第36回介護福祉士国家試験 対策問題(総合問題)12
■問題
次の事例を読んで答えなさい。
〔事例〕
Eさん(35歳、男性)は、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)があり、V障害者支援施設の生活介護と施設入所支援を利用している。Eさんは、毎日のスケジュールを決め、規則や時間を守ってプログラムに参加しているが、周りの人や物事に関心が向かず、予定外の行動や集団行動はとりづらい。コミュニケーションは、話すよりも絵や文字を示したほうが伝わりやすい。
Eさんが利用するV障害者支援施設では、就労継続支援事業も行っている。災害が起こったときに様々な配慮が必要な利用者がいるため、施設として防災対策に力を入れている。また、通所している利用者も多いので、V障害者支援施設は市の福祉避難所として指定を受けている。
V障害者支援施設が、災害発生に備えて取り組む活動として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.事前に受け入れ対象者を確認しておく。
2.災害派遣医療チーム(DMAT)と支援人員確保契約を結ぶ。
3.職員の役割分担は、状況に応じてその場で決める。
4.要配慮者のサービス等利用計画を作成する。
5.要配慮者に自分で避難するように促す。
解答と解説
■解答
1.事前に受け入れ対象者を確認しておく。
■解説
1.(○)V障害者支援施設は市の福祉避難所として指定を受けているため、有事の際には一般の避難所では避難生活が困難な要配慮者(高齢者、障害者、乳幼児など)を受け入れることになります。ガイドラインにおいて、福祉避難所は事前に受け入れ対象者を確認し、人数や現況を把握しておくことが望ましいとされています。
2.(×)災害派遣医療チーム(DMAT)は、被災地となった都道府県の要請に基づいて派遣されます。
3.(×)事前に職員の役割分担を行い、各自が迷いなく行動できるよう準備しておきます。
4.(×)サービス等利用計画は、障害者が自立した生活を送るために利用するサービスを計画したものです。災害時に備えては、災害時個別支援計画を作成することが適切です。
5.(×)要配慮者とは、災害時に自分で身を守ることが困難で、支援が必要となる人(高齢者、障害者、乳幼児など)を指します。
ささえるラボ編集部です。
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