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事故を起こした後輩への指導方法に悩んでいます…効果的な指導法3つをご紹介します!

事故を起こした後輩への指導方法に悩んでいます…効果的な指導法3つをご紹介します!

【回答者:島田 友和】あなたはしっかりやっています。組織としてヒューマンエラーを防止していきましょう。


本日のお悩み

最近、後輩指導を任されました。
その後輩が独り立ちをし、2ヶ月程経ちましたが、薬の飲ませ忘れという事故を起こしてしまいました。
初めて事故報告書を記入することになり一緒に作成する中で原因を探ると、マニュアルに沿って行っていなかったことが原因だと分かりました。

今後の対策として、「マニュアル通りに行う」と書かれていたのですが、私の考えでは、マニュアルは知って理解して(確認済み)いたのにも関わらずマニュアル通りに行わなかった原因が何なのかが、今後の対策に結びつく気がしたので、そのようにアドバイスしました。

その後報告書を確認すると、「マニュアルは何の為にあるのか理解しその通りに実施する」と書かれていました。私が何度一緒に考えても、結果的には「マニュアル通りに‥」的な内容になってしまいます。
じっくり考えたかったので、結論は後日ということにしましたが、私自身いい対策案が思いつきません。

マニュアルはしっかり作ってあり、誰でもできるものであるとも思います。
ただ気の緩みや慣れからマニュアル無視をしてしまった場合の対策とは、どういった方向に持っていってあげれば良いのか分からず悩んでいます。
アドバイスお願いします。

相談者:カメコ さん

あなたはしっかりやっています。組織としてヒューマンエラーを防止していきましょう。

島田 友和

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/8

ワ☆ノベーション代表 グロービス経営大学院経営研究科経営専攻修了(MBA) MBA(経営学修士)、公認心理師、社会保険労務士有資格者、社会福祉士。 総合心理教育研究所学術客員研究員。

ご相談ありがとうございます。後輩の指導お疲れさまです。
どのように指導すればいいのか、いろいろ悩んでしまいますよね。

相談者さんは考える力があり、責任感があります。
相談者さんのようなスタッフが増えると事故が減少し、サービスが向上しますね。

後輩への指導方法3つ

ホワイトボード(紙)に書いて会話の前提をそろえて、一つずつ確認する。

相談文を読んで思ったことは、相談者さんと後輩の会話がかみ合わずズレが生じています。

●イシュー(論点): マニュアル通りに行わなかった原因が何なのか?
(隠れた前提:マニュアルを理解していて、通常はマニュアル通りに実施していて事故を防げていたのに、マニュアル通りに実施せずに事故が起こってしまった)

●後輩の回答: マニュアルは何の為にあるのか理解しその通りに実施する

会話だけだと認識や前提がズレることもあるので、ホワイトボードや紙に書いてひとつずつ確認してから、原因と対策を考えてはいかがでしょうか。
補足ですが、後輩はこの事故を軽くみていて原因や対策について深く考えようとしない、もしくは考えることが苦手(脳の特性)なのかもしれません。

事故発生時について後輩と実況中継するつもりで確認する

事故発生時について後輩と複数の切り口で、実況中継するつもりで確認してみると、何か発見があるかも知れません。
たとえば、後輩が体調不良で集中力が低下していた。
現場はスタッフの欠勤があって、慌ただしく、マニュアル通りに実施することができなかったなど。

●事故発生時の状況を考えるうえでの切り口
・服薬について(服薬担当者、服薬の種類、服薬の時間など)
・利用者さんの状況(通常、個別対応が必要であった)
・スタッフの人員等について(欠勤、遅刻、スタッフの能力)
・施設の状況(通常、イベント、外部対応、事故対応など)
・後輩の体調について(メンタル、コンディション、集中力など)
・その他

チーム、組織としてミスをしない仕組みを考える

マニュアルが誰でもできるようにしっかりつくってあっても、事故が起きてしまったのは事実です。
単純な作業であっても人間は不注意などでミス(ヒューマンエラー)をしてしまいます。

ミスをしてしまう前提にたって対策を考えてみましょう。
たとえば、相互に声をかけあってダブルチェックする仕組みをつくるなど。

ミスを報告しやすい環境づくりも大切

今回の事故も組織の課題として、事故防止、ミスをしない仕組をつくるためには、チームとして、組織として話し合って対策を考えてみてください。
さまざまな視点から意見がでれば、より良い対策が見つかる可能性が高まります。

風通しが良い環境ですとミスや事故が起きたときに報告しやすいです。
ミスをしたとき過度に個人の責任を追求するとミスを隠すようになります。

人ではなく原因を追求することが、事故を防ぐことにつながります。

応援しております。

専門家への質問はこちらから!

この記事のライター

ワ☆ノベーション代表
グロービス経営大学院経営研究科経営専攻修了(MBA)
MBA(経営学修士)、公認心理師、社会保険労務士有資格者、社会福祉士。
総合心理教育研究所学術客員研究員。

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