介護職員・並木マイの ほっこり成長日記 ~転職して、介護の仕事はじめました~
■監修者
作:伊藤 美穂
編集:株式会社サイドランチ
移乗用リフト導入のメリットとは?乗り心地は、介助者からの声掛けが左右する!
介護のあらゆる場面で活用されている移動用・移乗用リフト。皆さんは、乗ったことがありますか?
今回は移乗用リフトについて、分かりやすく解説したいと思います。
■移乗用リフトの目的とは?
介助者(介護職など)の身体的負担軽減になる
そもそも移乗用リフトとは、どのような目的で活用されているのでしょう。
このような機械は、イメージとして介助者(介護職など、介助をする人)の為と捉えられることが多いと思います。
もちろん、介助者の負担軽減の目的が主であることには間違いはありません。介護職には移乗動作が原因で腰を痛める方が多くいらっしゃいます。もちろん、腰を痛めない移乗方法などもありますが、身体の大きな高齢者も増えている昨今、介助者の体の負担をより軽減させる必要性はあります。
介助される側(利用者さんなど)へのメリットも!
一方、介助される側(利用者さんなど)にも大きなメリットがあります。
それは「安全・安心が担保される」ということです。
人に介助される場合、介助者によってばらつきのある抱え方をされたり、自分よりも小さな介助者から抱えられる不安があったり、痛い箇所を強く押さえられたり、妙な引き上げ方をされたり、ひどい場合には骨折に至る場合もあります。
移乗リフトを使用することで、上記のような不安や危険を回避できます。つまり、介助される側にも安全・安心が担保されるのです。
■移乗用リフトの活用は、声掛けとセットで
では、移乗用リフトの乗り心地はどうなのでしょうか?
実は、先述した「安全・安心の担保」には、大きなポイントがあります。
そのポイントとは、相手のことを慮った声掛けです。要は的確なコミュニケーションなのです。
あなた自身が、宙づりになった籠にいきなり乗せられて、それが前後左右に自分の意思とは関係なしに動くことを想像してみてください。
怖いですよね!不安ですよね!
そうなのです。人は自分の身に何が起こるかが予見できないときに、この上ない不安を感じるものなのです。
介助者からの声掛けが、乗り心地を左右する
居室のベッドに寝ている全介助の方を、食事の為に食堂へ移動していただくために、ベッドから車いすに移乗する場面を想定しましょう。
「今から、お食事の為に食堂に移動しましょうね。」「ベッドから車いすに移ってもらいますね。」「少し体が浮きますが、しっかりと支えていますから安心してください。」「体が右に動きます。」など、先が見通せる丁寧な声掛けが大切になります。
この声掛けこそが、移乗用リフトの乗り心地を左右すると言っても過言ではありません。
介助者が声掛けを意識をしないと、介助される側は不安で不安で仕方ないと思います。
■実際の乗り心地は?
物理的な乗り心地について、私も関わる施設の職員さんにヒヤリングをしてみましたので、紹介させていただきます。
この施設では、導入時に職員さんにもリフトに乗ってもらい、介助される立場を経験してもらいました。
「リフトを見た時には、機械に持ち上げられる不安が先に生じましたが、動きもスムーズだし、安心しました。」
「始めは不安でしたが、時間の経過、回数を重なるにつれ安心感が増しました。」
「今では、むしろ人に抱えられる方が怖いです(笑)」
「介助者の顔が目の前に来ないから、緊張しなくていい。」
このように、体験した職員さんからは、概ね心地よかったとの声が聞かれました。
移動用・移乗用リフトには様々なタイプがあります。
ここでは言及しませんが、場面や目的に適したリフトの導入は、介助者、介助される方の双方にとって、メリットが大きいと言えるでしょう。
皆さんも導入の際は、自分自身が乗ってみて、その乗り心地を体感してみてください。
今回のお話し
移乗用リフトに乗る利用者さん。
そこに通りかかった主任。
そんな主任の頭の中では、こんなことが起こっています笑
~~~~
あのリフトに乗って、ハイジみたいに…
おもわずニヤニヤしてしまう主任。
「主任?どうしました?」
少しリフトに乗ったみたいと思った主任でした。
~~~~
次回もお楽しみに♪
ささえるラボ編集部です。
福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします!
「マイナビ福祉・介護のシゴト」が運営しています。