本日のお悩み
グループホームに向いている人、デイに向いている人、、などその職員の普段の利用者さんとの接し方や仕事のやりかたで分かるものなのでしょうか。
私は介護士2年目で、これから自分がどういう介護をしていきたいのかまだ定まっていなくて、迷っています。
今働いているところにはないのですが、特養や老健、有料など他の施設も将来的には検討したいです。
ただ、自分がどこに向いているのか分かりません。
代表的なものだけでもいいので、向いている人の特徴や求められることなどがあれば教えてください。
法人や会社の理念で選ぶ方法も「あり」だと思います。
ご質問ありがとうございます。
自分はどの分野で働くことが向いているのか?デイサービスなのか?訪問介護か?施設サービスなのか?種別がたくさんあるしホント迷いますよね。
どんな性格の人がどんな分野が良いか?
「デイサービス」と「訪問介護」についてはこちらでお答えしましたので参考にしてください。
デイサービス?訪問?面接で資格取得をすすめられた施設に就職するか迷っています | ささえるラボ
https://mynavi-kaigo.jp/media/articles/402【回答者:伊藤 浩一】行動力も大事な強み。悩むならやってみるべし
さて今回は、特養と老健について向いている人の特徴や求められていることをご紹介します。
■特別養護老人ホームに向いている人の特徴
特養(特別養護老人ホーム)は、介護老人福祉施設とも呼ばれ、主に社会福祉法人が運営する施設です。
ご入居の対象となる方は、65歳以上で要介護3~5の認定を受け(平均介護度4以上)、自宅での介護が困難な方となります。
また、社会福祉法人が運営する特徴として低所得者の受け皿としての役割も持ち、緊急性の高い方の入居が優先となります。
施設が自宅(ホーム)となりますので、施設でも住み慣れた自宅を感じられるよう入居者やご家族の心に寄り添った支援(環境整備や思いの実現等)を行える人材が求められるでしょう。
また、看取り介護や重度の要介護者への支援などの専門的スキルも必要となります。
■老人保健施設に向いている人の特徴
老健(介護老人保健施設)とは、入居者の家庭復帰をサポートする一時的な介護施設です。
入所期間は、基本的には3ヶ月を目安とし、その期間内に本人に対してのリハビリや家族介護指導も合わせて行います(平均介護度3程度)。
そのため、求められる人材としては、退所後の生活をイメージし、在宅復帰のために必要な支援を多職種と連携して行える人材となります。
実はこのイメージすることが難しいのです。
なぜならバリアフリーである施設の中でどんなにスムーズな生活ができたとしても実際の生活では意味がないからです。
例えば、施設の機械浴で入浴されていた方が、次の日、自宅の浴槽で入浴できますでしょうか?
また、在宅に戻れば、ご飯も自分で作らなければばらないかもしれませんし、家族が食事を用意する場合には食形態(ご飯の柔らかさやおかずの刻み具合等)を指導しなければならないかもしれません。
このような課題を解決するために家屋調査が業務にあるのも特徴的ですね。
続いて有料老人ホーム・・といきたいところですが、長くなってしまいますので、代表的な2施設を紹介させていただきました。
ご参考にしてください。
■法人や会社の理念で選んではいかがですか?
さて、最後にちょっと視点を変えたアドバイスもお伝えします。
種別で選ぶのではなく、法人や会社の理念で選んではいかがですか?
例えば、自動車会社に就職を考えた際、トヨタかホンダかスズキかマツダか?みたいな感じになりますよね。
自動車会社という枠組みは一緒ですが、その会社の理念やスタイルは違いますので、「自分が魅力を感じる会社」という視点で考えるのではないでしょうか?
介護業界、実は、特養、老健、デイサービス、訪問介護などすべての種別を総合的に経営している会社、法人も多いです。
そのため、自分は特養希望で入社したとしても、老健や、デイサービスに配置転換なんてことも十分に考えられます。
■社会に対応し、変革し続けられる職場を
今の若い世代は就職先の選択理由としてSDGs(国連の定める持続的な開発目標)に対する企業の活動をポイントにしているそうです。
つまり、社会背景にアンテナを張り、変わることのできる企業が人気あるということですね。
介護業界に置き換えると、この急速に変化する社会の中で、地域福祉に対する揺るぎない理念と過去にとらわれず変革し続けられる組織風土の法人が、職員の成長を促し、社会貢献度も高く、やりがいを感じられる職場となるのではないでしょうか?
自戒を込めて。ご参考に・・・。
茨城県介護福祉士会副会長
特別養護老人ホームもくせい施設長
いばらき中央福祉専門学校学校長代行
NPO法人 ちいきの学校 理事
介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント
介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員 MBA(経営学修士)