本日のお悩み
ヘルパーをしている54歳です。
セットした薬をのまない利用者さんにどう対応したらいいでしょうか。
この間、引き出しの中にたくさんの薬がしまってあるのを見つけてしまいました。
でもその引き出しは、ご家族から「ここからはできるだけ入らないでほしい」といわれているエリアにあって、報告したほうがいいか迷っています。
服薬に関する情報は、ケアマネジャーへ必ず連絡を!
ゆりかごホールディングス株式会社 代表取締役 株式会社ゆりかご 代表取締役 茨城県訪問介護協議会 副会長 茨城県難病連絡協議会 委員 水戸在宅ケアネットワーク 世話人 介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士・看護師・介護支援専門員・相談支援専門員
ご質問ありがとうございます。
ご家族からの「ここからはできるだけ入らないでほしい」という理由はなんでしょうか?
■ご家族に確認を促すのもひとつの手段
例えば、プライバシーを守るという意味での空間であれば、確かに入りづらいし、報告しづらいところですよね。
ただ、実際にそのエリアに入っているわけで、そのエリアに入らざるを得なかった理由を正直にお話しするのも良いのかと思います。
それでも、勝手に入ったということが知られないようにと考える場合。
ご家族に「服薬がきちんとできていれば、本来このような症状が変化、改善していくと思われますが、なかなかそのような変化が見られません。恐れ入りますが念のため、入らないでほしいと言われたエリアを少し探していただけないでしょうか?」
と誘導して、ご家族に見つけていただくというのも方法の一つかと考えます。
これらは、あくまで想像での対応方法ですので、実際にうまくいくかわかりません。
ご参考程度にお考えいただきたいのですが、報告についてはケアマネジャーには必ず行ってください。
■ケアマネージャーに報告しなければならない理由
なぜなら、平成30年の介護報酬改正で、「訪問介護の現場での利用者の口腔に関する問題や服薬状況等に係る気付きをサービス提供責任者から居宅介護支援事業者等のサービス関係者に情報共有することについて、サービス提供責任者の責務として明確化する」と省令改正されているからです。
居宅介護支援事業所では、訪問介護事業所等から伝達された利用者の口腔に関する問題や服薬状況、モニタリング等の際にケアマネジャー自身が把握した利用者の状態等について、ケアマネジャーから主治の医師や歯科医師、薬剤師に必要な情報伝達を行うことを義務付けされることになっています。
ですので、発見した経緯はどうであれ、服薬に関する情報は必ずケアマネジャーに報告しましょう。
■なぜ薬を飲まないのか?をアセスメントしましょう
また、「薬を飲まない理由をアセスメントする」という視点を忘れないようにしましょう。
本人が服薬による効果を理解していない、服薬による効果を理解しているが医師にその薬は不要ということができずにもらい続けている、味や剤形により飲みにくいなど、利用者様が薬を飲まない理由をしっかりと捉えていきます。
そして、どうすれば飲めるようになるのか、そもそも飲まなくても良いものなのかなど対応を検討していくことが大切です。
お薬については訪問介護だけで解決するのではなく、居宅療養管理指導というサービスで薬剤師さんにアドバイスをもらえるような体制を検討するのも良い方法だと思います。
■最後に
介護保険はチームアプローチです。
様々な専門職からご協力をいただきながら、ぜひ、その利用者様がより健康的になることを心から願っています。
ゆりかごホールディングス株式会社 代表取締役
株式会社ゆりかご 代表取締役
茨城県訪問介護協議会 副会長
茨城県難病連絡協議会 委員
水戸在宅ケアネットワーク 世話人
茨城県介護支援専門員協会 水戸地区会幹事
茨城県訪問看護事業協議会 監事
水戸市地域包括支援センター運営協議会 委員
水戸市地域自立支援協議会全体会 委員
介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント
日本社会事業大学大学院 福祉マネジメント研究科 在籍中
介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士・看護師・介護支援専門員・相談支援専門員・FP2級