第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(障害の理解)

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第36回 介護福祉士国家試験 過去問と解説(障害の理解)

問題1

Cさん(55歳、男性)は、5年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と診断された。現在は症状が進行して、日常生活動作に介護が必要で、自宅では電動車いすと特殊寝台を使用している。
次の記述のうち、Cさんの現在の状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.誤嚥(ごえん)せずに食事することが可能である。
2.明瞭に話すことができる。
3.身体の痛みがわかる。
4.自力で痰(たん)を排出できる。
5.箸を上手に使える。

解答

3.身体の痛みがわかる。

解説

Cさんは筋萎縮性側索硬化症の診断を受けてから5年が経過しており、運動神経の障害が高度に進行していると考えられます。
1.(×)嚥下機能が障害されており、誤嚥のリスクが高いと考えられます。
2.(×)構音障害をきたしており、明瞭に話すことはできないと考えられます。
3.(○)筋萎縮性側索硬化症が進行しても、体性感覚は残存するため、身体の痛みは分かります。
4.(×)自力での痰の排出は困難です。
5.(×)箸の使用は早期から困難になります。

問題2

法定後見制度において、成年後見人等を選任する機関等として、正しいものを1つ選びなさい。

1.法務局
2.家庭裁判所
3.都道府県知事
4.市町村長
5.福祉事務所

解答

2.家庭裁判所

解説

法定後見制度は、認知症などで本人の判断能力が不十分になった場合、後見人・保佐人・補助人(本人の判断能力に応じて後見・保佐・補助の3類型がある)を決定して保護や支援を与えるものです。後見開始の審判は請求権者(本人、配偶者、4親等内の親族など)の請求に基づいて行われ、成年後見人の選任は家庭裁判所の職権により行われます。
よって、1.(×)、2.(○)、3.(×)、4.(×)、5.(×)、となります。

問題3

次のうち、ノーマライゼーション(normalization)の原理を盛り込んだ法律(いわゆる「1959年法」)を制定した最初の国として、正しいものを1つ選びなさい。

1.デンマーク
2.イギリス
3.アメリカ
4.スウェーデン
5.ノルウェー

解答

1.デンマーク

解説

ノーマライゼーションは、障害を抱えていても健常者と同様に尊重され、差別されることのない共生社会の実現をめざす理念で、デンマークのニルス・エリク・バンク=ミケルセンにより初めて提唱されました。その後、同国の「1959年法」(知的障害者福祉法)にノーマライゼーションの理念が盛り込まれ、それをスウェーデンのベングト・ニィリエが紹介したことなどを端緒として、世界中に広まっていきました。
よって、1.(○)、2.(×)、3.(×)、4.(×)、5.(×)、となります。

問題4

次の記述のうち、障害を受容した心理的段階にみられる言動として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1.障害があるという自覚がない。
2.周囲に不満をぶつける。
3.自分が悪いと悲観する。
4.価値観が転換し始める。
5.できることに目を向けて行動する。

解答

5.できることに目を向けて行動する。

解説

障害受容のプロセスは「ショック期→否認期→混乱期→努力期→受容期」の順で進むとされています。
1.(×)障害の自覚がないことは、ショック期または否認期に該当します。
2.(×)周囲に不満をぶつけることは、怒りや悲しみが自分の外へ向かう混乱期に該当します。
3.(×)自分が悪いと悲観することは、怒りや悲しみが自分の内へ向かう混乱期に該当します。
4.(×)価値観が転換し始めることは、努力期に該当します。
5.(○)受容期には、障害を受け入れ、できることに目を向けて前向きに生きようと行動し始めます。

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