第35回介護福祉士国家試験 対策問題(認知症の理解)
■問題
Cさん(80歳、女性)は夫(85歳)と二人暮らしである。1年ほど前から記憶障害があり、最近、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断された。探し物が増え、財布や保険証を見つけられないと、「泥棒が入った、警察に連絡して」と訴えるようになった。「泥棒なんて入っていない」と警察を呼ばずにいると、Cさんがますます興奮するので、夫は対応に困っている。
夫から相談を受けた介護福祉職の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.「主治医に興奮を抑える薬の相談をしてみてはどうですか」
2.「施設入所を検討してはどうですか」
3.「Cさんと一緒に探してみてはどうですか」
4.「Cさんの希望通り、警察に通報してはどうですか」
5.「Cさんに認知症(dementia)であることを説明してはどうですか」
解答と解説
■解答
3.「Cさんと一緒に探してみてはどうですか」
■解説
1.(×)興奮を抑える目的で抗精神病薬などが処方されることもありますが、BPSD(認知症の行動・心理症状)においては、関わり方を変えることで症状が軽減されるケースが多くみられます。
2.(×)Cさんの夫が相談したいのは「興奮するCさんへの対応」であるため、在宅における対応方法を助言するべきです。
3.(○)もの盗られ妄想がみられるため、Cさんの言動を否定せずに一緒に探してみることで、不安や混乱を軽減できると考えられます。
4.(×)もの盗られ妄想による発言であり、警察に通報しても問題解決にはつながりません。
5.(×)興奮している状態のCさんに認知症であると伝えても、理解できずに混乱をきたすばかりです。
ささえるラボ編集部です。
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