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介護職の面接でよく聞かれる15の質問と回答例!悩みがちなポイントについても解説!

介護職の面接でよく聞かれる15の質問と回答例!悩みがちなポイントについても解説!

[2024年6月更新]面接でよく聞かれる15の質問と回答例を紹介!面接準備中はスムーズに答えられるか、回答に詰まってしまったらどうしようなど不安になりがちです。この記事では面接の回答例だけでなく、あわせて面接時に知っておきたいポイントもあわせて解説します。 【執筆者:ささえるラボ編集部、専門家:後藤 晴紀、脇 健仁、伊藤 浩一】


目次

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回答例あり!介護職の転職の面接でよく聞かれる15の質問

執筆者

ささえるラボ編集部

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ささえるラボ編集部です。 福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします! 「マイナビ福祉・介護のシゴト」が運営しています。

面接ではさまざまな質問に答える必要があります。
回答内容によっては採用担当者に好印象を与えることができるため、キャリアや資格に自信がなくても転職成功率をグッと上げることも可能です。
そこで今回は介護職の転職における面接で、よくある質問を面接の流れに沿って解説します。

面接の基本マナー(入退室)

面接の質問対策に入る前に、面接の基本マナーを押さえておきましょう。

面接では、どれほど魅力的な経験があっても、面接時の印象が悪ければ採用されることが難しくなってしまいます。採用担当者の印象を良くするためには、基本的なマナーを身に着けておき、実践するようにしましょう。

基本的な入退室のポイント

就職・転職活動のとき、アルバイトの面接のとき、様々な機会で面接を受けていても少し期間があくと忘れてしまうのが入退室の流れです。

1つでも所作を間違えたら減点されるというわけではありませんが、最低限のマナーを知っておくことは社会人として必須です。

・到着したら面接官と一緒にそのまま面接室に入る場合
・先に部屋で待つ場合
・呼ばれたら部屋に入室する場合
など様々なパターンがありますが、その中でもおさえておきたいポイントを解説します。

1.ノックの回数は3回(ドアの開閉がある面接)

自分でドアを開けて入室をする形式の面接では、ドアをノックし「失礼します」と声をかけてから入室します。
その際、ノックの回数は3回です。2回は空室確認をする際に使うのでトイレなどでの確認方法となってしまいます。

また、ドアを開け入室した際はドアが閉まるまで手を添えるようにしましょう。最後までしっかり閉まったタイミングで、面接官に一礼をし、椅子の横に向かいましょう。

2.指示があるまでは椅子に座らない

面接室や待合室では、担当者からの「おかけください」「座ってお待ちください」などの声かけがあるまでは椅子に座らないようにしましょう。

◆入室型の面接◆
1.入室後椅子の横に立つ(ドアに近い側に立つのが理想、場所がない場合は反対でもOK)
2.簡単に挨拶をする(○○と申します。本日はよろしくお願いいたします。)
3.「おかけください」と面接官に言われたら「失礼します」と言って座る

◆面接官と一緒に入室する面接◆
1.入室後、案内される場所に向かう
2.面接官から「おかけください」と言われたら「失礼します」と言って座る
(「では先に自己紹介を」などと言われる場合もある)

◆先に入室して待っている面接◆
1.案内をしてくれた人から「おかけになってお待ちください」などと言われるので「失礼します」と言って座る
2.面接官が入ってきたら一度立ち上がり挨拶をする
3.面接官から「おかけください」と言われたら再度「失礼します」と言って座る

それぞれ若干形式は異なりますが、共通しておさえておきたいことは、「面接官からの指示がないのに座らない」「着席する際は失礼しますと一言添える」です。
また、「失礼します」と言い切ってから腰を掛けるとさらに丁寧な印象を与えられるでしょう。

3.面接会場を出るまで気を抜かない

面接終了時は、面接官の目を見て「ありがとうございました」と伝え、立ち上がってからも椅子の横で一礼、その後、ドアの前でも一礼をし、ドアが閉まるまで手を添えましょう。
「以上で面接を終わります」と言われると、緊張感や不安感から解放された気持ちになりますよね。しかし、事業所や施設などを出るまでが面接であると思ってください。

面接室を出た瞬間、スマートフォンを見ているなどは他の職員さんからマイナスな印象を持たれてしまいがちです。
事業所や施設を退館するまでは肩の力は抜かず、ここも見られているという気持ちで過ごすようにしましょう。

補足:分離礼や身だしなみも大切!

ここまで入退室時のポイントを解説してきました。一礼する場面が多いと感じませんか?
一礼をする際のポイントを補足しておくと、よく「ありがとうございました」と言いながらお辞儀をする人を見かけると思います。しかし、これでは言葉が床に届いてしまうので面接等の場所では相手の目を見て「ありがとうございました」と言ったあとに一礼をするようにしましょう。
これを分離礼と言います。ありがとう以外の言葉に関しても「相手に届ける」という意味では分離礼が好ましいです。

これで面接時の基本的なマナーについての解説は終わりますが、マナーができていても身だしなみが整っていないとマイナスな印象になります。面接に行く際は身だしなみもチェックしてから向かいましょう!

面接は答え方が大事!結論ファーストで聞かれたことに答えよう!

ここからは本題である面接での回答例について説明します。質問ごとに回答例をつけていますが、前提としてすべてに共通する面接での答え方があります。
それは結論ファーストで聞かれたことに答えるということです。

社会人経験のある方は、「そんなの当たり前」と思うかもしれませんが、意外と意識しないと抜けてしまうことが多いのです。

■結論ファースト

まず、結論ファーストから解説します。これは名前の通り、聞かれたことに対して結論から述べるというものです。

日常会話でも、何か質問をした際に先に結論から聞きたい方は多いでしょう。
面接官も最初に結論を伝えてもらえると、何を軸に話を聞けばよいのか認識することができます。
その結果、伝えたいことやアピールしたいこと、ご自身の人となりが相手に正確に伝わると思います。
面接回答時のポイント

■聞かれたことに対して答える

「聞かれたことに対して答える」当たり前のようで、実は難しいのです。特に面接は緊張し、これを話そう、あれも話そうと頭の中で情報が錯綜すると思います。
そうなると、最初は質問に対する答えを話していたのに、気づいたら違う話に逸れてしまったということも。
ここで「休日の過ごし方」について問われた際の、改善したほうが良い例と回答例を1つずつあげます。

◆改善したほうが良い例◆
休日は映画を観て過ごすことが多いです。
前職では平日の仕事内容が訪問営業でした。訪問営業では、歩数や訪問件数が業績に繋がります。そのため、多い日では約3万歩歩くことがあり、体力が非常に必要な業務内容でした。
しかし、訪問する中で、顧客の悩みを聞くことができたり、契約は結んでいただけなくても、顧客視点でのフィードバックをしていただけたりとやりがいを感じました。
仕事がある日と、休日でメリハリをつけるため、休日は自宅でリフレッシュを兼ねて映画を観ることが多いです。

◆回答例◆
休日は映画を観て過ごすことが多いです。
最近はサブスクリプションに入会をし、昔公開されていた映画などを観ています。特にミステリー映画が好きで、主人公と一緒に推理をしながら邦画も洋画も楽しみます。
実際、自分がその場にいないにもかかわらず、その世界観に惹きつける力にいつも驚かされています。 私も、人を楽しませることや人に何か興味を与えられるような人になりたいと思っています。

2つの何が異なるかというと「休日の過ごし方」に対し、改善したほうが良い例では、平日の業務内容がメインの話になってしまっています。このように状況を詳細に話そうと考えすぎてしまうと話が逸れる可能性が高いので、回答する際は聞かれていることに対して答えられているか意識をするようにしましょう。

よく聞かれる15の質問と回答例!

ではここから、面接でよく聞かれる質問について回答例とあわせて解説します。
ここにある質問だけでもどのように答えるか考えてから面接に臨めると安心感や自信が変わってくると思います。

質問1:自己紹介をお願いします(導入)

この質問では、名前と職務経歴を1分程度で答えましょう。最初の質問で緊張しがちですが、明るく笑顔で答えることを意識しましょう。

自分を知ってもらおうと、趣味や興味のあることなども含めて長々と話してしまうと、ご自身ではなく趣味の説明などに話が逸れてしまう可能性がありますので注意が必要です。
採用担当者が自己紹介では、あなたがどのような方で、今までどのように仕事に向き合ってきたのかというような情報を簡潔に知りたいと考えていますので、その採用担当の質問の意図を踏まえて答えられるといいでよう。またここで、将来のビジョンを語ることは印象に残りやすいですが、長くなりすぎないように注意しましょう。

【回答例】

山田幸子と申します。
家から徒歩で通える位置にあるドラッグストアに務めておりました。担当していたのは販売です。
前の勤務先で一般的な薬の研修やお客様へのアドバイス、薬剤師へとつなぐまでの対応などを身につけました。
また、仕事をしながら、5年ほど母の介護をしてきました。
こうした経験をするうちに、人の健康的な暮らしをサポートすること、介護を仕事にすることへの意欲が高まり、転職を決めました。
本日はよろしくお願いいたします。

質問2:どうして転職しようと考えた(なぜ前職を辞めようと考えた)のですか

前の職場を辞めた、あるいは転職を考えた理由は介護業界にかかわらず、必ずといってよいほど問われるものです。
転職理由の背景に前職での不満があるケースは一般的にも多いため、回答する際に、不満がある場合は隠す必要はありません。しかし、伝え方には工夫が必要です。

ここでは、よくある退職理由別に回答例を紹介します。

◆よくある退職理由◆
1.前職の職場の人間関係に疲れた
2.自身の介護観に合わなかった(思うような介護ができなかった)
3.前職と業務内容等は似ているが、組織体制や挑戦できる業務の幅が多く転職をしたいと思った
4.介護業界は未経験だが興味を持った

さらに、異業種から未経験の介護職へ転職を希望した場合は、前職で培ったスキルやそのなかで介護職を選んだ理由を論理的に伝えることが大切です。 日常業務のなかで気付いたことを突き詰めて考えると、高齢者の健康を担う役割を果たせるのではないか、との思いに至り介護職への転職を決めた、という理由は納得感のある回答だといえるでしょう。(回答例4参照)

【回答例1】前職の職場の人間関係に疲れた

人との関わりが多い介護業界において、人間関係に疲れたという退職理由は、場合によっては「次もまた疲れてしまうのではないか」「人間関係を築くのが苦手な人なのかもしれない」といった印象を持たれる可能性があります。伝える際は、社風が合わなかったなどと伝えつつも転職先でなら○○に挑戦ができると思った。と前向きに話すようにしましょう。

【回答例】
仲間と切磋琢磨しながらスキルアップを目指したいと思ったので転職を決めました。
今の職場は、一人で仕事をすることが非常に多い社風です。しかし、これからの介護において、同業者はもちろん、他職種とも連携し、チームで業務に取り組むことは必要であると感じています。
チーム連携を行うことで利用者さんを多角的な視点で把握することができ、より質の高いサービスを提供することができると思っています。
そのため、チームでの業務や地域との連携に力を入れている職場への転職を希望しております。

【回答例2】自身の介護観に合わなかった(思うような介護ができなかった)

一方、前職も介護職である転職者が、職場環境が原因で、思うような介護を行うことができず、常にジレンマを抱えていたといった不満や葛藤であれば、その理由はそのまま伝えても「努力が足りない人だ」とは受け取られないでしょう。
しかし、このケースであっても、不満のあった職場環境で自分なりにどのような行動をとり、その結果今回の転職に至ったのかのような理由や状況を付け加えておくとよいでしょう。

【回答例】
利用者により迅速に対応できる介護を提供したいと思ったからです。

以前勤めていたところは治療を目的とした施設ではありませんでした。そのため、利用者の方が体調不良を訴えた場合は病院を受診する必要がありました。 病院を受診するためには、まず家族と日程調整を行わなければならず、対処に時間がかかってしまいました。

そうした手間は、つらさを訴える利用者の方に我慢してもらうことにもつながり、介護を提供する者として葛藤がありました。
そこで、病院とのネットワークの強化や日常的な情報共有など、スムーズに介護から治療につなげられる方法はないかと施設内で提案をしたのですが、うまく実現することはできませんでした。
しかし、こうした経験から私は利用者さんに迅速に対応できる介護がしたいと気づくことができました。
介護老人保健施設であれば医療体制も整っているため、迅速な対処が可能だと考えております。
そうした環境で、自らのスキルと経験を高めていきたいと思い、転職を決意しました。

【回答例3】前職と業務内容等は似ているが、組織体制や挑戦できる業務の幅が多く転職をしたいと思った

転職先が前職場と業務内容が似ている場合は、今の職場では何ができなくて、転職による環境や組織体制の変化で、何ができるようになるのかというところを明確にした転職理由を考えておく必要があります。

【回答例】
利用者さん一人一人に向き合える環境で介護をしたいと思ったからです。
前職は、一度に対応する利用者の方の数が、50人を超えるような施設で働いていました。
そのため、おむつ交換や入浴介助のような日常業務に日々追われ、業務を機械的にまわしていました。利用者さん一人一人の状況や気持ちを考えて動く余裕がなく、介護は非常に楽しいのですが何かもどかしさを感じていました。

そのようなときに知ったのが、御施設のような少人数制のユニット型施設の存在です。 こうした施設であれば、利用者の方一人ひとりの離床や状況、あるいは人生にも深く関わっていくことによって、丁寧な介護が提供できると考え、転職を決めました。

【回答例4】介護業界は未経験だが興味を持った

未経験で介護業界を志望する場合もあると思います。その場合、現在は他業種で働いているであったり、育児などが落ち着き、再度仕事に就きたいといった場合などもあったりするでしょう。これらの場合、今までに培ったスキルや経験を介護に結び付けて話せるよう準備します。
その際、専業主婦だったから何もスキルがないと考えてしまう方もいると思いますが、家事は介護業界において強みとなります。ぜひそのスキルをアピールしていきましょう。

【回答例】
現在、デパートの販売員として働く中で、介護業界に興味を持ち転職をしようと思いました。
デパートの販売員として勤めていると、多くの高齢者さんがお客様としていらっしゃいます。その際に老老介護をされている方や、デイサービスに通われている方など多くのお客様とお話しをする機会がありました。お話しをする中で介護職の貢献度の高さを知ることができ、販売員として身につけた顧客視点や、コミュニケーション能力も活かせる職種ではないかと思いました。
そのため、今回未経験ではありますが介護業界に挑戦をしたいと思い転職を決意しました。

質問3:この仕事(職種)を選んだ理由は何ですか?

この質問では、前職やこれまでの人生経験と志望する仕事や職種を関連付けて回答するとよいでしょう。特に介護業界は施設や職種によって働き方が異なります。それぞれの強みと自身の強みを結びつけるようにしましょう。

また、介護の仕事が未経験の場合には、介護職に興味を持った理由や介護の仕事で活かせる経験などを具体的に伝えると、良い印象を与えることができます。 「経験はないけどがんばります」という意気込みだけでは、説得力に欠ける可能性があります。 どういう点でどのように自分の力を発揮できると考えているのかを、採用担当者がイメージできるように伝えることが重要なポイントとなるでしょう。

【回答例】

グループホームでなら一人一人に寄り添った介護ができると考えたからです。私は前職で特別養護老人ホームで働いていました。
多くの利用者さんと接する機会があり、さまざまなケアに携わることができました。一方で、人数が多いことから利用者さん自身と向き合うことができず、悔しさを感じていました。
そのように悩んでいたとき、グループホームで働く友人から施設の魅力を聞く機会がありました。

グループホームでは一人一人に寄り添った介護を少人数制で行えると聞き、今の自分が感じている悔しさを払拭することができると思いました。

また、前職の特別養護老人ホームで培ったスピード感やマルチタスクに対応する力を少人数制であるグループホームで発揮できると、より質の高い介護を提供できると考えています。

質問4:どうしてこの施設を受けようと思ったのですか

一般的には転職理由を聞かれた流れで質問3「なぜこの仕事(職種)を選んだのか」や質問4「なぜこの施設・事業所を選んだのか」を聞かれることが多くあります。(3と4はあわせて聞かれる場合も多いです。) 職種の志望理由と施設・事業所の志望理由を分けて聞かれた際には、施設の志望理由としては、その施設の特性や強みを伝えるようにしましょう。

同じような施設が数多くある中で、どうして面接を受けている施設を選んだのかということが伝わりやすくなります。採用者は、ミスマッチなく働いてほしいと考えていますので、志望する施設とご自身がマッチングしていることをアピールしましょう。

【回答例】

御施設では、より個々に向き合った介護ができると思ったため志望しています。グループホームの施設は多くありますが、御施設では1ユニットの人数を8名までとしている特徴があります。多くの施設は1ユニットに対し10名程度を定員としているため、個々に向き合える特性があるグループホームの中でも、特にその実現が可能であると思いました。
御施設では、前職で多くの利用者さんから学んだ実例を活かし、適切な介護を提供していきたいです。

質問5:他にどんなところを受けていますか

転職活動では、複数の会社を受けているということは珍しいことではありません。
いくつか面接を受けているところがあるのなら、隠すよりはどのような施設を何個くらい受けているか正直に伝えた方がよいでしょう。ただし、10施設以上など多すぎると一貫性がないのではないかと疑われてしまうので、比較ができる2~5施設程度が好ましいでしょう。

そのうえで、第一志望であることを伝えると、採用担当者にもポジティブに捉えてもらえます。
第一志望である理由を具体的に回答できると、より印象に残りやすいでしょう。

【回答例】

現在、グループホームを中心に3施設ほど受けております。

今回の転職活動では、今までの知識や経験を活かしつつ、一人一人にアセスメントをしながら向き合う介護を実現したいと思っています。その点で、御施設は1ユニット8名以下というグループホームの中でも少人数での運営を行っているため、他施設では経験することのできない細かなケアができると考えております。そのため、御施設が第一志望です。

質問6:ブランクの期間は何をしていたのですか?

ブランク期間を設けた転職活動では、多くの場合、その期間について質問をされます。
この質問では、即戦力として活動できるのかどうかが見られています。

単に事実を述べるだけではなく、伝えたい内容を組み立て、ブランクの理由をきちんと説明できれば、問題はないでしょう。
回答する場合は、今後はどのように仕事に取り組んでいきたいのか、といった内容まで答えられると、「ここで頑張りたい」という思いが伝わりやすくなります。

【回答例】

前職はデパートの販売員であり、介護職と別の業種に就いておりました。
退職当初から介護職に就きたい気持ちは強かったのですが、知識やスキルがないことに不安を覚えていました。
そのため、ブランク期間はドラッグストアでアルバイトをしながら、介護職員初任者研修の受講をしました。
受講をしたうえで、人の生活を豊かにできる介護職員になりたいと今まで以上に気持ちが強くなりました。

質問7:長所や短所は?

長所や短所に関する質問は単に答えるのではなく、仕事内でどのように活かせるかわかるような回答をしましょう。

ただし、印象を良くしようと長所のみをアピールすることはおすすめできません。むしろ誰でも1つはある短所にどのように向き合っているかがポイントです。短所とあわせて改善しようとしている様子も伝えるようにしましょう。

【回答例:長所】

私の長所は聞き上手であることです。
会話をするうえで、話し相手が考えていることや思っていることを引き出すのは大切であると思っています。

そのため、相手が話したことに対して「なぜ」「どうして」と深堀りをする質問をするようにし、相手が伝えたいことを最後まで引き出すよう工夫しています。
この会話術は介護施設で働くうえで利用者自身の考えを妨げることなく、潜在的なニーズや悩みを引き出せると思っています。

【回答例:短所】

一方で短所は決断力がないことです。
何か決める際に、時間をかけすぎてしまいチャンスを逃してしまうことも稀にあります。
前職でイベントの企画責任者をやってみないかと打診していただいたにもかかわらず、考えすぎてしまい上司から迷っているなら無理はしなくていいよと言われ、あとから挑戦したかったと後悔しました。
この経験以降、何かに迷った際には迷っている要因を紙に書きだすようにしています。書き出すことで大した不安はないことやすぐ解決できることであると自信を持てるようになりました。
それでも不安が残る場合は、すぐに周囲の人に相談することも心がけています。

質問8:趣味は? 仕事以外で興味があることは?

趣味や仕事以外の興味についての質問では、あなたの人柄や上手にストレスを発散できる人かどうかを見られることが多いでしょう。
また、趣味が仕事に影響を及ぼすものではないかを確認している場合もあります。
どんな趣味であっても、仕事をおろそかにするものではないことを伝えることが大切です。

介護職の場合、趣味や興味が利用者との関係性を築くときに役に立つことがあります。 またレクリエーションなど仕事に活きることもあります。 趣味や興味が、間接的に仕事に活かせるということをアピールすると、印象に残りやすいでしょう。

【回答例】

趣味は散歩です。毎朝、早めに起きて30分程度歩いています。
早朝の気温は季節を実感できるので、朝の散歩はとても気に入っています。
散歩でいつも出会う人と自然と挨拶をするようになったり、しばらく出会わないと気になり、次に出会った時にちょっとした会話を交わすきっかけになったりと、散歩でコミュニティが広がっている気がしています。

質問9:今まで仕事のなかでつらかったことを教えてください

つらかったことや挫折経験はその人の考え方を大きく変えるきっかけになります。
そのため、ただつらかったことを述べるのではなく、そこからどのように立ち直ったのか、困難をどう乗り越えたのかという部分に着目されます。

また、その経験からどのような学びがあったかも伝えるようにしましょう。

【回答例】

受け持ちの利用者さんとなかなか打ち解けられなかったことです。
他の利用者さんと関係を作ることは得意でしたが、その方とはなかなか打ち解けて話のできる関係が築けませんでした。
積極的に関わり合いを持つように心がけても、利用者の方からはそっけない言葉が返ってくるばかりで、会話が弾む関係になれない時間が続きました。心も折れそうになりました。

そんなとき、その方のご家族から「あなたのことをとても良い職員さんだと言っていました」と言われ、目に見える態度や言葉だけで人との関係性を決めつけてはいけないと気づきました。

この経験から、改めて、信頼関係を作るためには積極的に関わることとともに、受ける印象や見えることだけで判断するのではなく、冷静に受け止めて、関わることを継続することが重要だと考えるようになりました。
今では私の介護の仕事スタイルにもなっています。

質問10:今までの仕事のなかで嬉しかったことを教えてください

仕事で嬉しかったことを問う質問は「あなたが介護という仕事を好きでやっているかどうか」を確かめることができます。
また、どのようなことを嬉しいと感じるのかという価値観のすり合わせもできます。

つまり、嬉しいと実感した経験を、嬉しいと感じた熱量も含め伝えられれば、「こんなに介護の仕事が好きで、熱心に取り組むことに喜びを感じているのであれば、安心して仕事を任せられる」という印象を与えられるでしょう。 嬉しさの程度を伝えるコツは、嬉しいと感じた理由まで細かく説明することです。
話に入り込みやすくなり、嬉しさの程度が伝わりやすくなります。

【回答例1】

自らが主体となり行った敬老会で、利用者の方たちはもちろん、その家族やスタッフからも高い評価をいただいたことです。
それまでイベントで外部の方を招くようなことはしていなかったのですが、知り合いに協力してもらいボランティアを集めました。
それまでの取り組みとは大きく異なるため、他のスタッフから不安の声もありましたが、結果的に内部スタッフだけでは実現が難しかった質の高いイベントを提供することができ、高い評価をもらうことができました。
大変嬉しかったことを覚えています。

【回答例2】

気難しく、他のスタッフが関わることを躊躇してしまう利用者の方から「あなたのことは信頼しているから」と言われたときです。
入所された当初は、私が担当として他の人より関わることが多い程度でした。
他のスタッフと同様にきついことを何度も言われましたが、それでも積極的に関わっていると、次第に笑顔を見せてもらえたり、色々とお願いごとをされたりするようになりました。

ある日、施設の都合でその方に無理なお願いをしなければいけないことがありましたが「あなたのことは信頼しているから」と快く引き受けてもらえました。
そのときは、今までの努力が報われたような気がしたことを今でも鮮明に覚えています。

質問11:当社(当施設)で活かせるスキルは何ですか?

この質問では、あなたがこの施設でどのように活躍してくれるのかという点が見られています。
そのため、自身のスキルを明確に、かつどのように活かせるか伝えるようにしましょう。

ただし、アピールをしようとすると伝えすぎてしまうことがあります。厳選したスキルを説明し、内容が自慢話にならないように注意しましょう。

【回答例】

私は御施設で柔軟性を活かして働くことができます。
前職ではデパートの販売員をしていました。お客様は様々な方がいらっしゃるので一人一人にあわせて対応をする必要がありました。
また、迷子や万引きなど緊急事態に対しても冷静に対応してきました。

相手や状況に応じて柔軟に動くことができる力は、介護施設においても利用者さんごとのタイプに合わせたり、緊急時に対応をしたりする際に活かせると思います。

質問12:仕事をするうえで大切にしている(していた)ことは何ですか?

この質問は、仕事に対してどのように向き合っているかを確認する質問です。
向き合い方によって、あなたが仕事に対して真面目に取り組む人かどうかを判断する目的もあります。

最初に大切にしていることを一言で伝え、そのうえでそう考えるようになったきっかけを話すようにしましょう。

【回答例1】

相手の立場に立って考えてから、発言・行動するということを大切にしています。
相手の立場に立つことを意識するだけで、相手が求めていることを想像できると思うためです。

経歴や年齢、職責や職位が異なれば、価値観が違うことは仕方がないので、一度相手の価値観を受け入れてから自分の意見を伝えるようにしていました。
前職は営業職でしたが、そこを意識することで的外れな提案をしてしまったり、相手にとって不快な発言をしてしまったりすることがなくなりました。

その結果、信頼関係が構築でき成果ややりがいに繋がりました。また、介護職においても利用者さんや一緒に働く職員さんとのコミュニケーションが大切になってくるので、このことを意識していきたいと思っています。

【回答例2】

仕事をするうえで大切にしていることは、客観的な視点で自分をみるということです。
客観的な視点を持っていると自分の課題を把握でき、自分自身の成長に繋げられると考えているためです。

またチームで働いているときも、自分の立場を客観的に考えると、いま自分がチームのためにすべきことがなにかがわかるようになると考えています。主観的すぎると協調性も崩れてしまうと考えているため、客観的な視点を持つことは大切にしています。

質問13:気難しい同僚とはどのように付き合いますか?

この質問には、人間関係のトラブルが生じたときの対応力を確認する目的があります。
しかし答え方によっては人間関係だけではなく、他の課題に対する問題解決力をアピールすることも可能です。
ポイントは誰かに問題を相談することができているかという部分。1人で仕事上の問題を抱え込むことによって、離職していく人は少なくありません。

一方、誰かにしっかりと相談できる人は、悩みを1人で抱え込む心配が少なく、他人の力を借りることができるため問題の早期解決もできます。
そのため「気難しい同僚とはどのように付き合いますか」という質問に対しては「誰かに相談する」という一言を加えて回答するとよいでしょう。

【回答例】

気難しいと感じると嫌なところばかりに目が行きがちですが、まずは相手の良いところを探してみます。また、その方が気難しくなっている理由や自分がなぜそう思うのかを整理してみます。そのうえで、工夫してコミュニケーションをとることを試みます。
しかし、それでもうまくかかわることができず、仕事に支障がでる場合は上司に相談をします。

質問14:利用者から無茶なお願いをされた時にどのように対応しますか

この質問では、介護を提供するうえで発生するトラブルに対してどのように問題を解決するのかを問われています。

介護の仕事をしていると、他の利用者の方にまで影響があるような要望をされ、判断に迷うことも少なくありません。
問題解決のプロセスをしっかり考えていなければその場しのぎの対応となってしまい、その都度変わる対応に利用者本人や他の利用者の方、他のスタッフも困ることがあります。また、あなた自身も対応に苦慮して精神的に参ってしまう可能性もあるでしょう。

それらを防ぐためには、1人で抱え込んで判断するのではなく、誰かに相談するということが大切です。
質問に対する回答でも、同僚や上司に相談したうえで対応方法を決定し、事後に情報として活かすことまでも考えているとアピールするといいでしょう。

【回答例】

判断に迷うものは、その場で回答をせず上司や同僚に相談をしたうえで対応方法を検討します。
その際、口頭のみでのやりとりではなく証跡や今後に活かす意味でもメールや書類などに文字起こしをします。

質問15:最後に何か質問はありますか?(逆質問)

「何か質問はありますか?」と聞かれた際は最後のアピールチャンスです。この施設に興味があるという意思を示すためにも、基本的には何か質問をするよう心がけましょう。

その際、ホームページに書いてあることを聞いてしまうと準備不足と捉えられる場合もあるので、基本的には明記されていないことを質問するとよいでしょう。

また、今までは質問を受ける側でしたが、ここからは質問をする側(自分のターン)になるので、質問前に「本日はありがとうございました。1点質問があります。」のような枕詞を添えられるとよいでしょう。

【回答例1】

御施設には資格取得にむけたサポートがあるとホームページで拝見しました。
私も入職後のキャリアパスとして資格取得を目指したいのですが具体的にどのようなサポートがあるのか教えていただきたいです。

【回答例2】

御施設に入職することが決まった際、入職までに準備しておくとよいことを教えてください。

【回答例3】質問が思い浮かばない場合

本日はありがとうございました。
面接でも詳しくお話しをお伺いできたため質問は特にありません。
施設見学や本日の面接でより働くイメージが湧き、ここで働きたいという気持ちが強くなりました。

上記にない質問が出たときの対応

面接ではさまざまな質問をされます。
そのため、事前にどれほど準備していたとしても、思わぬ質問をされることも考えられます。
上記にない質問がでたときには、最初の結論ファーストはぶらさず、次のことを意識して答えるようにしましょう。

*準備していないことを聞かれた際のポイント*
1.ネガティブな話をポジティブな話に変換する
2.なぜそう感じたかの理由をつける
3.他人に相談できることをアピールする
4.過去のエピソードは今や未来に繋げる

1.ネガティブな話をポジティブな話に変換する

質問の内容によってはネガティブな回答をしたくなる場合もあるでしょう。
たとえば、失敗談や苦手な人の話はどうしてもマイナスに捉えがちです。しかし、一緒に働く人を選定するのが面接です。ネガティブな話も解決策や乗り越え方をいれることでポジティブな話に変換するように意識しましょう。

2.なぜそう感じたかの理由をつける

面接での回答において根拠を持つことは大切です。
たとえば、「私はマネジメント力があります!」と答えても、その根拠がないと説得力がありません。

自身のことをしっかり分析し、言語化できていることはミスマッチを防ぐうえでも大切です。
何かを質問された際には、必ずそう思った理由や根拠も説明するようにしましょう。

3.他人に相談できることをアピールする

誰かに相談ができるということは仕事をするうえで大切です。相談と言っても、抱えている悩みを相談する場合や、業務の進行について相談をする場合など様々なパターンがあると思います。
しかし、どのような場合においても相談ができるということは

・一人で抱え込まず働くことができる
・勝手に行動せず目線合わせができる
・仲間と協力して仕事に取り組むことができる

など良い印象をもってもらえます。

そのため、何か悩むような質問が来た際には、「一人で抱え込まず他の人に相談をする」といった内容をつけるようにしましょう。

4.過去のエピソードは今や未来に繋げる

「こういうことがありました。」という過去のエピソードのみだと、ただの報告になってしまいます。

過去の話をする際は、「こういうことがありました。」という事実を伝えたあと、「この経験から、今は○○を学び~という場面で活かすことができています。」や「この経験で学んだ○○を御施設に入職後~のように活かせると思っています。」といったように現在や未来の話に繋げるようにしましょう。
経験は財産です。失敗ごとでもその先に繋げることができていれば貴重な経験であったと伝えることができます。

4つのポイントをおさえ自分の言葉で伝えることを意識しましょう!

今回挙げた15の質問は、いずれも介護職の転職時の面接でよくある質問です。
回答のポイントを押さえて自分のいままでの事例などを整理しておきましょう。
重要なのは「ネガティブな話をポジティブな話に変換する」「なぜそう感じたかの理由をつける」「他人に相談できることをアピールする」「過去のエピソードは今や未来に繋げる」の4つを心がけることです。

介護職は経験がなくても、いままで積んできたさまざまな経験は、あなたの発想力や対応力、コミュニケーション力を育ててきた要素です。
面接に臨む前に、こうした経験を分析しなおして、自分が成長してきたことを客観的に言葉にしてみましょう。
そして冷静に、自分の言葉で採用担当者に正しく伝えることを意識して臨みましょう。

ニューノーマルな時代となり、面接もオンラインを活用して行うケースも考えられます。 直接対面で話をするとき以上に、ハキハキとした対応と表情の明るさを意識して臨むと、採用担当者に好印象を与えることができるでしょう。

ここからは面接前に気になる3つのポイントを専門家が現場の視点で解説します!

コラム1:実際の面接ではどんなところを見られている?事業所側のリアルな声とは

脇 健仁

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/22

ゆりかごホールディングス株式会社 代表取締役 株式会社ゆりかご 代表取締役 茨城県訪問介護協議会 副会長 茨城県難病連絡協議会 委員 水戸在宅ケアネットワーク 世話人 介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士・看護師・介護支援専門員・相談支援専門員

普段の面接で必ず聞く志望動機。その意図とは?

毎回、必ず質問することは、弊社の選定理由です。

■働く上で何を重視しているか?が知りたい

その質問の意図は2つあります。

1つ目は、自分たちの会社をどのように知っていただいたのか、情報発信はどのようにリーチしているのかについて、自分たちで把握したいからです。

次に、数ある事業所の中で、入職希望者が選んだ理由を知りたいからです。 業種、働き方、給与など色々あると思いますが、働くということについてその入職希望者がどのようなことを重要視しているのかを確認することは、お互いにとってメリットが高いと考えます。

■変わった質問をして、求職者の思考プロセスを見ることも

また、ちょっと難しい問題(例えば、「”1=0.999…”は正しいか?」など)を出してみて、問題の正答ではなく、どのように対応しているかを見ることもあります。

その理由は、介護業務は、教科書的な正解がないケースがあり、そのときにどのようにふるまうのかを見ることで、その方の対応力を観察させていただきます。

面接で見られているポイントは?

■相手に悪い印象を与えない身なりかどうか?は必ず見られている

まずは、身なり、髪型などの身だしなみはチェックします。

金髪や髭など自己表現をしないでほしいというわけではありません。
しかし、面接はお互い初対面であり、相手のことがわからないという状況であるにもかかわらず、相手の印象は気にしないというスタイルは、対人援助職としては信頼関係を構築しづらい特性ではないかと感じざるを得ません。

面接の場面では、相手に悪い印象をなるべく与えない努力をすることで、相手に誠意を伝えることが第一歩です。
そして、相互理解が成立した上で、自己表現をしていくことは良いと考えます。

■履歴書の文字や、細かなしぐさも見られている!

履歴書の文字や言葉遣い、表情、視線の動き、手指や脚の動き等は、すごく見ます。やはり雰囲気、落ち着きのある態度かどうか、マナーなどもいつもと違う動きというのは、わかってしまいます。

■資格や経歴より、一緒に働きたいかどうかを重視する

また、私の場合は法人代表でもありますので、直接法人理念について徹底的に語ります。
その上で自分のワークスタイルに合うかどうかを確認します。

所持資格や経歴はあまり重視しません。同じくらいの熱量で仕事をしたいと思っていて、一緒に働きたいなと思える人を採用しています。そう思えない方は、人材不足の状況でも採用しません。

コラム2:働き始めてから「イメージと違った…」にならないための面接の受け方とは?

伊藤 浩一

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/14

茨城県介護福祉士会副会長 特別養護老人ホームもくせい施設長 いばらき中央福祉専門学校学校長代行 NPO法人 ちいきの学校 理事 介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント 介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員

最近は採用に関して「ミスマッチ」という言葉をよく聞きます。
これは、新規採用者が働き始めてみたら「この職場はイメージと違った」と感じすぐ離職してしまう。または、事業者が新規採用者に対し、いざ働きはじめてみたら求めていた人材と違ったと感じることを言います。

採用側も採用された側もこの状況を避けたいですよね。
ではどうすればミスマッチを防ぐことができるでしょうか?

今回は面接に焦点を当て、防止策を2点お伝えします。

1.ミスマッチ回避には、事業所側の「面接システム」構築を!

■なんとなく採用してみようかな…と言う安易な判断はNG

まず第一は、採用側の面接システムの構築です。

ミスマッチは「なんとなく」ここでいいかな・・とか、「なんとなく」採用してみようかな・・という安易な決断が招きます。
つまり安易に決断するのでなくしっかり考え抜かれた面接システムが必要なんです。

<面接システム例>

①組織理念をもとに求める採用者像を明確にし、質問項目を作成する(なんとなく受け答えしない)
②複数者で面接する(私は採用するセクションの責任者と採用担当者2名で対応しています)
③疑問に思う点などあれば、2次面接などを通してコミュニケーションを深める
④採用条件や研修、キャリアップ支援体制、福利厚生などの労働条件を明確に伝える
⑤試用期間を設ける(お互いのため)

■なんとなく面接されてる感じがしたら、要注意!

逆にいえば、面接を受ける側として上記のようなシステムが面接で見えてこない「なんとなく面接されてるな」と感じた時は、この事業所大丈夫かな?と疑問に思った方が良いかもしれません。

2.「なぜ介護の仕事をしようと思ったのか?」に答えられるか

この動機の確認は非常に深いです。
なぜなら、「介護」とはなにか?を自分の中で言語化できていないと話せないからです。

■「なぜ介護の仕事をしようと思ったか」に対するよくある回答

例えば、よくある回答としては

1.お金のため
2.自分の祖父母によくしてもらったから
3.自分の祖父母が介護される姿をみてきたから
4.高齢者社会に貢献したい
などがあげられます。

■それに対する、面接官の印象は?

1は、それはそうだけど、介護をお金としか捉えてないのかな?と感じてしまいますね。
2、3に関しては、実体験を(話せる範囲で構いませんが)具体的にお話しいただけると好感が得られると思います。
4に関しては社会貢献まで意識がいっていると感じられるので好感度は高いでしょう。しかし、これも上辺だけにならないように2、3の実体験などがあればお伝えいただけると、なお良いと思います。

■面接の質問を通じてミスマッチを防いでいる

ということでお分かりでしょうか?

この質問の意図は「介護って思ってた仕事と違うな」「自分が目指している介護とこの職場は違うな」というミスマッチングを防ぐことです。
面接官はこの質問を通じて自事業所の理念(目指す介護)を行動に移してくれる人物かどうかをみているのです。
金儲けのために介護をしてますという理念の事業所はないですよね。

面接は「自分が働く先を選ぶ」という意識でのぞむとGOOD

今回は「ミスマッチ防止」をテーマに面接を考えてみました。

提案です。面接は、採用されるかどうか?を気にするより、自分が働く先を選ぶために面接を活用するぐらいの気持ちで臨んでも良いのではないでしょうか?

ある有名な世界の五つ星ホテルの面接では、不採用であっても将来のお客様になるかもしれないという意識で丁寧対応するそうです。面接にも企業の姿勢が行き届いているんですね。

今回お伝えしたポイントを参考に「自分が働き先を選ぶ面接」の意識で臨んでください。その姿勢が面接官の心を動かすとともにミスマッチを防ぐでしょう。

コラム3:コミュニケーションが苦手…面接の必勝法は?準備しておくべきことは?

後藤 晴紀

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/9

・けあぷろかれっじ 代表 ・NPO法人JINZEM 監事 介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士

きれいにまとまらなくても、自分の言葉で伝えれば大丈夫!

まず、大切なのは面接官に、
『なぜこの職業に就こうと思ったのか?』『なぜこの事業所を選んだのか』を具体的に伝えることです。

この職業に就こうと考えたきっかけや想いは既に持っていると思うので、自分の言葉で伝えられるように紙に書き出してまとめておくようにしましょう。
きれいにまとめようとする必要はありません。お父様の介護で感じたこと、経験したこと、そして転職を思い立った時の感情をそのまま紙に書き出し、まとめてみてください。

面接中は緊張して頭が真っ白になる方も少なくありませんが、ご自身の経験や想いには感情が伴っています。頭が真っ白になっても、その感情まで忘れてしまう事は少ないと思いますので、自分の言葉で伝えることを意識してみてください。

施設形態ごとに、具体的な仕事内容をイメージしよう

次に転職する事業所を選んだ理由についてですが、介護福祉業界には様々な形態のサービスが存在します。
入居系や通所系、訪問系など、提供するサービスや種類も多岐にわたります。ご自身で介護福祉業界でどのようなお仕事をしてみたいのか、調べたうえで一度考えてみてくださいね。

例えば、特別養護老人ホームでは、看護師や管理栄養士、ケアマネージャーや生活相談員等、多くの専門職と共に、看取りまで含めた365日24時間体制でご利用者やご家族をサポートします。
このように具体的に、入職後どのような仕事をすることになるのかがイメージできているといいですね。

入職前にやっておくとよいこと

転職の際は、介護福祉のことを知るという意味でも、介護職員初任者研修という資格を受講しておくことをお勧めします。

入職に当たり、真剣に転職を考えていることもアピールできますし、この業界や具体的な仕事のことに触れる良い学びとなります。ご自身がどのような介護職員になりたいのかも見えてくるかもしれません。
受講は130時間の研修受講と修了試験に合格することですが、この業界の入口の資格にもなりますので、是非チャレンジしてくださいね!

介護福祉業界に素敵なかたが転職してくださることをうれしく思います。
共に学びを深め、全力でご利用者、ご家族のサポートをしていきましょうね!
面接頑張ってください!
応援しています!

最後に:マンガでまとめ♪

【例あり】介護職の転職の面接でよく聞かれる15の質問と回答例

【例あり】介護職の転職の面接でよく聞かれる15の質問と回答例

マンガ監修:望月太敦(公益社団法人東京都介護福祉士会 副会長)

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