第36回介護福祉士国家試験 対策問題(総合問題)11
■問題
次の事例を読んで答えなさい。
〔事例〕
Eさん(35歳、男性)は、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)があり、V障害者支援施設の生活介護と施設入所支援を利用している。Eさんは、毎日のスケジュールを決め、規則や時間を守ってプログラムに参加しているが、周りの人や物事に関心が向かず、予定外の行動や集団行動はとりづらい。コミュニケーションは、話すよりも絵や文字を示したほうが伝わりやすい。
Eさんが利用するV障害者支援施設では、就労継続支援事業も行っている。災害が起こったときに様々な配慮が必要な利用者がいるため、施設として防災対策に力を入れている。また、通所している利用者も多いので、V障害者支援施設は市の福祉避難所として指定を受けている。
V障害者支援施設では定期的に災害に備えた避難訓練を行っている。
Eさんの特性を考慮して実施する避難訓練に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.災害時に使用する意思伝達のイラストを用意する。
2.避難生活を想定して、食事等の日課を集団で行えるようにする。
3.予告せずに避難訓練を行う。
4.Eさんの避難訓練は単独で行う。
5.避難を援助する人によってEさんへの対応を変える。
解答と解説
■解答
1.災害時に使用する意思伝達のイラストを用意する。
■解説
1.(○)コミュニケーションは話すよりも絵や文字を示した方が伝わりやすいという情報から、災害時に使用する意思伝達のイラストを用意しておくことが最も適切だと考えられます。
2.(×)集団行動がとりづらいEさんに適した訓練とはいえません。
3.(×)予定外の行動はとりづらいという特性があるため、Eさんに適した訓練とはいえません。
4.(×)V障害者支援施設は通所している利用者が多く、市の福祉避難所として指定を受けていることから、有事の際に単独での避難は困難であると考えられます。
5.(×)規則や時間を守るという特性を持つEさんに対しては、避難訓練の際にも一定の決まった対応をとることが適切です。
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