボ編集部です。
福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします!
「マイナビ福祉・介護のシゴト」が運営しています。