第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(コミュニケーション技術)

第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(コミュニケーション技術)

第36回 介護福祉士国家試験の試験科目【コミュニケーション技術】の過去問と解説を用意しました。 力試しや国試対策にご利用ください。


\あなたにぴったりの求人が見つかる/
「介護職員」の求人を見る

第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(コミュニケーション技術)

問題1

Cさん(85歳、女性、要介護3)は、介護老人保健施設に入所しており、軽度の難聴がある。数日前から、職員は感染症対策として日常的にマスクを着用して勤務することになった。
ある日、D介護福祉職がCさんの居室を訪問すると、「孫が絵を描いて送ってくれたの」と笑いながら絵を見せてくれた。D介護福祉職はCさんの言動に共感的理解を示すために、意図的に非言語コミュニケーションを用いて対応した。
このときのD介護福祉職のCさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.「よかったですね」と紙に書いて渡した。
2.目元を意識した笑顔を作り、大きくうなずいた。
3.「お孫さんの絵が届いて、うれしかったですね」と耳元で話した。
4.「私もうれしいです」と、ゆっくり話した。
5.「えがとてもじょうずです」と五十音表を用いて伝えた。

解答

2.目元を意識した笑顔を作り、大きくうなずいた。

解説

1.(×)文字を介した方法は、非言語コミュニケーションではなく言語コミュニケーションに含まれます。
2.(○)マスクを着用しているので目元を意識した笑顔を作り、Cさんの笑顔に応じて共感を示す、適切な非言語コミュニケーションだといえます。
3.(×)言葉で伝えているので言語コミュニケーションとなります。また、感染症対策の観点からリスクがあるといえます。
4.(×)言葉で伝えているので言語コミュニケーションとなります。
5.(×)五十音表を介した方法は、非言語コミュニケーションではなく言語コミュニケーションに含まれます。

問題2

Fさん(70歳、女性)は、最近、抑うつ状態(depressive state)にあり、ベッドに寝ていることが多く、「もう死んでしまいたい」とつぶやいていた。
Fさんの発言に対する、介護福祉職の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.「落ちこんだらだめですよ」
2.「とてもつらいのですね」
3.「どうしてそんなに寝てばかりいるのですか」
4.「食堂へおしゃべりに行きましょう」
5.「元気を出して、頑張ってください」

解答

2.「とてもつらいのですね」

解説

1.(×)否定的な言葉をかけると、抑うつ状態を悪化させるおそれがあります。
2.(○)Fさんの置かれた立場に寄り添い、共感的な言葉をかけることが適切です。
3.(×)叱責するような言葉をかけると、抑うつ状態を悪化させるおそれがあります。
4.(×)まずは受容と共感から入るべきであり、食堂へ誘うにしてもFさんの精神的状況や意向を確認してからの話です。
5.(×)どうしても元気が出ず、頑張れない状態なのであり、励ます言葉は逆効果になりかねません。

問題3

Gさん(70歳、女性、要介護1)は、有料老人ホームに入居していて、網膜色素変性症(retinitis pigmentosa)による夜盲がある。ある日の夕方、Gさんがうす暗い廊下を歩いているのをH介護福祉職が発見し、「Hです。大丈夫ですか」と声をかけた。Gさんは、「びっくりした。見えにくくて、わからなかった…」と暗い表情で返事をした。
このときのGさんに対するH介護福祉職の受容的な対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.「驚かせてしまいましたね。一緒に歩きましょうか」
2.「明るいところを歩きましょう。電気をつけたほうがいいですよ」
3.「見えにくくなってきたのですね。一緒に点字の練習を始めましょう」
4.「白杖(はくじょう)があるかを確認しておきます。白杖を使うようにしましょう」
5.「暗い顔をしないでください。頑張りましょう」

解答

1.「驚かせてしまいましたね。一緒に歩きましょうか」

解説

1.(○)Gさんの気持ちに寄り添うとともに、うす暗い廊下を歩く際の安全確保も企図した対応であり、最も適切だといえます。
2.(×)うす暗いところを急に明るくすると、夜盲症の人は通常以上にまぶしさを感じてしまいます。
3.(×)視力を失っているわけではないGさんに点字の練習を勧めることは、「そのうちに視力を失う」と伝えるようなものです。
4.(×)Gさんは視覚障害者ではないので、白杖は必要ありません。
5.(×)不用意な励ましは、Gさんにプレッシャーを与えることになりかねません。

\あなたにぴったりの求人が見つかる/
「介護職員」の求人を見る

この記事のライター

ささえるラボ編集部です。
福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします!

「マイナビ福祉・介護のシゴト」が運営しています。

関連する投稿


介護福祉士の平均年収は?給料を上げる方法や処遇改善の動きも解説!

介護福祉士の平均年収は?給料を上げる方法や処遇改善の動きも解説!

介護福祉士の資格を取得すると、知識やスキルが高まるほか、年収アップにつながるといわれています。介護福祉士の給料事情をはじめ、さらに収入を上げる方法や介護福祉士になるメリット、処遇改善の動きについて解説します。


第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(人間の尊厳と自立)

第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(人間の尊厳と自立)

第36回 介護福祉士国家試験の試験科目【人間の尊厳と自立】の過去問と解説を用意しました。 力試しや国試対策にご利用ください。


第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(社会の理解)

第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(社会の理解)

第36回 介護福祉士国家試験の試験科目【社会の理解】の過去問と解説を用意しました。 力試しや国試対策にご利用ください。


第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(人間関係とコミュニケーション)

第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(人間関係とコミュニケーション)

第36回 介護福祉士国家試験の試験科目【人間関係とコミュニケーション】の過去問と解説を用意しました。 力試しや国試対策にご利用ください。


第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(介護の基本)

第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(介護の基本)

第36回 介護福祉士国家試験の試験科目【介護の基本】の過去問と解説を用意しました。 力試しや国試対策にご利用ください。


マイナビ福祉・介護のシゴト 閲覧ランキング
【北海道・東北】
【関東・甲信越】
【北陸・東海】
【関西・中四国】
【九州・沖縄】

最新の投稿


介護職で新人教育担当に!新人職員、Z世代、年上の部下への声かけの例やポイントを紹介します!

介護職で新人教育担当に!新人職員、Z世代、年上の部下への声かけの例やポイントを紹介します!

年次を重ね、教育担当や指導担当になり、心配な方も多いのではないでしょうか。また近年、Z世代との向き合い方が課題とされていたり、介護業界に多い年上の部下との付き合い方もやはり気になるのでは。この記事では、新人教育担当になった方にむけて、声かけの具体例やポイントなどを専門家が徹底解説します!【執筆者/専門家:伊藤 浩一】


介護ドライバーとは?必要な資格や給与事情、仕事内容を徹底解説

介護ドライバーとは?必要な資格や給与事情、仕事内容を徹底解説

介護ドライバーとはデイサービスなどで利用者さんの送迎を行う運転手のことです。似た職種の介護タクシードライバーなどと混在されがちですが、必要な資格や業務内容などに違いがあります。この記事では、介護ドライバーとはどのような職種なのかであったり、具体的な仕事内容、給与事情、給与アップの方法などについて解説します。


生活支援員とは?仕事内容や給料事情、なり方について解説!

生活支援員とは?仕事内容や給料事情、なり方について解説!

障害者福祉施設で、利用者の生活をさまざまな形でサポートする生活支援員。無資格・未経験でも採用してもらえるケースが多く、他業種から転職しやすい職種です。主な仕事内容や平均給与など、生活支援員に関する基礎知識を解説します。


第144話 「質が大事」/ほっこり介護マンガ

第144話 「質が大事」/ほっこり介護マンガ

「介護職員・並木マイの ほっこり成長日記 ~転職して、介護の仕事はじめました~」 保険会社から介護の仕事に転職した、並木マイさん(31歳)の成長と 介護現場のあるあるを描く、ほっこり癒し系マンガ! 休憩時間、このマンガを読んだあなたが クスっと笑えてちょっと癒され、ほっこりした気持ちになれますように。


介護現場で活かせるコーチングとは?コーチングの活用方法やポイントを解説します!

介護現場で活かせるコーチングとは?コーチングの活用方法やポイントを解説します!

人材不足が問題視されている介護業界において、コミュニケーションはストレス軽減や、ケアの質の向上においてより重要となってきています。この記事では、コーチングのポイントや、そもそもコーチングとティーチングは異なるのか、介護現場ではどのように実践すればよいのかなどを専門家が解説します。【執筆者/専門家:後藤 晴紀】


マイナビ福祉・介護のシゴト
「マイナビ福祉・介護のシゴト」は、福祉・介護職に特化した中途、パート向け求人サイトです。
介護職をはじめ、福祉・介護業界に関連する職種の求人を掲載しています。
本当に自分にあった施設や事業所を、ご自身で手軽に探すことができるよう職場の雰囲気がリアルに伝わる情報を用意することで、適切なマッチングを実現していきます。
【職種から求人・転職情報を探す】