本日のお悩み
現在34才、新卒で介護職として入職した施設にずっと勤務しています。
ふと、学生時代の友人と話をした際に、転職の話になり、
ずっと同じところで働くことに疑問を感じるようになりました。
介護職として転職をするのか、他業種にいくのか、このまま続けるのか、
自分のキャリアを考えるときに何か指標になるものはないでしょうか。
キャリアアンカーから、自分の軸を探ってみては
新卒で入職した施設で長年働かれ、現在キャリアについて考えていらっしゃるのですね。
私自身も同様に悩んだことがあるため、ご質問に共感しました。
この先何を目指したいのか?「働く」とはどういうことか?などと改めて考えようと思っても漠然としてしまい、具体的にどうするべきかなかなか答えが出ませんよね。
キャリアについて考えることは、今後の人生をどう歩むべきかを考えることであると思います。
■あなたが「これだけは譲れない」ものは何ですか?
キャリア形成の概念の1つに「キャリアアンカー」というものがあります。
これは、キャリアを選択する際に「これだけは譲れない」と感じる、ご自身が最も大切にする価値観や欲求、動機を表す考え方です。
人生を航海に例えるとするならば、アンカー(=船の錨)が船を安定して留めるように、キャリアアンカーを明らかにすることで、ご自身のキャリアについての軸が見えてくるのではないか、と思います。
キャリアアンカーを確かめるためには、まず3つの問いについて考えてみましょう。
①自分はいったい何が得意なのか?(コンピタンス)
②自分は何をやりたいのか?(動機)
③何をやっている自分に意味や価値を感じるのか?(価値観)
これら3つの領域が重なるところが、キャリアにおいて自分が絶対に譲れない「キャリアアンカー」となります。
■キャリアアンカーの8つのカテゴリー
さらにこのキャリアアンカーは、8種類のカテゴリーに分けられています。
1.専門・職能別・・・専門性やスキルの追究を目指す
2.全般管理・・・総合的な管理職位を目指す
3.自立・独立・・・仕事のやり方を自分で決める
4.保障・安定・・・雇用保障など経済的な安定
5.独創性・・・アイディアで新しいことを生み出す
6.奉仕・社会貢献・・・社会貢献や人の役に立っている感覚
7.純粋な挑戦・・・困難な問題解決に挑む
8.ライフスタイル・・・仕事と私生活のバランス
このように、仕事をする上で自分が軸としたい、またすでに軸としていることが見えてくると、これから先のキャリアも考えやすくなるかもしれません。
大切なのは、質問者さんが仕事において何を重要としているかを見つめ直し、それを達成できる環境がどこであるか?を見極めることなのではないかと思います。
■最後に
もし興味がありましたら、キャリアアンカーを提唱した著者の本『キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう』エドガー H・シャイン 著/金井壽宏 訳(白桃書房)をご参考いただければと思います。
少しでも、考える際のヒントになれば幸いです。
質問者さんが、ご自身の選ばれた道で活躍されることを応援しています!
社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員