本日のお悩み:60歳未経験、介護職で活躍できる?
興味はあるものの、私は未経験です。60歳以上で未経験からでも介護業界で活躍することはできるのでしょうか。
介護職は年齢を問わず活躍の場があります!
■執筆者/専門家
・けあぷろかれっじ 代表 ・NPO法人JINZEM 監事 介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士 『介護福祉は究極のサービス業』 私たちは、障がいや疾患を持ちながらも、その身を委ねてくださっているご利用者やご家族の想いに対し、人生の総仕上げの瞬間に介入するという、責任と覚悟をもって向き合うことが必要だと感じています。 目の前のご利用者に『生ききって』頂く。 私たち介護職と出会ったことで、より良き人生の総仕上げを迎えて頂ける為のサポートをさせていただく事が、私たちに課せられた使命だと思っています。
定年退職お疲れさまでした!そして、還暦という新たな節目を迎えられたこと、心よりお祝い申し上げます。
これまで培ってこられたキャリアもあったと思いますが、新たな挑戦として介護業界へのチャレンジを嬉しく思います。全力で応援させていただきます!
■介護職について知ることで不安解消につながります!
そのため、双方にとって多くのメリットがあるチャレンジになると思います。年齢問わず、未経験からでも活躍できる可能性は十分にありますので、その理由や選択肢について詳しく解説させていただきます。
そもそも60歳は高齢者なのか?
■年齢はただの数字!どのように生活しているかが大事
しかし、日本では60歳を過ぎると定年退職の年齢となることが多く、社会的には高齢者と見なされることもあります。ただし、個人的には年齢はただの数字であり、重要なのは『その人がどのように生活し、感じているか』だと思っています。
■本人がどのように感じているかも大事
アクティブシニアという言葉もありますが、そもそもシニアなのかという議論も広がりつつあります。
前期高齢者が65歳からなのに定年退職が60歳なのはなぜ?
日本で定年退職が一般的に60歳に設定されているのは、歴史的および社会経済的な理由があります。一方で、前期高齢者が65歳以上からとされている背景については、医療や福祉の観点から定められています。以下で、それぞれ詳しく見ていきましょう。
■定年退職が60歳に定められていることが多い理由
2.年金制度
3.企業の人事管理
■1.歴史的背景
■2.年金制度
そのため、年金制度には65歳より早く受給を開始する繰り上げ制度と、65歳より遅く受給を開始する繰り下げ制度があります。早く受給を始めると、その分1ヶ月あたり0.4%の減額となり、遅く受給を始めると1ヶ月ごとに0.7%の増額となります。
■3.企業の人事管理
しかし、近年では医療の発展などもあり、60歳以上でも健康な方が増えてきたことから、定年退職を65歳と定めている企業や、定年後再雇用制度を整える企業が増えてきています。
■前期高齢者が65歳からと定められている理由
2.国際基準
■1.健康状態
■2.国際基準
■65歳も高齢者ではなくなる!?
具体的には、定年退職の時期延長や再雇用制度の拡充、年金制度の見直しなどの検討です。そして何より高齢者の社会参加が促進されることで、高齢者の経済面における安定も期待されているのです。
アクティブシニアとは?特徴4選を紹介!
以下でアクティブシニアの特徴を1つずつ見てみましょう。
■特徴1:健康志向
具体的な例としては、ウォーキングやヨガ、水泳、ジムなどで日常的に運動をしていること、自炊などで栄養バランスを考慮した食事をとっていることなどが挙げられます。
■特徴2:学習意欲
趣味の例としては、絵画や音楽、料理、園芸、アウトドアなど趣味の活動が挙げられ、学びの面では、大学やコミュニティカレッジでの講座、セミナーへの参加、資格取得に向けた学習などが挙げられます。
■特徴3:社会貢献
具体的には、社会的な交流や地域のボランティア活動やクラブ活動への参加などが挙げられ、継続的に周囲とかかわりを持ちつづけていることが挙げられます。
■特徴4:自立性
これらのような生活スタイルをとることで、セカンドライフをより充実したものにすることができます。年齢にとらわれずに人生を楽しむライフスタイルとして近年、アクティブシニア(60歳以上の就業率)は増加傾向です。※
働くということも含めて、アクティブに楽しむという姿勢が大切なのです。
※出典:内閣府 令和5年版高齢社会白書 1就業・所得
60歳以上でも活躍できる介護職!
また、あわせて体力に自信がない方向けにおすすめの働き方も紹介します。
■1.介護業界の主な事業所種別
以下で主な事業所の種類とその特徴を紹介します。
■2. 介護業界での具体的な業務内容
■身体介護
・排泄介助: トイレへの誘導やおむつ交換
・食事介助: 食事の準備や摂取のサポート
■生活援助
・洗濯: 衣類や寝具の洗濯
・買い物代行: 日用品や食材の購入
■レクリエーション活動
・手工芸: 手先を使った作業で認知機能の維持
・ゲーム: 楽しみながら交流を深める活動
■体力に自信がない方におすすめなのは?
身体的・精神的負担が多い夜勤という業務がないということも大きな理由として挙げられますが、それだけではなく、要介護度が比較的軽度なため、コミュニケーションをとりやすい、介助の身体的な負担が少ないといったメリットもあります。質問者さんのこれまでの人生経験などを聞くことで、コミュニケーションがとりやすくなり、介護の際の関係性にも活かせると思います。
【60歳未経験】介護業界で活躍するためにできる準備や工夫
2.体力づくりと健康管理
3.コミュニケーション能力の向上
4.継続的な学習
■1.資格取得
取得するうえでおすすめの資格は以下の通りです。
■介護職員初任者研修
■介護福祉士実務者研修
■介護福祉士(スキルアップ)
■ケアマネジャー(スキルアップ)
■認知症介護基礎研修(無資格の場合受講必須)
また、所定の資格を取得している場合は研修が免除されます。
医師・歯科医師・薬剤師・看護師・准看護師
介護福祉士・介護職員初任者研修修了者・介護福祉士実務者研修修了者・生活援助従事者研修修了者・介護職員基礎研修課程/訪問介護員養成研修一級課程もしくは二級課程修了者
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師
管理栄養士・栄養士
社会福祉士・介護支援専門員・精神保健福祉士等
■介護職員初任者研修
130時間のカリキュラムを修了する必要があります。初任者研修を修了することで、単独での身体介護が認められ訪問介護や居宅サービスなどで実施可能な業務範囲を広げることができます。
■介護福祉士実務者研修
450時間のカリキュラムを修了する必要があり、他にもルートはありますが、基本的には社会人になってから、介護福祉士の資格取得を目指す方にとって必須の研修です。実務者研修を修了することで、より専門的な介護業務を理解することができます。
■介護福祉士(スキルアップ)
取得するには、専門の養成施設の卒業もしくは、3年の実務経験と実務者研修(または介護職員基礎研修+喀痰吸引等研修)の修了後、国家試験に合格する必要があります。
■ケアマネジャー(スキルアップ)
介護福祉士やその他、医療・福祉の国家資格を取得後、5年以上の実務経験もしくは相談援助業務に従事、さらに「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、「介護支援専門員実務研修」を修了することが必要です。
■2.体力づくりと健康管理
適度な運動やバランスの取れた食事、十分な睡眠や休息などを心がけましょう。
■3.コミュニケーション能力の向上
笑顔は介護の標準サービス。介護(技術や知識)を用いて、福祉(利用者さんの豊かさや幸せ)を実現するために、利用者さんに直接ありがとうを伝えていきましょう。これまでの社会経験を活かして、相手の気持ちに寄り添った対応は、質問者さんの強みとなるはずです。
また、コミュニケーション能力に自信がない方は、企業や団体が実施しているコミュニケーション研修やセミナーに参加してみるのも何かポイントを掴めるきっかけとなるかもしれません。
■4.継続的な学習
また、介護保険制度の改定なども定期的に行われているので最新の情報を確認するようにしましょう。
最後に:謙虚さと思いやりを持って、介護業界でセカンドキャリアを築きましょう!
訪問介護や通所介護、施設介護など、さまざまな事業所での業務内容を理解し、必要な資格を取得することで、新たなキャリアを築くことができます。
自分より年齢の低いスタッフたちと一緒に働く機会も多くなると思いますので、年齢に関係なく、全ての人に対しての謙虚さと思いやり、少しのガッツと向上心で一歩ずつ進んでいきましょう。 そうすることで、これまでのキャリアや経験を活かしたうえで、充実したセカンドキャリアを実現することができます。
介護業界は人手不足が深刻であり、シニア世代の方々の活躍が期待されています。ぜひ、前向きにチャレンジしてみてください。
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・けあぷろかれっじ 代表
・NPO法人JINZEM 監事
介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、潜水士