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夜勤こそ介護の働き方革命!夜勤専従の過去と現在を比較して解説!

夜勤こそ介護の働き方革命!夜勤専従の過去と現在を比較して解説!

夜勤は昔と比較すると随分働きやすくなってきています。 介護職への転職を考えるとき、夜勤についても気になるポイントです。 この記事では、夜勤専従としての働き方について、過去と現在を比較しながら 専門家が回答します!【回答者:伊藤 浩一】


本日のお悩み

夜勤バイトに興味がありますが体調を崩さないか気になっています。
仮眠や休憩はどのようにとっているのでしょうか。
また、ICTを導入する施設が増えていると思いますが、
夜勤の現場では過去と比較してどのような影響を受けているのでしょうか。

夜勤こそ介護の働き方革命!夜勤専従の過去と現在を比較して解説!

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伊藤 浩一

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/14

茨城県介護福祉士会副会長 特別養護老人ホームもくせい施設長 いばらき中央福祉専門学校学校長代行 NPO法人 ちいきの学校 理事 介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント 介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員

ご質問ありがとうございます。
夜勤専従に興味があるとのこと、本当に感謝です。

私が現役時代(20年前)は夜勤をやりたくて志願していました。
夜勤手当が魅力的で(笑)最低月5回はお願いしていましたね。
しかし、今、若い日本人の世代があまり夜勤をやりたがらないとの話を多く聞きます。
都心では外国人材が頼りというお話も・・。
ただ、私が現役のころと比較すると随分働きやすくなっていると感じます。
過去と比較して夜勤の今をご紹介します

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今は勤務時間が短縮され、身体的にも負担が軽減

夜勤時間

<過去>16時間勤務が主流

20年前は16時間夜勤(勤務時間例:16時から翌日9時、内仮眠2時間)が主流でした。
長いですね。しかし、「夜勤」「明け」「公休」という並びが魅力的で、
若い頃はこの「明け(朝9時に仕事が終わればその日は休みのような感覚)」を
利用してよく遊びに出かけました。

<現在>8時間勤務が主流

8時間夜勤(勤務時間例:22時から翌日6時、1時間休憩)が主流になりました。
勤務時間が短くなったので、一般的に身体が楽だといいます。

巡視を減らしQOLの向上につなげるケアが急速に発達

巡視回数

<過去>2時間に1回が原則

2時間に1回を原則として巡視を行っていました。
法令で決まっている訳ではありませんでしたが、もし何か起きていてはというリスク管理の観点からの対応です。
そのため、夜間はずっと部屋を巡っているので落ち着く暇はないといった感じでした。

<現在>利用者によっては巡視にいかない場合も・・・

眠りセンサー(見守り支援機器)の発達により、居室に伺わなくても睡眠状況や心拍数、呼吸数がモニターで確認できるようになりました。
そのため、利用者さんによっては巡視に行かない場合もあります。

すごいですよね!

もちろん要観察者に関しては居室に伺いますが、そもそも2時間おきにお部屋に人が入ってきたらゆっくり眠られません。

眠りの質を高めることはQOL(クオリティ オブ ライフ=生活の質)を高める重要な要素です。
巡視を減らしQOLの向上につなげるケアが急速に進んでいます。

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ICTの導入によりピンポイントで排泄介助が可能

排泄介助

<過去>夜間でも定時で排泄介助を実施

夜間は尿量が多く、オムツの吸収量を超えてしまうと衣類や布団が濡れてしまい、不快感はもちろん交換しないと体温を奪われことにもなります。
そこで、そのような方には夜間でも定時で排泄介助に入ることがありました。

みなさん、夜間にズボンを脱がされたらどう思いますか?
さらに認知症があれば、何をされているのか理解できなくて当然です。
ご利用者、介護職共に大きな負担でした。

<現在>起きているときに排泄介助を実施

眠りのセンサーで覚醒状況を確認し、起きている時に排泄介助を行います。
眠りを分析すると眠りのパターンが見えてきます。
いつも同じ時間に目を覚ますなどがデータから読み解けます。

みなさんも自分が夜中何時に目を覚ますとか、何時にトイレに行くなど
大体決まっていませんか?この分析を活かし、ピンポイントで
排泄介助に入ることはご利用者、介護職お互いにメリットですよね。

まとめ

いかがでしょうか?
夜勤こそ介護の働き方革命だと思いませんか?

私の施設の職員に話しを聞くと夜勤帯の業務の見直しから負担が軽減されたことにより、
下記のようなメリットを実感しているようです。

・ケアプラン、レクリエーションの立案に活用できる時間の増加

・日中、ご利用者と接する時間の増加

・残業時間の減少

また、眠りのセンサー(見守り支援機器)の導入施設は、厚労省の調べによると現在、調査に回答した施設の約40%が導入しているとの報告がありました。
就職先としては、ICTの導入状況も確認することが大切かもしれませんね。
夜勤専属としての就職を一押しできるきっかけとなれば幸いです。

※厚生労働省「身体拘束に対する考え方」より(厚生労働省のPDFに遷移します)

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この記事のライター

茨城県介護福祉士会副会長
特別養護老人ホームもくせい施設長
いばらき中央福祉専門学校学校長代行
NPO法人 ちいきの学校 理事
介護労働安定センター茨城支部 介護人材育成コンサルタント
介護福祉士 社会福祉士 介護支援専門員 MBA(経営学修士)

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