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介護職必見!社会福祉法人で働くメリットとは?医療法人、株式会社など法人格別の給料や働きやすさも解説

介護職必見!社会福祉法人で働くメリットとは?医療法人、株式会社など法人格別の給料や働きやすさも解説

同じ労働条件の求人を複数見つけて、どこに応募するべきか迷ったとき、施設を運営している法人格で応募先を選ぶという方法もあります。本記事では法人格別の特徴とそれぞれどのような人に向いているのか解説します。 【ささえるラボ編集部】


働きやすさにも影響あり?介護施設を運営している法人格別の特徴

執筆者

ささえるラボ編集部

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ささえるラボ編集部です。 福祉・介護の仕事にたずさわるみなさまに役立つ情報をお届けします! 「マイナビ福祉・介護のシゴト」が運営しています。

求人を眺めていると、さまざまな条件の求人を見つけることができるでしょう。しかし中には、ほとんど条件が変わらないような求人を見つけて、どちらに応募するべきか迷うこともあるかもしれません。

そのような時は法人格を見て応募先を決めるというのもひとつの手です。今回は、法人格が応募先選びに関係があるのか説明し、どの法人格を選べば良いのかについて紹介していきます。

法人格の違いから何がわかる?

介護の求人は、似通った条件の求人を見つけることは多々あります。しかし求人には似たような条件が書かれていたとしても、実際に働き始めてみるとそれぞれ異なる部分はたくさんあるものです。それぞれの職場の状況を知ったうえで、メリットが多い施設で働きたいところですが、実際に働く前にその職場の状況を知ることは容易ではありません。

ただ、おおよその職場の状況を伺い知ることは可能です。その時に参考になるのは、施設を運営している「社会福祉法人」や「医療法人」といった法人格です。介護関連施設の中には特定の法人格しか運営できない施設がありますし、法人格ごとに異なる税制面の優遇措置や制度の縛りが存在します。これらの違いからは、働き方や給料、キャリアアップをしやすい環境かどうかまで伺い知ることが可能です。

もちろん100%その施設の状況を把握できるわけではありません。しかし厚労省のような公的機関が公表している調査データを参照してみると、法人格ごとにハッキリと違いが現れている部分もあります。このような理由から、似た条件の求人を見つけた場合は法人格を見てから決めましょう。働き始めて後悔することが少なくなるはずです。では具体的に法人格別にどのような特徴があり、自分にはどの法人格がお勧めなのか気になるところですよね。順に確認していきましょう。

社会福祉法人

社会福祉法人はその名の通り社会福祉事業を営むことを目的とした非営利法人です。税制面であらゆる優遇が受けられることに加えて、特別養護老人ホームのように社会福祉法人にしか運営を認められていない施設の運営もできます。

特徴

待遇面が良い

社会福祉法人は、他の介護事業を営むことができる法人と比べて待遇面が非常に良いという特徴があります。平成30年度に厚生労働省が行った介護従事者処遇状況等調査によると、介護に関連する法人のなかでは社会福祉法人が最も平均給料が高くなります。(公務員扱いになる地方公共団体を除く)

社会福祉法人の平均給料は約32.1万円に対して、2番目に高い医療法人は約30.4万円と、月2万円近くの差があります。年間20万円以上の差になるわけですから、非常に大きな差といえます。中でも社会福祉法人運営の特別養護老人ホームの平均給料は約33.2万円。地方公共団体運営の施設を除くと最も平均給料が高い施設になります。

技術や知識を学ぶ機会に多く恵まれる

社会福祉法人は、特別養護老人ホームのように社会福祉法人しか運営できない施設に加え、デイサービスやグループホームなど、さまざまな施設を運営しているところもたくさんあります。法人によっては運営している施設間で人事異動を行っているところもあります。このような法人であれば、わざわざ転職せずとも施設形態別に異なる介護方法を学ぶこともできるでしょう。

また、平成30年度に介護労働安定センターが行ったアンケートによると、社会福祉法人の平均勤続年数は8.6年という結果が出ています。全法人における平均勤続年数が6.7年であることを考えると、勤続年数が長い職員が多いといえます。10年を超えるベテラン職員もそれだけ多い環境であるため、一緒に働くうちに自ずとスキルや知識も吸収することができるでしょう。

こんな人におすすめ

介護職としてどんどんスキルアップしたい人

社会福祉法人が運営する施設で働く場合、多くの施設形態で学ぶことができ、なおかつベテラン職員と一緒に働ける可能性が高くなります。また、社会福祉法人が運営可能な特別養護老人ホームは身体介護を必要とする入所者がほとんどです。おむつ交換や移乗、食事介助のような介助に入る機会も多くなるため、入所者の身体状況や疾患に合わせた対応方法を学ぶことも可能です。そのため、介護職としてどんどん技術や知識を高めていきたい人にとっては、社会福祉法人が運営する施設はピッタリの環境といえます。

安定した福利厚生や収入を求める人

社会福祉法人はデータでも示されているように、平均給料が他の法人と比べて高いという特徴があります。安定した収入や福利厚生を求める人にとっては、満足できる条件の職場も少なくはないでしょう。

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医療法人

病院のように医療を主とする施設の運営を目的とする法人です。社会福祉法人同様に非営利の法人であり、税制面であらゆる優遇措置を受けることができます。医療法人が運営している施設のなかで、主に介護職が活躍できるところは介護老人保健施設やデイケアなどがあります。

特徴

収入面が安定しやすい

厚生労働省が平成30年度に行った介護従事者処遇状況等調査によると、医療法人の平均給料は約30.2万円。社会福祉法人には劣るものの、営利目的の民間企業と比べた場合、3万円近くも給料が高くなります(営利法人の平均給料は約27.3万円)。

なかでも医療法人運営の介護老人保健施設は平均給料が31.5万円。平均給料が最も高い(地方公共団体を除いた場合)社会福祉法人が運営する介護老人保健施設の31.4万円よりもわずかではありますが、高い水準になります。

医療やリハビリの知識や技術を学ぶ機会に恵まれやすい

医療法人が主となって運営していることが多い介護老人保健施設やデイケアは、リハビリや治療を目的とした施設(事業所)です。そのため、必然的に理学療法士や作業療法士、看護師や医師などと一緒に働くことになります。同じ場所で働くわけですから、介護にも活かせるような医療やリハビリの知識・技術を学ぶ機会にも多く恵まれるでしょう。

高齢者に対して幅広い視野でアプローチが可能

前述したように、医療法人が運営する施設には専門のリハビリ職や医療職がいることが少なくありません。そのため高齢者に対して、介護職以外の専門職による、異なる角度からのアプローチも可能となります。もちろんそこからも数多くのことも学べるでしょう。

こんな人におすすめ

介護以外の医療やリハビリに関する知識を身近で学びたい人

医療法人が運営しているほとんどの施設では、介護職だけではなく医療やリハビリの専門職も多く在籍しているため、専門的な医療やリハビリの知識、技術を常に身近に見て学ぶことができます。そのような理由から、介護以外の知識を深めることで、より高度なケアを提供したいと考える人にとっては医療法人での勤務はおすすめです。

安定した収入を求める人

医療法人は、介護施設を運営できる法人の中でも、給料水準が高い傾向にあります。そのため安定した収入を求める場合、満足できる条件の職場も多くあるでしょう。

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株式会社

株式会社はデイサービスやグループホーム、住宅型・介護付き有料老人ホームなどの運営が可能です。後に説明する有限会社や合資会社などと比べると規模も大きく、複数の形態の施設を運営していることも珍しくはありません。全国に事業所を抱え、グループ全体で1,000人以上の従業員がいる法人も多数存在します。

特徴

規模が大きなところでは高い給料が期待できる

介護職の給料は、施設を運営している法人の規模によっても変わります。例えばデイサービスや訪問介護事業所の平成30年度の厚労省データを見てみると、従業員数が少ない場合と多い場合(訪問介護事業所は事業所のサービス提供回数が少ない場合と多い場合)では、給料が月額2万円以上の明らかな差が生じています。

デイサービスや訪問介護事業所は、株式会社のような営利目的の法人が運営していることも多い介護事業所です。たくさんの従業員を抱えている株式会社であれば、それだけ高い給料が期待できるという事ですね。

規模が大きなところでは介護に関する技術や知識を学ぶ機会に恵まれやすい

介護施設や事業所を運営している株式会社の中には、全国に複数の事業所を抱え、数百人規模で従業員を抱えているところも少なくありません。規模が大きな施設では、従業員数に比例して経験年数が長いベテラン職員も多くなります。ベテランスタッフと一緒に働いていると、おのずと高い技術や知識に触れ、それらを学べる機会も多くなります。

役職につくチャンスに恵まれやすい

株式会社は社会福祉法人や医療法人と違って、営利目的で施設の運営が可能です。そのため、全国規模で新事業所の立ち上げを行いやすいというメリットがあります。しかし新規事業所の立ち上げには人材が必要です。特に管理職に関しては、安心して仕事を任せられる人を置かなければ事業に失敗する可能性もあります。そのため、ある程度現場で経験がある人に声がかかることは珍しくありません。

また、規模が大きいということは、それだけ幹部の席が多く用意されているということであり、数に比例して退職者も出やすくなります。管理職に退職者が出れば、早急にその穴を埋めるため、現場スタッフに管理職昇進の声がかかることもあります。つまり、大規模な株式会社系列の施設では、それだけ管理職になるチャンスがあるといるということですね。

こんな人におすすめ

安定した収入を得たい方

大規模に事業展開をし、従業員を多く抱える株式会社系列の事業所は給料が高くなる傾向にあります。高い給料を求めて職場を探している場合、株式会社運営の施設や事業所はおすすめです。

役職についてバリバリ働きたい方

株式会社は全国規模で事業を展開することができ、それに比例して管理職もたくさん必要になります。管理職として昇進する可能性も高くなるため、人の上に立ち、バリバリ働きたい人にとっては株式会社系列の施設や事業所はピッタリです。

熟練のスタッフに囲まれてどんどん介護スキルを身に付けたい方

従業員を多く抱える株式会社系列の施設や事業所は、従業員数に比例してベテランスタッフも多く在籍することになります。そのようなスタッフの技術や知識に触れて、スキルアップしたい人にとっても株式会社は適した環境といえるでしょう。

「株式会社」
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有限会社、合資会社、合同会社など

特徴

職員の意見が反映されやすい

有限会社や合資会社の中でも小規模で運営されている介護施設の場合、それだけ職員とトップである社長との距離が近くなります。なかには社長やその親族が現場で働いている施設もあるでしょう。このような環境ではスタッフの意見を直接トップに伝えることができるため、現場の意見がすぐに反映されやすいという特徴があります。

転勤の可能性が低い

全国規模で運営されている大規模な施設や事業所は、少なからず転勤により自宅から遠くに転勤する可能性があります。家庭を持っている場合は単身赴任になる可能性もあるでしょう。一方、有限会社や合資会社のような企業によって運営されている施設は小規模なものがほとんどです。そのため、転勤によって生活スタイルを変えなければいけないことはほとんどないと考えていいでしょう。

こんな人におすすめ

転勤により生活拠点を変えたくない人

有限会社や合資会社のような法人運営の施設・事業所は、小規模で運営をしているところがほとんどです。そのため、転勤で遠方に引っ越さなければいけないことがほぼないといえます。家庭がある、今住んでいるところが気にいっているなどという場合、有限会社や合資会社のような法人運営の施設・事業所を探してみると良いでしょう。

率先していろいろなことを自分で提案していきたい人

有限会社や合資会社が運営する施設は、従業員と社長の距離が近いことが多いため、従業員の声を伝えやすい環境にあります。さまざまな提案をしていきたい人にとっては、スピーディーに対応してもらえることも多いため、やりがいを感じることも多いでしょう。

その他の法人格

合同会社

2006年施行の会社法により認められた形態で、日本版LLCとも呼ばれています。
出資と経営が一体となり、社員(会社の出資者)の同意に基づいて会社の意思決定ができる点などにおいて株式会社と異なっています。設立費用やランニングコストが株式会社より安いこともあり、介護業界でも設立事例が増えています。従業員として働く場合は、株式会社でも合同会社でも特段の違いはありません。

社会医療法人

医療法人の区分の一つで、今まで自治体病院が担ってきた特に公益性の高い医療(休日診療や夜間診療などの救急医療、周産期医療を含む小児救急医療、へき地医療・離島医療など)を限定的に担います。
税制上の優遇や、赤字を避けるための公募債の発行権限付与など、収益性にも配慮を受けていて、地域医療支援病院の開設主体になるなど、地域医療の担い手として期待されています。

NPO法人

団体の構成員に対し収益を分配することを目的としない団体のことです。社会貢献を目的として定められた20分野の中で特定非営利活動を行います。社会福祉法人よりは厳しくないものの、設立には所轄庁による認証が必要です。
地域のボランティア団体などと連携している場合が多いでしょう。

財団法人

「人」ベースではなく、ある特定の個人や企業などの法人から拠出された「財産(基本財産)」をもって設立され、これによる運用益である金利などを主要な事業原資として運営する法人のことです。
財団には一般財団法人と、税制面で優遇される公益財団法人の2種類があり、事業主の意向が理念に色濃く反映されている場合があります。

一般社団法人

非営利法人で、2名以上の「人(社員)」が必要で、社員には個人の他、会社などの法人も就任が可能です。「非営利(=利益を分配しない)」を担保すれば、収益を目的としても良いなど規制が少なく、設立も比較的容易な反面、株式会社と同じく税制面の優遇はありません。

社会福祉連携推進法人

2022年度スタートの新たな法人制度で、複数の社会福祉法人等が社員となり、福祉サービス事業者間の連携・協働を図るものです。
社員となる各法人の独自性を保ちつつ、人材採用や研修、共同購入などを一体的に行うことで、スケールメリットを生かした運営が可能になります。また、災害時に施設間で職員の応援派遣をするなどの連携も考えられます。

一番は応募してみること

上記のように、法人格が変わると働き方や待遇面も変わるものです。しかし同じ法人であっても、そこで働いている人や会社の方針で、今回紹介した特徴と大きく異なる法人もあるかもしれません。そのため、今回紹介した内容はあくまでも参考程度にとどめておくといいでしょう。

それよりも確実に施設の様子を知りたいのであれば、実際に応募して、見学や質問を行うという方法もおすすめです。しかし直接コンタクトを取るのは勇気が必要なこと。まだそこまで気持ちが固まっていないようであれば「現場のホンネ」で先輩たちの声を聞いてみたり、「ストーリー」で施設に対する想いを見たりして、気持ちを高めてからコンタクトを取ってみてもよいかもしれませんね。

まとめ

介護施設を運営している法人格はさまざまなものがあり、それぞれ特徴も異なります。法人格の違いだけで施設の良し悪しを決定することはできませんが、求人選びの参考にはなるでしょう。

より具体的な情報を得たいなら、実際に求人へ応募して見学・質問してみましょう。しかしまだ直接コンタクトを取るほど気持ちが固まっていない場合は「現場のホンネ」や「ストーリー」で気持ちを高めてから行動してもいいかもしれませんね。

この記事のライター

ささえるラボ編集部です。
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