■
次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Eさん(34歳、女性、障害支援区分3)は、特別支援学校の高等部を卒業後、週2回、生活介護を利用しながら自宅で生活している。Eさんはアテトーゼ型(athetosis)の脳性麻痺(のうせいまひ)(cerebral palsy)で不随意運動があり、首を振る動作が見られる。 食事は首の動きに合わせて、自助具を使って食べている。食事中は不随意運動が強く、食事が終わると、「首が痛い、しびれる」と言ってベッドに横になるときがある。 また、お茶を飲むときは取っ手つきのコップで飲んでいるが、コップを口元に運ぶまでにお茶がこぼれるようになってきた。日頃から自分のことは自分でやりたいと考えていて、お茶が上手に飲めなくなってきたことを気にしている。 Eさんは、生活介護事業所で油絵を描くことを楽しみにしている。以前から隣町の油絵教室に通い技術を高めたいと話していた。そこでEさんは、「自宅から油絵教室に通うときの介助をお願いするにはどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。 Eさんがお茶を飲むときの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.吸い飲みに変更する。 2.ストローつきコップに変更する。 3.重いコップに変更する。 4.コップを両手で持つように伝える。 5.全介助を行う。
■
■
「お茶を飲むときは取っ手つきのコップで飲んでいるが、コップを口元に運ぶまでにお茶がこぼれるようになってきた」という状況を踏まえて回答します。 1.(×)吸い飲みに変更しても、口元に運ぶまでにこぼれてしまう可能性が高いです。 2.(○)ストローつきコップに変更すれば、コップそのものを口元に運ぶ必要がなく、Eさんの課題に対処できると考えられます。 3.(×)重いコップでは、口元に運ぶまでにこぼれる可能性がより高まるといえます。 4.(×)コップを両手で持っても、不随意運動の影響は避けられません。 5.(×)「自分のことは自分でやりたい」というEさんの意思に反する対応です。
■
次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Eさん(34歳、女性、障害支援区分3)は、特別支援学校の高等部を卒業後、週2回、生活介護を利用しながら自宅で生活している。Eさんはアテトーゼ型(athetosis)の脳性麻痺(のうせいまひ)(cerebral palsy)で不随意運動があり、首を振る動作が見られる。 食事は首の動きに合わせて、自助具を使って食べている。食事中は不随意運動が強く、食事が終わると、「首が痛い、しびれる」と言ってベッドに横になるときがある。 また、お茶を飲むときは取っ手つきのコップで飲んでいるが、コップを口元に運ぶまでにお茶がこぼれるようになってきた。日頃から自分のことは自分でやりたいと考えていて、お茶が上手に飲めなくなってきたことを気にしている。 Eさんは、生活介護事業所で油絵を描くことを楽しみにしている。以前から隣町の油絵教室に通い技術を高めたいと話していた。そこでEさんは、「自宅から油絵教室に通うときの介助をお願いするにはどうしたらよいか」と介護福祉職に相談した。 介護福祉職は、Eさんが隣町の油絵教室に通うことができるようにサービスを提案したいと考えている。 次のうち、Eさんが利用するサービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.自立生活援助 2.療養介護 3.移動支援 4.自立訓練 5.同行援護
■
■
選択肢の中で移動を支援するサービスは、移動支援と同行援護です。このうち同行援護は、視覚障害のために移動が困難な人の外出に同行し、移動に必要な情報の提供や安全の確保を提供する障害福祉サービスであり、Eさんにはマッチしません。移動支援は、単独では外出困難な障害者が、社会生活上必要不可欠な外出、余暇活動や社会参加のための外出をする際に、ガイドヘルパーの支援を受けられる障害福祉サービスです。Eさんの状態やニーズにマッチするサービスだといえます。 よって、1.(×)、2.(×)、3.(○)、4.(×)、5.(×)、となります。
■
次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Fさん(20歳、男性)は、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)と重度の知的障害があり、自宅で母親(50歳)、姉(25歳)と3人で暮らしている。 Fさんは生活介護事業所を利用している。事業所では比較的落ち着いているが、自宅に帰ってくると母親に対してかみつきや頭突きをすることがあった。また、自分で頭をたたくなどの自傷行為もたびたび見られる。 仕事をしている母親に代わり、小さい頃から食事や排泄(はいせつ)の介護をしている姉は、これまでFさんの行動を止めることができていたが、最近ではからだが大きくなり力も強くなって、母親と協力しても止めることが難しくなっていた。 家族で今後のことを考えた結果、Fさんは障害者支援施設に入所することになった。 次のうち、Fさんが自宅に帰ってきたときの状態に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.学習障害 2.注意欠陥多動性障害 3.高次脳機能障害 4.強度行動障害 5.気分障害
■
■
「母親に対してかみつきや頭突きをする」「自分で頭をたたくなどの自傷行為もたびたび見られる」というエピソードから、強度行動障害であると考えられます。強度行動障害は自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害)の症状の一つで、他害や自傷など危険を伴う行為が高頻度で出現します。強度行動障害は、自身の障害特性(興味関心の偏りなど)が環境とうまくかみ合わず、他人に対する嫌悪感や不信感が高まることで問題行動が起こるとされています。 よって、1.(×)、2.(×)、3.(×)、4.(○)、5.(×)、となります。
■
次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Fさん(20歳、男性)は、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)と重度の知的障害があり、自宅で母親(50歳)、姉(25歳)と3人で暮らしている。 Fさんは生活介護事業所を利用している。事業所では比較的落ち着いているが、自宅に帰ってくると母親に対してかみつきや頭突きをすることがあった。また、自分で頭をたたくなどの自傷行為もたびたび見られる。 仕事をしている母親に代わり、小さい頃から食事や排泄(はいせつ)の介護をしている姉は、これまでFさんの行動を止めることができていたが、最近ではからだが大きくなり力も強くなって、母親と協力しても止めることが難しくなっていた。 家族で今後のことを考えた結果、Fさんは障害者支援施設に入所することになった。 Fさんが入所してからも月1、2回は、姉が施設を訪ね、Fさんの世話をしている。 ある日、担当の介護福祉職が姉に声をかけると、「小学生の頃から、学校が終わると友だちと遊ばずにまっすぐ家に帰り、母親に代わって、弟の世話をしてきた。今は、弟を見捨てたようで、申し訳ない」などと話す。 介護福祉職の姉への対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.「これからもFさんのお世話をしっかり行ってください」 2.「Fさんは落ち着いていて、自傷他害行為があるようには見えませんね」 3.「お姉さんは、小さい頃からお母さんの代わりをしてきたのですね」 4.「訪問回数を減らしてはどうですか」 5.「施設入所を後悔しているのですね。もう一度在宅ケアを考えましょう」
■
3.「お姉さんは、小さい頃からお母さんの代わりをしてきたのですね」
■
1.(×)これまでの姉の頑張りを認め、労わるような声かけが望まれます。 2.(×)どう見えていようが、Fさんの実際の行動とは異なる内容であり、不適切です。 3.(○)Fさんの世話をしっかり行ってきて、それでも「弟を見捨てたようで、申し訳ない」と話している姉に対して、これまでの頑張りを認め、寄り添いと共感を示す声かけとなっています。 4.(×)姉の思いに寄り添った対応ではありません。 5.(×)今後のケアの方針よりも、まずは姉に寄り添うことが求められます。
■
次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Fさん(20歳、男性)は、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)と重度の知的障害があり、自宅で母親(50歳)、姉(25歳)と3人で暮らしている。 Fさんは生活介護事業所を利用している。事業所では比較的落ち着いているが、自宅に帰ってくると母親に対してかみつきや頭突きをすることがあった。また、自分で頭をたたくなどの自傷行為もたびたび見られる。 仕事をしている母親に代わり、小さい頃から食事や排泄(はいせつ)の介護をしている姉は、これまでFさんの行動を止めることができていたが、最近ではからだが大きくなり力も強くなって、母親と協力しても止めることが難しくなっていた。 家族で今後のことを考えた結果、Fさんは障害者支援施設に入所することになった。 Fさんが施設に入所して1年が経った。介護福祉職は、Fさん、母親、姉と共にこれまでの生活と支援を振り返り、当面、施設で安定した生活が送れるように検討した。 次のうち、Fさんの支援を修正するときに利用するサービスとして、正しいものを1つ選びなさい。
1.地域定着支援 2.計画相談支援 3.地域移行支援 4.基幹相談支援 5.基本相談支援
■
■
計画相談支援は、市町村から指定を受けた「指定特定相談支援事業者」が、障害福祉サービスや地域相談支援を利用する障害者に対して提供するものです。サービス等利用計画を作成したり、定められた期間ごとに検証してサービス等利用計画の見直しを行ったりすることができます。Fさんの支援を修正するときに利用するサービスとして、最も適切です。 よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、5.(×)、となります。
■
次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Cさん(59歳、男性)は、妻(55歳)と二人暮らしであり、専業農家である。Cさんはおとなしい性格であったが、最近怒りやすくなったと妻は感じていた。Cさんは毎日同じ時間に同じコースを散歩している。ある日、散歩コースの途中にあり、昔からよく行く八百屋から、「Cさんが代金を支払わずに商品を持っていった。今回で2回目になる。お金を支払いにきてもらえないか」と妻に連絡があった。妻がCさんに確認したところ、悪いことをした認識がなかった。心配になった妻がCさんと病院に行くと、前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)と診断を受けた。妻は今後同じようなことが起きないように、Cさんの行動を常に見守り、外出を制限したが、疲労がたまり、今後の生活に不安を感じた。そこで、地域包括支援センターに相談し、要介護認定の申請を行い、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。 Cさんが八百屋でとった行動から考えられる状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.脱抑制 2.記憶障害 3.感情失禁 4.見当識障害 5.遂行機能障害
■
■
前頭側頭型認知症は、大脳の前頭葉や側頭葉が萎縮して神経変性を起こすことで生じるタイプの認知症で、他の認知症では生じにくい特徴的な症状を呈します。脱抑制はその一つで、礼節や社会通念が欠落し、自己本位的な行動や反社会的行動(万引きや盗食など)を見せるようになります。その他、常同行動(同じ行為を繰り返す)、感情鈍麻(感情の動きが鈍くなり、他人に共感できなくなる)、自発性の低下(自身や周囲に対して無関心になる)なども前頭側頭型認知症の症状として知られています。 よって、1.(○)、2.(×)、3.(×)、4.(×)、5.(×)、となります。
■
次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Cさん(59歳、男性)は、妻(55歳)と二人暮らしであり、専業農家である。Cさんはおとなしい性格であったが、最近怒りやすくなったと妻は感じていた。Cさんは毎日同じ時間に同じコースを散歩している。ある日、散歩コースの途中にあり、昔からよく行く八百屋から、「Cさんが代金を支払わずに商品を持っていった。今回で2回目になる。お金を支払いにきてもらえないか」と妻に連絡があった。妻がCさんに確認したところ、悪いことをした認識がなかった。心配になった妻がCさんと病院に行くと、前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)と診断を受けた。妻は今後同じようなことが起きないように、Cさんの行動を常に見守り、外出を制限したが、疲労がたまり、今後の生活に不安を感じた。そこで、地域包括支援センターに相談し、要介護認定の申請を行い、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。 Cさんの介護保険制度の利用に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1.介護保険サービスの利用者負担割合は1割である。 2.介護保険料は特別徴収によって納付する。 3.要介護認定の結果が出る前に介護保険サービスを利用することはできない。 4.要介護認定の利用者負担割合は2割である。 5.介護保険サービスの費用はサービスの利用回数に関わらず定額である。
■
1.介護保険サービスの利用者負担割合は1割である。
■
1.(○)Cさんは59歳であることから第2号被保険者であり、その介護保険サービス利用者負担割合は1割となります。なお、65歳以上の第1号被保険者の場合は、所得に応じて1~3割となります。 2.(×)第2号被保険者の介護保険料は、医療保険の保険料と一緒に徴収されます。特別徴収(年金からの天引き)の対象となるのは第1号被保険者です。 3.(×)要介護認定の効力は申請日にさかのぼって発揮されるので、要介護認定の結果が出る前に介護保険サービスを利用することは可能です。 4.(×)要介護認定を受けるための利用者負担は生じません。 5.(×)介護保険サービスの費用は、サービス利用回数により異なります。
■
次の事例を読んで答えなさい。 〔事 例〕 Cさん(59歳、男性)は、妻(55歳)と二人暮らしであり、専業農家である。Cさんはおとなしい性格であったが、最近怒りやすくなったと妻は感じていた。Cさんは毎日同じ時間に同じコースを散歩している。ある日、散歩コースの途中にあり、昔からよく行く八百屋から、「Cさんが代金を支払わずに商品を持っていった。今回で2回目になる。お金を支払いにきてもらえないか」と妻に連絡があった。妻がCさんに確認したところ、悪いことをした認識がなかった。心配になった妻がCさんと病院に行くと、前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)と診断を受けた。妻は今後同じようなことが起きないように、Cさんの行動を常に見守り、外出を制限したが、疲労がたまり、今後の生活に不安を感じた。そこで、地域包括支援センターに相談し、要介護認定の申請を行い、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。 その後、妻に外出を制限されたCさんは不穏となった。困った妻が訪問介護員(ホームヘルパー)に相談したところ、「八百屋に事情を話して事前にお金を渡して、Cさんが品物を持ち去ったときは、渡したお金から商品代金を支払うようにお願いしてはどうか」とアドバイスを受けた。 訪問介護員が意図したCさんへの関わりをICF(International Classification of Functioning, Disability and Health:国際生活機能分類)に当てはめた記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.個人因子への影響を意図して、健康状態に働きかける。 2.健康状態への影響を意図して、心身機能に働きかける。 3.活動への影響を意図して、身体構造に働きかける。 4.参加への影響を意図して、環境因子に働きかける。 5.環境因子への影響を意図して、個人因子に働きかける。
■
4.参加への影響を意図して、環境因子に働きかける。
■
1.(×)「八百屋」という環境因子に働きかけています。 2.(×)「認知症」という健康状態や「脱抑制」という心身機能障害を考慮して、「八百屋」という環境因子に働きかけています。 3.(×)身体構造に働きかけているわけではありません。 4.(○)訪問介護員のアドバイスは、Cさんの健康状態や心身機能障害を踏まえ、「八百屋に事情を話して事前にお金を渡しておく」という方法で「八百屋」という環境因子に働きかけています。そして、この働きかけは「八百屋で買い物が続けられるようにする」という参加への影響を意図しているといえます。 5.(×)「認知症」という健康状態や「脱抑制」という心身機能障害を考慮して、「八百屋」という環境因子に働きかけています。
\あなたにぴったりの求人が見つかる/
「介護職員」の求人を見る
いいね!と思ったらシェアしよう!
ささえるラボ編集部です。
福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします!
「マイナビ福祉・介護のシゴト」が運営しています。