第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(社会の理解)

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第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(社会の理解)

問題1

特定非営利活動法人(NPO法人)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.社会福祉法に基づいて設置される。
2.市町村が認証する。
3.保健、医療又は福祉の増進を図る活動が最も多い。
4.収益活動は禁じられている。
5.宗教活動を主たる目的とする団体もある。

解答

3.保健、医療又は福祉の増進を図る活動が最も多い。

解説

1.(×)特定非営利活動法人は、特定非営利活動促進法に基づいて設置されます。
2.(×)特定非営利活動法人の所轄庁は、その主たる事務所が所在する都道府県の知事または指定都市の長です。
3.(○)「保健、医療又は福祉の増進を図る活動」が全体の半数以上を占めています。他に「社会教育の推進を図る活動」「まちづくりの推進を図る活動」「学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動」などがあります。
4.(×)特定非営利活動法人は、その行う特定非営利活動に係る事業に支障がない限り、当該特定非営利活動に係る事業以外の事業で収益を求めることができます。
5.(×)「宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと」とされています。

問題2

社会福祉基礎構造改革に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1.社会福祉法が社会福祉事業法に改正された。
2.利用契約制度から措置制度に変更された。
3.サービス提供事業者は、社会福祉法人に限定された。
4.障害福祉分野での制度改正は見送られた。
5.判断能力が不十分な者に対する地域福祉権利擁護事業が創設された。

解答

5.判断能力が不十分な者に対する地域福祉権利擁護事業が創設された。

解説

社会福祉基礎構造改革は、社会福祉へのニーズの拡大・多様化に対応するため、従来の社会福祉に関する共通基盤を大幅に見直した、2000年から行われた一連の改革です。
1.(×)社会福祉事業法が社会福祉法に改正されました。
2.(×)行政が一方的に福祉サービスを給付する措置制度から利用契約制度に変更されました。
3.(×)社会福祉法人だけでなく、株式会社やNPO法人などもサービス提供事業者として認められるようになりました。
4.(×)障害福祉分野も含めて制度改正が行われました。
5.(○)認知症などで判断能力が不十分な者に対する地域福祉権利擁護事業が創設され、その後、日常生活自立支援事業と名称を変えて現在に続いています。

問題3

「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

(注)「障害者差別解消法」とは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。

1.法の対象者は、身体障害者手帳を交付された者に限定されている。
2.合理的配慮は、実施するときの負担の大小に関係なく提供する。
3.個人による差別行為への罰則規定がある。
4.雇用分野での、障害を理由とした使用者による虐待の禁止が目的である。
5.障害者基本法の基本的な理念を具体的に実施するために制定された。

解答

5.障害者基本法の基本的な理念を具体的に実施するために制定された。

解説

1.(×)身体障害者手帳を交付された者に限定されず、知的障害者、精神障害者、難病患者なども対象になります。
2.(×)合理的配慮は、「過度な負担にならない範囲で」提供するものとされています。
3.(×)障害者差別解消法において、個人による差別行為への罰則規定は設けられていません。
4.(×)行政機関や事業者が、障害を理由として差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害することを禁止しています。
5.(○)障害者基本法第4条(差別の禁止)を具体的に実施するために制定されました。

問題4

地域福祉において、19世紀後半に始まった、貧困地域に住み込んで実態調査を行いながら住民への教育や生活上の援助を行ったものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.世界保健機関(WHO)
2.福祉事務所
3.地域包括支援センター
4.生活協同組合
5.セツルメント

解答

5.セツルメント

解説

1.(×)世界保健機関(WHO)は、1948年に設立された国際連合の専門機関で、各国間の協調を前提として、グローバルな保健問題にリーダーシップを発揮して対処しています。
2.(×)福祉事務所は、社会福祉法第14条に規定された「福祉に関する事務所」のことで、福祉六法に定める援護、育成または更生の措置に関する事務を司っています。
3.(×)地域包括支援センターは、保健師、社会福祉士、主任介護支援専門員などのチームアプローチにより、住民の健康の保持および生活の安定のために必要な援助を行い、その保健医療の向上および福祉の増進を包括的に支援する施設です。
4.(×)生活協同組合は、同じ都道府県内に住む人々、または同じ職場に勤務する人々が、生活の安定と生活文化の向上を図るため、相互の助け合いにより自発的に組織する非営利団体です。
5.(○)19世後半のイギリスで始まった取り組みで、日本では賀川豊彦の活動が有名です。

問題5

Cさん(77歳、男性)は、60歳で公務員を定年退職し、年金生活をしている。持病や障害はなく、退職後も趣味のゴルフを楽しみながら健康に過ごしている。ある日、Cさんはゴルフ中にけがをして医療機関を受診した。
このとき、Cさんに適用される公的医療制度として、正しいものを1つ選びなさい。

1.国民健康保険
2.後期高齢者医療制度
3.共済組合保険
4.育成医療
5.更生医療

解答

2.後期高齢者医療制度

解説

1.(×)Cさんは77歳であるため、国民健康保険の被保険者にはなれません。
2.(○)75歳以上の者、あるいは65歳以上75歳未満で一定の障害があると後期高齢者医療広域連合から認定を受けた者は、後期高齢者医療制度の被保険者となります。
3.(×)共済組合保険は、公務員対象の公的医療保険制度ですが、Cさんはすでに退職しているため、被保険者にはなれません。
4.(×)育成医療は、児童福祉法第4条第2項に規定する障害児(18歳未満)で、その身体障害を除去・軽減する手術などの治療により確実に効果が期待できる者が対象となります。
5.(×)更生医療は、身体障害者福祉法第4条に規定する身体障害者で、その障害を除去・軽減する手術などの治療により確実に効果が期待できる者が対象となります。

問題6

「障害者総合支援法」に規定された移動に関する支援の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

1.移動支援については、介護給付費が支給される。
2.行動援護は、周囲の状況把握ができない視覚障害者が利用する。
3.同行援護は、危険を回避できない知的障害者が利用する。
4.重度訪問介護は、重度障害者の外出支援も行う。
5.共同生活援助(グループホーム)は、地域で生活する障害者の外出支援を行う。

解答

4.重度訪問介護は、重度障害者の外出支援も行う。

解説

1.(×)移動支援は地域生活支援事業に含まれるため、介護給付費は支給されません。
2.(×)行動援護は、知的障害または精神障害により行動上著しい困難を有し、常時介護を必要とする者が対象となります。
3.(×)同行援護は、視覚障害により移動に著しい困難を有する者が対象となります。
4.(○)重度訪問介護は、重度の肢体不自由者、知的障害者、精神障害者で常時介護を必要とする者が対象となります。自宅での介護の他、外出時における移動中の介護、入院・入所中の支援などが提供されます。
5.(×)共同生活援助(グループホーム)は、夜間に共同生活を行う住居で介護を提供するものです。

問題7

Dさん(80歳、男性、要介護2)は、認知症(dementia)がある。訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら一人暮らしをしている。
ある日、訪問介護員(ホームヘルパー)がDさんの自宅を訪問すると、近所に住むDさんの長女から、「父が、高額な投資信託の電話勧誘を受けて、契約しようかどうか悩んでいるようで心配だ」と相談された。
訪問介護員(ホームヘルパー)が長女に助言する相談先として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.公正取引委員会
2.都道府県障害者権利擁護センター
3.運営適正化委員会
4.消費生活センター
5.市町村保健センター

解答

4.消費生活センター

解説

1.(×)公正取引委員会は、独占禁止法や下請法などの執行機関です。
2.(×)都道府県障害者権利擁護センターは、障害者虐待に関する通報窓口などを担う機関です。
3.(×)運営適正化委員会は、日常生活自立支援事業における福祉サービス利用援助事業が適切に運営されているかの調査などを担う機関です。
4.(○)消費生活センターは、事業者に対する消費者の苦情や相談を受け付けるため、地方公共団体が設置する機関です。設問の事例において適切な相談先となります。
5.(×)市町村保健センターは、地域保健に関する事業を担う機関です。

問題8

災害時の福祉避難所に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1.介護老人福祉施設の入所者は、原則として福祉避難所の対象外である。
2.介護保険法に基づいて指定される避難所である。
3.医療的ケアを必要とする者は対象にならない。
4.訪問介護員(ホームヘルパー)が、災害対策基本法に基づいて派遣される。
5.同行援護のヘルパーが、災害救助法に基づいて派遣される。

解答

1.介護老人福祉施設の入所者は、原則として福祉避難所の対象外である。

解説

1.(○)福祉避難所の対象は入院・入所をしていない要配慮者であり、介護老人福祉施設の入所者については、その施設において適切な対応をすべきとされています。
2.(×)福祉避難所は、災害対策基本法による避難所の指定基準の一つとして、災害対策基本法施行令に規定されています。
3.(×)福祉避難所の対象となる要配慮者には、医療的ケアを必要とする者も含まれます。
4.(×)訪問介護員(ホームヘルパー)は、介護保険法に基づいて派遣されます。
5.(×)同行援護のヘルパーは、障害者総合支援法に基づいて派遣されます。

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