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介護施設で年末年始にできるイベント|クリスマス会や忘年会の準備のポイントを解説!

介護施設で年末年始にできるイベント|クリスマス会や忘年会の準備のポイントを解説!

年末年始は、クリスマス会や忘年会などさまざまなイベントが行われる時期です。介護施設でもこれらのようなイベントを実施すると、利用者さんたちの活力を高めたり、親睦を深めたりする良い機会になります。この記事では、年末年始のイベントを企画するにあたって準備したいこと、当日取り入れられるレクリエーションなどを紹介します。【執筆者/専門家:後藤 晴紀】


目次

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本日のお悩み:クリスマス会や忘年会を介護施設で行う際の準備マニュアルを知りたい!

施設で12月にクリスマス会や忘年会などのイベントを企画したいと考えています。

利用者さんにも楽しんでもらえるイベントにしたいのですが、準備したほうがよいこと、イベント内で取り入れられそうなレクリエーション、工夫できることなどがあれば教えてください。

介護施設で「クリスマス会」や「忘年会」を企画する際のマニュアルを紹介します!

執筆者/専門家

後藤 晴紀

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/9

・けあぷろかれっじ 代表 ・NPO法人JINZEM 監事 介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士 『介護福祉は究極のサービス業』 私たちは、障がいや疾患を持ちながらも、その身を委ねてくださっているご利用者やご家族の想いに対し、人生の総仕上げの瞬間に介入するという、責任と覚悟をもって向き合うことが必要だと感じています。 目の前のご利用者に『生ききって』頂く。 私たち介護職と出会ったことで、より良き人生の総仕上げを迎えて頂ける為のサポートをさせていただく事が、私たちに課せられた使命だと思っています。

ご質問ありがとうございます。
高齢者施設でのクリスマス会や忘年会の企画は、利用者さんにとって楽しみなイベントの1つですよね!皆さんの笑顔を想像するとワクワクします!

素敵なイベントを企画できるようにイベント内で取り入れられそうなレクリエーションや参考として工夫できることなどについてお伝えしますね。
ご質問者さんだけではなく、施設でのイベントや行事を立案していくための手順(マニュアル)としてもご活用いただければ嬉しいです。

準備を進める前に必ずクリスマス会や忘年会に使用できる予算は確認しておきましょう。
予算の中でイベントを組み立てるということを前提に準備すべきこと、取り入れられそうなレクリエーション、工夫できることについて詳しく説明します。

介護施設で「クリスマス会」や「忘年会」を企画する際の手順

介護施設 クリスマス会 忘年会 イベント

1.介護職が行う「クリスマス会」や「忘年会」の準備

「クリスマス会」や「忘年会」などのイベントの実施には事前の準備が不可欠です。
準備で行っていただきたいのは以下の6つです。

1.イベントのターゲットを決めてみましょう!
2.装飾のテーマとスケジュールの決定
3.参加者の把握と招待状の作成
4.会場の装飾と準備
5.プレゼントや景品の準備
6.食事や飲み物の手配


■1.イベントのターゲットを決めてみましょう!

もちろん主役は利用者さんなのですが、利用者さんが楽しむコンテンツや、一方で利用者さんが運営側にまわり、周囲の人を楽しませるコンテンツなどを整理してみましょう。
そのために「今年は利用者さんも参加型にしよう!」という提案をされてみてもよいかと思います。

スタッフの中には、利用者さんを楽しませたいという想いを持たれているスタッフが多いと思います。
とても素敵なことですが、場合によっては、支援者側の想いの押し付けになってしまう場合があります。 忘れてはいけないのが、自立支援のケアも含めて検討していただきたいということです。

持てる能力を最大限に生かした催し物を、利用者さんが来場者に向けて提供することだって、利用者さんが楽しむということにも繋がりますね!

ー【具体例】後藤先生の施設で実施しているイベント

後藤の施設では、極力ご利用者さんが楽しませるイベントを考えています。

例えば地域交流会でも、屋台の売り子さんを利用者さんにお願いしたり、ハロウィンでは近隣の保育園の園児さんたちを招いて、利用者さんが子どもたちにお菓子を提供したりする等の工夫をしています。

具体的には、扉の先には魔女に扮した利用者さんが待っていて、『トリックオアトリート』と言って扉を開けた園児さんたちをお迎えしてお菓子を配ってくださります。

イベントが終わると、園児たちや保育園の先生方から、たくさんの笑顔と『ありがとう』を利用者さんがもらえることになります。このようなイベントの方向性ならば、ターゲットは園児の皆さんとなりますね。

地域の子どもたちを招いて、クリスマスイベントを提供するのも素敵かもしれません!
子どもたちへのプレゼント品を利用者さんと一緒に作って、プレゼントするというのも良いと思います。考えれば考えるだけアイデアが出てきますね。

ターゲットを息子さんや娘さんにするなら、イベントが終わった後に思い出の写真などを娘さんや息子さんにお手紙としてプレゼントするのもよいと思います。

ーターゲットを絞るとイベントの日時も決めやすい

話を戻すと、クリスマス定番のハンドベルを行うと企画したとしても、『利用者さんが演奏』や『利用者さんも職員も演奏』『利用者さんへ職員が演奏』など参加の形式によって計画や内容が変わってくると思いますので、どのようなイベントにしたいかを考えつつ、ターゲットを決めてみてください。

そして、上記のターゲットに応じて、開催日時も決められるかと思います。
たとえば2024年(今年)は、クリスマスイブである12月24日が火曜日です。小学校や中学校は冬休みに入っていると思いますが、利用者さんの息子さんや娘さんはお仕事の可能性が高いですね。

また、当日はすでに別の予定を入れられてしまっていると参加は難しいかもしれません。 そう考えると、少し早い21日や22日の土日に開催する方が来客者が見込まれ、多くの方にご参加いただける可能性があると思います。

時間も日中が望ましいのか夜の開催が望ましいのか検討しましょう。
息子さんや娘さんのご家族都合にも合わせられるように、後藤の施設ではあえて14時から16時の開催時間に設定することもあります。 夜はそれぞれのご家庭のクリスマスを過ごすことも可能なので、ご家族を招待しやすい時間帯です。

■2.装飾のテーマとスケジュールの決定

ー介護施設のイベントにおける装飾テーマ決め

イベントをより盛り上げるために、装飾テーマを決められるのはいかがでしょうか?

先述した後藤の施設でのハロウィンイベントの装飾は、園児の皆さんを楽しませるためにかわいいお化け屋敷にしましたよ(笑)少しだけ不気味な雰囲気づくりも意識しました。
装飾は雰囲気作りには欠かせないものとなりますが、クリスマスであれば、赤と白や緑を基調とした飾りつけやライティング、雪やプレゼントを模した飾りつけなど華やかな雰囲気を作るだけでも十分に盛り上がると思います。

100円ショップなどで材料は揃えられますが、イベント時期の直前は売り切れてしまう場合もありますので、早めにチェックしておくようにしてくださいね。

ー本番当日までのスケジュール調整

次に、重要となる本番までのスケジュール立てについては、以下のことを考えるようにしましょう。

1.準備を始める時期
2.準備物品の取りまとめ
3.誰が何を準備するか担当者決め(装飾、催し物、当日の運営etc.)
4.進捗管理のための会議日程調整
5.企画書やタイムテーブルの作成
6.催し物の練習日


計画書に関しては稟議が必要な事業所さんも多いと思いますので、早め早めの準備を進めていきましょう。 相談員さんや看護職員さんなども巻き込みながら、スタッフ一丸となって準備に関わっていくことが大切です。

■3.参加者の把握と招待状の作成

参加者の人数や特別な配慮が必要な方を把握し必要に応じて招待状を作成します。請求書に同封する形でイベント告知をしていかれてもよいかと思います。

招待状には、イベントの日時、場所、プログラム内容などを記載しましょう。

■4.会場の装飾と準備

先ほど決めたテーマに合わせて装飾を行っていきます。
気持ちを盛り上げていくためにも、当日だけではなく、12月(イベントの実施月)に入ったら装飾を始めていくと、人手や作業も分散しながら、当日に向けて効率的に装飾を華やかにしていくことができると思います!クリスマス会ならクリスマスツリーやリース、忘年会なら紅白の幕や提灯などを用意していきましょう。

また、当日の会場のレイアウトは、トイレの位置や誘導の動線なども考え、利用者さんが移動しやすいように配置を工夫してください。
こちらは、計画書内で事前に配置図を用意しておくと当日の混乱も少なく、当日までの修正も行いやすいので良いと思います。

■5.プレゼントや景品の準備

クリスマス会ではプレゼント、忘年会ではゲームの景品などを用意する場合もあります。利用者さんの好みや趣味に合わせたものを選ぶと喜ばれますが、先述した通り施設で使用できる予算の中で個別の利用者さんのプレゼントを選定すると、どうしても安価なものとなってしまうため、後藤の施設ではプレゼントはしていません。

その代わりにですが、予算は当日の飲食代に振り分けて、食べたい物を豪華なものをご用意しています。お寿司やローストチキン、アルコールなどの飲料を大量に購入しています。

ご家族へ向けてサプライズを用意する場合は、ご利用者さんとよく打ち合わせをしながら、お手紙等のプレゼントをご用意されると良いと思います。
ビンゴ大会などを開催する際には、ターゲット対象の嗜好を良く考察して、景品を購入されてみてくださいね。

■6.食事や飲み物の手配

先述した通り、特別なメニューを用意することで、イベントの楽しさが増します。

クリスマス会ならクリスマスケーキやチキン、忘年会ならおせち料理や鍋料理などが考えられますね。食事制限がある方への配慮も忘れずにですが、私の施設では看護職員も含めて『好きなものを好きなだけ。利用者さんの笑顔のために楽しんでいただく』という想いから、重篤な病状とならない(透析の利用者さんの水分量など)利用者さんについては、高血圧や塩分制限、糖尿病の方でもお食事やケーキを楽しまれています。

もちろん、これらの対応については入所時の契約の際にご家族にも説明をさせていただき、同意を得たうえでの対応となりますので、その場の判断での対応は絶対に行わないようにしてください。

2.イベント内で取り入れられそうなレクリエーション

次に、クリスマス会や忘年会で取り入れられそうなレクリエーションを紹介します。

1.合唱やカラオケ
2.落語などの娯楽をボランティアさんへ依頼
3.ビンゴ大会
4.ハンドベル演奏
5.クイズ大会
6.利用者さんのご家族へサプライズイベント
7.1年間を振り返るスライドショー

■1.合唱やカラオケ

クリスマスソングや懐かしの歌をみんなで歌う合唱やカラオケは、介護施設では定番のレクレーションの1つかもしれませんね。参加者全員が楽しめるプログラムですし、皆さんが歌っていると、自然とまわりの方も歌ってくださるので、盛り上がります。

歌詞カードを用意し、みんなで一緒に歌うことで一体感も生まれますので、馴染みのある歌を選定していきましょう。

■2.落語などの娯楽をボランティアさんへ依頼

すべてのレクを職員で補う必要はありません。介護施設のイベントは、ボランティアさんの力を最大限に発揮できる機会でもあります。

演劇やマジックショー、講談や落語など調べてみるとさまざまなボランティアさんがいらっしゃると思いますので、イベントに応じて来ていただくのもよいと思います。

■3.ビンゴ大会

少しだけ先述しましたが、ビンゴは大人数でできる定番のゲームになり、景品を工夫することでとても盛り上がります。クリスマス会ならクリスマス関連の小物、忘年会なら日用品やお菓子、嗜好品などが喜ばれると思います。

認知症の方には介助が必要な方もいらっしゃいますので、利用者さんの状態やスタッフの配置と併せて選択肢に入れていただければと思います。

■4.ハンドベル演奏

ハンドベルを使った演奏は、利用者さんにとって負担なく参加できるレクリエーションだと思います。
スタッフが演奏するだけでなく、利用者さんにも参加してもらうことで、より楽しんでもらえる定番のレクレーションでもありますね。

■5.クイズ大会

クリスマスや年末年始にちなんだクイズを出題し、みんなで楽しむクイズ大会もおすすめです! 簡単な問題から少し難しい問題まで、徐々に難易度を上げていきましょう。

ご利用者さんの状態に合わせる必要もありますが、4択問題にすると皆さんも答えやすいと思います。

■6.利用者さんのご家族へサプライズイベント

利用者さんからご家族へ、子どもの頃の思い出や、エピソードなどを手紙としてお伝えする機会は、ご家族にとってかけがえのない時間になることがあります。聞いているスタッフの方が号泣してしまうかもしれません。

■7.1年間を振り返るスライドショー

クリスマス会でも忘年会でも、どちらでも使用できるのが1年間を振り返るスライドショーです。映像に合わせて音楽編集すると、より良い一年の思い出がよみがえると思います。

是非プロジェクターなどを用いて大画面で見ていただきたいですね。

3.介護施設のイベントにおける雰囲気づくり

最後に、イベントの雰囲気づくりは楽しんでいただくために重要となります。そのポイントもお伝えします。

1.仮装をする
2.手作りの飾りつけ
3.写真撮影

■1.仮装をする

もうこれさえ着ておけば安心のサンタやトナカイの仮装です! むしろクリスマスなのに誰も着ていないと寂しいです!

職員がサンタクロースやトナカイの仮装をすることで、会場の雰囲気が一気に盛り上がりますし、利用者さんにも簡単な仮装アイテムを配布すると、より一層楽しんでもらえます。
注意が必要なのは、利用者さんへのコスチュームの着用と忘年会におけるモラルです。

判断ができないご利用者に仮装と称してコスチュームを着用させてしまうことは禁止です。 『かわいい』というキーワードは、判断ができない認知症の状態の方への不適切な発言にも繋がりますので、必ず身につける前の判断と同意は忘れないよう注意してください。

また、忘年会でも仮装をしたいとなった際に、クリスマスとは異なりイメージを持ちやすいものが少ないかと思います。不適切と思われるコスチュームなどは避けるよう、上長にも確認をとって運営していきましょう。

■2.手作りの飾りつけ

利用者さんと一緒にクリスマスツリーのオーナメントや壁飾りを手作りすることで、イベント前から楽しみが増えます。手作りの飾りは思い出にもなりますし、翌年にも使用することで、年々飾りつけが華やかになっていくと思います。

■3.写真撮影

イベントの様子を写真におさめ、後日アルバムにして利用者さんに配布するのも良いアイデアです。

写真は思い出として残り、家族との会話のきっかけにもなります。居室に飾っていつでも見れるようにしてあげると日々の活力などに繋がります。

まとめ:丁寧に準備を行うことで、素敵な思い出作りになります!

高齢者施設でのクリスマス会や忘年会は、利用者さんにとって楽しみなイベントです。 準備をしっかり行い、参加者全員が楽しめるプログラムを用意することで、素敵な思い出を作ることができますね。

職員の皆さんも一緒に楽しみながら、利用者さんにとって特別な時間を提供しましょう。
マニュアルは他のイベント等にも活用できますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
今年のクリスマスや忘年会が楽しみです!

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この記事のライター

・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事

介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士

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