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介護ドライバーとは?必要な資格や給与事情、仕事内容を徹底解説

介護ドライバーとは?必要な資格や給与事情、仕事内容を徹底解説

介護ドライバーとはデイサービスなどで利用者さんの送迎を行う運転手のことです。似た職種の介護タクシードライバーなどと混在されがちですが、必要な資格や業務内容などに違いがあります。この記事では、介護ドライバーとはどのような職種なのかであったり、具体的な仕事内容、給与事情、給与アップの方法などについて解説します。


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介護ドライバーとは?

執筆者

ささえるラボ編集部

https://mynavi-kaigo.jp/media/users/3

ささえるラボ編集部です。 福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします! 「マイナビ福祉・介護のシゴト」が運営しています。

介護ドライバーとは、デイサービスや小規模多機能型居宅介護などで利用者さんの送迎を行う運転手のことです。送迎のみを行う方もいれば、日中は介護職員として介護業務やレクリエーション等に携わる方もいます。

介護ドライバーと似た職種として、介護が必要な方や高齢者が安全に移動できるようサポートする福祉車両(介護タクシーや福祉タクシー)を運転するドライバーもいます。介護ドライバーは介護サービスを提供する介護事業所に直接雇用されますが、介護タクシーや福祉タクシーのドライバーはタクシー事業所に雇用されます。

この記事では、主に介護事業所に雇用されて活躍している介護ドライバーの仕事内容や必要な資格、平均年収、給与アップの方法などについて詳しく解説します。これから介護ドライバーを目指す方や、現在従事していて自身の働き方に悩んでいる方はぜひご覧ください。

介護ドライバーと介護タクシー・福祉タクシーの違い

介護ドライバーとは前述の通り、デイサービスなどで利用者さんの送迎を行う運転手のことです。しかし、この職種について調べていると、介護ドライバーとは別に「介護タクシー」や「福祉タクシー」という言葉も目にする方も多いのではないでしょうか。

介護ドライバーとは職種を指す言葉ですが、介護タクシーと福祉タクシーはサービスを指す言葉です。それぞれ異なる点がありますので、まずはこの違いを確認していきましょう。

介護タクシー・福祉タクシーとは

介護タクシー 福祉タクシー

介護タクシー・福祉タクシーについて国土交通省は以下のように定めています。

「道路運送法第3条に掲げる一般乗用旅客自動車運送事業を営む者であって、一般タクシー事業者が福祉自動車を使用して行う運送や、障害者等の運送に業務の範囲を限定した許可を受けたタクシー事業者が行う運送のことをいう。」
出典:国土交通省 福祉タクシー


介護タクシーと福祉タクシーはよく併記されていて、違いが気になる方もいらっしゃると思いますが、明確な名称基準は決まっていません。また、介護タクシーは介護保険サービスで、福祉タクシーは介護保険サービスの対象外と認識されている方も多いですが、実はその定めもありません。

介護保険サービスに対応するタクシーが、一般的に介護タクシーや介護保険タクシーと呼ばれることが多いため、このような認識をする方が多いのでしょう。

介護タクシー・福祉タクシーを介護保険サービスとして利用する方法

では、実際に介護タクシー・福祉タクシーを介護保険サービスとして利用するには、どのような手順や条件が必要なのでしょうか。

そもそも、介護タクシーという介護保険サービスはなく、介護保険適用範囲における介護タクシー・福祉タクシーは「通院等乗降介助」に用いられる車両のことを指します。この前提のもとで利用方法や条件を確認していきましょう。

●利用の手順やポイント

・ケアマネジャーによる保険適用可否の確認
・(可能な場合)ケアマネジャーによるケアプランへの記載
・要介護1以上であること
・1人で公共交通機関を使用することができないこと
・家族など付き添いできる人がいないこと


上記のように、介護保険サービスとして介護タクシー・福祉タクシーを利用する場合には、介助が必要であることと、第三者であるケアマネジャーによるケアプランへの記載が必須となります。また、使用用途も、ケアプランに明記したもののみ可能です。

●利用時の注意点

また、介護保険サービスとしての「通院等乗降介助」は移動と介助がセットとなったサービスです。そのため、一般的なタクシーのように、移動にのみ利用することや、家族が同伴して乗車することなどは基本的に禁止とされていて、車両への乗降や、降車後の移動介助、場合によっては自宅到着後の着替えなどのサポートを併せて行うことになっています。

ただし、タクシー運転手による介助があまりに多い場合は、ケアマネジャーの判断などで別の介護サービスに移行する場合もあります。いずれにせよ、ケアプランに基づいて利用できるサービスということを押さえておきましょう。

介護ドライバーの仕事内容

介護ドライバーと介護タクシー・福祉タクシーの違いを解説してきました。次に、介護ドライバーの主な仕事内容について確認していきましょう。

介護ドライバーは先述した通り、ドライバーとして送迎業務のみを行う方もいれば、日中は介護職として利用者さんの介護に携わる方もいます。介護ドライバーの主な業務は以下の通りです。

・利用者さんの送迎や送迎前後の介護業務
・車両の整備と清掃、給油など
・介護業務やレクリエーションの運営

利用者さんの送迎や送迎前後の介護業務

利用者さんの送迎は介護ドライバーの基本業務です。基本的には、施設から自宅と自宅から施設の送迎を行います。

また、利用者さんによっては、送迎の前後で介護業務を行う場合もあります。この場合は、訪問介護サービスの一環になりうるため、介護職員初任者研修以上の資格が必要です。

車両の整備と清掃、給油など

利用者さんを安心安全に送迎するため、日々の車両点検や給油などを行うことも介護ドライバーの仕事です。点検だけでなく、消毒や清掃を行うことも大切です。

介護業務やレクリエーションの運営

繰り返しにはなりますが、ドライバー業務は時間が限られた業務であるため、それ以外の時間は介護職として介護業務やレクリエーションの運営に携わる職員もいます。

この場合は、介護職員初任者研修など介護に関する資格を所持していると、昇給やキャリアアップの可能性も高まるでしょう。

介護ドライバーに必要な資格

介護ドライバー 資格

介護ドライバーに必要な資格は基本的には普通自動車第一種運転免許のみです。しかし、送迎時に移乗などの介助が必要な場合は、介護職員初任者研修以上の資格も必須です。

また、施設や事業所によっては介護福祉士の資格を所持していることを条件としている場合もあるので、求人を探す際は、必ず確認するようにしましょう。

介護ドライバーの年収はどれくらい?

介護ドライバーは介護職員に含まれます。そのため今回は、介護ドライバーの年収を確認し、よく間違われる介護タクシー・福祉タクシードライバーの年収とも比較をしていきましょう。

厚生労働省の調査によると、介護職員(常勤・月給・賞与等含む)の年収は約381万円です。※1
一方で、介護タクシードライバーの年収を見てみると約419万円※2で、介護職員と比較して約40万円高いことが分かります。これは、保険外サービスとして運転した歩合制の給与が入ることなどが要因としてあげられるでしょう。
※1:厚生労働省 令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果
※2:厚生労働省 介護タクシー運転手

介護ドライバーが給与アップを目指すには?

では、介護ドライバーが年収をあげるためにはどのような工夫ができるのでしょうか。

1.介護関連の資格を取得する
2.管理職などを目指す
3.介護タクシー・福祉タクシーの運転手を目指す
4.他の施設に転職する

1.介護関連の資格を取得する

介護職 給与 比較

※参考:厚生労働省 令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果をもとに作成
介護ドライバーとしての給与をアップするためには、介護職に関する資格を取得することが1つの方法です。

上記グラフは、厚生労働省の調査による保有資格別給与のグラフです。保有資格がない介護職と、介護関連唯一の国家資格である介護福祉士を比較すると、約6万円の差があります。これは月給での比較となるため、年収で計算すると(6万円×12か月)、約72万円も差があることがわかります。

また、施設や事業所によっては、資格取得の支援があったり、資格によって手当てがつくため資格取得を検討する際は、これらも確認できるとよいでしょう。

2.管理職などを目指す

介護職 給与 職位別

※参考:厚生労働省 令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果をもとに作成
また、管理職になることも給与アップを目指す1つの方法です。上記グラフは、介護職の管理職と、管理職でない方の給与を比較したものです。月給で見てみると、約5万円の差があり、年収で考えると約60万円の差になります。

介護職の管理職は、現場で施設長を目指すことなどが一般的にイメージしやすいと思いますが、大きな法人では、本部の管理職を目指すことも可能です。

しかし、管理職になるにはサービス形態ごとに必要な基準が定められていたり、昇格の要件が決まっていたりするので、将来的に管理職を目指したい方は、上司などに確認しておけると目標が明確になるでしょう。

3.介護タクシー・福祉タクシーの運転手を目指す

また、給与の欄で紹介した通り、介護タクシー・福祉タクシーのドライバーを目指すことも給与アップに繋がります。

介護タクシー・福祉タクシーのドライバーになるためには普通自動車第二種免許の取得、さらに、介護保険サービスとして介護タクシーを運転する場合や、移乗介助などに携わる場合は、介護職員初任者研修以上の介護の資格取得が必要です。

4.他の施設に転職する

現在の施設で長く働き、昇給や昇格を目指すことももちろん大切ですが、そもそも仕組みがないなどといった場合には、他の事業所や施設に転職をすることも1つの方法です。

ただし、給与だけで決定をしてしまうと、入職後に思っていた業務と違った、やりがいを感じられないなどといったミスマッチに繋がりますので、自分自身が何を大切に働いていきたいか整理し、強みを活かしながら働ける職場探しをしましょう。

最後に:図で簡単まとめ!介護ドライバーは今後も需要が高まる職種です!

介護ドライバー 介護タクシー 福祉タクシー 違い

ここまで介護ドライバーになるために必要な資格や、仕事内容、給与事情などについて解説してきました。デイサービスの数は、年々減少傾向にありますが、それでも高齢化が進む日本においては将来的にも必要とされる職種です。

普通自動車第一種免許をもっていることで、介護ドライバーとして働くことができますが、将来的な昇給や昇格を見据えると、介護職員初任者研修や実務者研修、介護福祉士といった資格を取得しておくことで、キャリアプランが立てやすくなるでしょう。

新しい環境、資格の取得などが重なることに不安を感じている方は、まずドライバーとして環境に慣れ、その後資格取得を目指すのも選択肢の1つです。自身の働き方について考えていきましょう。

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