■本日のお悩み
ケアマネとして働きだして2年が経ちますが、サービス担当者会議の進行が苦手です。話の長い方がいらっしゃったり論点がずれてしまうと、どうすればいいかわからなくなります。
脱線してしまった時など、どのように対応したらいいでしょうか。
話を遮るのも気が引けてしまいます。
■執筆者/専門家
ゆりかごホールディングス株式会社 代表取締役 株式会社ゆりかご 代表取締役 茨城県訪問介護協議会 副会長 茨城県難病連絡協議会 委員 水戸在宅ケアネットワーク 世話人 茨城県介護支援専門員協会 水戸地区会幹事 茨城県訪問看護事業協議会 監事 水戸市地域包括支援センター運営協議会 委員 水戸市地域自立支援協議会全体会 委員 介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント 日本社会事業大学大学院 福祉マネジメント研究科 在籍中 介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士・看護師・介護支援専門員・相談支援専門員・FP2級
サービス担当者会議には、様々な人たちが参加します。
介護保険事業所の職員だけでなく、家族、ご友人、地域の方、ボランティアの方といったインフォーマルサポートを担う人たちの参加もできるだけ求めましょうとも言われています。※1
サービス担当者会議の本質的な目的は「背景の違う多種多様な人たちを集め、チーム結成すること」と私は考えています。 複数名の集団でいうと「グループ」もありますが、グループとチームの違いを理解することが、サービス担当者会議の本質的な目的の理解には欠かせないでしょう。
※1出典:2訂/介護支援専門員研修テキスト介護支援専門員専門研修課程Ⅱ 一般社団法人日本介護支援専門員協会 P.362
サービス担当者会議は「チーム結成会議」である
■会議開催の目的と時間制限を事前にアナウンスしよう
1.長期目標と短期目標について
2.役割分担について相互で確認する
この2点に関して議論を進めますので、会議時間〇分内で終わるようにご協力をよろしくお願いいたします。
そのように進行することで、サービス担当者会議を通して、「集まっているだけのグループ」から「目標や役割分担等を認識することで、チームになっていく」という工程を歩むことができるためです。
チームとグループの違いとは?
1.達成すべき目標がある
2.メンバーに果たすべき役割が割り振られる
3.メンバーは互いに協力し、依存し合う
4.メンバーとそれ以外の境界が明瞭である
※2 出典:現場で役立つ介護・福祉リーダーのためのチームマネジメント 中央法規出版 P.4ー5
上記は、チームの定義となりますが一方でグループは「共通の目標がない集団」を意味します。
サービス担当者会議を通して、グループがチームになっていくという工程をイメージできれば幸いです。
■サービス担当者会議の進行例と事前準備の重要性
さらに、そこには「会議の流れ」を記載しておいてもいいかもしれません。
例えば、ゴールが「ケアプランの目標設定や役割分担について妥当性を評価する」とします。
その場合まず、「1.目標について」と記載しておきます。
さらに、目標を確認するためには、「現状とニーズの差」を考える必要があるため「1-1.本人の意向の確認」、「1-2.現在の心身の状況」、「1-3.本人の意向を叶えるために必要なもの、時間について」と記載しておき、どのテーマについて話し合いをしているかという時間軸を見える化しておくと良いと思います。
さらには、進行に慣れるまではご自分の手元の資料には、各時間配分を記載しておき、タイムキーパーをできるようにしておくと、よりスムーズな進行に繋がるでしょう。
1.目標について[30分]
1-1.本人の意向の確認 …本人3分+整合性確認1分
1-2.現在の心身の状況 …参加者からの意向で10分 ※参加人数が5名の場合ひとり2分
1-3.本人の意向を叶えるために必要なもの、時間について …フリートーク10分+まとめ3分
このように、事前に参加者にわかりやすい書類を提示しておくことや会議のタイムスケジュールを会議の流れとともに、事前に設計しておくことをお勧めします。
進行がうまくいかない、会議時間が大幅に超過するということは、多くがケアマネジャーの事前の準備不足ということが多いと感じます。ぜひ、事前準備にしっかりと時間をかけてみてください。
■事前準備があれば、言いにくいことも伝えやすい
「そろそろ次の議題に行かないと会議のゴールにたどり着かないかもしれませんので、このあたりで一旦、次の話題に移らせていただいてもよろしいでしょうか?」等と声掛けするのも、事前に資料を配布しておくと、会議の進捗と現在時間を共通認識できるためスムーズに伝えられるでしょう。
さらに、論点がズレているときも、
「非常に興味深いお話ではありますが、今日はまず、今回の会議の目的にある○○について確認をさせていただきたいので、一度話題を○○に戻させていただいてもよろしいでしょうか?」と、事前資料を確認しながら行えると思いますので良いと思います。
また、事前に資料を配布しておくと、ケアマネジャーが話さなくても、参加者の人たちから、話を本題に戻そうとするような動きもあると思います。
そのため、事前資料による会議についての共通認識しやすいように事前準備をしておくことは有効だと考えます。
方法は様々ですので、状況に合わせて対応していくしかありませんが、会議の目的とゴール、制限時間を参加者に、共通認識を持ってもらう努力をすれば、今よりはお悩みの内容を改善できるかもしれませんので、ぜひお試しいただければと思います。
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ゆりかごホールディングス株式会社 代表取締役
株式会社ゆりかご 代表取締役
茨城県訪問介護協議会 副会長
茨城県難病連絡協議会 委員
水戸在宅ケアネットワーク 世話人
茨城県介護支援専門員協会 水戸地区会幹事
茨城県訪問看護事業協議会 監事
水戸市地域包括支援センター運営協議会 委員
水戸市地域自立支援協議会全体会 委員
介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント
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