Bさん(82歳、女性、要介護2)は、若いときに夫を亡くし、家で仕事をしながら子どもを一人で育てた。夫や子どもと過ごした家の手入れは毎日欠かさず行っていた。数年前に、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断され、認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居した。夕方になると、「私、家に帰らないといけない」と介護福祉職に何度も訴えている。
Bさんに対する介護福祉職の声かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.「仕事はないですよ」
2.「ここが家ですよ」
3.「外に散歩に行きますか」
4.「家のことが気になるんですね」
5.「子どもさんが『ここにいてください』と言っていますよ」
1.(×)Bさんは帰宅願望を訴えているため、唐突に仕事の話をしても混乱が深まるばかりです。
2.(×)グループホームを家だとは認識していない可能性が高いため、反発を招くおそれがあります。
3.(×)散歩に行くことで気分転換が図れる可能性はありますが、最初の声かけとして適切とはいえません。
4.(○)夕方になると帰宅願望を繰り返し訴えるのは、認知症の行動・心理症状(BPSD)の一つで、夕暮れ症候群とも呼ばれます。まずは受容と共感の姿勢でコミュニケーションを図り、Bさんの思いを受け止めることが適切です。
5.(×)家に帰りたいというBさんの気持ちを否定しており、Bさんの思いに寄り添った声かけではありません。
すべての人が暮らしやすい社会の実現に向けて、どこでも、だれでも、自由に、使いやすくという考え方を表す用語として、適切なものを1つ選びなさい。
1.ユニバーサルデザイン(universal design)
2.インフォームドコンセント(informed consent)
3.アドバンス・ケア・プランニング(advance care planning)
4.リビングウィル(living will)
5.エンパワメント(empowerment)
1.ユニバーサルデザイン(universal design)
1.(○)ユニバーサルデザインは、年齢、性別、文化、言語、障害の有無などにかかわらず、すべての人に公平で使いやすいよう配慮されたデザインのことです。
2.(×)インフォームドコンセントは、医療行為を受ける前に十分な分かりやすい説明を受け、納得した上で意思決定することです。
3.(×)アドバンス・ケア・プランニングは、人生の最終段階における医療やケアについて、本人が家族やケアチームと日頃から繰り返し話し合い、その内容を共有する取り組みです。
4.(×)リビングウィルは、意思決定能力を失ったときに備え、延命治療や緩和ケアについての本人の希望を記しておく事前指示書です。
5.(×)エンパワメントは、その人が本来持っている力を引き出すことです。
社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている介護福祉士の責務として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.地域生活支援事業その他の支援を総合的に行う。
2.介護等に関する知識及び技能の向上に努める。
3.肢体の不自由な利用者に対して必要な訓練を行う。
4.介護保険事業に要する費用を公平に負担する。
5.常に心身の健康を保持して、社会的活動に参加するように努める。
1.(×)障害者総合支援法第1条に規定された内容です。
2.(○)社会福祉士及び介護福祉士法第47条の2に規定された資質向上の責務です。
3.(×)障害者総合支援法に基づく訓練等給付のサービス内容です。
4.(×)介護保険法第4条第2項に規定された国民の義務です。
5.(×)老人福祉法第3条第1項に規定された基本的理念です。
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